お日さまはどうして朝に東から上って、夕方に西に沈むの?子どもと親子で太陽について考えてみよう!
最終更新日:2021/04/01
太陽はどうして朝に東から上るの?
昼間、私たちの上でいつも輝やいている太陽。太陽は「どうして?」「なぜ?」と思うことでいっぱいです。ですが、太陽についてよく知っている人はなかなかいないはずです。パパ、ママに聞かれても困ってしまうことでしょう。
例えば、「太陽はどうして朝に東から上るの?」と子どもに聞かれたとします。子どもにも分かりやすく説明をできる方は少ないのではないでしょうか。
しかし、ここで「わからない」で終わってしまうのはもったいないです。「どうして?」と聞くのは好奇心を持っているという証。質問に答えてあげることで、子どもは「そうなんだ!」と「知る」喜びを感じ、その好奇心はさらに伸びるのです。
「太陽はどうして朝に東から上るのか」という質問の答えですが、たしかに私たちから見ると、太陽は東から昇り、西へ沈んでいるように見えます。しかし、実は地球のほうが回っているのです。
地球を上空から、しかも北極の真上から見下ろして見ると、地球は時計と反対周りに、24時間で1回転していることがわかります。
回転している地球の片面は、太陽のほうを向いています。そこは太陽の光に照らされている部分で、昼間です。反対側は、太陽の光は当たらず、夜になります。しかし、地球は回転しているため、太陽の当たる場所は、少しずつ動いています。
地球が時計の反対方向に回転しているために、地球は東の方から明るくなっていくのです。つまり、私たちから見て、東から太陽が昇っているように見えるのです。
太陽には不思議がたくさん
起きている間は、いつもそこにある太陽。当たり前にある太陽に「なぜ?」、「どうして?」と疑問を見つけるのって、すごいことと思いませんか。そんな子どもの大発見になるべく答えてあげたいですよね。
ここからは、さらなる太陽に関する「どうして?」「なぜ?」の質問とその解説をお伝えして行きたいと思います。
太陽はどうしてあるの?
太陽が「どうしてあるのか」と、「どうやってできたのか」は、ほぼ同じ意味ですね。「太陽がどうやってできたのか」を説明しましょう。
今から約50億年前には、地球はおろか太陽もありませんでした。そのころ宇宙には、もやもやとした雲のようなガス星雲というものがありました。これはほとんど水素でできていました。
50億年前のあるときに、このガス星雲から遠く離れたある星が大爆発しました。この爆発の影響で、ガス星雲はうずまきの形に集まり始めたのです。そして、その後渦巻きの中心にあるガスが集まりました。しかしこのときにはまだ輝いていませんでした。
太陽が輝き始めたのは、太陽の中心部分で、水素がヘリウムに変わる核融合ということが起こったからです。これが太陽の始まりです。
つまりは、太陽は遠く離れた星の爆発によってできたのです。
太陽はどれくらい大きいの?
私たちからは太陽と月がほとんど同じ大きさに見えますね。しかし、この2つの星の大きさは全く違います。
月までの距離は、約38万kmですが、太陽までの距離は約1億5000万kmもあり、太陽は月の400倍も遠い場所にあります。
月とほぼ同じ大きさに見える太陽が、月よりも遠いところにあるということは、太陽は月の約400倍であることを意味しています。
月の直径が3476kmですから、その400倍の、約140kmが太陽の直径です。ちなみにこれは、地球の約109倍になります。
太陽より大きい星はあるの?
太陽は地球と比べると大きいですが、広い宇宙の中ではそれほど大きな星とは言えません。
例えば、冬の夜空に見えるおおいぬ座のシリウスという星は、直径が太陽の2.1倍、こいぬ座のプロキオンという星は1.8倍、こと座のベガという星は3倍もあるのです。
さらにもっともっと大きな星はあります。夏、南の空に赤い星、サソリ座のアンタレスは、直径が太陽の230倍、冬の夜空に赤く輝くオリオン座のベテルギウスという星は、なんと太陽の400倍以上もあると言います。
もし、太陽の位置にベテルギウスがあるとしたら、地球は、その中に飲み込まれてしまうほどです。これらの例はあくまでも一部ですので、宇宙には太陽よりも大きな星がたくさんあります。
太陽はどうして燃えているの?
よく「太陽が燃える」という言い方をしますが、実は太陽は燃えてはいません。
燃えるとはどういうことでしょうか。身近なもので燃えるものといえば、紙や木ですが、紙や木だけで燃えることはできません。もちろん、ライターやマッチなどの道具も必要なのですが、まず必要なのが、酸素です。つまり、ものが燃えるためには、燃える物、高い温度、そして酸素の三つが必要になります。
ところが、太陽には酸素はほとんどありません。燃えるための条件がそろっていないため、太陽は燃えているとは言えません。
太陽は非常に高い熱やまぶしい光を出していますが、これは太陽の中心部分で、核融合反応というものが起きているからです。核融合反応とは、水素爆弾が爆発しているような反応で、太陽から発せられる熱と光は、この反応のために生じているのです。
太陽はいつかなくなるの?
前述したように、太陽は水素ガスをヘリウムに変える核融合反応によって輝いています。
つまりは、太陽の燃料は水素なのです。この水素は、あと50億年もつと言われております。
50億年後には、太陽を輝かせるための水素がなくなり、核融合反応がだんだんと弱まっていきます。核融合反応が弱くなってくると、エネルギーのバランスが崩れ、太陽の表面温度は今より低くなり、大きさは反対に大きくなっていきます。
そして、太陽は、今の100倍以上の大きさにふくらんで、明るさの変化する大きな赤い星に変わってしまうのです。
その後、50億年より先になると、太陽はだんだん小さく縮んでいき、地球ぐらいの大きさの白色矮星という星になって、一生を終えると言われています。
子どもから「どうして」と聞かれたときが成長のチャンス
子どもはあらゆることを質問してきます。ときにはママ、パパが考えもつかなかった質問をしてくるときもあるでしょう。答えに困ってしまったり、丁寧に答えられないときもあるかもしれません。
それでも、子どもが「どうして?」と疑問を持ったときは、思考力や知的好奇心を育むチャンスです。
「ママ、パパなら答えを知ってる」と子どもは期待して聞きますが、今回の太陽の質問のように、うまく答えられることのほうが少ないですよね。
知らないことを聞かれても、「知らない」、「わからない」で終わるのは、避けましょう。「どうして?」と聞かれたら、まずは「どうしてだと思う?」と応えて、好奇心に満ちた子どもの気持ちに寄り添ってあげることが大事です。
すぐに答えを出すのではなく、子どもに調べさせてみよう!
今はスマホがありますから、子どもに質問されたときに、ささっと調べて、さらっと答えるのは簡単です。しかし、それでは子どもが考えるチャンスを奪ってしまうことになってしまいます。
質問されたら、まずは「どうしてでだろう?」と子どもなりの考えを述べさせましょう。たとえ間違ってたとしても、考えて、それを表現することで、思考力、表現力を伸ばすチャンスになります。
そして、ある程度、子どもが大きいならば、子ども自身で調べさせてみましょう。ネット、図鑑、地図や辞書、あらゆるもの使えば、それぞれの使い方も学べますし、答えが見つかれば、「調べたら、わかる」という自信にもつながります。
また、自分で調べることで、調べようとしていることの他に、それに関連した知識も得ることができます。
太陽について、いつ学校で習うのか?
太陽については、小学校の理科の授業でも学びます。影の動きを観察して、太陽の動きを調べたりしたのは、パパ、ママの記憶にも残っているのではないでしょうか。
また、地球が回る「自転」や、地球が太陽の周りを回る「公転」については中学校で学びます。天体の勉強は高校の物理でも勉強することになりますね。
太陽など天体について興味を持って、聞いたり、調べたりした子どもは、前もって知識を持っていますから、比較的、理科の成績も良くなるはずです。
あえて、太陽について「どうして〇〇だと思う?」と聞くことで、太陽に興味を持つかもしれませえね。
まとめ
いかがだったでしょうか。太陽の「なぜ?」、「どうして?」の質問とその解説について、お伝えしてきました。
子どもは大人ならなんでも知ってると思って、「なぜ?」と聞いてきますが、うまく応えられることのほうが少ないです。
そんなときは、「わからない」と素直に認め、「一緒に調べてみよう」と誘いましょう。「知らぬは一時の恥、聞かぬは一生の恥」ではありませんが、わからないことをわからないままにしておくことがまずいということを、子どもに伝えましょう。