テストでいい成績を取ろう!グタイテキニを意識した勉強方法を!
最終更新日:2020/08/02
テストの点数はテスト勉強する前に決まっている!
向上心の強い子どもたちが必死に勉強に取り組んでも、成果が出る子とそうでない子がいます。勉強していても成果が出ない子をよく観察してみると「ただ闇雲に勉強している」というケースが見受けられます。
これは、結果が出ないお子さんが悪いというわけではありません。それこそ、頭が悪いだとか、全然ダメだということでもなく、そんなレッテルを貼ってはいけません。結果が出ないのはなぜなのでしょうか。
それは勉強の計画がうまくできていないからです。計画がなければ、それこそ暗闇の中を何の目印もなく歩きまわっているようなもの。必死で勉強しているのに、結果が出ないなんて嫌ですよね。
テスト勉強は「グタイテキニ」を意識して計画しよう!
目標設定するときに大切な考え方のひとつに「グタイテキニ」の意識があります。漢字の「具体的に」ではなく、カタカナの「グタイテキニ」です。ビジネスの現場では「SMART」というフレームが有名ですが、それを分かりやすくしたものです。
これは「具体的である」「達成可能である」「意欲が湧く」「定量化できる」「期限がある」「日課にできる」という6つの言葉の頭文字をそれぞれ取ったものです。
目標設定は、目標だけでなく、達成するための行動を一緒に考えて、初めて「目標設定」となります。受験勉強、テスト勉強、家庭での勉強など、あらゆる場面で使えます。これらの6つの項目を考えて、勉強で成果を出せるような親子で計画を立てていきましょう。
グ:具体的である
まずは「グ:具体的である」です。
これは、具体的な目標、それを達成するまでの具体的な行動のことを指します。特に後者の具体的な行動が重要になってきます。
例えば「次の算数のテストで80点以上を取る」という具体的な目標に対し「いっぱい勉強する」という行動は具体的ではありません。「計算ドリルの〇〇ページから〇〇ページまでを毎日〇ページずつ勉強する」と細かく立てましょう。自分ではない誰かも同じ行動ができるレベルが目安です。
具体的に何をするのかあらかじめ決めておくことによって、何をすればいいのか迷うことがなくなります。迷っている時は、意外とエネルギーを使ってしまいます。エネルギーを使うことに人は避けるようにできていますので、迷った結果、やりたくなくなってしまいます。前者の「いっぱい勉強する」では何をするのか迷っている間に、机から遠ざかってしまうのです。
また、親は子どもが指定した行動が、具体的であるか、目標に近づくだけの効果があるかチェックしましょう。
タ:達成可能である
次は「タ:達成可能である」です。
目標は大きいほうがいいなんて言いますが、子どものうちは達成可能な目標にしましょう。「これなら目標達成できる」という範囲で目標設定させましょう。
例えば、前回のテストで60点の子どもが、次のテストでいきなり100点を取ることは難しいですし、それを目指すにはやることが多すぎて、何から手をつければいいかもわかりません。その結果、「全部の問題を解く」「ドリルを全部解く」など達成が難しい行動にも出てしまいます。
目標は70点、80点のほうが、現実的に感じ「とりあえず重要な箇所を覚える」「重要な問題を解く」などの達成可能な具体的な行動が見えてきます。達成可能な目標は、達成可能な行動を導き出すことができます。
また、難しい目標をチャレンジさせて達成できないよりも、簡単でもいいから達成可能な目標を立てて、いくつも達成した経験を多く重ねたほうが、長期的に子どもの意欲を高いまま維持できるので、最終的に大きな目標を達成できる可能性が高くなります。
イ:意欲が湧く
次は「イ:意欲が湧く」です。
目標設定の「グタイテキニ」の6つの中で、一番難しい項目がこの「イ:意欲が湧く」です。
設定した目標に対し、何も行動ができなかったり、サボってしまったりするのは、やはり高すぎる目標設定に原因があります。前述した通り、高すぎる目標は、行動の難易度が高くなっていきます。そして、子どもの意欲はその難易度に反比例して低くなってしまいます。
勉強は誰でも嫌なものです。しかし、自分の行動が結果に結びつくということは、子どもも大人も関係なく快感に感じます。それを利用して、子どもの意欲を湧かせましょう。
例えば、親子で問題を出し合ってみましょう。「この漢字、何と読む?」のように、親がテストを出して、できなかったところの勉強をさせます。そのあと、またテストを行えば正解率はアップしていくはずです。
この「勉強する→結果が出る」という体験に子供は快感を感じ、「勉強=楽しい」と記憶してくれるのです。うまく結果が出ないこともあるので、その場合は、できている箇所に目を向け、「ここはできているよ」と認めてあげることで、成功体験を増やしてあげましょう。
テ:定量化できる
次は「テ:定量化できる」です。
これは達成したかどうかを判断できるようにする考え方です。例えば「腕立て伏せがいっぱいできるようになる」と「腕立て伏せが50回できるようになる」という目標でいえば、後者が「テ:定量化できる」目標です。
前者でいえば「いっぱい」が人によって変わってきますし、達成の基準があいまいです。後者は50回が基準となるので、達成した・していないが明確になるのです。
明確になることによって、行動が結果に結びついたかどうかが判断しやすくなります。前述した通り、行動して結果に出るということは快感を与え、そして次の行動への意欲が湧かせます。定量化は意欲を持続させるために必要な項目です。
勉強の「テ:定量化できる」はテストの点数によって設定することができますね。
キ:期限がある
次は「キ:期限がある」です。
この項目はいつまでに達成するかという期限を決めるということです。勉強で言えば、次の模試やテストまで、受験の日までと自然と期限ができます。しかし、できれば細かく設定することをおすすめします。
遠くに見える山が高く見えるように、遠くの日に設定してある目標は高く見えてしまい、子どもの意欲を削ってしまうことにもなりかねません。期限を細かく設定することで、ゴールも細かく設定され、最終的な目標が同じであっても、それまでの意欲を持続させることができます。
また、期限を細かく設定すると、その期限ごとに目標設定はどうだったか、行動はどうだったか、テストなどをして検証し、目標と行動を設定し直せる機会を増やすことができます。
ニ:日課にできる
最後は「ニ:日課にできる」です。
達成に向けて毎日コツコツと習慣化できる行動を設定しましょう、というものです。
前述した通り、具体的なことであり、達成可能であり、定量化されている行動であれば、自然と毎日取り組むための意欲は湧いてくるでしょう。細かく設定した期限ごとに、ここまでの項目を守れているか検証してみれば、「ニ:日課にできる」の項目を深く考える必要はないのかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか。目標設定で大切な6つの考え方「グタイテキニ」を紹介してきました。
この目標設定の仕方は、最初は親子で一緒に考え、設定することが必須だと考えられます。しかし、この考え方は一生役に立つはずです。いずれは子どもが1人で「グタイテキニ」を使って目標を立てられるようにしたいですね。
そのためには、設定した期限で検証する際に、目標と行動はどうだったか、次はどういう目標と行動を設定したらいいのかお子さんと一緒に考えましょう。考える力が必ず身につくでしょう。