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パズルはどんなものを選べばいいの?パズルを選ぶのに参考になる2つの実験。

公開日:2021/11/01
最終更新日:2021/10/30

パズルにはいいことがたくさん!

パズルが知育に良いことは、説明されなくても、なんとなくわかっていますよね。実際にさまざまな研究では、子どもがパズルで遊ぶことによって、空間認識能力、問題解決能力、戦略的思考、視覚と指先の連携、社会性の発達、一部の数学的あスキルが身につくことが判明しています。こんなにたくさんの能力が身につくなんて、正直びっくりですよね。

ただ実際に、子どもがどのような情報を使ってパズルを組み立てていくかは、わかっていませんでした。

今回は、2021年に発表されたイギリスの研究をご紹介し、3〜5歳の子どもがどのような情報を使ってパズルを組み立てていくのか、そしてその結果から、どんなパズルを選ぶといいのかをお伝えしていきたいと思います。

パズルはどんなものを選べばいいの?パズルを選ぶのに参考になる2つの実験。

メタ表象とは?

まずは、「メタ表象」という言葉の説明をしたいと思います。難しい言葉のように聞こえますが、簡単にいうと、イラストや図、言語などが、どんなことやものを表象しているのかを理解することです。

例えば、ゾウのイラストと本物のゾウが同じであるということを理解できることです。パズルなら、完成図のイラストを見て、「このパズルを完成させると、このイラストになるんだ」と理解できるということです。このメタ表象が理解できるようになるのは、4歳前後と言われています。

イギリスの2つの実験

これまでの研究によって、子どもはこのメタ表象よって、「このパズルはゾウさんが描いてあるんだ」と理解し、パズルのピース同士の絵のつながりを見つつ、ピースがハマるかどうかを試しながら、パズルを完成させていくと考えられていました。

また、箱に書いてあるパズルの完成図は、完成図が理解できる年齢の子どもにとって、パズルの完成を助けてくれるものと研究者は考えていました。

このような考えを実証するために、パズルをしてもらう実験2つと、メタ表象の理解、完成図を参照できるかを測るテストを行い、子どものパズルの組み立て方を観察しました。

実験①

まずは1つ目の実験です。
この実験では3〜5歳の117名の子どもが、どのような情報を使ってパズルを完成させるのかを調べました。具体的に言うと、ピースの形なのか、イラストのつながりなのか、それとも両方の情報を使っているのかです。

もしピースの形のみを参考としているのであれば、イラストはまったく関係なく、ピースの接合部分が、それぞれピースで違っている必要があります。もしイラストのみを参考にしているのなら、ピースの形は関係ないので、パズルの接合部分がすべて直線のパズルでも完成させることができるはずです。このようなことを検証しました。

実験では、6ピースのパズルを3種類用意しました。1つ目は、完成させると1つのイラストになり、ピースもそれぞれ異なる普通のパズルです。2つ目は、ピースの形は1つ目のパズルと同じですが、イラストがなく各ピースが違う色をしている形ベースのパズルです。3つ目は、1つ目のパズルと同じイラストが描かれていますが、各ピースが長方形で形からの情報がありません。

研究者は子どもに完成した状態のパズルを見せ、「これを元どおり戻せるかな?」と言って、目の前でバラバラにしました。その後、3分間で子どもがパズルを完成させるのを待ちました。また、半分の子どもには完成図を見せて、パズルを解かせました。

研究者は完成までの所要時間、違う組み合わせのピースをくっつけようとした回数を測定しました。それに加えて、メタ表象の理解、完成図を参照できるかを測るテストも同時に行いました。

1歳から12歳までの学童型知育教室アデック

実験①の結果

結果はどうだったでしょうか。

ほぼすべての4、5歳の子どもはどのパズルも3分以内で完成できていました。3歳では普通のパズルと形ベースのパズルは8〜9割の子どもが3分以内に完成できていましたが、イラストベースのパズルは4割程度の子どもしかできていませんでした。

これは、3歳にはイラストをハサミで切ったような簡易的なパズルは難しいということです。

そして、イラストベースの完成率は、メタ表象の理解と相関していました。「ゾウのイラストと本物のゾウが同じ」と理解できないと、パズルをイラストによる情報だけで完成させるのは難しいということです。

前述した通り、メタ表象の理解は4歳前後で理解できるようになるので、3歳以下の子どもはイラストよりも形から情報でパズルを解いていくということがわかります。

また、形ベースのパズルで完成図のない状態で解いてもらった場合、もっとも時間がかかり、組み合わせが違うピースをくっつけようとした回数も多かったです。そして、どの年齢であっても完成図を参照できるそうですが、完成図の参照が時間短縮につながったのは形ベースの
パズルのみでした。

この実験では、子どもは完成図を形ベースのパズル以外で参照したかがわかりませんでした。そこで実験②で明らかにならなかったことをさらに調査しました。

実験②

3〜4歳の子ども52人を対象に、子どもはパズルを解く際に、完成図を参照しているかを調査しました。

使ったのは1ピースが抜けているパズル、かつ抜けたピースに選択肢があり、これが3種類2パターンあります。普通のパズル、色だけのパズル、完成図に色がないパズルを使いました。これらをそれぞれ検証し、完成図の色、イラスト、その両方のどれを参考にしているのかがわかります。

子どもには最後のピースだけをはめて、完成してもらいました。研究者は、子どもがピースを選ぶ前に完成図とピースをどれだけ見比べていたかを観察していました。ここでも、メタ表象の理解、完成図を参照できるかを測るテストも同時に行いました。

実験②の結果

結果はどうだったでしょうか。

3歳児も4歳児も高い確率で正しいピースを選ぶことができました。ただ、4歳児のほうが正しいピースを選ぶことができ、完成図とピースを見比べる回数がより多かったです。

また、正しいピースを選ぶことができた回数は、完成図を見る回数と相関していました。たくさん見比べた子どもは正解率が高かったということです。

メタ表象の理解と正解率、見比べる回数も相関関係にありました。ゾウのイラストと本物のゾウが同じものだと理解できるようになると、完成図をよく参照し、正解率も高くなることを示しています。メタ表象の理解がより進んでいる子どもは、完成図をよく参照していたことがわかりました。

2つの実験からわかったこと

実験①からわかったことは、子どもはパズルを組み立てるときに、形とイラストの両方の情報を使いますが、メタ表象の理解が進んでいない3歳児はイラストの情報を使うことはまだ難しいです。

3歳児の子どもにはピースがぴったりとハマるかどうかで完成させる子が多いので、3歳以下の子どもには「ピースをよく見てごらん」と視覚に訴える声かけよりも、「どれがハマるかな」と実際にハメてみせるよう促す声かけがいいでしょう。

また、形ベースのパズルはイラストありのパズルと比べると、完成図がなければ難しいです。

そして、実験②からわかったことは、メタ表象の理解が進んでいるほど、完成図を参照していました。ただ、少なくとも3歳児でも完成図を見て、対応する最後のピースを選ぶ能力は持っています。

パズルの選び方

そして、いよいよどのようなパズルを選べばいいかをお伝えしていきます。

最初に前提として、「子どもに合う難易度のパズルを選ぶこと」です。これは言われなくともわかることだと思いますが、紹介した実験に限らず、同じ年齢でもパズルが得意な子と苦手な子がいます。

よくパズルに対象年齢が書かれていますが、書かれている年齢は少し低めに設定されているようです。対象年齢に惑わされずに、自分の子どものちょうどいい難易度を見極めましょう。

これをふまえて、どのようなパズルを選べばいいかというと、まず3歳児以下の子どもにパズルをさせるのなら、ピースがそれぞれ形が異なり、ぴったりとハマるものが好ましいです。

次に、子どもが達成感を味わえいやすいパズルは、イラストがあるものです。

そして、もし難易度の高いパズルにパズルに挑戦させるのであれば、完成図があるパズルが完成させやすく楽しめるでしょう。

パズルはどんなものを選べばいいの?パズルを選ぶのに参考になる2つの実験。

まとめ

いかがだったでしょうか。パズルに関する2つの実験とパズルの選び方についてお伝えしてきました。

パズルの選び方については、当たり前なことのように思えますが、その当たり前なことが実験によって証明されていることは安心材料になるのではないでしょうか。今後、パズルを選ぶ際には、参考にしてみてください。