自宅学習と習い事、どっちがいい?役割を分けて活用しよう!
最終更新日:2020/07/17
習い事に行けず、自宅学習をする機会が増えた
この2ヶ月間、新型コロナウイルス感染症により、水泳教室、体操教室などといった運動・スポーツ系の習い事、塾や知育教室などの学習系の習い事のほとんどが休みになってしまったのではないでしょうか。
緊急事態宣言は解除されましたが、まだまだ習い事に通わせるのにご家庭としては安心できないところがあるかもしれません。第二波、第三波が来ると言われ、学校がまた休校になる可能性もあります。しかし、子どもの教育面を考えると勉強をしないというわけにはいきません。
「勉強は習い事ではなく、自宅学習で」という考え方がより主流になりつつあります。大手や老舗などのブランドに関わらず、教育業界の企業のほとんどが自宅学習に注目して、ご家庭で学習できる教材の販売を始めました。
自宅学習と、習い事の役割はちがう
自宅学習が主流になりつつあるとは言っても、自宅学習と習い事では役割が違います。自宅学習ばかりやっていても、また反対に習い事ばかりに通っていても、成績の伸びに悩みを感じてしまうかもしれません。
自宅学習、習い事、それぞれのメリットをよく理解し、使い分け、両立させられることが理想です。今回は、自宅学習で向いていること、習い事で向いていることをそれぞれご紹介していきます。
自宅学習の3つのメリット
まずは、自宅で学習で向いていることを3点ご紹介していきます。
①学校や習い事の予習
1つ目は、学校や習い事の予習です。
予習は、教科書を読んで、練習問題を解くことで実践できるものなので、自宅学習に向いていると言えます。
授業の予習をするメリットは、なによりも授業の理解度が格段に上がることです。新しい単元を予習せずに初めて習う子どもと、すでに問題を見たり考えたりした子どもとでは、スタートラインが違います。わからないなりに、授業が復習の時間となり、短時間で授業の理解が深められます。
長期の休校があった影響で、その分を取り戻すために授業のスピードは早くなるはず。学校の授業だけでは不十分になるかもしれません。短時間での単元の理解が、これからは子どもたちに求められるでしょう。その意味でも、予習は欠かせません。
ただし、わからない問題があるとモチベーションが一気に下がってしまうので注意が必要です。わからないところがどこなのか、わかることが大切です。
②学校や習い事の復習
2つ目は、学校や習い事の復習です。
予習と同様、休校した分を取り戻すための授業のスピードに追いつくために、復習は間違いなく必要です。
人間の脳は思い出す回数が増えるほど、記憶に定着しやすく、復習の数ほど理解が深まります。基本的に復習というのは、一度はやったことのある問題です。解ける問題は予習のときよりも多いため、達成感を感じやすいでしょう。
③教えてもらわなくてもできること
3つ目は、教えてもらわなくてもできることです。
自宅学習のデメリットとして、子どもがわからないところをママやパパが教えなくてはならないということがあります。しかし、ママやパパは教えるプロではありません。教えるには事前に調べないといけなかったりしますし、それでは親の負担が大きいです。
例えば、漢字ドリルの書き取りなど何かをひたすら覚えたり、算数ドリルの問題をひたすら解いたりする反復練習や、国語の教科書や絵本を音読など、親が何かを教えなくてもすむことが、自宅学習で向いていると言えるでしょう。
一人で進められる子は自宅学習がはかどる
自宅学習のメリットとして、総じて、子どもの成長の度合いを見ながら、それに合わせたペースで勉強を進めていくことができるという点があります。子どもがわからないときも、本人が納得するまでじっくりと調べたり、親に説明してもらったりできます。
学校の成績が何で決まっているか知っていますか。学校の授業時間以外に、学習塾や通信教室など勉強する時間を設けることができますが、1番成績に影響があるのは自宅学習の時間であるというデータがあります。
自宅学習では、学校や学習塾の授業でのようにカリキュラム進行や時間制限がないので、おいてけぼりや、わかったつもりがなくなり、本人が納得するまで勉強できます。結果として、自分の苦手な部分やつまずきやすい部分を把握できるのではないでしょうか。
習い事に向いていること
ここからは習い事に向いていることを3つお伝えしていきます。
①学校では教えてもらえないことを学ぶ
まずは、学校では教えてもらえないことを学べるということです。
通っている学校が公立か私立かによっても変わりますが、学校では規定されたカリキュラムの中の内容、基礎的なことしか教えてはくれません。特に今年は休校したために、応用問題や発展問題などが授業内容から省かれるということもあるかもしれません。
習い事にはそういったカリキュラムがないので、応用問題や発展問題を学べます。特に中学受験を考えている子にとっては、いろんな問題に触れておくことが合格につながる可能性があります。
②得意をさらに伸ばす
次に、得意をさらに伸ばすということです。
前述した通り、学校の授業はカリキュラム進行が優先される傾向が大きく、授業に余裕でついていける子よりも、なかなかついていけない子のほうが優先されがちです。
習い事では子どもの理解度に合わせてクラス分けされるため、できる子にとってもちょうど良い負荷で授業を実施してくれます。応用問題などをさらに理解するなど、子どもの得意を伸ばすことができます。
③苦手な分野を補う
最後に、苦手な分野を補うということです。
ある教科で苦手がある場合、その原因は現在の学校の授業で習っているところではなく、もっと基礎的な内容でつまずいている場合が多いです。例えば、小学3年であっても小学2年の内容からつまずいてしまっているかもしれません。
習い事ではつまずきの原因を探り、1人1人にあったカリキュラムを組むことができ、苦手克服をすることができます。また、苦手な教科を重点的に学習することができるのも、習い事ならではでしょう。
一人一人の個性やペースに合わせられるのが習い事のメリット
習い事のメリットはなによりも1人1人の個性、ペースに合わせられることです。しかし、習い事の中でも、個別指導塾と集団塾があり、習い事を活かすにはこれを使い分けることが大事です。
個別指導塾は、カリキュラムがオーダーメイドなので、家で何を勉強すればいいのにのかわからない、苦手な場所が多く克服したいというお子さんには向いています。
集団塾は、学校のテストでクラス上位をキープしている、同じ目標の子と切磋琢磨したいというお子さんに向いているでしょう。
それぞれの特徴とメリット、デメリットがあるので、どれがお子さんに合っているか、見定めましょう。
片方だけでなく、役割に応じて使い分けると相乗効果がある
自宅学習と習い事にはそれぞれ役割があります。
格闘技などに例えるなら、習い事は「技」を教えてくれるところ。しかし、一度見て、やってみただけでは覚えたうちに入りません。体が覚えていない「技」はいざというときに出せないように、一度見ただけの問題はスムーズに解けないでしょう。
そこで大事なのが、自宅学習。これは自主トレーニングです。「技」を体が覚えるまで、繰り返し、自分が納得するまでやることで着実にマスターしていきます。そして、さらに難しい「技」、難しい問題の解き方を覚えるようになります。
自宅学習、習い事と同時に行うことで、相乗効果があると思われます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
自宅学習と習い事を同時にすることで、習い事で覚えた内容をしっかりと頭に定着させることができます。
しかし、学校の授業や宿題に加えて、自宅学習、習い事の全部こなせるかどうかは、子どもによって変わります。子どもの負担になりすぎない程度に、習い事や自宅学習をさせましょう。