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「遊び」からスタートできる!近年人気&注目度UPの「アーバンスポーツ」の魅力

公開日:2024/04/12
最終更新日:2024/04/11

公園などで「遊び」としても楽しむことができ、誰でも始めやすい「アーバンスポーツ(都市型スポーツ)」。東京2020オリンピックを境にその人気や注目度は一般層にまで広がり、近年では「習い事」として取り組む子どもも増えてきているそう。
そこで今回は、アーバンスポーツの特色や種目、子どもがアーバンスポーツから学べることや、「街で行うスポーツ」ならではの注意点などについて、一般社団法人日本アーバンスポーツ支援協議会・専務理事で、日本ローラーフリースタイル協会・理事の山川幸則さんにお話を伺いました。


◆「アーバンスポーツ」ってどんなスポーツ?
一般的に都市型のスポーツといわれる「アーバンスポーツ」。野球やサッカーといったスポーツのように大規模なスタジアムや専用施設は必要なく、私たちの暮らす「街」がフィールドになることが、その大きな特色です。

東京2020オリンピックでは「スケートボード」「BMXフリースタイル」「スポーツクライミング」「3×3バスケットボール」が新競技として採用。日本人選手が大活躍し、10代前半のメダリストが誕生したのは記憶に新しいところではないでしょうか。今夏開催のパリ大会ではさらにダンス競技である「ブレイキン」も追加され、「アーバンスポーツ」というカテゴリー全体の人気と注目度は今後さらに高まっていきそうです。

「スポーツ離れ」も叫ばれつつある昨今、手軽に取り組めるアーバンスポーツは大いに注目を集めていますが、魅力はその手軽さだけにとどまりません。

選手たちの見せる超人的なパフォーマンスや個性的なスタイル。音楽・ファッションといった文化とスポーツ、あるいは街とスポーツ空間の融合。そして、選手自身が競技や技に挑戦することを楽しみ、選手同士が互いをリスペクトしあうという独特の競技文化など、新たなスポーツのカテゴリーとしてさまざまな魅力にあふれているのが「アーバンスポーツ」です。

◆多種多様なアーバンスポーツ
オリンピックで採用されている競技以外にも、「アーバンスポーツ」には実にさまざまな競技があります。ここではそんなアーバンスポーツをいくつかご紹介していきましょう。

<スケートボード>
「スケボー」の略称で知られ、スポーツとしてもレジャーとしても長く多くの人に親しまれてきた、アーバンスポーツを代表する競技のひとつ。車輪のついた板(デッキ)に乗り、ジャンプや回転、あるいはデッキを回転させるフリップなどの技(トリック)を繰り出します。競技としては「パーク」、「ストリート」の2種類があり、トリックの難易度やスピードなどを競い合います。

<BMX>
Bicycle Motocross(バイシクルモトクロス)の略称で、自転車競技の一つです。大きく分けて2つの競技があり、「レース」ではジャンプ台などが用意されたコースでタイムを競います。一方「フリースタイル」には、ジャンプや回転などアクロバティックなテクニックを競う「パーク」と、平地や床で行うダンスとアーティスティックなライディングのミックス、「ブレイクダンスとバイクの融合」とも呼べる「フラットランド」があります。

<スポーツクライミング>
自らの手足を使い、壁に点在する「ホールド」という突起を支えに登っていきます。課題となるコースに対して時間内にどこまで到達できるかを競う「ボルダリング」と、登る速さを競う「スピード」、高さを競う「リード」の3種類があり、握力や瞬発力に加え、判断力や戦略性も求められる競技です。

<パルクール>
走る・跳ぶ・登る・着地するといった運動能力を最大限に活かし、忍者のような身軽さで、スタイリッシュかつスピーディに街を疾走するスポーツ。「スポーツパルクール」には「スピードラン」、「フリースタイル」、「スキル」、「タグ」の4種類があり、世界大会も開かれています。近年ではパルクールに鬼ごっこの要素を加えた「パルクール鬼ごっこ」の人気も高まっています。

<ブレイキン>
「ブレイクダンス」とも言われるダンス競技で、頭や全身を使って回転したり跳ねたりといったアクロバティックな動きが特徴。頭を支えにして回転したり、足を大きく開いて旋回する動きを思い浮かべる人は多いのでは?音楽に合わせて1対1で交互に即興ダンスを披露して競い合います。

<インラインスケート>
アイススケートの刃が車輪になっている、陸上を滑るスケート。スピードスケートのように速さを競う競技や、フィギュア、フリースタイル、ホッケーなど、インラインスケートを活用したさまざまな競技があります。

<スラックライン>
綱渡りのように張った専用ラインの上で、トランポリンのように弾みながら歩いたり座ったり跳ねたり回ったりと、さまざまな動作をする競技。技を披露するだけでなく、スラックラインの上でヨガをするなどの楽しみ方もあるそう。

<ダブルダッチ>
2本のロープを使った縄跳び。「スピード」「規定」「フリースタイル」「フュージョン」の4種目があり、場所を選ばずどこでも少人数で楽しめることが魅力のひとつです。

<バスケットボール3X3>
3人制のバスケットボールで読み方は「スリー・エックス・スリー」。長くストリートで親しまれてきた「3on3」のルールを整理・統一した競技です。コートは5人制の約半分のサイズで、1試合は10分間。攻撃がシュートを打つまでの時間は12秒という制限があり、スピーディな展開が魅力です。

<フリースタイルフットボール>
サッカーのリフティングやドリブルといった基本的なスキルを磨き、ダンスの要素も組み合わせてパフォーマンスをします。ボール一つあれば、場所を選ばずだれでも、ひとりでもはじめられる手軽さがあります。

◆アーバンスポーツを楽しむには?
アーバンスポーツに挑戦してみたいと思ったときにはどうしたらよいのでしょう。始めやすい競技などはあるのでしょうか?

「スケートボード・BMX・インラインスケートは『B3スポーツ』と呼ばれていて、この3つが一緒にできる専用のパークが増えてきています。オリンピックでメダルを獲得したスケートボードは注目度も高く、スケートボード専用のパークも比較的多いようです」

「パーク」には企業や自治体も注目していて、近年では公営のパークの設置なども広まりつつあるのだそう。また長年にわたり普及に力を入れているスポーツショップなどが体験会やスクールを全国各地で開催していることもあり、スケートボードをはじめとした「B3スポーツ」は比較的取り組みやすい競技といえます。

またパルクールは鬼ごっこの延長のようなもので、公園でもできる遊びだと山川さん。格好良くジャングルジムを登ってみるとか、隙間をうまく抜けるとか、スタートとゴールを決めて遊べば、それだけでも十分パルクールとして楽しめます。

◆「遊びの延長」だからこそのメリットも!
「遊び」として、街中や公園など手軽に始めることができる種目の多いアーバンスポーツ。子どもが取り組むことで、どのようなメリットが考えられるのでしょうか。

「もちろん競技による違いはありますが、身体的な部分では、体幹が鍛えられてバランス感覚が養われるという点が挙げられると思います」

通常、スポーツでは競技力を高めるためにフィジカルトレーニングが欠かせませんが、スケートボードやインラインスケートの場合、トップ選手であってもフィジカルトレーニングはあまり重視していないのだそう。

「憧れの選手に近づきたい」「あの技を成功させたい」・・・そんな思いで毎日取り組み、楽しみながら繰り返し練習をすることで、知らず知らずのうちに競技に必要なバランス感覚や筋力などが鍛えられていくといいます。

上達を目指して「遊び」感覚で取り組むことが自然と身体を鍛えることにも繋がるので、すでに他のスポーツ競技に取り組んでいる場合にも、アーバンスポーツに取り組むことは大いに役立ちそうです。

「また、パークでは年齢や性別関係なく競技に取り組みます。普段関わらない人と接することができるので、コミュニケーション能力が身についたり視野が広がることも、アーバンスポーツの大きな特色と言えます」

アーバンスポーツは、最近希薄になってきている人同士のつながりを持てる貴重な場にもなっているそう。年齢や性別関係なく、同じ場所で同じ競技に挑戦することが、家庭や学校だけでは経験できない大切な出会いの機会を与えてくれるかもしれません。

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◆アーバンスポーツにチャレンジ!そのときに気をつけたいこととは?
手軽に取り組めるアーバンスポーツですが、「街」をフィールドにするスポーツならではの注意点も。はじめるにあたって、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか。項目ごとにまとめてみました。

<場所について>
・禁止されている場所ではやらない
・人や車の往来が激しい道路ではやらない(人や車通りがない朝や夜にやるときは、騒音に注意)
・パークにはそれぞれの「ローカルルール」があります。周囲とコミュニケーションをとりながらルールに従って遊ぶことを心がけましょう

<装備について>
・どんなに上手くても、大人でも子どもでも、誰でも必ずヘルメットは着用しましょう
・膝、肘、手首などにプロテクターをつけるとより安心
・道具はできるだけスポーツショップで予算を含め相談しながら揃えましょう

<その他>
・すり傷など、多少のケガは「つきもの」だと思って遊ぶことが大事
・しっかり取り組みたいと思ったら、近くのスクールへ!
(それぞれの競技の協会やスポーツショップ運営のスクールがあるので、ぜひ調べてみてください)

中でも道具に関しては、「飽きるかもしれないから・・・」と最初に安いものを買い与えるのは避けたほうがいいと山川さんは言います。

「予算的な問題もあるとは思いますが、せっかくやる気になったのに道具が良くないために楽しさを味わえないのはもったいないですよね。ぜひ専門店でそれなりのものを用意してあげてほしいなと思います」

なじみのある競技やこれからさらに広まっていきそうなもの、バスケットボールやサッカーなどの競技から派生したもの、子どもが手軽にチャレンジできそうなものなどなど、調べれば調べるほどアーバンスポーツは多種多様。
数ある競技の中から、子ども自身の「好き!」や「楽しい!」「カッコいい!」、あるいは「得意」「やってみたい」に合うスポーツを見つけやすいことも、アーバンスポーツの魅力なのかもしれません。
今年はオリンピックイヤー。さまざまなアーバンスポーツを観戦して、興味がわいたら親子で挑戦してみてはいかがでしょうか?


プロフィール
一般社団法人日本アーバンスポーツ支援協議会
アーバンスポーツ普及促進と、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の機運醸成という目標を掲げ発足。「若年層のスポーツ離れ」を解決すべく、都市の環境でコンパクトなサイズの競技会の開催や、音楽やファッション等のエンタテインメント的な要素を組み入れた、来場者が自由に観戦し楽しめるアーバンスポーツイベントを開催している。