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子どもと一緒にやる気につながる故事成語を知ろう。由来、意味、得られる学び

公開日:2021/06/11
最終更新日:2021/06/11

故事成語とはなにか?

「五十歩百歩」や「四面楚歌」など、私たちは日常会話の中でふつうに故事成語を使っています。ただ、慣用句やことわざとの見分けがつきにくいものです。

では、故事成語とはなにでしょうか。

「故事成語」とは、故事をもとにしてできた言葉です。故事とは、昔にあったできごとという意味で、特に古代中国のできごとを指します。成語とは、ひとまとまりで慣用句に使われる言葉を表しています。

つまり、故事成語とは主に古代中国のできごとを元にした、慣用句として使われている言葉のことです。

では、ここからは実際にやる気につながる故事成語を6つご紹介します。

子どもと一緒にやる気につながる故事成語を知ろう

蛍雪の功

1つ目は、「蛍雪の功」です。「けいせつのこう」と読みます。

「蛍雪の功」とは、苦労して学問に励むこと、また、苦学した成果のことです。

中国の晋の時代、車胤という若者は家が貧しくて灯火用の油が買えないために、蛍を捕まえて、その光で書物を読んで勉強し、同じく貧しかった孫康という若者は、冬は窓から入る雪明かりで勉強したという話から、この言葉ができました。

蛍雪の功からは「勉強をする」という強い意志があれば、どのような環境でも学べることがわかります。それには「何のために勉強をするのか」の動機付けも必要です。「勉強をしないと怒られるから」のような動機だと、目を離した隙にさぼることにつながります。

臥薪嘗胆

2つ目は、「臥薪嘗胆」です。「がしんしょうたん」と読みます。

「臥薪嘗胆」とは、目的を達成するために機会をうかがい、苦労を耐え忍ぶことです。

「臥薪」は薪の上で寝ること、「嘗胆」は苦い胆をなめることです。春秋時代、呉王夫差は父の仇を忘れないために薪の上で寝て、自分自身を苦しめ、その屈辱と志を忘れないようにして、越王勾践を破ります。また、勾践も苦い獣の胆をなめることで、その復讐心を忘れずにいて、その後、呉王夫差を打ち破りました。

もとは復讐のために辛苦することでしたが、転じて、「臥薪嘗胆」は目的を達成するために苦労し、努力する意味で使われるようになりました。

1つ目の「蛍雪の功」も苦労して努力をすることですが、「臥薪嘗胆」は復讐のための辛苦が元になっているところがちがいます。動機がちがうと、努力の仕方も変わってくるのかもしれません。

このように一見似ている故事成語でも、異なる意味合いを含む場合があります。元のエピソードを知ることで、誤った使い方をすることを避けられます。お子さんも元のお話を知っていれば、使い分けができるようになるのではないでしょうか。

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先んずれば人を制す

3つ目は、「先んずれば人を制す」です。

「先んずれば人を制す」とは、人よりも先に物事を実行すれば、有利な立場に立てるということです。

『史記』に由来する言葉です。江西の人々が、奏に対し反乱を起こした際、殷通という長官が項羽に言った言葉、「先んずれば即ち、人を制し、後るれば、即ち人の制するところとなる」が由来です。人よりも先に行動することで、人の先頭に立ち支持を出す側になれるが、人の後から行動を起こせば、人に指示をされる側になり、支配されてしまう、という言葉です。

いくら有利になるからと言って、すべての分野で先回りすることはできません。学校の授業で習う前に子どもに教えておけることにも限りがあります。

そのためにも、ご家庭内での教育方針や、優先順位を決めておくことは大切です。もし、決まっていることがあるのであれば、早めに取り掛かるようにしてみてください。

虎穴に入らずんば虎子を得ず

4つ目は、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」です。読み方は「こけつにいらずんばこじをえず」です。

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」とは、危険を冒さなければ、大きな利益や成功は得られないということです。

漢の国の武将、班超が軍を率いて西域に送られました。西域の国では手厚く接待を受けていました。しかし、ある日を境に冷たくされるようになりました。調べると、漢の国の敵である匈奴の国の使者が来ているためだとわかりました。

班超は「虎の穴に入らなければ、虎の子を捕らえることはできない」と言い、部下を励まします。そして、匈奴の軍の中に突撃し、見事全滅させたことからこの言葉ができました。

お子さんも新しい挑戦をするときには、リスクを背負う必要があります。はじめて自転車に乗るときは転んで怪我をしたり、慣れない絵を描いて人に見せたら馬鹿にされたりするかもしれません。

挑戦を成功させるには、慎重さだけでも、勇気だけでも上手くいきません。成功体験を積めるまで、ママとパパは見守り、励ましてあげてください。きっと、お子さんの力になります。

水魚の交わり

5つ目は、「水魚の交わり」です。

「水魚の交わり」とは、水と魚が切っても切れない関係であるように、極めて親密な友情や交際であることのたとえです。

『三国志』の中で劉備が、諸葛孔明と自分の関係について「自分にとって孔明が必要なのは、魚に水が必要なのと同じだ」と語ったことが由来の言葉です。

何がやる気につながるのかは、人によって様々です。ママやパパに褒められたい気持ちや、自分の目標のために頑張ることもあります。

それでも、お友達の存在は子どもにとって大きいもの。お友達が頑張っている姿を見ると、子どもも急に心を入れ替えたように真剣になったりしますよね。子ども同士の関係性に大人はあまり介入できませんが、応援したいものです。

画竜点睛

6つ目は、「画竜点睛」です。「がりょうてんせい」と読みます。

「画竜点睛」とは、なにかを完成するために、最後に加える大切な仕上げのことです。また、物事の最も肝心なところのたとえとしても使われます。

梁の画家である張僧繇が、金陵の安楽寺の壁に4頭の竜の絵を描きましたが、「目を描けば竜は飛び去ってしまう」と言い、目は描きませんでした。人々はその話を信じず、無理やり目を描かせました。

すると、稲妻が壁を突き破り、目を描いた2頭の龍は天に昇って行きました。目を描きこまれなかった2頭はそのまま残っていました。この話から、「画竜点睛」が生まれました。

最後の仕上げが苦手なお子さんもいるのではないでしょうか。小さいお子さんだと、ペース配分や集中力を持続させるのが苦手なこともあります。もし、集中力が切れてしまったら、声かけをしたり、少しだけ手を貸したりしてみてください。

先人の学びを現在に生かそう

以上、6つの故事成語をご紹介しました。一度は耳にしたことがあっても、細かいエピソードや由来までは知らなかったものが多いのではないでしょうか。

故事成語は昔の中国の書物から、その一部が故事成語として使われているものが多いです。今回、特に有名な故事成語を集めたのもありますが、時代や国がちがっても今に生かせる学びがあります。今回で言えば「どうやったら、やる気が出るのか」を知ることができます。

「臥薪嘗胆」のように悔しさをバネにして忘れないようにする人もいますし、「水魚の交わり」のように仲間の存在が力になっている人もいます。

「先んずれば人を制す」のように先行有利なことを重視したり、「画竜点睛」のようにものごとの仕上げ、最後の部分に力を注ぐ人もいます。やる気の出どころや、持続させる工夫、力の注ぐ箇所がそれぞれちがうのです。

どの故事成語が刺さるのかも人によります。勇気を出して挑戦することを重んじている人は、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」が好きかもしれません。誰でも大切にしている価値観があるはずです。

故事成語は、どれもが先人が得た経験からの学びです。どの故事成語を現在に生かすのかは、使う人次第なのではないでしょうか。

子どもと一緒にやる気につながる故事成語を知ろう

まとめ

いかがだったでしょうか。やる気につながる故事成語を6つご紹介しました。

やる気の出どころや、持続させる工夫、力の注ぐ箇所は人によってちがいます。「先んずれば人を制す」のように先行有利なことを重視したり、「画竜点睛」のようにものごとの仕上げ、最後の部分に力を注ぐ人もいます。

故事成語はどれも先人の経験を元にした慣用句。たくさんある中からどれを選び、現在に生かすのかは使う人次第です。

故事成語は意味を知るだけでなく、元のエピソードを知ることで理解が深まります。お子さんと一緒に学んで、日常会話の中で使ってみてください。

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