子どもが嫌いな食べ物を克服するためにはどうすればいい?子どもの好き嫌いの背景を知り、子どもとの関わり方で解決しよう!
最終更新日:2021/05/24
子どもには嫌いな食べ物があって当たり前?
「うちの子、どうしても〇〇を食べてくれないんです」と悩むママ、パパは多いのではないでしょうか。
「食べないと大きくなれないよ」と言ってもダメ。嫌いな食材を細かくして料理に紛れさせても食べなかったり、うまくよけたりしてしまう。ママ、パパが手を尽くしたからと言って、子どもが食べてくれるとは限りません。お子さんの好き嫌いが多いと心配になってしまいますよね。
どうして、子どもは食べ物の好き嫌いが多いのでしょうか。実は子どもに好き嫌いがあるのって当たり前なことなんです。
今回は子どもが好き嫌いをする背景や、好き嫌いを克服するための工夫を紹介していきたいと思います。
子どもが嫌いな食べ物の代表格は野菜
子どもの嫌いな食べ物の代表格は、やはり野菜です。ママ、パパ自身も子どもの頃野菜が嫌いだった方は多いのではないでしょうか。では、なぜ子どもは野菜が嫌いなのでしょうか。
それは野菜のいくつかの特徴が関係しています。まずは、味です。子どもは酸味や苦味を嫌う傾向にあります。酸味は腐敗を、苦味を有毒を知らせるサインとして、本能的に避けようとするのです。
他にも、子どもの嚙む力がまだ発達していない影響もあります。噛むことや飲み込むことがまだ苦手な子どもは、硬い野菜や噛み切りにくい野菜なども嫌がることもあります。
また、しいたけのグニュっとした感じなどの食感、きゅうりの青臭さのような独特のにおい、さらに野菜の色や形が理由で苦手という子もいます。
しかし、野菜は、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが多く含まれています。子どもの健やかな成長のためにも、ぜひ食べてもらいたい食べ物です。
子どもの好き嫌いの背景
食べ物の好き嫌いの背景は子どもによってちがいます。食べ物の特徴が苦手なお子さんおいます。「味が嫌い」、「食感が嫌い」、「見た目が嫌い」など、数ある特徴の中でもどれが苦手なのかを探ることができます。
その他にも、食べ物にまつわる印象もあるかもしれません。「昔、食べた後に気分が悪くなった」というようなトラウマがあったり、「小骨を取るのが面倒だから、魚を食べたくない」、「スイカはタネが多くて食べられない」というような食べる工程による好き嫌いもあります。
さらには、「お友だちが嫌いと言っていたから」、「そういう気分じゃないから」、「環境(学校では食べれるけど、家では食べない)」などと言った理由もあります。
大人は、子どもの好き嫌いの原因を理解することが重要です。理由を知った上で、どのような行動をするか次第で、子どもの好き嫌いが治ったり、親子の関係や子どもの人格形成にまで影響が出たりするでしょう。
家族でできる関わり方の工夫
子どもの好き嫌いを克服させるためには、どのような関わり方ができるでしょうか。ここからは、ご家庭でできる好き嫌いを減らすための工夫をいくつかご紹介してきます。
①一口食べただけでも褒める・認める
まずは「一口食べただけでも褒める・認める」ということです。
お子さんの好き嫌いには、「食わず嫌い」になっている場合もあります。見た目で食べたくないと思ってしまうのです。そのような場合は、まずは味を知ってもらうことが大切です。ほんの一口でいいので、食べられたら、褒めて、認めてあげましょう。
最初は、子どもも口に入れて、飲み込むのが精一杯で、味を感じることはできないかもしれません。何回か試していくうちに、味を知って慣れていきます。「自分が思っていたよりも、悪い味じゃない」と気づくこともあります。
見た目だけでなく、味や食感、においが嫌いな場合でも、とりあえず一口だけでも食べられたら、褒めてあげてください。一口でも食べられるかどうかによって、その後、克服できるかが大きく左右されるでしょう。
無理に全部を食べさせようとしてはいけません。子どもも余計に好き嫌いが激しくなってしまったり、親子関係にもひびが入ったりしてしまうかもしれません。「まずは一口だけ」を意識させましょう。
②「なぜ」など理由を責めない
次に「『なぜ』など理由を責めない」ということです。
子どもに「なんで嫌いなの?」と理由を聞いて責めることはNGです。子ども自身もなぜその食べ物が嫌いなのかはわからないこともあります。
自分でも理由がわからないのに、「なぜ?」という質問をされると、責められていると感じてしまうかもしれません。そうすると、その食べ物にも嫌な記憶がついてしまい、好き嫌いを助長させてしまいます。
もし、質問をするのであれば「どこが嫌い?」と 聞いてみてください。食感が苦手なのであれば加熱すれば食べられたり、匂いなら別の食べ物と組み合わせれば大丈夫だったりするかもしれません。
子ども自身も上手く説明できないのであれば、観察をする必要があります。
③ママやパパがお手本を見せる
次に「ママやパパがお手本を見せる」ということです。
子どもに好き嫌いをしてほしくないのであれば、ママ、パパも好き嫌いをなるべく減らすべきですね。「ママも、〇〇食べれないじゃん!」と子どもに好き嫌いをしてもいいという理由を与えてしまいます。「大人は食べなくてもいいの!」という理屈は通用しません。
「今日、パパは嫌いな〇〇に挑戦するぞー」とママ、パパも好き嫌いを克服しようという姿を見せましょう。
大人になると自分で食べ物を選べるので、好き嫌いを克服しなくても良くなってしまいますよね。子育てを機に好き嫌いをなくしてみたらいかがでしょう。
④ママやパパは食べれるのに…と比較しない
そして、「ママやパパは食べれるのに…と比較しない」ということです。
ママ、パパと比較したところで、そもそも大人と子どもの味覚は違います。
私たちの舌には味を感じるためのセンサー、味蕾がついています。味蕾は子どもの頃に発達し、ある時期をすぎると減少していきます。30〜40代になると、子どもの約3分の1までに減ってしまうのです。実は、子どものほうが味覚は敏感なのです。大人になると、苦い食べ物やクセのある食べ物を好んで食べるようになるのも、そのせいです。
そのため、大人であるパパ、ママと子どもを比べるのは、少々無理があります。
また、兄弟と比較するのもNGです。同じママから生まれたとはいえ、他人です。もちろん好むものが違えば、受け付けないものも違います。親としては、「同じ兄弟なのになんでこの子は食べられないの?」と思うかもしれません。
「なんで食べられないの?お兄ちゃんは食べられたよ?」というような発言で、食べられるようになるのはむずかしいです。比較されて嫌な思いをするだけになってしまいます。
食育という考え方も大切
食育という考え方によって、子どもに好き嫌いを克服させる方法もあります。食育というと、「炭水化物」や「タンパク質」といった食べ物の栄養素について学習することを思い浮かべますが、食べ物に親近感を持ってもらうことも食育の一環です。
食べるという経験の少ない子どもは、見たことのない、馴染みのない食材に対して、警戒心が高いです。ですので、食べ物に接するチャンスを多くして、「この食べ物、見たことある。食べてみようかな」と思わせることが大事です。
では、どのようにして食べ物に接するチャンスを与えればいいでしょうか。例えば、夕食の買い物を一緒にしたり、調理に参加させたり、家庭菜園などをして食材を育ててみたりなどが考えられます。「これ、わたしが作ったの」、「これ、ぼくが育てたんだよ」と食べ物への親近感を得られれば、子どもが食べてくれる確率はグッと上がるはずです。
まとめ
いかがだったでしょうか。子どもが嫌いな食べ物を克服するためにはどうすればいいのかをお伝えしてきました。
子どもが嫌いなものの多くは野菜です。子どもは苦いものは毒があるかもしれないというサイン、酸っぱいものは腐っているかもしれないというサインとして本能的に避ける傾向にありますから、好き嫌いはある意味、仕方ないのかもしれません。
また、食べたことのない味、食材も「嫌い」と感じてしまうことが多いです。繰り返し多くの味覚、食材を経験することで、馴染みのある味、食材となり、好き嫌いを克服することが多いです。
一口ずつでもいいから、食べることに挑戦させてみましょう。少しずつ食べられるものを増やしていければ、成長に必要な栄養素もとれるようになってきます。