増えつつある小学校のお受験組

子どもの将来を考えたとき、小学校・中学校・高校とどのタイミングで受験させるかという悩みが生まれます。筆記試験を伴った受験もあれば、推薦で合否が決まる受験など、種類はいくつかありますが、どこかのタイミングで受験は必ず発生します。

いつ受験させるかは、子どもの発達やご家庭の教育方針に合わせて、それぞれのご家庭で決断いただくことになるかと思いますが、最近では、小学校受験をさせたいというご家庭も増えてきています。

子どもにどのような教育を受けさせるのか。これは将来に関わるとても重要な選択です。

私立の小学校のよいところ

私立小学校について、皆さんはどのような印象をもっていますか。

「教育熱心なご家庭の子どもが集まりそう」「学習環境が整っていそう」「独自の教育プログラムを持っていそう」など、なんとなくのイメージはあっても、具体的に何が良いのかを説明できない方も多いのではないでしょうか。公立小学校にはいいイメージがない、というような比較対象への負の印象から選ぶのは、危険信号です。

私立の学校では、建学の精神と教育理念が明確な状態で設立されており、学校の中で一貫した教育方針が定められています。そのため子どもたちは、特長のある教育を6年間を通じて受けることができます。

また、公立の小学校とは異なり、教職員の異動がほとんどなく、指導する先生がコロコロと変わることもありません。

6年間ともに学ぶ同級生に関しても、基本的には学校の教育理念や教育方針に共感したご家庭の子どもたちが集まってくるので、自然と価値観や気質が似通った子どもたちが集まります。中学校・高校とエスカレーター式に進学していく場合は、最大で12年間ともに学ぶことになります。子ども同士の絆や信頼関係も強固なものとなります。

あらゆる面で安定した環境の中で教育を受けることができる。これが私立小学校の最大の魅力かもしれません。

受験の鉄則は第一志望を決めること

中学校や高校受験のように、子どもの偏差値が学校を選ぶ基準とはならないのが小学校受験です。ご家庭の教育方針や子どもの個性、特徴などに合わせて、この学校を受験すると決めなくてはいけません。

また、学校側が気にしているのは、本当に入学してくれるのかどうかという志望意欲です。受験というより就職活動に似ているかもしれません。

したがって、第一志望校を決めることが何よりも先決です。小学校の入試情報を手に入れ、どの学校を受験するのかを決め、志望意欲・入学意欲を高めていきましょう。合否の最後に大切になるのは、その意欲の大きさです。

神奈川県の私立小学校

神奈川県は、関東の中でも私立小学校が多い地域です。特に横浜市周辺に学校が、多く集まっており、教育の質が高い地域と言えるでしょう。

今回は、横浜市神奈川区にある捜真小学校のご紹介をします。

捜真小学校の理念

捜真小学校の建学の精神は「キリスト教教育に基づき、真理の探究をなしつつ、人間形成の教育をする」ことです。

捜真という学校名は、1892年に定められ、以来約130年間変わっていません。捜真小学校では「真理を捜す」という意味の、この学校名をとても大切にしています。

この真理とは、学問的真理の探求と聖書の教える大切な真理を表しています。聖書のいう真理とはすなわち「私の生きている意味」「自己存在の意義」を探すことです。

また、捜真小学校では、7つの教育目標を設定しています。

・神を畏れ、常に真理の前に正しく在ることを願う人間の育成に努める。
・自主的に物事を考え行動し、自己の責任と義務とに忠実な人間の育成にあたる。
・利己的な人間よりも、社会人として相互に敬愛し、協力し合う人間の育成を目指す。
・偏重した才能よりも、全体的に知性のある健康で情操豊かな人間の育成を期す。
・どんな人間にも必ず優れた面のあることに細心の注意を払い、個性の伸長を図る。
・けなす前に褒める。褒めることは何事にも勝る前進の力であることを覚える。
・教師は神の召命を覚えつつ、神と人に仕えることを志す。

捜真小学校の特色

捜真小学校では、毎朝の礼拝で1日が始まります。神様を賛美し、聖書の言葉に耳を傾け、心を一つにお祈りを捧げることは、捜真小学校で最も大切にしていることです。

英語体験や聖書の言葉を学習する時間が1年次から週1時間設けられており、宣教師の先生と一緒に歌やゲームなどを楽しみながら学習します。

室内プール、テニスコート、チャペル、自然教室、バレーコート、ベタニヤガーデン、大型複合遊具、ビオトープといった施設がとても豊富なことも特色のひとつです。

感動する心・驚く心・発見する心こそが勉強への意欲になると考えられ、たくさんの本との出会い、豊かな自然に触れる学習が取り入れられています。人との関わり合いにより、学びへの探求心をはぐくみます。

また、児童の個性の発見とそれを生かす教育をするために、1学級30名、1学年2学級の少人数編成となっています。授業の展開はクラス担任と専科担当の教師によって行われ、必要に応じてバランスよく組み合わせた配置での授業が行われています。

進路情報

捜真小学校は、系列校に捜真女学校中学部があります。女子は内部推薦制度により、捜真女学校中学部にほぼ進学しますが、男子は外部進学をしなければなりません。

他の中学校を受験をした生徒の進学先は、青山学院、開成、慶應湘南藤沢、秀明、中央大横浜、桐光学園、広尾学園、立教池袋、浅野、学習院、慶應中等部、湘南学園、筑波大駒場、藤嶺藤沢、法政二、早稲田、麻布、鎌倉学園、慶應普通部、逗子開成、桐蔭中等、日大、明治学院、栄光学園、関東学院、サレジオ学園、聖学院、桐蔭男子、日大三、明大中野、桜美林、関東学院六浦、静岡聖光、聖光学院、東京都市大附属、日大藤沢、山手学院などです。

捜真小学校の合格率

捜真小学校の2019年度の入試結果は男子児童の出願者54名、女子児童の出願者89名、合格者60名、倍率2.38倍でした。

また、試験の内容としては、ペーパーテスト、行動観察、親子面接です。

アクセス

所在地は神奈川県横浜市神奈川区中丸8です。

アクセスは、東急東横線他「反町駅」から徒歩15分。横浜市営地下鉄ブルーライン「三ッ沢下町駅」から徒歩13分です。もしくは横浜市営バス50系統「栗田谷循環」に乗車「捜真学院前」下車。

JR横浜線・東急東横線他「横浜駅」からだと、「横浜駅西口」3番バス乗り場より「神大寺入口」行きに乗車「捜真学院前」下車。

東急東横線「反町駅」からだと、「東横反町駅前」より「神大寺入口」行きまたは「横浜駅西口」行きに乗車「捜真学院前」下車。

ちょっとした気づき

捜真小学校では、キリスト教の教えを土台にし、温かいのびのびとした教育をしています。

また、学年末に全学年「学力診断検査」を行なったり、個人面談や通知表を通して一人ひとりにあった学習をご家庭と協力しながら進められるように努めていたりと、生徒に合わせた細やかな指導方針を策定していることも注目点でしょう。1年生から次の学年の学習を先取りするなど、進学のための対策を十分に施されています。

捜真小学校情報まとめ

いかがだったでしょうか。今回は神奈川県横浜市にある捜真小学校について紹介してきました。

捜真小学校は、キリスト教の教えのもと、子どもたちの人格形成を行いながら、施設や行事の豊富さによって知的好奇心を刺激しています。中学受験が必要な子どもたちへの対策もしっかりと設けているなど、バランスのいい学校といっていいでしょう。

ぜひ説明会、相談会に参加して、お子さんの志望校のひとつとして検討するのはいかがでしょうか。