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子どもを「お片づけ上手」にするためには「遊び感覚」が大事!

公開日:2024/02/22
最終更新日:2024/03/01

「ふと気づくと遊んだおもちゃや脱いだ洋服が床に散乱している」…子どもの「片づけられない問題」は、子育てにつきものの悩みのひとつかもしれません。「教えてもなかなかお片づけができない」「散らかしっぱなしで大変」と、日々頭を悩ませているパパ・ママも多いのではないでしょうか。
子どもが積極的に「片づけ」をしてくれるようになるには、そして「片づけ上手」にするためにはどうすればよいのでしょうか。
そこで今回は、子どもに関わるすべての大人に向けての整理収納教育や子どものための知育玩具の開発などを手掛ける「株式会社整理収納教育士」の皆さんに、子ども自身で片づけができるようになるコツや、片づけと子どもの成長とのつながり、教育的効果などについてお話を伺いました。


◆「お片づけ」という日常の行為が子どもの成長にもつながる
大人になっても大切な生活習慣のひとつである「片づけ」。実はこの片づけ、日常生活に欠かせない行為というだけでなく、子どもに対して教育的な効果もあるのだそう。

「子ども時代に大事なモノといえばおもちゃが挙げられますが、大人になるにつれ、それは『仕事』や『時間』といったものになってきます。モノの整理は時間の整理。小さなころにモノを整理整頓することを習慣づけられれば、大人になった時、仕事や時間、お金などといったものに優先順位をつけたり、先を見通して計画的・効率的に行動できる力にもつながってきます」

身の回りにある様々なモノの中から大切なものを見極め、分類・整理したり、引き出しやすいようにタグづけをする。「片づけ」をすることは、学んだことを活かすために必要な脳のシステムを構築する上で大いに役立つのだといいます。

また、情操教育の面でも片づけには様々な効果があるといいます。片づけをやり遂げた時の達成感や充実感が子どもの自信に繋がるだけでなく、「思いやりの心」も育むこともできるそう。

「決まった場所に片づけることが習慣化すると、モノをなくすことが減ります。また、放置をしないのでモノが壊れず、大事に使えるようにもなります。モノを大事に使う気持ちを育めば、それは人に対する思いやりにもつながっていくのではないでしょうか」

◆片づけができない理由とは?
では子どもが、「片づけ」ができない・苦手になってしまう原因はどんなところにあるのでしょう。そこには環境面と心理面、それぞれの理由が考えられると言います。

「まず環境面について、ほとんどのご家庭で、子どものモノと大人のモノが混在し、結果としてモノが多くなってしまっていることが原因として挙げられます。また、モノを戻す場所が決まっていなかったり、あっても子どもにとってはわかりにくかったり、成長に合っていなくて使いづらいことも原因のひとつになっているかもしれませんね」

モノをしまう場所である引き出しや扉、あるいは箱などは、大人であれば簡単に扱えますが、小さな子どもにとっては難しいことも。手が届かなかったり、開けるだけの手先の器用さや力がまだ備わっていないために上手に扱うことができず、片づけから遠ざかってしまうこともあるのだとか。

「保育園や幼稚園ではお片づけができるのに、家ではできないと悩む親御さんもいらっしゃいます。園などにはものをしまう所定の場所がありますし、子どもでも片づけやすいように、位置やスペースも工夫されています。自宅でも同様に、片づけの場所を決めておくとスムーズにできるようになります」

上手に片づけができるようになるためには、まず片づけをしやすい環境を整えることが大事。何かを買う前に、それは本当に必要なのか、購入した場合はどこに収納すべきかということを考えたり、また収納は子どもにとって使いやすいかといったことを考えるクセをつけることが、「片づけ上手」への第一歩なのかもしれませんね。

「片づけというのは、モノをもとに戻すことです。モノを片づけるには、『ものを区別しながら整理整頓すること』と、『収納する場があること』が欠かせません。整理整頓力と収納の場という土台をつくってあげることは、親としての大きな役目だと思います」

一方、心理面では「使ったら戻す」といった意識がない、あるいは「片づいている」というのがどういう状態なのかわからない、といったことが考えられるそう。子どもに「片づけ」を教える際には、まずは「『片づいている』とはどういう状態なのか」という概念を作り、「片づいたら気持ちがいい」という感覚を育てることが大切だといいます。

また、片づけには「遊びを終了させる』」といったイメージが強く、「まだ遊びたい」という心理から片づけをしないという場合も。片づけをさせるために、ついつい「遊びは終わり!早く片づけなさい」などと言ってしまいがち。でもこうした働きかけだけでは、一時的に片づけをさせることはできても、片づけを習慣化することは難しいといいます。

「片づけが『楽しい、気持ちいい』という感覚を育てないと、長く続けることはできません。片づけも『遊び』の一環としてとらえ、楽しいものだと思ってもらえるような働きかけをすることが大切です」


◆目指せ「片づけ上手」!年齢ごとの取り組みをご紹介
では実際、子どもに「片づけ」に楽しく、積極的に取り組んでもらうためにはどのような取り組みをすればよいのでしょう。そのための第一歩は「意識づけ」。片づけることが毎日の生活のなかで当たり前、片づけると気持がいいといった意識づけは、実は0歳からでもスタートできるといいます。

「0歳の赤ちゃんでも“見る”、“聞く”、“感じ取る”ことができます。生後数カ月が過ぎて、寝返りやおすわり、ハイハイができるようになると、行動範囲が広がり、見えるものや興味の対象も増えてきます。赤ちゃんは、一番近くにいる親のことをよく見ていますから、親が片づけをする姿も見ているんですよ」

たとえば「食事の前と後にテーブルを拭く」という何気ない動作。これも、習慣化していれば “当たり前”の行動になります。テーブルを拭くこと自体の意味はわからなくても、習慣化するにつれ、「食事の前後にはそうしないと何となく気持ちが悪い」という感覚が育まれていきます。片づけについても同じように、「散らかしっぱなしでは気持ちが悪い」という感覚を少しずつ養ってあげるといいでしょう。

1歳を超えた頃からは、親の行動をよく見るだけでなく、マネをしていろいろな動作を覚えていきます。子どもに見られていることを意識した行動を心がけることも大切です。

「洗濯物を取り込んだら畳んで所定の場所にしまう、おもちゃや絵本を片づける、ゴミはゴミ箱に捨てる、テーブルはいつもきれいにしておくなど、日々の生活に欠かせないことを、子どもにできるだけ見せてあげましょう。そうすることで、片づける、きれいにする、気持ちがいいという感覚が自然と定着していきます」

こうした意識づけをしていく上でのコツは、「親が楽しそうにやること」なのだそう。また、子どもがまねをしてゴミ箱にゴミを捨てたり、お片づけを手伝ってくれたときは、たくさんほめてあげることも大切です。

3歳になった頃からは、遊び感覚で片づけの「楽しさ」を教えてあげるとよいそうです。

「この時期は、『片づけとは何か』ということがまだよくわかっていません。また、まだ遊びたいのに片づけを促されたりすると、反抗したり嫌がることもあるでしょう。片づけを無理強いせず、遊びの延長として促してみるのがおすすめです」

たとえば、おもちゃを片づける場所に、おもちゃと同じラベルやシールなどを貼っておき、「絵合わせ」の要領で所定の位置に収納するようにすれば、おもちゃで遊んだ後のお片づけも楽しい「遊び」に早変わり。親子で一緒に取り組むのもいいですね。また、片づけを楽しみながら学べる知育玩具を利用するのも方法のひとつ。株式会社整理収納士でも、パズルやトランプなど片づけを学べる知育玩具を開発・販売しています。

4歳になると、片づけの意味も少しずつ理解できるようになってきます。このころのお子さんには先の予定に沿って片づけを促す働きかけをするとよいそう。

「たとえば、ご飯やお風呂、寝る前の時間だから、おもちゃを片づけようね、などと声がけすると、『何かをする前には片づける』という習慣が身についていきます」

5歳になると、「片づけなければいけない」ことがかなりわかっています。やろう、という子どもの気持ちを大切にして声がけをし、遊びから片づけに気持ちを切り替えられるよう、促してあげましょう。

小学校にあがるころには、片づけや整理整頓が生活リズムのひとつであることが理解できるようになります。自分の部屋や、リビングなどの一角に自分のスペースを持つことも増えてくるでしょう。

「自分のお部屋やスペースがお友だちや家族の目に触れるようになると、“素敵にキレイに見せたい” という気持ちも生まれます。この時期からの子どもは、大人が思っている以上に人目も気にしますから、インテリア感覚で自分のスペースを飾る楽しさや工夫を、自然に片づけにつなげていってあげるとよいのではないでしょうか」

日々の生活の中で物事を整理するプロセスを身につけたり、小さな達成感を味わい、成功体験を積み重ねることもできる「片づけ」。できれば子どもには積極的に取り組んでほしいものですよね。そのためには、子どもの成長を理解し、年齢に合わせた「片づけ方法」を根気よく伝えていくとともに、片づけに「楽しく」取り組めることがとても大切なんですね。
大人にとっても大変な毎日の「お片づけ」ですが、今日から子どもと一緒に、遊びの感覚で取り組んでみてはいかがでしょうか?

子どもを「お片づけ上手」にするためには「遊び感覚」が大事!1歳から12歳までの学童型知育教室アデック

(プロフィール)
株式会社整理収納教育士
「子どもに生きる力を。整理収納は情操教育」「子どもに自立力教育を」「大人から子どもへの整理収納教育は、教養の伝達」を理念とし、片づけ教育のプロ集団として、片づけに関するアドバイスをはじめ、講座の開催、片づけに役立つさまざまな活動を行っている。