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子どもの運動能力を高めるのに気をつけたいこと!運動能力を下げるのは意外にも…

公開日:2021/10/15
最終更新日:2021/10/15

生まれつき運動神経が良い・悪いはない!

「運動が得意な子に育ってほしい」というママ、パパは多いのではないでしょうか。「両親ともに『運動神経』が悪いから、きっとうちの子も…」と心配している方もいるかと思います。

「運動神経が良い・悪い」ってよく聞きますよね。ですが、体を動かすとき、脳から運動の指令を出し、それが神経細胞を通じ、筋肉に伝わり、動かすことができます。「運動神経」というのは、この運動に関わる神経の伝達回路のこと言います。

歩いたり、座ったり、絵を描いたり、お箸を使ったりするのも、神経の伝達が正常にできているからであり、つまりは、「運動神経が良い」というのは、誰もが持っている神経回路を、たくさん運動したことにより、高まった能力と言えるでしょう。生まれつきで運動神経が良い、悪いということはないのです。

一般的に言われる「運動神経が良い」というのは「運動能力が高い」ということです。運動能力は、子ども時代の運動体験によって、後天的に高められる能力です。

今回は、運動能力を高めるのにママ、パパが気をつけたいことについてお伝えしていきたいと思います。

子どもの運動能力を高めるのに気をつけたいこと!運動能力を下げるのは意外にも…

運動は大事!!

そもそも運動は、子どもにとっても、大人にとっても大事ですよね。運動が人間にもたらすことは、数えきれないほどあるということは、たくさんの研究でわかっています。「脳機能を高める」、「健康に良い」、「メンタルを整える」などなど、運動のメリットを探せばキリがありません。

子どものことで言えば、運動ができる子は脳が発達しているということは、もはや常識です。また、運動能力の高い子どもは、非認知能力が高いと言われております。

非認知能力とは、「感情コントロールができる」、「自己肯定感が高い」、「自分の決めたゴールに向かって努力ができる」、「コミュニケーション能力が高い」、「創造性が高い」などです。人生をイージーモードにしてくれると言ってもいい能力のことです。

これを聞いて、より子どもの運動能力を高めたいと思ったのではないでしょうか。

子どもの運動能力を高めたいなら、運動指導をしないこと!?

子どもの運動能力を高めたいと思うのなら、気をつけないといけないことがあります。それは、「子どもに運動指導をしない」ということです。

「えっ、運動能力を高めたいのに、指導をしちゃいけないの?」と思うでしょうが、これにはしっかりとした科学的根拠があります。

長年、子どもの運動能力の研究を行ってきた東京学芸大学の杉原隆名誉教授が行った2008年の研究では、「運動の指導をするほど、運動の点数は低くなってしまう」という驚きの結果が出たのです。

東京学芸大学の研究

研究チームは、なんと65の幼稚園で9000人の幼稚園児の対象に、「運動指導が子どもの運動能力にどう影響するのか」を調べました。

25メートル走、立ち幅跳びなどの6種目の数値を30点満点で評価したところ、マット運動や体操など週2回以上の運動指導を受けている子どもたちと、指導を受けていない子どもたちを比べたのです。

運動指導を受けている幼稚園児の点数は、男の子は18.3点、女の子は18.1点でした。それに対し、指導をまったく受けていない幼稚園児は、男の子は19.4点、女の子は19.5点でした。かなりはっきりとした差が出ています。

杉原名誉教授も「これほど大きな差が出るとは思っていなかった」と言うほどです。そして「なんとか、子どもの運動能力を高めたいと一生懸命指導しているが、運動指導の仕方が、子どもの発達的特長に合っていなかったことになる」とも話しています。

この研究結果を簡単に言えば、「運動指導を行えば、運動能力は下がる」ということです。

また、保育時間に運動教室を設けている幼稚園では、そうでない幼稚園と比べて、運動能力が低いようです。さらに、運動指導している幼稚園の中でも、指導した運動を子どもの好きにやらせてる自由時間が多い幼稚園は、自由時間が少ない幼稚園と比べると、園児の運動能力が高かったようです。

これらのことから、子どもの運動能力は子どもの好きなように運動させたほうが、明らかに伸びると考えられます。

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研究結果の3つの理由

なぜ、このような結果になったのでしょうか。3つの理由があると考えられています。

まず1つ目は、「運動が嫌いになってしまうため」です。子どもによっては好きでもない運動をやらされ、さらに運動への意欲が削がれてしまいます。
次に2つ目は、「運動の時間が短くなってしまうため」です。運動の説明の時間や跳び箱やマットが空くのを待つ時間によって、結果子どもの運動する時間を奪ってしまっているのです。

そして3つ目は、「運動のバリエーションが増えないため」です。運動指導では同じような運動を繰り返しであり、遊びときよりも運動の種類の幅が狭まります。

運動能力をもっとも下げてしまうこと

この中でも1つ目の「運動が嫌いになってしまう」という理由が大きいと思われます。

運動指導をしている幼稚園の中でも運動能力がもっとも高い結果を出した幼稚園は、運動指導の目的を「運動を楽しむこと」としていました。

もっとも運動能力が低かった幼稚園は、「態度やルール遵守」を目的としている幼稚園でした。たしかにルールを守ることを教えたいものですが、前述した通り、運動能力をあげれば、脳が発達し、長期的に見れば、自制心をはじめとする非認知能力が育ちます。自由に運動をさせてあげることで、ルールを守れる子どもになるのです。

運動指導がある幼稚園や体操教室を選ぶ際には、ぜひ自由に遊ぶ時間が多く、「運動を楽しむこと」を目的としている場所を選んであげてください。子どものさまざまな能力を上げる基礎を上げるのは、「好きなように運動させる」ことだと思われます。

子どもの運動能力を高める3つの働きかけ

では、ここからは子どもの運動能力を高める3つの働きかけをご紹介します。

大切なことは、子どもの運動に対する意欲を高めることです。この意欲と関係しているのが、やる気ホルモンと言われる「ドーパミン」です。このドーパミンをたくさん出すことで意欲が高まります。このドーパミンをいかに出させるかをご紹介していきます。

適切な難易度の運動

1つ目は、適切な難易度の運動です。

難易度が高すぎても、低すぎても、意欲は下がります。アリゾナ大学の研究では、もっとも学習効率がいいのはエラー率15%であることがわかっています。85%は成功し、15%は失敗するのがちょうどいいということです。

この「だいたいできるけど、ちょっとできない」という難易度が、集中力や意欲が高まるようです。子供がちょっと挑戦しないとできないくらいの運動をさせることで、楽しいと感じ、ドーパミンが分泌されます。

たくさん褒める

2つ目は、たくさん褒めることです。

これは報酬をたくさんあげるということです。人間は報酬がもらえたり、報酬のために頑張ったりすることで、ドーパミンが分泌されます。

しかし、好きでやっていることに、モノやお金のご褒美をあげてしまうと、好きなことへの意欲が失われてしまいます。ですので、褒めることを報酬としましょう。

子どもがちょっとでもできたら、いちいち褒めてあげてみましょう。たくさん褒めてあげれば、運動能力は自然と高まっていくでしょう。

しかし、違う記事で述べましたが、間違った褒め方があります。間違った褒め方とは、子どもの能力や才能を褒めることです。反対に、正しい褒め方は、子どもの努力を褒めることです。

ドーパミンを生成する食べ物を食べる

3つ目は、ドーパミンを生成する食べ物を食べることです。

どれだけちょうどいい難易度の運動をさせても、どれだけ褒めても、体内にドーパミンを作るための成分がなければ、分泌することはできません。

ドーパミンを生成する物質は、「チロシン」、「フェニルアラニン」などのようなアミノ酸です。これらを多く含む食べ物はたくさんあります。子どもに馴染みのある食材で言えば、とり肉、青魚、バナナ、大豆、たまごです。これらの食材を普段の食卓に取り入れて、子どものドーパミンの分泌を助けられます。

子どもの運動能力を高めるのに気をつけたいこと!運動能力を下げるのは意外にも…

まとめ

いかがだったでしょうか。子どもの運動能力を高めるのに注意すること、運動能力を高める働きかけをお伝えしてきました。

子どもの運動能力を下げてしまうのは、意外にも運動を指導することでした。子どもの好きなように運動させてあげることが、運動能力を高め、非認知能力が高まることにもつながります。

ただし、すべての運動指導がダメというわけではなく、子どもに運動の楽しさを教えてくれるような運動指導は、運動能力を高めてくれるかもしれません。

さらに、運動は生涯にわたって大事なことであるので、運動が好きであり続けることは、生涯にわたって、幸福でいられる可能性が高くなるでしょう。

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