私立受験をするなら、今から準備をするのがおすすめ

そろそろ子ども達の入学式のシーズン。お子さんの進級にともない「小学校はどこに行かせようか」ということが気になってくるご家庭も多いのではないでしょうか。

地元の公立小学校にするか、それとも少し離れたところでも私立の小学校に行かせるのか。お子さんの進学についてご家庭内で話し合っていますか？

受験の準備に必要な期間は最低一年と言われています。私立受験をするのであれば、今ごろから計画を立てていくことをおすすめします。

私立と公立の小学校のちがい

公立の小学校は、同じ地域に住む子どもたちが一緒に教育を受けられる場所です。公立の小学校の場合、他の学校と比べて平等であることが大切です。そのため、学校ごとに授業で特色を出したり、授業数を増やしたりといった工夫をしづらくなります。

教師も地域で採用されて配置転換があるので「昨年の担任の先生が、別の学校に行ってしまった…」ということはよくあります。

一方で、私立小学校はそれぞれの創立者が目指す教育を実現するために設立しています。たとえば、キリスト教の教えを大事にしていたり、学力を伸ばすことを重視していたり、少人数制のクラスであったりと学校によって特色があります。

教師も地域ではなく、学校が採用するため、昨年の担任の先生が同じ学校内にいることがほとんどです。そのため、子どもに関する情報を共有しやすいのもよいところです。

私立小学校は公立とは成り立ちや仕組みがちがいます。学校によって、集まる生徒や教師もさまざま。「この学校で学ばせたい」という希望を持った家庭の子が集まるので、学校のことを調べることが大切になります。

千葉県の私立小学校

千葉県には多くの私立小学校がありますが、女子校はその数に比べて比較的少ない傾向にあります。今回は女子校のひとつ、国府台女子学院小学部をご紹介します。

国府台女子学院小学部の理念

国府台女子学院小学部は、私立の女子小学校です。系列校は、国府台女子学院中学部、高等部があります。高等部は、東京大学や京都大学にも合格者を出している進学校でもあります。

仏教の中でも浄土真宗の教えを教育の根幹にしています。

教育目標は「敬虔・勤労・高雅」の3つです。「敬虔」はすべてのものに敬いの心を持ちましょう、「勤労」身も心も働かせることを生きがいとしましょう、「高雅」は自らを清め品格のある女性になりましょうという想いをこめられています。

豊かな心と確かな学力を大切にしている学校です。

国府台女子学院小学部の特色

特色は、小学校としては全国的に見ても珍しい女子校であることや、学力の育成に力を入れている進学校であること、仏教の浄土真宗にもとづいた情操教育を行っていることもあります。

まず、学力の育成についてですが、小学部では国語と算数の基礎学力の習熟を中心に、専任の教師による充実した指導体制があります。6年間を通して、ネイティブスピーカーによる少人数制の英語教育も行っています。

高等部は進学校としても有名で、京都大学や東京大学、千葉大学、慶應や早稲田といった関東の有名な国公立、私立大学の合格実績もあります。また、青山学院大学や明治大学などの指定校推薦枠もあります。

仏教教育は学校行事にも表れています。花祭り、成道会、涅槃会、報恩講など、他の小学校では経験できないような仏教行事があります。仏教の考え方や世界観を学ぶことで、お互いに生かし生かされ合う「命」について考えます。自己中心的な考えから心が解き放たれて、日常生活で友だちとともに喜び、悲しみをわかち合う心につながげてきます。

国府台女子学院小学校のホームページには、“多くの知識を身につけえても、他者を思いやり慈しむ心を持たなければ社会にとって有益なものとすることはできません。これら2つの心は兼ね備えてこそ意味を成すのです。”とあります。

クラブ活動は美術、科学、家庭科、運動競技だけでなく、絵手紙、一輪車、民舞、リズム、アンサンブルといったクラブがあります。その他、放課後の活動として、陸上部、水泳部、合唱部もあります。

保護者同士の関わりの機会も多くあります。各クラス3名の役員（母親の会）が学院祭でのバザーを担当。育友会（父親の会）が、学院祭の出し物、夏休みのバーベキュー大会を企画運営。コーラス・書道・フラワーアレンジメント・ゴルフ等の保護者の同好会があるのも、特徴的です。

進路情報

気になる進路先としては、小学校から系列の国府台女子学院中学校に原則として全員進学することができます。外部受験をした生徒数については情報が公開されていません。中学校と高等学校も隣接しているので、通い続けやすい環境です。

2018年度の高等部の大学合格実績は以下の通りです。京都大学、東京大学、一橋大学、東京医科歯科大学、東京芸術大学、東京学芸大学、筑波大学、千葉大学、お茶の水女子大学、慶應大学、早稲田大学、上智大学、東京理科大学。

国府台女子学院の広報では、指定校推薦枠のある大学も公開されています。青山学院大学、大妻女子大学、学習院大学、慶應大学、上智大学、中央大学、東京薬科大学、東京理科大学、早稲田大学、立教大学などがあります。

国府台女子学院の小学部の合格率

国府台女子学院の小学部の入試は、一年に一回のみです。2019年は、WEB出願が10月の頭で、考査と面接があり、合格発表も10月中です。

2019年の倍率は1.3倍でした。2018年と2017年は1.1倍です。

試験内容は、ペーパー式テスト、指示行動や集団ゲームの行動観察、保護者と児童の面接です。運動試験や個別面接はありません。

アクセス

所在地は、千葉県市川市菅野3-24-1です。

JR総武線の市川駅から徒歩15分、もしくは京成本線の市川真間駅より徒歩8分です。JR市川駅からはバスで10分の「菅野6丁目」を下車してすぐです。

JR市川駅は東京駅まで電車で17分、千葉駅から21分の位置にあります。東京と千葉の中間なので、どちらからのアクセスも良好です。

ちょっとした気づき

国府台女子学院は、仏教の教えを大切にしている女子小学校です。他の学校には無い要素がありイメージをしにくいかもしれませんが、ホームページには、学校の一日や施設紹介、教育内容などについても載っています。

ホームページだけでは分からない、という方向けの見学会も充実しています。5月から7月まで毎月学校説明会や学校見学会を行っています。見学会や説明会の予約は4月の上旬から、Webで開始する予定です。気になる方は一度、実際に足を運んでみてはいかがでしょうか。

国府台女子学院小学部情報まとめ

今回は、千葉県の市川市にある国府台女子学院小学部をご紹介しました。

「敬虔・勤労・高雅」の教育目標をもとに、仏教の教えを大切にしています。進学校としても有名で、高等部からは有名大学への合格実績もあります。

受験において、それぞれのご家庭が重視する価値観や、教育方針がちがうので、お子さまに合った学校を見つけることが重要になってきます。子どもの性格や気質によっても、合う・合わないは顕著に見られます。

学校を選ぶ基準はさまざまです。学力を上げること、国際交流、教育理念、進学先などの教育内容なのか、それとも地域、学費などの条件なのか。合格率で現実的に入学可能かどうかも関わってきます。その結果、どのタイミングで受験させるかという長期的な見通しが浮かび上がってくるはずです。

まずは、ご両親にとって、そしてお子さまにとって重要な項目が何なのか話し合いつつ、ご家庭の教育方針を明らかにしていくところから始めてみてはいかがでしょうか。