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日本のおとぎ話から学ぶ、いいことだけではない、子どもにドキッとした学び。

公開日:2021/01/03
最終更新日:2020/12/29

日本のおとぎ話から学ぶ、子どもにドキッとした教訓

日本のおとぎ話には、ハッピーエンドに終わる話もあれば、不幸な結末を迎える話もあります。前者は『ももたろう』や『かさじぞう』が代表的な話として挙げられ、勇気や努力、人を思う気持ちの大切さなどを学ぶことができます。後者の話の場合は、不幸な結末を悲しむというより、その結末から何を学ぶかが大切です。

不幸な結末を生み出すのは、わがままな気持ちやずる賢さであったり、嘘をついたり、秘密を破ったりといった人間の愚かさがほとんどです。そんな登場人物の姿や態度を考えながら、反面教師として学べることは何かという視点で読むことで、ただおとぎ話を読むのではなく、学びを得るための読書に変わります。

今回は子どもにドキッとした教訓を与える日本のおとぎ話を紹介します。あらすじや内容を知っているものがほとんどだと思いますが、何を学ぶことができるのかを整理していきます。

読書の習慣をつけよう

おむすびころりん

まずは『おむすびころりん』です。

昔、おじいさんが山で木を切っていました。お昼になったのでお弁当のおむすびを食べようとすると、うっかり転がしてしまい、穴に落っことしてしまいました。

すると、穴の中から歌声が聞こえます。おじいさんは喜んで、もう1つおむすびを穴の中に入れました。するとまた、歌声が聞こえ、歌に夢中になったおじいさんは穴の中に落ちてしまいました。落ちた先はネズミの屋敷で、おじいさんはネズミたちに歓迎され、帰りには土産に小判の入ったお重をもらった。

それを聞いた隣の欲張りじいさんは、同じようにおむすびを持って、穴におむすびを投げ入れ、自分も穴に飛び込みました。ネズミの屋敷に着いた欲張りじいさんは、歓迎されましたが、小判を奪おうと猫の鳴き真似をします。しかし、その作戦は失敗し、欲張りじいさんはネズミたちに痛い目に合わされ、逃げ帰るのでした。

この話は、欲張ってはいけないというメッセージが込められたお話です。欲張ったり、ズルをしたりしようとすると、幸せは逃げていってしまうのです。

こぶとりじいさん

次は『こぶとりじいさん』です。

顔に大きなこぶのあるおじいさんが2人いました。片方のおじいさんはのんきで、もう片方のおじいさんは心が狭い性格でした。

のんきなおじいさんが山で木を切っていると、突然雨が降ってきました。木のうろで雨宿りをしていると、いつの間にか眠ってしまいます。目がさめると、鬼たちが楽しそうに踊っていました。おじいさんもついつい鬼たちと一緒に踊ってしまいます。おじいさんの踊りを気に入った鬼は、「また明日も来るように」、「それまでこれを預かっておく」と言い、顔のこぶをとってくれました。

それを聞いた心の狭いおじいさんも、こぶを取ってもらおうと、その夜、鬼たちの踊りの輪の中に入っていきます。しかし、のんきなおじいさんと違い、踊りが嫌いでいやいや踊っていたので、鬼たちは興が醒めてしまったのでした。そして、こぶを取ってもらうつもりが、昨日預かっていたこぶを顔につけられてしまいました。

心の狭いおじいさんは、のんきなおじいさんを羨んで、同じ行動をしてしまいます。しかし、2人は違う性格。もちろんその結果も変わってきます。自分の身の丈にあった行動をした方がいいということを学べます。

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したきりすずめ

次は『したきりすずめ』です。

優しいおじいさんが、怪我していた1羽のスズメを手当して、可愛がっていました。しかし、おばあさんはこれを面白がっていませんでした。

ある日、おばあさんが作ったのりをスズメが食べてしまい、怒ったおばあさんはスズメの舌を切ってしまいました。おじいさんは逃げていったスズメを探しに森へ行きました。

スズメのお宿にたどり着いたおじいさんは、可愛がっていたスズメに歓迎されます。帰りに大小のつづらのどちらか持って帰っていいと言うので、おじいさんは持ち帰るのが楽な小さいつづらを持って帰りました。家に着いて開けてみると、中には宝物が入っていました。

欲張りなおばあさんは大きなつづらを手に入れようと、スズメのお宿へ行き、大きいつづらを背負います。家に帰る途中、おばあさんはつづらの中身が気になって開けてみました。すると、中からはお化けがうじゃうじゃと出てきて、おばあさんは慌てて逃げ帰るのでした。

この話の教訓は、欲張ると痛い目に合うということです。また、人に意地悪をすると自分に返ってくるというメッセージもあります。

つるのおんがえし

最後は『つるのおんがえし』です。

ある日、おじいさんは罠にかかったツルを見つけ、それを助けます。するとその夜、道に迷ったと言う娘が訪ねてきて、おじいさんとおばあさんは困っている娘を家に入れてあげました。

翌朝、娘は機織り部屋に篭り、しばらくすると美しい布を持って出てきました。おじいさんはそれを町に持っていき、高い値段で売ることができました。

機織りするときは、中を覗かないでと娘が言いますが、日に日に娘がやつれていくので、おじいさん、おばあさんは心配して、ついに機織り部屋の中を覗いてしまいました。中には1羽のツルが羽を抜いて布に織り込んでいました。ツルが気づくと、「恩返しにきましたが、もうお別れです」と言い、飛び去って行きました。

理由もなく「しないで」と言われたことは、ついついしたくなってしまいますが、それでもしてはいけません。それは友だちとの間でも言えることで、「しないで」と言われたことをしてしまうと、鶴のように離れていってしまうかもしれません。

親子で読むことで、学びが深まる

ここまで紹介した4つのおとぎ話は、ストーリーを楽しむ以上に内容から得られる教訓について考えることが大切です。そのためには、子ども一人で読ませるのではなく、親子で読むことで学びを深めていくことができます。

『おむすびころりん』の話にあるような欲張らない、ズルをしない大切さは、普段からママやパパが一生懸命伝えているかもしれませんが、言われているだけでは、子どもはなかなかその大切さに気づきません。どちらかというと、心に蓋をしがちなタイミングである、叱られたり、注意を受けたりしているときに言われることなので聞く耳を持ちづらいのかもしれません。

しかし、このストーリーを知った上で欲張らない、ズルをしない大切さを聞くと、ストンと腹落ちします。これがおとぎ話を通じた心の教育の面白いところであり、効果的なところです。

普段からママやパパが伝えていることをおとぎ話を通じて「あ、本当に大事なんだ」と気づくことにつながります。おとぎ話を通じた心の教育は、ママやパパの普段の声かけを補ってくれているとも言えます。

子どもの年齢にもよりますが、絵本の読み聞かせが最適でしょう。絵本の読み聞かせは親子で時間を共有することにもなりますので、効果は膨れ上がります。子どもだけでなく、ママやパパも改めて学びを得る機会にもなりますので、ぜひ、子どもと一緒に楽しんでみてください。楽しみながら学ぶことこそ、知育の本質です。

海外で言えば、イソップ物語やアンデルセン童話も

日本のおとぎ話だけでなく、海外で言えば、イソップ物語やアンデルセン童話もそのストーリーから同じように教訓を学べるチャンスが広がっています。

イソップ童話では『うさぎとかめ』や『アリとキリギリス』が有名ですし、アンデルセン童話では『はだかの王様』や『みにくいアヒルの子』などが有名です。これらの話も、道徳的な教訓が散りばめられており、今回挙げた日本のおとぎ話のような読み方を深めることで、子どもの心の成長につながります。

おとぎ話から学ぼう

まとめ

いかがだったでしょうか。ここまでみんなが知っている日本のおとぎ話、特に子どもにドキッとした教訓を伝えられる作品についてご紹介してきました。

小さいときに読んだ話、特にママやパパから読み聞かせてもらった話については、子どもの記憶に残りやすくなります。その中で、これからを生きる教訓を学べることは価値のある時間となります。ぜひ、親子でおとぎ話を楽しんでみてください。