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子どもにテレビは見せてもいいの?テレビの子どもの影響と見せ方について。

公開日:2021/11/23
最終更新日:2022/01/22

テレビは子育てに必要不可欠

子どもの面倒を見ながら、家事や仕事をするのは難しいですよね。そこで活躍するのがテレビです。子どもがなんの問題を起こさずに、おとなしくしてもらえます。ずっと子どもにかまっているのも精神的に苦痛ですし、家事や仕事が進みません。テレビは必要不可欠だというご家庭は多いのではないでしょうか。

しかし、テレビの存在をありがたく思うと同時に、子どもにテレビを見せることに、どこか罪悪感を感じている方もいるかと思います。「テレビよりも、一緒に遊んであげたり、絵本を読んであげたりしたほうが、子どもにとっていいんだろうな」と思っていることでしょう。

子どもにテレビを見せることは、やはり子どもにとって悪いのでしょうか。まず先に言っておくと、子どもにテレビを見せても大丈夫です。ただ、子どものテレビ視聴には注意事項があります。今回は、テレビの子どもへの影響をお伝えしていきます。

子どもにテレビは見せてもいいの?テレビの子どもの影響と見せ方について。

テレビの子どもの生活習慣に与える影響

まずはテレビを見ることが子どもの生活習慣にどのような影響を与えるかです。倉敷短期大学の研究を紹介します。3〜5歳の子どもの親にアンケートを取り、テレビの視聴時間によって、生活習慣にどんな影響があるのかを調査しました。

洗顔や歯磨きをいつもすると答えた子どもは、テレビ視聴時間が1時間未満だと70.7%、テレビ視聴時間が3時間以上だと61.5%。排便を朝いつもすると答えた子どもは、1時間未満だと29.8%、3時間以上だと18.4%。排便後の手洗いをいつもすると答えた子どもは、1時間未満だと79.0%、3時間以上だと51.8%でした。

また、就寝時刻が不規則になりがちと答えた子どもは、テレビ視聴時間が1時間未満だと1.8%、テレビ視聴時間が3時間以上だと20.5%。嫌いな食べ物が多いと答えた子どもは、1時間未満だと8.8%、3時間以上だと28.2%。さらに1時間未満の子どもはジュースを飲む量も少なく、朝食もしっかりとっている傾向があることがわかりました。

そして、あいさつをいつも言う子どもは、テレビ視聴時間が1時間未満だと76.8%、テレビ視聴時間が3時間以上だと59.0%。外遊びをすることが多い子どもは、1時間未満だと28.1%、3時間以上だと5.1%。

ここまで見ると、衛生面や食事や睡眠など全体的に、生活習慣はテレビ視聴時間が短いほど良いということがわかります。これはテレビが悪影響というよりは、テレビ視聴時間が長いほど、ママ、パパとのコミュニケーション時間が短く、親とのコミュニケーションから得られる脳の発達ができなかったり、しつけが行き届かなかったりするからではないかと考えられます。

反対に、テレビの視聴時間が長くても、ママ、パパがしっかりコミュニケーションをとっていれば子どもの生活習慣に悪影響はないかもしれません。

ただし、お手伝いに関して言うと、テレビ視聴時間が1時間未満だと19.3%、テレビ視聴時間が3時間以上だと25.6%と逆転します。これは、親とのコミュニケーションが不足している子どもが、お手伝いを通して親とのコミュニケーションをもっと図ろうとしている証しなのではないかと個人的に考えました。

アメリカの小児科学会の声明

続いて、アメリカの小児科学会が子どものテレビ視聴に関して出した声明です。

この声明では、長時間のテレビ視聴は肥満のリスクが上がり、テレビが常についている家庭では読書時間が少ない、1日2時間以上テレビ視聴している子どもは集中できる時間が短く、睡眠の問題が多くなるなどといった、テレビ視聴は子どもに悪影響がたくさんあるということを述べています。

ただし、双方的な使い方であれば、問題はないということも述べています。つまりは、テレビの中の人やキャラクターが質問などを投げかけて、子どもが答えたりするなどのなにかしらのリアクションをするようなテレビ番組は推奨しています。

特に勧められているのは「ビデオチャット」であり、テレビというよりは、離れて暮らすおじいちゃん、おばあちゃんなど、誰かと会話することです。

また子どもにテレビを見せるときの指針も出していて、その中でも重要なものを紹介します。

まずは、生後15ヶ月未満の子供にはできるだけテレビを見せないこと。次に、生後15ヶ月以降も1〜1.5時間に制限すること。そして、テレビを見せるとしても、双方向で高品質なものにすることです。

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テレビでの学習効果について

テレビでの学習について調べた研究もあります。知育DVDなど最近は売られていますよね。その効果はあるのでしょうか。

ワシントン大学では、知育DVDについての研究をしています。生後17〜24ヶ月の子どもを持つママにインタビューをしたところ、知育DVDでは語彙力が伸びないことがわかりました。

むしろ、1日1時間DVDを見て過ごすと、見ていない子どもと比較すると、1時間あたりに理解できる単語数が6〜8語減ってしまうとも言っています。

さらにバージニア大学では、生後12〜18ヶ月の子どもを対象に、1ヶ月間DVDで単語を学習させたところ、DVDで見ていなかった子どもと比較して、覚えた単語数が少なかったことがわかりました。

単語を覚えられたのは、親と一緒に勉強した子どもたちだそうです。残念ながら、語彙力に関しては、知育DVDには効果が低く、ママ、パパが教えるほうが上がるようです。

知育DVDの学習効果を1.5倍にする方法

知育DVDには効果が低いですが、「自分では教える自信がなく、知育DVDで学習させたい」というママ、パパもいらっしゃるかと思います。そこで知育DVDの学習効果を1.5倍にする方法があります。

生後22〜24ヶ月の子どものDVDによる学習効果を調査する実験があり、結論を言うと、大人が一緒に見ながらサポートしてあげると、正答率が1.5倍にすることができました。

DVDを見て、子どもが理解できないところを、大人が補ってあげることで、学習効果を高めたということです。

テレビについての他の研究

テレビに関して他の研究についてもご紹介していきます。

ある研究では、3歳未満の子どものテレビ視聴時間が、1時間増えるつれて、7歳をむかえたときに注意力についての問題が起こるリスクが、10%増加すると言われています。

また、4歳未満の子どものテレビ視聴時間が、1時間増えるにつれて、小学校に入学する頃にいじめをしてしまうリスクが、9%増加すると言われています。

テレビに関する研究では、全体的に「テレビは子どもにいい影響を及ぼさない」という研究が多いです。

テレビを見せるべきかの結論

これまで紹介してきた研究から結論を言うと、まずテレビ視聴時間は短ければ短いほどよく、特に生後15ヶ月未満の子どもには見せないほうがいいです。

また、テレビを見るならば、ママ、パパと一緒に見るのが理想的です。テレビ視聴時間が長いと起こる問題の多くは、ママ、パパとのコミュニケーション不足が原因であることが多いです。

そして、子どもだけでテレビを見せるのであれば、1日1.5時間以内で、双方向のやりとりがあるものが望ましいです。日本でテレビを見せるのであれば、NHKの教育番組なのかもしれません。

子どもにテレビは見せてもいいの?テレビの子どもの影響と見せ方について。

まとめ

いかがだったでしょうか。テレビは子どもに見せてもいいのか、悪いのかについてお伝えしてきました。

テレビの視聴時間は短けれ短いほど良く、テレビでの学習は効果が低いです。しかし、冒頭で述べた通り、子育てにテレビは必要不可欠かと思います。毎日、子どもの面倒を見ながら家事や仕事をするのは本当に大変で、子どもにテレビを見させている間に、家事などをこなしたり、ホッとひと息ついたりすることができます。

子どものためを思い、「テレビを絶対に使わない」と決意するのもいいですが、そのせいで自分に余裕がなくなって、溜まったストレスを子どもにあたってしまっては、元も子もありません。

うまくテレビを利用して、子どももママ、パパも楽しく過ごせるといいですね。先ほど述べた結論を意識して見るといいかもしれません。

ちなみに、スマホで動画などを見ることも、テレビの視聴と同じと考えたほうがいいかと思います。テレビの視聴時間、テレビ番組内容だけでなく、動画サイトの視聴時間、動画の内容にも気を配りましょう。

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