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作って・遊んで科学への興味を育てる!身近な材料で作るサイエンスおもちゃ

公開日:2023/08/04
最終更新日:2023/08/04

空気や風、光や磁力など、私たちの身の回りはたくさんの科学的事象であふれています。普段の暮らしから生まれた子どもの疑問や好奇心を、科学の学びにつなげられたらとても素敵ですよね。そこで今回は、NPO法人青梅こども未来常務理事でおもちゃコンサルタントマスターの稲葉恭子さんに、身近なもので手作りできる「サイエンスおもちゃ」の作り方を伺いました!


◆科学に関心を持つようになる、上手なきっかけの作り方
「『遊び』というものは、実際に遊んでみないと分からないもの。乳幼児期に自分で考えて楽しく遊んでいた子は、成長してさまざまな困難にぶつかった時に乗り越える力を持っていることが多いんですよ」

乳幼児期の遊びは、その後の学びに大きく影響すると実感を込めて語る稲葉さん。幼い頃に遊びの底辺をしっかり作ると、経験を基に「ああしよう」「こうやってみよう」と考えられるようになるのだそう。このような姿勢が、その後のあらゆる学びに大いに役立つと稲葉さんは言います。

作って・遊んで科学への興味を育てる!身近な材料で作るサイエンスおもちゃ

こうした「考える過程」を、体験的に、そして楽しみながら学ぶ上で、普段の生の中にあるものを使って「手作りおもちゃ」を作ることは特におすすめだそう。

「おもちゃの作り方は教えても、仕組みや原理などは作り始めには伝えません。すると子どもは答えが分からないので、どうすればうまくいくのか試行錯誤することになります」

上手くいかない理由を考えたり、成功するように創意工夫をするという「積み重ね」が科学への興味や科学的な考え方の「芽」を育てることに繋がります。

とはいえ、「手作りおもちゃ」以外にも遊ぶものが豊富にある今の子ども。「材料さえ与えておけば何か自分で作るだろう」と期待するだけでは難しい面があります。子どもが好きそうなおもちゃなどを作って目のつくところに置いておいたり、関心を持ちそうなことを目の前でやって見せるなど、興味の入り口を作ってあげることが大切と稲葉さんは言います。

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その際には、大人がすべてお膳立てをして「一緒にやってみよう」と誘うよりも、子どもから言い出すまで待つ方が効果的なのだそう。ついつい口を出してしまいそうですが、グッと我慢。どんな事柄が好奇心をくすぐるのか探りながら、日常の中にきっかけをさりげなくちりばめておけると良いですね。

◆科学の芽を育てる、手作りおもちゃのススメ
昨今では、知育玩具や科学の力を利用したおもちゃのキットも豊富にあります。しかし、身近なもので作る「手作りおもちゃ」にはこういったおもちゃにはない魅力もあります

まず「失敗してもすぐ作り直せる」という点。「自分なりにアレンジできる」ことも魅力です。色を塗ったり絵を描いたり、より楽しく遊べるようにしくみや遊び方を変化・発展させることもできます。作る際にははさみやのりなどの道具を使用するので手加減も覚えますし、自分で作ったという達成感を得られるのもいいですね。

また、作ったり遊んだりすることで「他者とのコミュニケーションが生まれる」ことも魅力。誰かと一緒に作る楽しさに加え、「どんなふうに遊ぶとうまくいくのか」など周りの様子に気を配るようになり、観察力が磨かれますし、上手にできている子に声をかけてコツを聞いたり、新たな遊び方を発見したり、誰かと一緒に考えて遊ぶ楽しさを体験しながら、コミュニケーション力も磨けます。

楽しく遊ぶ上では、安全面への配慮は欠かせません。特に、「サイエンスおもちゃ」を作るのに必要な材料や道具には、はさみなどの刃物や細々とした材料だけでなく、強力な磁石など、扱い方を間違えると危険なものもあります。作業をする前にはなぜ危ないのか、どうすれば安全に使えるのかを伝えることをお忘れなく!

◆身近な材料でサイエンスおもちゃを作ってみよう
●空気の力を利用したおもちゃ●

作って・遊んで科学への興味を育てる!身近な材料で作るサイエンスおもちゃ

さてここからは、実際の「サイエンスおもちゃ」の作り方をご紹介。まずは、ペットボトルや紙コップ、プラスチックコップ、ストロー、ゴム風船などを使って作る、「空気の力」を感じられるおもちゃです。

【吹いたら飛び出す三角ぼうし】

作って・遊んで科学への興味を育てる!身近な材料で作るサイエンスおもちゃ

ストローから空気を吹き込むと上にある三角ぼうしが空気に押されて飛び出します。飛び出す動きを楽しむのはもちろん、飛び出した三角ぼうしをキャッチして遊ぶのも楽しい!また、 「吹く」ことは「吸う」ことに繋がるので、心肺機能を自然に高める効果も期待できます。

<材料>
紙コップ・アイスクリームの空カップ等・折り紙、セロハンテープ
<作り方>
1)紙コップ・アイスクリームの側面と底面に穴を開けます
2)穴をあけた部分にストローを差し込み、蛇腹部分をL字型に折り曲げて底面に出します。
3)折り紙を1/8の三角形に切り円錐を作ります。円錐を作る際に、三角形に切った紙を丸めるのがポイントです。どうしたらきれいな円錐になるか考えながら作ることは、立体を切り開いて平面図形にするという(半円になっている)、「展開」の基礎に繋がります

【ミニ空気砲】

作って・遊んで科学への興味を育てる!身近な材料で作るサイエンスおもちゃ

大きな空気砲を家庭で作るのは大変ですが、これならお手軽。ゴム風船を引っ張って手を離すと、ペットボトルの口から勢いよく空気が発射!しっかり空気を感じることができます。

<材料>
ペットボトル・ゴム風船・ビニールテープ
<作り方>
1)ペットボトルの下部をカッターで切り落とします
2)風船を半分に切ります。使用するのは吹き込み口のあるほう。吹き込み口の部分は縛り、切った部分は伸ばしてペットボトルにかぶせ、ビニールテープで固定します

●光を利用したおもちゃ●

作って・遊んで科学への興味を育てる!身近な材料で作るサイエンスおもちゃ

紙コップや光を通さない紙の筒と分光シートを使って「光の不思議」を体験できるおもちゃです

【分光シート万華鏡】

作って・遊んで科学への興味を育てる!身近な材料で作るサイエンスおもちゃ

紙コップと分光シートで作る万華鏡。のぞき穴から蛍光灯などの光を見ると7色の光が!人が見ている光が、実は7色の光が重なったものだということを体感できます。
※直接太陽を見ないように注意してください

<材料>
無漂泊の紙コップ(白い紙コップの中に黒い紙を貼ったり、黒く塗りつぶしたりしてもOK)2つ、分光シート、テープ
<作り方>
1)1つ目の紙コップの底に、直径5mm程度ののぞき穴を開け、分光シートを貼ります
2)2つ目の紙コップの底に小さな穴をたくさんあけます。穴のあけ方によって見え方も変わるので、いろいろ試してみましょう。
3)1・2で作った紙コップの口同士をテープでとめます。筒の部分に好きな絵を描いたり、シールを貼ったりして、お気に入りを作りましょう!

●磁石を利用したおもちゃ●

作って・遊んで科学への興味を育てる!身近な材料で作るサイエンスおもちゃ

磁石とゼムクリップなどを使ったおもちゃ。
右側の2つは定番の釣り遊び。釣り竿につけた磁石と、釣られる魚(の中にあるクリップ)がカチッと音を立てて吸い付く感覚が楽しいおもちゃです。

左側は紙皿(直径18cm)に短く切った針金モールを入れてプラスチックのカバー(嵌合蓋・スチロール丼鉢等に使われている蓋)をかぶせ、下から磁石でモールを動かして遊びます。

作って・遊んで科学への興味を育てる!身近な材料で作るサイエンスおもちゃ

ペットボトルのキャップに磁石を入れたものを紙皿の下で動かすと、中のモールが動き出します。紙皿に道路を書いて車に見立てて遊ぶなど、子どもの想像力次第で遊び方も広がります。

●ペットボトルを使ったおもちゃ●

作って・遊んで科学への興味を育てる!身近な材料で作るサイエンスおもちゃ

「ペットボトル」は利用しやすく用意しやすい材料のひとつですが、形・大きさ・柔らかさなどバラエティに富んでいます。同じものを作っても、使ったペットボトルによって遊びやすさや結果の見やすさなどが変わることも。どうしたら遊びやすいか、結果が出やすいか工夫・検討したり、素材による違いを観察するのも楽しいですよ!

【浮沈子(ふちんし)】

作って・遊んで科学への興味を育てる!身近な材料で作るサイエンスおもちゃ

ペットボトルの側面をグッと押すと中の魚が沈み、離すと浮き上がるおもちゃ。「閉じ込めた水に圧力を加えると同じ大きさの力が均等に伝わる」という「パスカルの原理」と、「水中にある物体は、押しのけた水の質量の分だけ軽くなる」という「アルキメデスの原理」を応用したものなんです。

<材料>
炭酸飲料用ペットボトル、ナット、魚形のしょうゆさし(プラスチックの醤油入れ)
<作り方>
1)しょうゆさしのふたを外し、内径がしょうゆさしのふたと同じナットをふたのかわりに取り付けます
2)しょうゆさしの中に水を入れます。水の量で浮き方が変わるので、いろいろ試してみてください。水の量が異なるしょうゆさしを複数入れるのも、動きに違いができて楽しいかも!
3)水を入れたペットボトルにしょうゆさしで作った魚を入れ、ペットボトルのキャップを閉めたらできあがり!

【水とビーズのトルネード】

作って・遊んで科学への興味を育てる!身近な材料で作るサイエンスおもちゃ

水とビーズを入れたペットボトルを写真のようにつなげたもの。ひっくり返すと中の水やビーズが落ちる様子や音を楽しめます。ただひっくり返しただけでは「ぼこぼこ」という音と大きな泡を立ながら水が落ちますが、ペットボトルをうまく回転させるときれいな水の流れができ、「渦」を巻きながらスムーズに水が流れます。

<材料>
ペットボトル2本、ビニールホース適宜、ビニールテープ、ビーズや小石など
<作り方>
1)片方のペットボトルに水とビーズや小石などを入れます。
2)2本のペットボトルをつなげます。ジョイント部分にホース入れ込み、水漏れしないようにビニールテープでしっかり止めます
3)上下ひっくり返すと水が落ちていきます。ペットボトルをくるくる回すと中に渦ができるなど、水の落ち方の変化を楽しみましょう!

●輪ゴムを使ったおもちゃ●

作って・遊んで科学への興味を育てる!身近な材料で作るサイエンスおもちゃ

輪ゴムも科学おもちゃには欠かせないアイテム。右側は、輪ゴムとアイスキャンディの棒、ペットボトルのキャップを組み合わせたおもちゃです。写真のようにゴムを掛けて組立てれば、キャップの中にあるボールに見立てた折り紙が勢いよく飛び出します。

作って・遊んで科学への興味を育てる!身近な材料で作るサイエンスおもちゃ

左側は、輪切りにした牛乳パックにゴムをかけたもの。牛乳パックに切り込みを入れて写真のように輪ゴムをはさみ、ゴムが伸びる方向に牛乳パックを折りたたんで手を離すと、ぴょんと跳ね上がります。

跳ね上がるように折りたたんだものを写真のようにたくさん箱に重ねて詰め、ふたを閉めます。箱を開けると、次から次へと牛乳パックが飛び出してきてびっくり箱に!

作って・遊んで科学への興味を育てる!身近な材料で作るサイエンスおもちゃ

普段の生活の中で科学に触れる機会はたくさんあります。「この遊びにはこんな効果があるから」と大人の考えで促すのではなく、子ども自身が楽しく遊べるきっかけを作ってあげることが大切!大人が思いもよらないことを試してみるからこそ、さまざまな能力が育まれるかもしれません。「サイエンスおもちゃ」を通じて、1を知ったら10に広げられるような力が身につくといいですね!


プロフィール
稲葉恭子さん
芸術教育研究所客員研究員、おもちゃインストラクター&コンサルタントマスター養成講座講師。遊びと学びの種蒔き舎代表。小学校教員を経て、NPO法人青梅こども未来を子育て仲間と設立。青梅市にある「コミュニティテラスみらい館プラス」の運営に携わり、さまざまな子どもたちと関わりを持つ。保育士・幼稚園教諭・学童指導員等子どもの遊びに関わる後進への指導も行っている。

取材協力
東京おもちゃ美術館
「おもちゃは人間が初めて出会うアート」という理念のもと、1984年に東京・中野にある芸術教育研究所(現・NPO法人芸術と遊びの創造協会)の付属施設として開館。2008年、地域住民からの誘致により、旧新宿区立四谷第四小学校に移転。おもちゃを「創る」「学ぶ」「楽しむ」ことのできる、多世代交流の体験型ミュージアムとして地域に根差した活動を行う。