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子どもの自己評価を引き上げるコミュニケーションの3つの秘訣

公開日:2019/11/01
最終更新日:2020/03/29

子どもの自己評価を高める意義

皆さんは自分自身に評価を付けるとしたら、どんな評価をつけますか?例えば、これまでの人生を100点満点で考えたとき、何点をつけますか?その理由を答えられますか?

こういった問いを投げかけられると、意外と高い点数を挙げられないのが日本人の性かもしれません。高い点数をつけて他人からどう思われてしまうだろう?そもそも自分に自信なんてないし。そんな心の声が影響して、他者に嫌われない、それなりの点数を挙げてしまいがちです。

一方、子どもに同じ質問を尋ねてみると、目をキラキラさせながら100点だとか1000点だとか100万点だとか点数を伝えてくれることがあります。

100点だと言える子どもと、50点と置きにいくような点数を言う大人と、どちらのほうが人生が充実しているのでしょうか。

自己評価が高いとどうなる?

自己評価が高い子どもは、それだけでエネルギッシュです。

毎日が楽しい、だから明日が楽しみだと感じる子どもは、たくさんのことに前向きな気持ちでチャレンジできます。自分が満たされている、幸せだと感じる子どもは、周囲の困っている友だちに気遣いができたり、忙しそうなママのお手伝いをしたりできます。

反対に、毎日がゆううつ、明日が来るのが嫌だと感じる子どもは、意欲が低く受け身で流されやすいものです。自分が満ち足りておらず、不安感や孤独感が強い子どもは、自分の殻の中に閉じこもりがちです。

これらの特徴は、専門知識などがなかったとしても、想定できるものではないでしょうか。自分の子どもにどちらの道を歩んでもらいたいかと考えると、その答えは1択でしょう。

自己評価を引き上げるコーチングのコツ

自己評価は、子どもひとりの力で引き上げられるものではありません。家族からの声かけや園や学校の先生の指導、友だちとの関わりの中で高まっていくものです。

家族との時間の中で意識していただきたいのは「コーチング」という考え方です。

コーチという言葉はスポーツの世界で耳にすることが多いので、指導者のイメージがありますが、背中を押す役割だと認識してください。ビジネスの世界では、相手の潜在能力を引き出す育成方法論のひとつとされています。

子どもの背中を押す。例えば、子どもがやりたいことを応援したり、勇気づけたり、子どもが苦しい想いをしているときにそっと寄り添い、一歩踏み出すサポートをする。これがコーチングです。

親子のコミュニケーションに、ぜひコーチングの考え方を採り入れていただくと、子ども自身の自己評価が高まり、前向きに生きていこうとする子どもへと変わっていきます。

ここからは「コーチング」の考え方を採り入れた親子間のコミュニケーションのコツを3点お伝えしていきます。

①否定や批判をせずに子どもの話を聞く

コーチングには「ラポール形成」という言葉があります。これは信頼関係の構築という意味で、相手が自分のことを信頼していなければ、自分の話を聞いてくれないという前提に基づきましょうという考え方です。

「親子だから」という理由で、親子間に信頼関係が構築されているとは限りません。

ママの言うことを聞いてくれない、一度叱ったことが繰り返されるといった悩みがあるかもしれませんが、皆さん自身は子どもの話をちゃんと聞いていますか?子どもとの約束を守っていますか?子は親を見て育つものなので、親ができていないことは子どもに求めても酷な話です。

とはいえ、信頼関係は日常の何気ない積み重ねで構築されていくもの。まずは子どもの話を一生懸命聞きましょう。今日何があったか、どんなことをしたか、友だちとどんなおしゃべりをしたかなど、何でも構いません。その際、否定や批判をせず、子どもの言葉を遮らずに聞きましょう。

ちゃんと聞いてくれているという安心感があることで、自分には守ってくれるひとがいると自覚でき、自己評価を高めていくための土台が構築されるのです。

②強がらず、嘘をつかず、正直に子どもと話す

子どもにとってママとパパは圧倒的な存在です。

ママとパパから生まれてきて、ここまで育ててくれているという感謝や尊敬は、言葉に出てこなくても感じているもの。だからこそ、褒められれば嬉しいし、叱られればちゃんとしようとするのです。

この自然発生的な上下関係は決して悪いものではありませんが、子どもを応援したり、心の声を聞いたりするならば、横の関係を意識しましょう。導くのではなく、寄り添うイメージです。

例えば、子どもを叱るときに、大人の背の高さから子どもに言葉を投げかけたとしたら、見下ろす形でのコミュニケーションとなります。これは子どもにとって高圧的に映ります。同じ目線で話せば、不必要な不安感を抱くことなく、子どもは理解します。

この論理と同様に、ぜひママやパパは強がらず、誇張せずに、ありのままの姿を子どもにさらけ出してください。あまりにもルーズな姿を見せるのはよくないですが、ママやパパでも失敗するんだ、完璧じゃないんだとわかると、親近感がより大きくなります。

自分の子どものときの話やちょっとした失敗談なども交え、嘘をつかず、正直に向き合いましょう。その正直さが、子どもにメッセージを送るときの説得力へとつながり、自己評価を高める一歩となるのです。

③事実と意見を分けてフィードバックする

子どもの自己評価を高める一番のポイントはフィードバックのタイミングです。子どもができたこと、失敗したことなどに対して、アドバイスを行うことをフィードバックといいます。

このフィードバックの際に注意したいのが、事実と意見を切り分けることです。子どもがやったこと、できたこと、うまくいかなかったことなどは事実、その事実に対して自分がどう思ったのかが意見です。事実と意見を切り分け、事実から先に述べることが大切です。

実は、褒められたり、叱られたりしているときに、子どもにとって大切なのは親の意見ではなく、自分の行動の何が良くて、何がダメだったのかの判断です。それは、同じ失敗を踏まないように、どうすれば上手くいくのかを考えたいからです。つまり、事実の伝達を求めているのです。

ただ、親の役目としてそれだけで終わらせるのはもったいなく、事実を伝達した上で、意見を伝えることで、子どものやる気や意欲を引き上げたり、ダメなことはダメだと納得させたりとプラスワンの効果を生み出したいところです。これが子どもの自己評価を高めるチャンスです。

事実伝達は子どもにちゃんとした道を歩ませるための声かけであり、意見伝達は子どもの自己評価を高めるための声かけです。これが整理できていない状態で話すと、子どもは混乱してしまいます。順序立てて伝えることで、子どもの自己評価を引き上げていきましょう。

まとめ

子どもの自己評価を高めるための親子間のコミュニケーションの取り方を、コーチングをヒントにしながらご紹介しました。

①子どもの話をちゃんと聞くこと、②子どもに寄り添って話すこと、③子どもに話すときは事実と意見を切り分けることという3点をお伝えしましたが、特に①と②は普段の何気ないコミュニケーションから意識していただきたいことです。

親子間の信頼関係は小さな頃からの積み重ねで、親から愛情を受けて育ったと自覚しているかどうかによって、精神的な発達に大きな影響があります。自己評価を高めるためのヒントは③であって、①と②の土台がなければ、意味を成しません。

子どもに対してどのように育って欲しいか、どのようなことを学ばせたいかなどを考える前に、まずは親子間の絆を深め、その絆を確認していただきたいなと願っています。