5歳の子どもと親子で楽しむごっこ遊び。相手目線を身につけよう!
最終更新日:2020/03/29
ごっこ遊びってどんなもの?
戦隊もののヒーローになりきって悪役をやっつけたり、おままごとでママやパパになりきったり。ごっこ遊びを大好きな子は多いです。
「ごっこ遊び」とは、子どもが日常生活やお話の中の人になりきったりする遊びのこと。幼児期の遊びの中では、特に重要な遊びと言われており、日々の生活の中で繰り返し行われています。
子どもは、ごっこ遊びを通じて自分の憧れの存在になりきったりするだけではなく、コミュニケーションの練習もしています。相手の目線に立ってものごとを考えてみたり、他の子の気持ちを受け止めたりしています。遊びの内容は、子どもの成長によって少しずつ変わっていくのです。
3歳児は、まず真似をしてみるごっこ遊び
2歳くらいになると、大人の言っていることを真似したり、積み木を車に見立てたりして遊ぶ「見立て遊び」を始めます。子どもは、見立て遊びを通じて、何かになりきることを身に着けていきます。そして、3歳くらいになると、他の子とイメージを共有しながら場面を見立てていく「ごっこ遊び」に発展していくのです。
ごっこ遊びを始めたばかりのころは、他の子と遊ぶとは言え「真似をする」ことがメイン。3歳くらいの子はまだ、同じ空間でそれぞれが遊ぶことが多い「平行遊び」の時期です。ごっこ遊びでもそれぞれが「自分のやりたい役をやる」のです。
5歳児になると共通の目的を持ったごっこ遊びができる
5歳になってくると、よりお友だちとの関わりを楽しめるようになります。ごっこ遊びでも、ひとりずつが遊んでいた3歳のころとはちがい「共通の目的」を持って遊べるようになってきます。
たとえば、他の子と役割を分担したり、テーマを話し合って決めたりすることができる子が徐々に増えて来ます。ストーリーもより複雑になり、遊びの中で使う道具が大きなものから、より小さく詳細なものに変わってきたりします。
ごっこ遊びで相手目線を身につけよう
お友だちとコミュニケーションが盛んになってくると、意見を言い合ったり、時には対立したりすることもあります。そのため、価値観を共有したり、みんなが楽しめるようにルールを決めたりすることが重要になります。
自分のやりたいことだけでなく、一緒に遊ぶ子が何をやりたいのか、どうやったら一緒に楽しめるだろうか、と考えられるようになります。自分の気持ちに合わせてもらう年代から、相手の気持ちに合わせていくようになる年代とも言えます。
しかし、相手の目線で考える力は、すぐには身につきません。もし、意見が対立してケンカになりそうだったり、ルールがうまく決められずにいたりする場合は、周りの大人の介入が必要となります。
ごっこ遊びの種類とポイント
ごっこ遊びの題材は、多くの場合、子どもが普段の生活していくときに接するものの中から選ばれます。家、テレビ、絵本、病院、お店など、特定のシチュエーションの真似をすることが多いのです。
ここからは、代表的なごっこ遊びを3つご紹介し、遊びをする上でのポイントをお伝えします。
ごっこ遊び①おままごと
大好きなママやパパの日常の様子を真似するおままごとは、ごっこ遊びの基本とも言えます。人気が高いだけでなく、ごっこ遊びを始めたばかりのころから、長い期間に渡って行われることが多いです。
おままごとでは、家の中の様子が再現されます。料理を作る様子、声かけの仕方などをとっても、ママやパパの真似をしています。年齢が上がってくると、より細かい部分にも気を遣えるようになります。
おままごとをする理由の一つは「ママやパパのようになりたい」という願い。だからこそ、女の子がママの真似をするだけでなく、男の子がママ役をやることもあります。
男の子の年齢が上がってきてもおままごとばかりしていると、心配になることもあるかもしれませんが、性別によって「この遊びはしない方がいい」ということはありません。安心して遊ばせてあげてください。
ごっこ遊び②戦いごっこ
戦いごっこは、相手を怪我させてしまったり、ケンカにつながったりしやすいので、見ていてハラハラする方も多いはず。「なるべく、やってほしくないな」と思う方もいるのではないでしょうか。
それでも、子どもたちは戦いごっこを通じてさまざまなことを学んでいます。たとえば、叩かれれば痛いこと。どのくらいの力加減であれば、相手を怪我させないか、どの部分は叩いたり蹴ったりしてはいけないか、などを実体験で学んでいるのです。
どうしたら周りに迷惑をかけないように遊べるか、どこでなら思い切り遊んでいいのか、相手はイヤがっていないか、などを細かな判断軸に気づくきっかけにもなります。
ごっこ遊び③お店屋さんごっこ
お店屋さんごっこも人気のある遊びのうちの一つです。5歳だと、お買い物についていったことはあっても、ひとりで買い物をしたことがない子は多いはず。そんな子でも、お店屋さんごっこを通じて、お買い物の練習をすることができます。
たとえば、コンビニならどんな物を売っているのか、スーパーなら何があるか。レジに持って行ったときに、店員さんは何と言ってくれるのか、お金をどう払ったらいいのかなど、買い物のやり方を一緒にたしかめることができます。
少しずつ数を覚え始める年齢でもあるので、数字に強い子には「おつりはいくらですか?」と聞いてみたりすると、ちょっとした算数の練習にもなります。
ごっこ遊びには親のサポートも重要
では、子どもがごっこ遊びをしていく上で親はどのようなサポートをしたらよいのでしょうか?
もし、兄弟など子ども同士で遊びを楽しめているのであれば、あまり積極的に親が介入する必要はありません。
きちんとスペースを確保できているかなどの環境づくりや、周りに危険がないか、ケンカになっていないかなどを見守ってあげてください。
親子のごっこ遊びでは、子どもに主導権を握らせてあげて
もし、ママやパパが子どもとごっこ遊びをするのであれば、なるべく子どもに主導権を握らせてあげてください。子どもに任せると、大人の常識から考えたらありえないようなストーリー展開になることもあります。
細かく見ていくと、アドバイスをしたくなる場面もあるかもしれませんが、ごっこ遊びで大切なのは正しいかどうかではありません。子どもが役を演じて、周囲と協力しながら世界観を作り上げていくことが大切なのです。
もし、展開が詰まってしまったり、何か困っていたりしたら、助け舟を出してあげるのが周りの大人の役割です。
まとめ
ごっこ遊びは、年齢によって内容が変化していきます。小さいころは真似をすることがメインですが、5歳くらいで一緒に遊ぶ相手の目線に立って考えることができるようになります。
子どもたちは、ごっこ遊びを通じてさまざまなことを学びます。場合によっては、社会で生きていくための予行練習だったり、自分のなりたい姿を思い描くことだったりします。
ただ「自分のやりたいことを実現したい」だけではうまくいきません。他の子と遊ぶ上でのルールを決めたり、役割を分担したり、時には譲ってあげたりすることで社会性を身に着けていきます。
ごっこ遊びは、社会性を身に着けていくために不可欠なもの。忙しくてなかなか子どもと一緒に遊べないという方も、少し時間をとって子どもとごっこ遊びをしてみませんか?