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子どもといっしょに環境問題を考えよう!オゾン層の破壊(オゾンホール)ってなに?

公開日:2021/06/09
最終更新日:2021/06/09

オゾン層ってなに?

環境問題を知っていくと、出てくる「オゾン層」や「オゾンホール」という言葉。なんとなくオゾン層が地球を覆っていることや、環境問題に関係していそうなことは知っていても、説明できる方は少ないのではないでしょうか。

オゾン層の破壊は、地球規模で今も進行中の環境問題です。私たち人類の責任は重く、私たちがこの問題を解決しなければなりません。子どもたちにもしっかりと伝えていきたいですよね。

今回は、オゾン層の破壊についてご紹介していきたいと思います。

まず、「オゾン層」とはなんでしょうか。オゾン層とは、地上から上空15km〜35kmくらいあたりにある、オゾンという気体が集まった大気の層のことです。

オゾン自体は有毒な気体なのですが、オゾン層は太陽から降り注ぐ有害な紫外線を吸収してくれています。有害な紫外線は、目や肌に悪影響を与え、浴び続ければガンになる可能性があります。オゾン層は、紫外線から私たち人類や地上に住む生き物を守ってくれるバリアのようなものであり、とても大切なものなのです。

次に、オゾンホールとは、オゾン層がとても薄くなり、穴が空いている状態のことです。1985年に、南極上空のオゾン層が大変薄くなっていることが判明しました。NASAの衛星観測データでは、ぽっかりと穴が空いた状態が映し出され、世界中の人を驚かせました。

北半球では北に行くほど、南半球では南に行くほどオゾン層は薄くなっています。日本でも4地点でオゾン層の観測をしていますが、やはりオゾン層は薄くなっているようです。

オゾン層の破壊ってなに

オゾン層が壊れるとどうなるの?

先ほど述べたように、オゾン層は太陽からやってくる有害な紫外線から、私たちを守ってくれるバリアのような役割をしています。

しかし、オゾン層が今、破壊されていっています。オゾン層が破壊されれば、地上に有害な紫外線が降り注ぎ、私たち人間だけでなく、動物や植物にも悪影響があります。

そうなると、私たち人間には、白内障という目の病気や皮膚ガンが増えると言われています。また、植物の育ちも悪くなります。海の浅いところにいるプランクトンも育たなくなり、プランクトンを食べる魚、そしてこの魚を食べる海の動物などにも影響が出てきます。

さらには、オゾン層が薄くなれば、地上に届く太陽エネルギーも大きくなるので、大雨や干ばつなど気象にも大きな変化が出てくると心配されています。

どうやってオゾン層は壊れるの?

オゾン層は、フロンという物質によって破壊されます。どうやって壊れるのかは、まずオゾンとフロンの構造について知る必要があります。

オゾンは酸素原子という粒が3つくっついたものです。酸素原子が2つくっついたものが私たちが呼吸で体に取り入れている酸素です。同じ酸素原子からできていても、2つか3つかで大きく性質の違う気体になります。そして、フロンは炭素の粒にフッ素と塩素の原子の粒がくっついたものです。

フロンは空気中に出されると、10年〜20年かけて、上空のオゾン層までやってきます。そして、フロンに紫外線があたると、塩素原子が切り離されます。そして、オゾンの3つある酸素原子から1つ奪ってしまいます。すると、オゾンは普通の酸素になってしまいます。こうしてオゾン層は壊されてしまうのです。

酸素原子とくっついた塩素原子は、紫外線によっ再び切り離され、次の新しいオゾンから酸素原子を奪います。こうして、次々にオゾンがなくなっていくのです。

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フロンってなに?

フロンは1928年に人間が作り出した化学物質です。燃えにくく、分解しにくく、人間の体に害がないといった、便利で使いやすい性質をもっているため、私たちの身の周りの製品にいろいろ使われてきました。

スプレー類や、冷蔵庫やエアコンで冷たい空気を作ったりするとき、またICなどの精密部品を洗ったりするときなど、さまざまな場面で大量に使われてきました。

しかし、人間が使い終わったフロンは空気中にただよったままで、今まで述べてきたように、オゾン層を破壊します。

優れた化学物質だと思われていたフロンですが、このまま使い続けてしまえば、地球に降りそそぐ紫外線の量がどんどん増やしてしまい、恐ろしい結果を招いてしまいます。そのため、世界中でフロンの代わりになる物質を開発しようとしています。

今でもフロンは使われているの?

今でもフロンは使われています。ただし、ヨーロッパやアメリカ、日本などの先進国では国際的な取り決めをして、1995年に「CFC」というオゾン層への影響の大きいフロンの製造をやめました。

そして、代わりにオゾン層への影響の小さい「HCFC」や「HFC」というフロンを使っています。また、2020年には「HCFC」の製造も取りやめられ、使えるのは「HFC」だけとなっています。

ただ、影響は小さいとはいえ、代わりのフロンもオゾン層を壊すことには変わりありません。発展途上国では、新しい設備を整えるのに費用がたくさんかかるので、フロンの規制が遅れています。さらに、先進国でも古い冷蔵庫やエアコンにフロンが使われています。

空気中に出たフロンがオゾン層に届くのは10年〜20年先ですので、今すぐすべてのフロンの使用をやめても、効果が出るのはずっと先のことです。

また、今先進国で使われている「HFC」は、オゾン層への影響は小さいですが、温室効果が高く地球温暖化を進めてしまうという欠点もあります。

子どもといっしょに環境問題を考える意義

オゾン層の破壊、地球温暖化、砂漠化、海洋汚染などの環境問題は、学校で習って初めて知ったという方が多く、家庭で環境問題について語る機会というのは少ないかと思います。

ただ、学校教育だけでは不十分なのではないでしょうか。環境問題は種類も多く、身近なものから、地球規模のものまであります。そして、環境問題を理解するために、学ぶべきことがたくさんあります。また、先ほどのようにオゾン層への影響は小さい「HFC」が、地球温暖化を進めてしまうように、とても複雑です。

特に、子どもによって環境問題に対する受け止め方も違うため、環境問題の重要性の伝え方も、生徒1人1人に合わせて変えなければいけないのも問題です。

多くの環境問題は加速する一方です。そして、子どもたちが将来どんな生活をするのかを決める問題でもあります。学校だけに任せるのではなく、各家庭でも環境問題でも話し、自分たちに何ができるのか語り合いましょう。子どもだけでなく、ママ、パパも環境問題に詳しくなり、関心が出てくるでしょう。

子どもにとって難しい話題も、早すぎることはない

家庭でも環境問題の話題をしようと述べましたが「子どもにとって難しいのではないか」や「早すぎるのではないか」と心配になるかもしれません。確かに環境問題は多種多様であり、子どもにとっては複雑な話題です。

しかし、環境問題は子どもたちの将来に大きく関わること。小さいうちから環境問題、環境に良い取り組み「エコ活動」について話をしてあげることで、より環境やエコ活動を身近に、重要に感じてくれるはずです。

小さな子どもでも理解しやすいように環境省が幼児向け環境教育コンテンツを配信していたり、環境やエコ活動について教えてくれる絵本があったりします。こういったものを活用して、楽しみながら環境問題、エコ活動を教えていくのも良いでしょう。

子どもとの会話のテーマが将来を決める

友だちのこと、テレビ番組の内容、親子の会話はどんな話題であっても重要です。では、今回のような環境問題のようなテーマはどうでしょうか。他にも飢餓問題、ジェンダーの問題、エネルギー問題など世界規模で問題となっている課題はまだまだあります。ママ、パパでも難しい話題でしょう。

しかし、「こういった解決しなければならない課題が私たち人類にはあるんだよ」と教えることが大事なのです。これらの課題を子どもなりに、何が問題か気づいたり、調べたりし、何が自分にできるのか考え、できることを実行していく。これは地球規模の課題解決に限らず、将来とても役に立つスキルになるのではないでしょうか。

また、課題解決のためにできることを習慣化したとします。例えば、電気はこまめに消すことや、なるべく公共交通機関を使うことなど。習慣が変わることは、ライフスタイルが変わるということ。また、どんな人間になるかということでもあります。子どもとの会話のテーマは将来を変えると言ってもいいでしょう。

オゾン層の破壊ってなに

まとめ

いかがだったでしょうか。オゾン層の破壊についてご紹介してきました。

オゾンホールの問題は私たち人間の活動によって引き起こされたものです。国際的な対策と同時に、私たち1人1人もこの環境問題に関心を持ち、取り組むことが必要です。

例えば、ノンフロン製品を選ぶことです。オゾン層や地球温暖化にも影響の少ない物質が見直されています。冷蔵庫などもフロン類を使用しない製品が発売されています。

また、オゾン破壊をきっかけに、子どもが他の地球規模の環境問題や社会問題にも目を向けられたらいいですね。

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