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子どもがかかりやすい『熱中症』。気を付けたい予防と対策のポイントは?

公開日:2023/07/07
最終更新日:2023/07/07

夏本番を迎えて気をつけたいのが「熱中症」。特に子どもは「熱中症にかかりやすい」と言われており、夏のおでかけに熱中症対策は欠かせません。ただ、対策が必要なことは理解していても、具体的に何をどうすればよいのか不安に感じてしまうことも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、熱中症に詳しい国立大学法人東京工業大学の橋本優生助教に、熱中症の基本的な知識やこどもがかかりやすい理由、予防・対策についてアドバイスをいただきました。


◆そもそも「熱中症」って何?
熱中症の予防・対策についてうかがう前に、まずは基本的なところから。そもそも「熱中症」とはどのような症状で、なぜかかってしまうのでしょうか?

橋本先生によると「熱中症」とは、「激しい運動や気温や湿度が高い環境に長くいることで、体温調節がうまくはたらかなくなり、身体に熱が蓄積していく過程で生じるさまざまな身体異常」のことを言うのだそう。

子どもがかかりやすい『熱中症』。気を付けたい予防と対策のポイントは?

「軽症だと、軽い身体のしびれや立ちくらみ、筋肉痛などが主な症状ですが、重症化すると頭痛や吐き気、意識障害を引き起こします。さらに悪化して臓器不全に陥ってしまうと命にもかかわる病気です」

これらが熱中症の症状であり、同時に熱中症にかかっているという「サイン」になりますが、赤ちゃんや小さな子どもは、こうした異常をなかなか言葉で訴えることができません。その一方、子どもの熱中症は進行が早いため、夏場はとくに保護者や周囲の大人が、子どもの様子をよくチェックして未然に防ぐことが大切と先生は言います。

◆赤ちゃんがや子どもが熱中症にかかりやすいのはどうして?
ではなぜ、赤ちゃんや子どものほうが大人よりも熱中症にかかりやすいと言われているのでしょうか。

「赤ちゃんや子どもは身体が小さいため、地面からの照り返しの影響を受けやすく、また高温多湿の環境にさらされると身体に熱がたまりやすくなってしまいます。さらに汗腺の数が少なく、汗をかく機能が未熟なので、身体にたまった熱を発散できず、身体に熱がこもってしまうのです」

暑い日は道に打ち水をして蒸発させることでまわりの空気を冷やしたりしますよね。「汗をかくこと」は、打ち水と同じような役割も担っているのですが、汗をかく機能が未熟な状態ではいつまでも身体が熱いままになってしまい、熱中症が進行してしまいます。

汗腺の数は、3~4歳で大人と同じぐらいになるものの、発汗能力は10~12歳くらいにならないと大人レベルには達しません。「赤ちゃんや子どもの場合は、身体の機能そのものが未熟で暑さに弱い」ということをよく理解しておくことが大切なのですね。

また、小さな子どもの熱中症リスクでもうひとつ無視できないのが「ベビーカー熱中症」。ベビーカーは座面が地面の近くにあり、風通しが悪いために熱がこもりやすく、さらに日の光をあつめる濃い色のものが多い傾向があるなど、熱中症にかかりやすい条件がそろっており、おでかけの際には特に注意が必要だといわれています。

◆赤ちゃん、子どもとの外出時の熱中症対策は?
さて、熱中症に関する基本的な知識とリスクが分かったところで、熱中症対策について。もちろん、猛暑日など極端に暑い日は「できるだけ赤ちゃんや子どもとの外出を控え、エアコンの効いた快適な室内で過ごす」ということが一番ですが、どうしても外出しなければならないこともありますよね。そんな時にどんなことに気をつけたらよいか、先生に伺いました。

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<できるだけ日陰を選ぶ>
まずは極力日陰を選んで歩くこと。ベビーカーでおでかけの場合、ベビーカーは太陽の光を吸収しやすい黒系の色のものが多く、注意が必要です。直射日光が当たる道はできるだけ避け、通り道は日陰を選びましょう。

<服装も通気性のよいものを選ぼう>
真夏の外出時には、通気性がよく、白系の服を選ぶとよいでしょう。

<保冷剤を持参する>
小さな保冷剤をいくつか持参し、わきの下・手首・足首・首まわり・おでこなどを時々冷やしてあげましょう。

<水分補給をこまめに>
日陰やエアコンの効いた涼しい場所でまめに休息をとり、水分補給をしてあげましょう。その際は、水ではなく、ミネラルが含まれたもの(赤ちゃん・子ども用の麦茶やイオン飲料など)を飲ませてあげましょう。母乳やミルクには、赤ちゃんの身体に必要なミネラルをはじめとした栄養素がバランスよく含まれています。外出時にもまめに母乳やミルクで水分補給をしてあげましょう。

<水遊び中も水分補給を>
夏場はプールや公園の噴水で水遊びをする機会も多いもの。水遊び中は身体が冷やされるので、喉の渇きを感じにくくなりますが、汗で水分が失われることにより、熱中症になる危険性はあります。水遊び中も水分補給は忘れないようにしましょう。

<携帯用扇風機も利用して>
市販の携帯用ミニ扇風機を活用するのもおすすめです。なお、ベビーカーにつけて使用する場合は、下のほうにつけると地面からの熱い空気が赤ちゃんの顔にかかってしまう点も要注意。上部から風を送ってあげるようにしましょう。また、安全のためにも赤ちゃんが扇風機を触ったりなめたりしないように注意することも大切です。

<ベビーカーは通気に注意!>
ベビーカーでのおでかけの場合、大きな日よけ(フード)がついているベビーカーが多いのですが、日よけのために完全にフードで囲ってしまうとかえって通気性が悪くなり、熱がこもってしまいます。うまくフードの角度を調整し、通気をよくしてあげましょう。
また最近のベビーカーは、フードの一部がメッシュになっているなど、通気性対策を重要視しているものも多いので、使用方法をよくチェックしておくことも大切です。

<ベビーカーよりも抱っこ紐のほうがいい?>
地面に近く、赤ちゃんの体感温度が高くなりがちなベビーカーよりも、高い位置で抱っこできる抱っこ紐を利用して、日傘で日よけ対策をしたほうがよい?とも考えがちですが、対面抱っこの場合は赤ちゃんとお母さんが密着するので通気性が悪くなってしまうことがネックです。赤ちゃんが正面を向くように抱っこができる抱っこ紐もあるので、通気性や使い勝手などを考慮して使いわけるとよいでしょう。

◆こんな症状に気づいたら、すぐ対策を!
顔が赤くなる、身体が熱い、呼びかけへの反応が鈍いなど、「いつもと違う」変化が見られたら熱中症になりかけているか、すでにかかっているサインです。赤ちゃんはベビーカーに乗せたり、抱っこ紐で外出するとねんねしてしまうことも多いのですが「眠っている様子がいつもと違うなど」の変化は、一番身近にいる保護者だからこそわかるもの。「あれ?ちょっとおかしいな」という気づきを大切にしてください。

熱中症が疑われる場合、まずは風通しがよくエアコンがきいた涼しい場所にすぐに移動して水分補給をし、様子をみましょう。また、保冷剤などを使って首筋や脇の下、手足の付け根など太い血管のある部分を中心に冷やしたり、うちわなどであおぐことで体温を下げます。こうした対応をしても症状が改善しない場合は、躊躇せず病院へ。救急車を呼んでもかまいません。

また、もう一つ気をつけたいのは「親自身も熱中症になる危険がある」ということ。大人がふらつきやのどの渇きを感じたときは、赤ちゃんや子どもはそれ以上に熱中症の症状が進行している可能性があるということになります。子どもを見る・守るという意識が強すぎると、自分自身への注意がおろそかになりがち。親が自分の身体の状態をしっかり認識することが、子どもの安全を守ることにも繋がるという意識を持つことも大事です。

近年では車内への置き去りなどによる熱中症で、小さな子どもが命を失ってしまったというニュースも多く、本当に心が痛みますよね。こうした事故を防ぐために、さまざまなテクノロジーやシステムの開発も進んではいますが、開発にも普及にもまだまだ時間がかかるのが現状です。

ですから、今のところ一番の対策は「大人が決して子どもから目を離さず、置き去りにしない」ということ。「ほんの数分なら大丈夫」と油断せず、子どもをひとりにさせないことを肝に銘じておきましょう。

<熱中症予防・対策のまとめ>
●真夏のおでかけは、朝・夕などできるだけ涼しい時間帯に
●できるだけ日なたを避け、日陰を移動する
●ポイントは通気性と水分補給!
●水分補給にはミネラルが含まれたものを
●携帯用扇風機、保冷剤などの冷感グッズを活用しましょう
●外出時は涼しい場所でこまめに休憩を!
●いつもと違う変化を見逃さない
●子どもからは決して目を離さない
●おかしいな、と感じたら病院へ
●パパ・ママは自分自身の身体も大切に!

子どもがかかりやすい『熱中症』。気を付けたい予防と対策のポイントは?

真夏の暑さがますます厳しくなってきた昨今。季節外れにも気温が上がることが多くなり、誰にとっても熱中症のリスクは無視できないものとなりつつあります。一方で、夏は子どもが屋外や自然の中で思いっきり遊べる季節でもあります。子どもたちにはおでかけやさまざまな遊びを通じて、色々なことを体験して感性を磨いてほしいですよね。
「子どもは大人より熱中症にかかりやすい」ということを親がしっかりと意識することが熱中症対策の第一歩。リスクを意識してしっかり予防・対策をとることで、安全・安心なおでかけを楽しみましょう!


プロフィール
橋本優生 東京工業大学工学院機械系 助教
2018年東京工業大学理工学研究科機械制御システム専攻博士課程修了。同年日本電信電話入社 2023年3月より現職。医療・ヘルスケア向けウェアラブルデバイスの研究開発に従事。

取材協力
NPO法人Safe Kids Japan
ケガ・誤飲・おぼれ・やけどなど「予防可能な傷害」からすべての子どもを守り、子どもたちの健康を増進することをミッションとして活動するNPO法人。Safe Kids Worldwideや国立成育医療研究センター、産業技術総合研究所などと連携し、子どもの傷害予防に関する情報発信などを行う。