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「寝る子は育つ」は本当!子どもの良質な睡眠のためにできることとは

公開日:2024/04/01
最終更新日:2024/03/31

大人にも子どもにも毎日欠かせない「睡眠」ですが、「寝る子は育つ」ということわざがあるとおり、子どもの成長にとって睡眠は特に大切です。しかし、近年では家族全体の夜型生活化が進み、子どもの睡眠時間が減っているという話もあるのだとか。
そこで今回は、睡眠が子どもの成長にもたらす影響、快眠のためのアドバイス、そして家庭でできる「よい睡眠」のための具体的な方法などについて、一般社団法人日本快眠協会の今枝昌子さんにお話しを伺いました。


◆「眠ること」はなぜ大切?
「睡眠」が人間にとって不可欠であることは、誰しも理解しています。でも、なぜ眠りが必要なのかというと、理由をうまく説明できなかったりしますよね。今枝さんによると、睡眠は脳に欠かせないものであり、特に子どもにとっては脳を守り、成長させるための大事な時間なのだそう。

「子どもの睡眠時間が足りないと、怒りやすくなったり、落ち込んだりイライラしてしまうなど、感情を上手くコントロールしにくくなってしまうこともあるんですよ」

身体も脳も育ち盛りの子どもにとっては、睡眠はとても大切。例えば、5歳児を対象に行われた調査では、「三角形模写」が、5歳児の睡眠と覚醒リズムの良否と関連があることが示されたことも。睡眠時間にばらつきがあり、不規則な生活リズムが続いている子どもは、三角形の模写をした際にうまく形を描けない子が多く、保育の場では「気になる」子であることが多いという調査結果があるんです。

普段の生活の中で落ち着きのない子は「多動症」を疑われる例もありますが、実はその生活ぶりをよく調べたり、親から話を聞いてみると、原因が「睡眠不足」にあったというケースも多くあるそう。

「睡眠は、脳の感情をつかさどる部分とリンクしていると言われています。子どもが睡眠不足になると、ちょっとしたことでイライラしたり、お友達とのいざこざが多くなったりしてしまうんです」

子どもの睡眠が足りているかどうかは、自宅でお子さんの様子をチェックすることはもちろんですが、幼稚園や保育園の先生から聞く子どもの様子も参考になります。子どもの様子が普段と違うとき、その原因は「睡眠不足」にあるのかもしれません。子どもが怒りっぽくなった、なかなか言うことを聞いてくれなくなった…なんてことがあったら、まずは「しっかりと眠らせる」ことを試してみてはいかがでしょうか。

◆未就学児はどれだけ睡眠時間をとればいいの?
それでは実際、子どもはどれぐらい睡眠時間を取ればよいのでしょう。 子どもに必要な標準睡眠時間は3歳児で12時間、5歳児で11時間とも言われており、今枝さんも「未就学児なら、なんとか10時間程度の睡眠時間の確保を目指してほしいところです」と話します。

でも「10時間」という睡眠時間をしっかり確保するのは意外と難しく、特に共働きの家庭などでは至難の業。起床時間を7時とすると、10時間睡眠時間を確保するには21時には就寝する必要がありますが、帰宅後に夕食の仕度をしてご飯を食べ、お風呂に入って、明日の準備をして…となると、「21時に就寝する」ということを習慣づけるのは、かなりハードルが高いようにも思えます。

そのような中で「10時間睡眠」を習慣づけていくためにまず大事なのは、睡眠に対する「意識」を変えることだと今枝さんは言います。

「日本人には睡眠時間を『削る』ことが美徳という価値観が根強くあって、平均睡眠時間は欧米などに比べて1時間程度短いと言われています。まずは睡眠を今より重視して、『眠る』というところから逆算して生活習慣を形成するように意識して生活していくことが大事になってきます」

大人も忙しいので、ついつい後片付けなどの家事もすませてから寝かしつけを…と考えてしまいがち。ですが、「『家事は後回しに』と割り切ってしまう方がよい」と今枝さんは言います。

「子どもが大人の時間帯に合わせてしまうと、大人と同じ時間に就寝するようになり、睡眠時間がまったく足りなくなってしまうのです。その結果、小さなころの睡眠習慣が根付いてしまい、後に子どもが成長してから、親御さんが『なぜ早く寝ないの、早く寝なさい!』と寝かしつけに頭を悩ませることになります」

子どもと大人の時間帯はまったく違うもの、と考えて生活リズムをつくることが大切なんですね。また、保育園などでは「お昼寝」の時間もありますが、このようなお昼寝はあくまでも「補助的なもの」と考えてほしいと今枝さんは言います。

「大事なのは、24時間のうちにグッと深く眠る時間を作ることです。一番深く眠れるのはやはり夜ですから、夜の時間帯にしっかりと睡眠時間を確保することが必要になってきます」

家事などは、子どもが寝たあとのほうがはかどるかもしれません。しっかりとした睡眠を確保するために、「21時には子どもを寝かせること」を最優先に考えた生活を心がけるようにしましょう。

◆こどもの寝かしつけにおすすめの『足裏快眠法』!
生活リズムを見直して、子どもを先に寝かしつけることの大切さは理解できました。とはいえ、その一方で親にとって悩ましいのは「子どもがなかなか寝てくれない」という問題。実際、今枝さんにも、「寝かしつけ方がわからない」という親御さんからのお悩みが多く寄せられると言います。

どうすれば子どもをスムーズに睡眠に導けるか。それを知るためにはまず、睡眠に至るメカニズムから知る必要があります。

「夜になって副交感神経が優位になり、体から熱を逃がして深部体温が下がると自然と眠くなります」

眠りに入る直前の赤ちゃんや子どもはよく手足があたたかくなりますが、これは「熱放散」をしているためなのだとか。「体が温まると眠くなる」というイメージが強いかもしれませんが、実際には体から熱を放出しているために手足などが温かくなっているんですね。スムーズに眠りにつくためには、熱の放出を促して「深部体温を下げる」ことがポイントになるようです。

スムーズに眠りにつくために有効とされる方法はいくつかあります。たとえば一定時間体に力を入れることと脱力することを繰り返す『筋弛緩法』や、秒数をカウントして深い呼吸を繰り返す『呼吸法』などは有名で、試したことのある人も多いのではないでしょうか。でも、小さなお子さんが毎日、自らこれらの「快眠法」を行って眠りにつくというのは、現実的には難しい点も多いかもしれません。

また子どもを「寝かしつけ」する際に、絵本の読みきかせや添い寝をする方も多いのではないでしょうか。もちろんこれも有効な方法ではあります。「ただ、添い寝は親も本気で寝ないと子どもは寝てくれないことも多いんですよね」と今枝さんは笑います。寝かしつけたと思って離れたらまた起き出したり、寝かしつけるつもりが一緒に眠ってしまったり…なんてこと、確かに「あるある」ですよね。

そこで、今枝さんが紹介してくれるのが、子どもの足の裏を触ってあげる『足裏快眠法』。リフレクソロジーをベースとした快眠法で、ご家庭でも簡単に取り組むことができるそうです。

「心療内科に勤めていた際、患者様の多くが『眠れない』という悩みを抱えていることを知りました。私はもともとリフレクソロジーを学んでいて、患者様の足の裏を見る機会がよくあったのですが、『眠れない』と訴える方の足の裏には、硬い・冷たい・指が縮こまっている、という共通点があることに気づきました。そこで、リフレクソロジーを指導したところ、足裏の状態が改善されて眠れるようになる方が多くなっていったんです」

それでは実際、『足裏快眠法』はどのように行えばよいのでしょうか。簡単な手順を教えて頂きました。

<足裏快眠法の手順>
①まず、ママやパパの手で、子どもの両足をやさしく包みます。
②続いて、子どもの親指の側面を、ママやパパの手(親指と人差し指)で軽くはさみ、ギュッと優しく圧をかけます。
③同じ指を、今度は爪側と指腹側にママやパパの手(親指と人差し指)で軽くはさみ、ギュッと優しく圧をかけます。
親指と同様に、薬指から小指まで順番に、側面と爪・腹部分を指で軽くはさみ、ギュッと優しく圧をかけます。
④次に、子どもの足裏全体を、ママやパパの親指の腹や、軽く握った手の付け根の関節で、縦と横に優しくなでます。
⑤最後に子どもの足裏の中心部分をママやパパの親指で3秒間押します。このとき、ふうっと息を吐きながら軽く体重をかけるようなイメージでおこなってみてください。


リフレクソロジーは、足の裏や手のひらにある「反射区」と呼ばれる個所を刺激し、それぞれの反射区に対応した体の部位の血流を促し、疲労や機能の回復を目指すもの。上記の手順で足裏を刺激することで、「副交感神経を優位にする」「熱の放散を促す」といった眠りにつくための体の準備を促すことができると言います。慣れてくれば短時間で行うこともできるようになりますし、マッサージをしながらお話をすれば、お休みの前に子どもとのスキンシップやコミュニケーションをとる時間にもできそうですね。

足の裏は睡眠にとってとても大事な場所と今枝さん。日頃から足の指先をトレーニングしたり、足の裏を使って歩くことを意識するなど、「足の裏」を鍛えることはよい眠りのためにも有効とのことなので、親子で日ごろから意識してみてはいかがでしょう。

大人にとっても子どもにとっても欠かすことのできない「睡眠」という習慣。毎日当たり前に行っていることだからこそ、子ども達には1回1回の眠りをもっと大切に、質の良いものにして、心も身体も元気に成長してほしいですよね。
子どもの「睡眠力アップ」のためには、まず大事なのは「睡眠」を重視した生活サイクルを構築すること。そして寝かしつけの秘策は足裏にあり!子どもの寝つきにお悩みのパパ・ママは、ぜひ一度「足裏快眠法」をお試ししてみてはいかがでしょうか?

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(プロフィール)
一般社団法人日本快眠協会 代表理事 今枝昌子(いまえだまさこ)さん
心療内科内でリワーク講師を10年以上務め、リフレクソロジストとして眠れない12,000本の足裏から生み出した独自のメソッド『足裏快眠法』を生み出し、日本心身医学会にて学会発表、その後『睡眠力の鍛え方』を、体感研修として、企業・行政・医療の現場で約30,000名以上におこなう。2012年日本快眠協会を設立。2015年エンパワースリープ・ジャパン株式会社設立。睡眠の専門家としてTV出演、新聞コラムも掲載する等、雑誌等でも多数で取り上げられている。2014年より、公益財団法人 精神科学振興財団 睡眠推進健康機構の睡眠推進員を務め、2016年より『眠育活動』、2017年より『健康経営』サポートを開始。 書籍『生活習慣を変えなくても深い眠りは手に入る』