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日本のむかし話のあらすじから、子どもと一緒に「社会で生きていく上で大切なこと」を考えよう!

公開日:2021/02/25
最終更新日:2021/02/19

日本のむかし話には「社会で生きていく上で大切なこと」が詰まっている

ママやパパが子どもの頃、どのようなむかし話を読みましたか?『ももたろう』や『かぐや姫』のような日本のむかし話もあれば、『マッチ売りの少女』や『はだかの王様』のような海外の童話かもしれません。

昔から語り継がれているお話には理由があります。ただストーリーが面白い、登場人物が魅力的であるということだけではなく、そこに「社会で生きていく上で大切なこと」が詰まっているからです。

今回は、ある共通した学びを得られる日本のむかし話をご紹介します。あまり知られていないお話もあるかと思いますが、どのようなことが学べるのか、子どもに伝えられるのかを考えてみてください。

昔話から社会で生きていくうえで大切なことを考えよう

したきりすずめ

まずは『したきりすずめ』です。

あるところに心優しいおじいさんと意地悪なおばあさんが住んでいました。おじいさんはある日、迷子の子すずめを拾い、「ちゅん」と名付け、可愛がっていました。

しかし、おじいさんの留守中に「ちゅん」が洗濯のりを食べてしまい、おばあさんに舌を切られてしまいます。「ちゅん」はどこかに飛んで行ってしまいました。

おじいさんは牛洗いや馬洗いに教えてもらい、すずめのお宿で「ちゅん」を見つけ、お礼に小さいつづらをもらいます。そして、その中にはたくさんのお宝が入っていました。

その後、強欲なおばあさんもすずめのお宿に行き、大きいつづらを強引に手に入れますが、中からは妖怪が出てきて襲われます。それからというもの、おばあさんは反省して心を入れ替えました。

親切心と意地悪の違いがうまく対照的に描かれています。親切な振る舞いのほうがいいのは当たり前ですが、意地悪をすると自分が損してしまうことを伝えてくれます。他人への優しさが大切です。また、おばあさん自体、最後には心を入れ替えていることがひとつの救いでもあります。

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絵姿女房

次は『絵姿女房(えすがたにょうぼう)』というお話です。

あるところに兵六という男がおり、美しい奥さんがいました。兵六は奥さんの顔ばかり見ていて、仕事をろくにしませんでした。

そこで奥さんは、ちゃんと仕事するように、そして仕事中でも奥さんの顔を思い出せるように、自分の絵姿を持たせました。しかし、それが風に乗って、殿様のところへ飛んで行ってしまいました。これを見た殿様は奥さんを気に入り、奥さんはお城へ連れて行かれてしまいました。その去り際に、桃の種を庭に埋めるよう言い残しました。

3年が経ち、桃の木は立派に育ちました。一方、殿様の奥方になった奥さんは一度も笑いませんでした。そこに兵六が桃を売りにきました。兵六を見て、奥さんは喜び、笑います。

それを見た殿様は自分と兵六の着物を取り替えて自分が桃売りになります。そして調子に乗った殿様はそのまま城の外へ出てしまい、締め出されてしまいました。

こうして、兵六と奥さんはそのままお城で末永く暮らしました。

美しくも頭のいい奥さんをもらって幸せになるお話ですが、もともと兵六は貧乏で冴えない男、その反面、お殿様はお金持ちでしたが横暴でした。人を好きになるには、やはり中身が大事ということなのかもしれません。

また、奥さんが兵六を信じて託した桃の種。これは自分を迎えにきて欲しいという想いとともに、人間は変わることができると教えてくれます。

かもとりごんべえ

次は『かもとりごんべえ』というお話です。

カモを捕まえる仕事をしていたごんべえは、欲張って一気にカモをとったところ、カモたちに引っ張られて空をとび、栗畑に落ちてしまいました。

今度はその栗畑で働いていましたが、また欲張って一気に栗を抜こうとして、次は傘屋に飛ばされてしまいます。そして、その傘屋で働くことになりましたが、傘を干しているときに突風が吹き、またもや飛ばされてしまいます。

お寺の五重の塔のてっぺんに降りたごんべえは、小坊主さんの持っている風呂敷めがけて飛び降りますが、そのはずみで小坊主さん同士の頭がぶつかって、火花が上がってしまいます。

そして、火花は五重の塔に燃え移り、すっかり焼け落ちてしまいました。

ついつい欲張ったせいで、痛い目をみていましたが、欲張りという癖はなくならず、最終的には周りを巻き込んで、大変なことが起きてしまいました。欲張ってもいいことはない、ほどほどが一番だという学びとともに、自分を振り返って改善してみることの大切さにも気づくことができます。

しっぽの釣り

次は『しっぽの釣り』というお話です。

冬の寒い時期、お腹が減ったきつねどんが、山から里へ降りてきました。きつねどんはかわうそどんに会い、魚を取る方法を教えてもらいます。その方法とは、夜中に分厚い氷の張った湖に行き、穴のあいたところに尻尾を垂らせば釣れるというものでしたが、これは真っ赤な嘘。いつもきつねどんに騙されているお返しでした。

きつねどんは言われた通り、冷たいのを我慢して尻尾を垂らします。そして次第に湖の氷が張ってきて、尻尾が氷に挟まれてしまいます。

きつねどんは大物がかかったと勘違いし、思いっきり引っ張った結果、尻尾がちぎれてしまいました。

かわうそどんは普段から騙されていたことから、こんな嘘をつきました。誰かにしたことは自分に巡り巡って返ってくることを忘れないようにしましょう。それでも、尻尾がちぎれてしまうなんて、少しやりすぎのような気がします。かわうそどんがきつねどんにやり返されてしまうかもしれません。

自分を振り返られるかどうか

今回紹介した4つの話は、それぞれ自分の性格や特徴、過去や行いから、自分にアクシデントが降りかかってきてしまった登場人物たちのむかし話です。そして、ハッピーエンドにつながるか不幸な結末が降りかかるかは、自分自身を振り返り、改善できたかどうかです。

『絵姿女房』の兵六は、怠け癖のあった自分を改心したからこそ、美しいお嫁さんが帰ってきて、そしてお城に住むことができました。反対に、『かもとりごんべえ』のごんべえは欲張り癖を改善できなかったことで、自分だけでなく多くの人に迷惑をかけてしまいました。

この4つの話は、自分自身を振り返ることができるかどうか、そして、変われるかどうかが根底にあるテーマです。いいことも悪いことも、どちらも振り返り、自分の先々に活かしていく。これはむかし話の世界も、生きている今も、双方ともに必要なことです。

単純にむかし話を読んで、面白かった・つまらなかったという感想を残すことも悪くはありませんが、せっかく読んだのであれば、この本からどのような「社会で生きていく上で大切なこと」を学び取れるかを考えたほうが効果的です。

今回は「社会で生きていく上で大切なこと」イコール「自分自身を振り返り、改善する頃の大切さ」ですが、世の中にはたくさんのむかし話が眠っています。ぜひ、子どもに学んでほしいことから逆算して、子どもに読むきっかけを作っていただきたいです。そのためには、まずはむかし話のあらすじをストックしておくことが大切です。

昔話から考える

まとめ

ここまで4つのむかし話を紹介してきました。

今ではYouTubeやサブスクによって、ママやパパが子どもの頃よりも多くの物語に触れやすい時代がやってきました。かつては図書館の本か「まんが日本昔ばなし」のようなテレビしかなかったことを思えば、本当に便利になりました。

むかし話をただ読むだけにするか、学びの機会とするかは、一緒にいるママやパパの役割ひとつです。スマホやタブレット、パソコンなどを効果的に使って、子どもの心や価値観を育むことは、現代の生活に合っているでしょう。ぜひ、社会で生きていく上で大切なことは何か?という意識を持って、日本のむかし話に触れる時間をたくさん作ってあげてください。