子どものスマホ依存に気をつけよう!スマホ依存が子どもの心と体にトラブルを起こす前に。
最終更新日:2021/05/12
スマホ依存とは?
子どものスマホ依存、心配ですよね。小学生の間でもスマホ依存になる子が増えてきています。気づいたら、子どもが長時間YouTubeやゲームをしていた、ということはありませんか。
しかし、パパ、ママも、子どもと同時にスマホ依存になっているかもしれません。「自分はスマホ依存なんじゃないか」となんとなく気になっていても、見なかったことにしていませんか。
スマホ依存とは、どのような状態でしょうか。まず依存とは、あるものの使用、行為が精神的、身体的に切り離せなくなり、自分ではコントロールできない状態のことです。
そして、スマホ依存とは、時間を忘れてスマホに没頭し、やるべきことをおろそかにしてしまったり、常にスマホを持っていたり、画面を確認したり、操作していないと、不安やイライラしたりする状態です。
今回は、スマホ依存によって引き起こされる心や体へのトラブルや、スマホの使い方に関しての子どもとの約束についてお伝えしていきます。すでにスマホをお子さんに持たせているという方、これから持たせようと思っている方はぜ参考にしてみてください。
心や体にトラブルを起こしやすい
では、ここからはスマホに依存しているとどんなことが起きてしまうのか、子どもの体と心にどんな影響があるのかをお伝えしていきます。
①目の不調やトラブル
まず、目の不調やトラブルです。
例えば、目の疲れや視力の低下、ドライアイなどがあります。裸眼視力が1.0以下の子どもは、親世代よりも増加傾向にあるようです。
特に生まれてから、小学校に上がるまでの乳幼児期が子どもの目の発達に非常に重要です。この時期に強い遠視や乱視、近視、斜視になっていると、視力が発達せずに、弱視になってしまうと言います。
また、目と物の距離が30cm以内で30分以上作業続けると、近視になるのが早くなるとされています。スマホを見る距離は、大人で20〜25cmと言われており、体の小さい子どもの場合はもっと近づいて見ているはずです。
②肩や首のコリ
次に、肩や首のコリです。
スマホを操作していると、自然と猫背になってしまいます。猫背だけでなく、スマホ巻き肩、スマホ首にも注意が必要です。スマホ巻き肩、スマホ首は、スマホを長時間のぞき込むことによってなる、これまでになかった症状です。
スマホ巻き肩とは、肩が前に出てきて、体の前面の筋肉が凝り固まります。すると、体をそらしたりする動作がしにくくなります。
スマホ首とは、ストレートネックとも言われ、首を前に出す姿勢が続くことによって、首や背中に負担をかけている状態です。
③規則正しい生活への影響
次に、規則正しい生活への影響です。
スマホを夜遅くまで見ていて、夜更かしになってしまい、朝起きられなくなっている子どもが増えているようです。結果、規則正しい生活ができなくなってしまいます。昼夜逆転して、不登校になったというケースもあります。
特に、夜寝る前のスマホは悪影響を及ぼします。スマホの画面から出るブルーライトを浴びると、脳は「まだ昼間だ」と勘違いをして、目が覚めてしまうのです。また、スマホの光を浴びることで、睡眠の質までも下げてしまうでしょう。質の良い睡眠は、体と心の健康には、必要不可欠です。
また、睡眠時間だけでなく、家族団らんの時間や友だちと遊ぶ時間、なにもしないでぼんやりとする時間など、子どもの成長にとって大切な時間も奪ってしまいます。
④イライラやストレス
次に、イライラやストレスです。
長時間スマホをいじっている人を調べてみると、なんと脳が麻薬や覚せい剤中毒者と同じような変化をしていることが明らかになっています。
これはスマホによる継続的な脳への刺激が脳をそうさせています。明るい画面や面白い情報などを脳に与え続けることで、脳が疲弊します。
スマホを持っていなかったり、操作していないとイライラしたり、不安になったり、暴言や暴力が増えたりなど、自己コントロールができません。また、このような継続的なストレスは、心の病気にもつながってしまう可能性があります。
⑤成績の低下
そして、成績の低下です。
スマホ依存は、スマホを操作していないとイライラしたり、不安になったりする状態。当然、勉強に集中ができなくなり、成績は下がります。自宅での学習だけでなく、学校や塾の授業でもスマホのことを考えて、先生の話が耳に入ってこないかもしれません。
実際に、ある調査では、スマホの使用時間が長い子どもほど、学力が下がると言われています。また、5年追跡調査をして、スマホの使用をやめた子どもは学力が上がったそう。また、同じ自宅学習時間でも、スマホ使用時間が短い子どものほうが、成績は高い傾向にあります。
SNSの影響で、子どものコミュニケーションには欠かせないものに
LINEなどのSNSは、友だち同士のコミュニケーションツールとして必要不可欠なものになっていますよね。スマホがないのは、友だちと話す機会が減ってしまうのと一緒です。
今の子ども達の親世代では、テレビ番組の話題が同級生とのコミュニケーションに欠かせなかったはず。テレビの話題についていけないと、同級生の会話に入れなかったりしませんでしたか。
それと代わって、現代の子どもたちが話題にするのは、LINEなどのSNSやYouTubeなどの動画サイトの内容です。
スマホを取り上げられれば、同級生との共通の話題も減ってしまいます。それが「仲間外れにされるんではないか」という心配を引き起こし、子どもがスマホ依存になる背景となっているケースもあるようです。
子どもと約束したいスマホの使い方
スマホ依存になるのは怖いですが、「スマホがない生活」というのは、今や考えることはできませんよね。それにスマホを子どもから取り上げるのは、根本的な解決とは言えません。スマホと上手に付き合っていくことが大事です。
そのために、子どもとスマホの使い方に関して約束をしましょう。また、守れなかったときのペナルティーも事前に決めておくといいでしょう。
ここからは、子どもと約束したいスマホの使い方について紹介していきます。
①スマホを使う時間やタイミング
まずは、スマホを使う時間やタイミングです。
スマホの使用時間を子どもの自由にさせると、スマホ依存に陥りやすくなってしまいます。子どものスマホを使う時間にはルールを作りましょう。
例えば、「スマホの使用は1日2時間まで」など使用時間を制限したり、「ご飯中は使わない」、「朝は10分だけ、夕食後は30分」など、使ってもいいタイミングを制限したりです。
特に、避けたいのは就寝前の使用です。スマホの画面の光を浴びずにいることで、自然と眠りに就くことができ、生活のリズムも整います。
②データ量の制限
そして、データ量の制限です。
使える通信データ量を無制限にしておくのも、子どもがスマホ使いすぎることにつながります。親が使用時間を制限していても、親の目を盗んで使用する可能性もあります。子どものスマホを契約するときに、使えるデータ量を制限しておくといいでしょう。
また、「アプリをダウンロードするときには、保護者が承認できるように設定する」、「ゲームや動画の使用に制限、ロックをかける」なども有効です。
スマホを使わずに時間を過ごせるように習い事に通わせることも一理ある
子どもがスマホに熱中しすぎてしまうならば、ほかのことに熱中させてみるのは、1つの手段です。子どもがスマホよりも夢中になりそうな習い事をさせて、スマホのことを忘れさせてみましょう。
スマホ依存になりやすい人が多いのは、スマホはとても刺激的で、何回か画面をタップするだけで、簡単にその刺激は手に入るからです。さらに言うと、刺激から次の刺激への間隔も短く、「やる気ホルモン」とも呼ばれるドーパミンを感じにくくなってしまいます。
ドーパミンを感じにくいと、どうなってしまうのでしょう。記憶力や集中力が下がったり、ものごとへの挑戦心が少なかったり、性格が冷たく、人付き合いに不安を感じてしまったり、悪いことがたくさんあります。
習い事では、ある程度刺激を得るためにある程度の難しさがあり、刺激から刺激への間隔も長く、ドーパミンを感じやすくなります。特に体を動かすスポーツ系の習い事がいいかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか。スマホ依存による心や体へのトラブルや、子どものスマホの使い方ついてお伝えしてきました。
昔から人は生き残るために、他の人とのコミュニケーションを大事にしてきました。ですから、コミュニケーションを関連づくスマホに意識が持っていかれるのは、ごく自然のことです。
さらにスマホには、動画サイトやゲームなどのエンターテイメントも含まれており、スマホに熱中するのを避けるには難しいことです。
使い方にはルールを設けて、お子さんがスマホと上手に付き合えるようにしていきたいですね。