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英語がニガテな親でも実践できる!子どもの「英語耳」を育てよう

公開日:2023/12/21
最終更新日:2023/12/20

2020年度から小学校の英語教育が必修化されただけでなく、ますますグローバル化が進む社会の中、子どもにとって「英語」はより身近で欠かせない能力となりつつあります。
そんな「英語」を学んでいく上で大切だと言われているもののひとつが、英語を聞き取ることのできる「英語耳」ですが、いったいこの「英語耳」を育てるためにはどうしたらよいのでしょう?パパ・ママが英語を話せなかったり、英語に苦手意識を持ってしまっていても「英語耳」を育てることはできるのでしょうか?
そこで今回は自宅でできる「英語耳」の育てかた、そして「英語教育」への取り組みかたについて、オンライン英語教室『シャーンティ英語スクエア』を運営されている向井佳代さんにお話を伺いました。


◆「英語耳」ってなに?
世界にはたくさんの言語がありますが、それぞれに特有な音があります。「英語耳」とは英語を聞いて、日本語とは違う音やリズムなどを認識し、意味を理解できる力のことを指します。

「学校の勉強としてではなく、将来英語を使って仕事をしたり、英語でコミュニケーションをとったり、『生きて、人とつながる英語』を修得するためには『英語耳』は欠かせない能力と言えます」

英語を修得していくためのいわば「土台」となる英語耳。英語耳を磨くためには、日常的に「英語の音」が耳に入る環境を作る必要があると向井さんは言います。では、そうした環境づくりはいつごろから始めればよいのでしょうか。

向井さんによると、子どもが言葉を習得してゆくプロセスは、
1.パパ・ママ・周囲の言葉が耳に入る
2.音のマネができ、簡単な言葉を話し始める
3.意味を理解し、意味を結び付けて話す
4.語彙が増え、より複雑な文を話す
5.読み書きを学び始める
という流れで、これはどの言語でも共通なのだそう。

英語がニガテな親でも実践できる!子どもの「英語耳」を育てよう

「日本語が日常的に使われている環境ですごしている場合、『生活に必要な音』として日本語を聞きわける力が発達し、3歳ぐらいまでに言語の取捨選択をします。その後、年長ぐらいまでには基本的な日本語コミュニケーション能力がほとんど完成すると言われていて、その後語彙を増やし、表現を洗練させていきます」

実は子どもは、もともとはどんな言語も聞きとれる耳を持っているが、成長とともに日本語以外の音を聞き分ける力が徐々に弱くなっていくと向井さん。英語耳を育てるための取り組みは「早い方がいい」と言われるのは、こうした理由があってのことなんですね。

向井さんも、英語耳を育てるための取り組みは「2歳~3歳ごろがおすすめのタイミング」と言います。

「いつから始めてもよいのですが、3歳を過ぎる頃には、子どもはより複雑な日本語を理解し、文章でコミュニケーションができるようになります。周りで起きていることを理解したり自分の気持ちを表す際に日本語の方が楽なので、それより前の時期にスタートしたほうが、親子ともにストレスが少なく、楽なことが多いんです」

また、向井さんが幼児期から取り組みをスタートさせることをおすすめするのには、子どもの言語能力や「耳」の発達とは別に、「幼児期のほうが時間がとりやすいから」という理由も。

子どもは成長するにつれ、習い事や学校の宿題など「やること」がしだいに増えていきますよね。だからこそ幼児期にしっかりと、そして自宅という「生活の場」で、英語に親しむ時間を作るのがおすすめなのだそう。

「英語教育のスタートは『早ければ早いほどいい』という意見もありますが、焦らなくても大丈夫ですよ」と向井さんは言います。

「英語のリスニング力は、いくつになっても向上させることができます。私もずっと英語を学び続けていますが、今なおリスニング力がアップしていることを実感しています」

◆「英語耳」を育てるためにはどうすればいい?
●日常的に英語が耳に入る環境を整える
さて、「英語耳」を育てるためには「英語の音」が耳に入る環境づくりが必要と言いますが、具体的にはどんなことをすればよいのでしょうか。

「普段のコミュニケーションはもちろん日本語で大丈夫です。そのうえで、英語の歌やゲーム、動画コンテンツなど、日常生活のなかに英語の『音』を取り入れていくと良いです」

1歳から12歳までの学童型知育教室アデック

向井さんご自身は、お子さんが2歳半の頃からスタートしたそう。はじめは音がないほうが良い時以外は英語の音声を流しっぱなしにして、英語の音を「聞く」ことに慣らすことからスタート。3歳ごろからは映画・動画・ゲームなど、映像に音声を伴った英語のエンタテイメントや、動画と絵本がセットになった英語教材などを取り入れていったといいます。

●英語を使って子どもと一緒にすごす時間を
こうした家庭での取り組みにあたって、向井さんがポイントとして挙げるのは、「ただ英語の音を流すだけ」にならず、「親が子どもと一緒にやってみること」。動画を一緒に見たり、英語ゲームをやってみたり。CDを聞いているときなどに、そばにいるだけでもいいと向井さんは言います。

「英語を習得するためには長い時間がかかるものです。日々英語の「音」に触れ、その意味を理解して楽しむことを継続すれば、就学前には英語耳は一旦できあがりますが、まだ幼児ですから語彙が足りません。また、英語を組みたてて話す力を身につけるには、英語耳を育てるのと並行して、別の取り組みが必要です。英語への取り組みを続け、10~11歳ぐらいに音と文字を結び付けて読めるようになっていれば、その後英語が定着しやすくなります」

これだけの長期間、継続的に英語学習に取り組んでいくために、「英語に対するポジティブな感情を育ててあげることを大切に取り組んでほしいんです」と向井さんは力を込めます。

たとえば英語の絵本を読んであげるとき、パパ・ママの発音が上手でなくても構いません。大切なのは「英語を使って、パパ・ママと一緒に楽しく過ごした」という時間や体験をたくさん作ってあげること。ここで育ったポジティブな感情は、その後の英語学習に対する前向きな姿勢へとつながっていきます。

●子どもは「飽きる」もの。親の熱意や工夫も大切
また、修得まで長い時間がかかるからこそ、「親の熱意」も大事な要素になってきます。

「子どもってすぐに飽きてしまうんですよね(笑)。動画を見せても、少しの間は見てもすぐに飽きて、長続きしないこともあります。そこで大事なのは、『うちの子は英語に興味がないんだ』と諦めてしまわないことです。ひとつの動画に飽きたら別の動画を見せたり、ゲームやCDに変えてみるなど、手を変え品を変え、毎日少しずつでも英語に触れさせるようにしましょう。そこは『熱意』が必要な部分になってきます」

子どもが好きなもの、たとえばキャラクターなどを題材にした動画や教材なら、子どもも興味を持ちやすいでしょう。恐竜が好きな子どもなら、恐竜が出てくる動画であればより興味をもって楽しく観ることができるかもしれません。

「英語力は知的好奇心からも育てることができます」と向井さん。子どもの“好き”と英語をどう結び付けるか、ということも、子どもの英語力を育てていく上では欠かせない視点です。

●英語が苦手でも、苦手意識を子どもには伝えない
そしてもう1点、親が英語に対する「苦手意識」を出さないことも大切。たとえばついつい口をついてしまいがちな「お父さんは、お母さんは、英語がニガテだから・・・」という言葉はNGワードだと向井さんは言います。

「自分が苦手だから子どもには苦手にさせたくない、と思っている方もいらっしゃると思います。でも、親の『できない』『苦手』という言葉は、子どもにとってマイナスに響いてしまいます。英語の絵本を読む際、発音がうまくできなくても大丈夫です。大事なのはお子さんのために自信を持って読んであげること。正しい発音は、教材に任せておけばいいんですよ」

熱意をもって前向きに。そして子どもに「やらせる」のではなく、一緒に取り組むこと。親の得意・不得意よりも、積極的でポジティブな姿勢こそが、英語耳を育て、英語力を身につけていくためのカギになるんですね。

◆子どもの「英語耳」が育っていると感じたら
さて、英語耳を育てるための取り組みを続けていった際、やはり気になるのはその効果。子どもが本当に英語を聞き取って、理解できているのかついつい気になってしまいますよね。でも、効果を確かめるために、子どもに「今の英語はどういう意味?」などと質問するのはグッと我慢してほしいと向井さんは言います。

「子どもが動画を見て笑ったり、英語の歌や言葉を口ずさめるようになると、だいぶ英語が聞き取れるようになっています。でもそこで『今、何て言ってるの?』などと子どもに質問しないほうがよいのです。というのも、子どもは英語を英語として聞き取り、理解しています。その意味を説明する日本語の語彙力が育まれていない時期に、『訳』を求めるのは、子どもにとってハードルが高いことなんです」

小さい頃は「日本語に訳す」のではなく、英語で聞き取り英語で理解するだけでOK、と捉えるようにしましょう。英語にふれあっている時のようすから「しっかりと英語を理解できている」と感じたら、次のステップとして、英語のイベントに参加したり、英会話教室に通ったり、オンライン英会話を受講するのもおすすめだそうです。

2020年からは、小学校でも英語教育が必修化しましたが、現在の日本の英語教育は、まだまだ英語耳を育てるのに十分な内容ではないそう。中学生以降は発音やアクセントなどの面で日本語の影響が強くなるため、幼児から小学校の間に毎日英語に触れる機会を設けて、英語耳を着実に育てていくことが子どもにとってストレスが少ないと向井さんは言います。

英語がニガテな親でも実践できる!子どもの「英語耳」を育てよう

「英語力が身につくと、世界はグンと広がります。英語を介して情報を得たり世界中の人とコミュニケーションを取ることができますし、将来の仕事の選択肢も増えるでしょう」と向井さん。楽しく使えて人とつながる英語力を身につけるために。まずは親子で前向きに楽しく「英語」に取り組んでみましょう!

(プロフィール)
向井佳代さん
オンライン英語教室『シャーンティ英語スクエア』運営/おうち英語習慣化サポートコーチ/とっさの英語も怖くない子を育てるオンライン英語レッスン主宰(年長~小学生)/おうち英語10年プラン提唱
英国留学時代に「英語耳」の重要性を実感。その後、多国籍企業25年勤務の経験から「英語で人とつながり信頼されるにはコミュニケーションする態度の育成が必須」と考え、2018年に子ども英語講師に転身する。自らも2歳から娘の英語耳を育て英語を話せる子を育てた経験を活かし、ご家庭で子どもの「英語耳」を育てたい家族からの相談対応及びコーチングサービスと子どもへのオンラインレッスンを展開している。