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日本の民話もなかなか奥が深い。子どもと学ぶ日本のむかし話。

公開日:2020/12/14
最終更新日:2020/12/10

日本の民話は奥が深い

日本にはさまざまな昔話が存在します。『桃太郎』や『浦島太郎』といった多くの人が知っている昔話から、それぞれの地方や地域に伝わる民話まで。全31巻あるという『日本昔話通観』には約60000話掲載されているそうです。

日本の民話は、それぞれの土地に祀られている神様の伝承であったり、地域の言い伝えであったりと歴史や由来が語られるものが多く、ストーリーの内容以上に地理や歴史の勉強につながるものが多いです。

ここからはいくつかの日本の民話のご紹介をしていきます。興味がある話はぜひ動画や本を検索して、その具体的なストーリーを楽しんでみてください。

民話をお母さんに読んでもらおう

足長手長

1作目は『足長手長』です。

昔、会津の地にどこからともなく、夫婦の魔物が現れました。夫はとても足が長く、雲を集め、妻はとても手が長く、湖から水を集め畑に雨を降らせました。そして毎日、空は真っ暗で雨が降り続けます。このままでは、畑の作物が腐ってしまいます。困っている人々を見て、足長手長は大喜び。暴風や雷などもっと意地悪をするのでした。

そこに1人のお坊さんがやってきて、村人の話を聞き、足長手長の元へ向かいます。足長手長に対し、「さすがのお前たちでもこの小さな壺に入れないだろう」と挑発します。足長手長はお坊さんに「できたら命をもらうぞ」と言い、小さくなって、壺の中に入ります。お坊さんは壺の蓋を閉め、2人を閉じ込めます。お坊さんは2人を山の明神として祀り、会津にまた太陽の日が射すのでした。

因幡の白兎

2作目は『因幡の白兎』です。

因幡という地に白いウサギがいました。ある日、向こう岸へ渡りたかったウサギはサメを騙して、渡ろうとしますが、怒ったサメに皮を剥がされてしまします。

そこに大勢の神様が、美しいヤガミヒメに結婚を申し込みに行こうと通りかけました。泣いているウサギに神様たちは「海水を浴びて風に当たるといい」と意地悪を言います。

そこに他の神様の荷物を持った神様が通りかかり、泣いている訳を聞き。「真水で洗いガマの穂をほぐしたところに寝なさい」と言い、ウサギは言われた通りにすると、体はすっかり良くなりました。

ウサギは感謝して「ヤガミヒメは心優しいあなたと結婚するでしょう」と言い、それからウサギが言ったようにその神様はヤガミヒメと結婚するのでした。

飯降山

3作目は『飯降山(いぶりやま)』です。

ある山に、厳しい修行のため、3人の尼さんが入って行きました。食べるものも寝る場所も十分ではないものの、3人は支え合って、苦しさを耐えていました。

ある日のこと、天からおにぎりが3つ降ってきました。尼さんたちは仏様からのお恵みとありがたく食べました。それから、毎日おにぎりが降ってくるようになり、山の草や木の実を食べることはなくなりました。

しかし、もっとおにぎりを食べたいと思った年上の尼さんと真ん中の尼さんは、年下の尼さんを殺してしまいます。2人は「これで食べる分が増える」と、おにぎりを待ちますが、降ってきたのは2つだけ。

そして、真ん中の尼さんも、年上の尼さんによって殺されてしまいます。「これで2つともおにぎりを独占できる」と年上に尼さんは待ちわびますが、おにぎりが降ってくることは2度とありませんでした。

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おさん狐

4作目は『おさん狐』です。

昔、河原に「おさん狐」と呼ばれる美女に化けるのがうまい年老いた狐がいました。その噂を聞いた男たちは、それが狐だと知りながらも夜な夜な会いに行くのでした。

ある晩、旅の行商の男が通りかかり、おさん狐はさっそく若い娘に化け、男に声をかけました。男は狐の家に誘われるままに入って行きました。

男はおさん狐の正体を見破り、人と狐という垣根を越えて飲み明かそうと言います。そして、おさん狐は若い頃の恋の話を話し出し、2人は一晩中語り明かしました。

朝になると、男はまた旅に出て、おさん狐はそれからも、人と狐の垣根を越えて、河原にくる男相手に打ち明け話を聞いたりするのでした。

鬼子母神さま

5作目は『鬼子母神さま』です。

狭山という平和な村がありました。しかし、この村に子どもをさらう鬼女が現れようになり、毎日、子どもが1人、また1人とさらわれ、ついには子どもの姿がまったく見えなくなりました。村の大人たちは子どもを失って、悲しみにくれ、お釈迦様に助けを求めます。

お釈迦様は鬼女を言い聞かすために、鬼女の可愛がっていた子どもを1人連れ去ります。鬼女は子どもが1人いないことに気づき、大泣きします。そこにお釈迦様が現れ、鬼女はお釈迦様にすがります。子どもを奪われる気持ちを知った鬼女は改心して、子どもたちを村へ返しました。そして、鬼子母神と呼ばれる、安産と子どもを病気から守る神様になるのでした。

こそだて幽霊

6作目は『こそだて幽霊』です。

昔、ある村に飴屋さんがありました。ある夏の日、飴屋さんのところに夜遅くに女の人が飴を買いに訪ねてきました。飴屋さんは女の人の姿を見て、不気味さを感じていました。それからというもの女の人は毎晩飴を買いに来るのでした。

ある雨の日のこと、隣の村の飴屋さんがやってきて話し込んでいると、女の人がやってきました。すると隣村の飴屋さんが震えています。隣村の飴屋さんによると、その女の人は1カ月前に死んだ松吉の女房だと言うのです。

2人でその女の人のあとをつけて行くと、女の人の墓の前には捨て子がいて、女の人は捨て子のために毎晩飴を買いにきていたのでした。捨て子は和尚さんが引き取り、女の人は現れることはなくなったそうです。

なんとも言えない読後感

ここまで6作品のストーリー展開を紹介しましたが、それぞれの民話の登場人物には、心の広さや機転の良さもあれば、愚かさもあり、ひとつひとつに教訓があるなと感じることができます。

『飯降山(いぶりやま)』の尼さんに見られる欲深さは自らを見直すきっかけとなりますし、『おさん狐』の最後は今の社会で必要とされている多様性の理解などにつながります。子どもの学び以上に、ママやパパ自身の今を振り返ることができるかもしれません。

日本の民話はスッキリとしたハッピーエンドでもなければ、すべての人が不幸になるような終わり方でもなく、どこか考えを巡らせるきっかけとなるような読後感があります。子どもが一人で読んで、その世界観を理解することは難しいかもしれません。

ぜひ、親子で一緒に読んで、何に気づいたか、どんな学びがあったか、これからの何に役立つかなどを話し合う機会にしていただきたいものです。

国語の学習へとつなげていく

こういった日本の民話などは、小学校以降の国語や現代文の教科書に出てくるものです。

国語の文章題のテストには、この話で筆者が伝えたいメッセージは何か?というような問題が出題されることもありますが、親子で民話を読みながら、この話って何を伝えたいんだろうね?と親から子どもに問いを投げかけるだけで、テスト対策とも言えるような効果が生まれます。

文章を読んで何を伝えたいのかを理解する能力は先々に必要なものですし、情報整理や要約する力は、多くの文献を読むことで培われます。多くの人が知っている話であれば、読む前から内容を知っているため、能力を身につけるという観点ではおすすめしづらいものです。

ママやパパもあまり触れたことがない日本の民話だからこそ、副次的な学習効果につながることも、ぜひ知っておいていただきたいです。

家で絵本を読もう

まとめ

かつては本、絵本といった書物でなければ、このような話に触れることはできませんでしたが、インターネットの発展とともにさまざまなツールを使って、日本の民話に親しめるようになりました。youtubeで検索すれば、今回紹介した話も動画で見ることができます。

スマホやタブレット、パソコンなどを効果的に使って、子どもとともに多くの昔話を楽しんでみるのはいかがでしょうか。