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「旅」が子どもを成長させる! 0歳からでもできる「旅育(たびいく)」のすすめ

公開日:2023/04/16
最終更新日:2023/04/15

旅行をする機会がなかなか作れなかった新型コロナ禍も落ち着きをみせはじめ、さまざまな制限も緩和されつつある昨今。このタイミングで、子どもを連れて旅行をしたいと考えている人も多いのではないでしょうか。

「かわいい子には旅をさせよ」という言葉のとおり、「旅」は子どもを大きく成長させるもの。子どもたちにはぜひ、国内外の様々な場所でたくさんのことを見て、感じて、経験してほしいですよね。

そこで今回は、「株式会社たびえもん」の代表をつとめる木舟周作さんに、旅を通じて子どもの心や体を育むこと「旅育(たびいく)」のことや、子ども連れ海外旅行での計画の立て方や注意点などを教えていただきました。


◆「旅育(たびいく)」って何?
「知らない場所を訪れたり、初めて見る景色に触れたり、はたまたハプニングが起こったりと、旅に出るといつもとは違う体験をすることになります。その経験が子どもの成長を促すのです」と木舟さん。

「旅」が子どもを成長させる! 0歳からでもできる「旅育(たびいく)」のすすめ

子どもにとって旅をすることのメリットはいくつかあります。一つ目は、「好奇心や挑戦心が育まれる」ということ。子どもの世界は、家と保育園や幼稚園、学校、町内などごく狭い範囲に限られていることがほとんど。でも、たとえば海外旅行をすれば、環境・文化・人種・言葉など、普段暮らしている場所とは全く異なる世界に飛び込むことになります。初めて出会う場所や人への興味が、好奇心や挑戦心を育ててくれます。

二つ目は、「ハプニングやトラブルを乗り越える力が身につく」こと。道に迷ったり、電車が止まっていて予定通りいかなかったりと、旅にハプニングはつきもの。それを何とかして乗り越える経験は、子どもにとって大きな自信になり、日常生活でのトラブルにも柔軟に対応できる力が身につくのだとか。

そして三つ目は、「総合的学習の機会になる」こと。旅行の事前準備では地図やガイドブックを見ながら計画を立てたり、宿泊先近辺にあるランドマークを調べたり、交通手段を検討したりと、さまざまなことを考える必要があります。さらに実際に現地に行ってみると、予定通りに行かずにその場で修正しなければならないことも。それらも含めた総合的な学びの機会が「旅行」にはあります。

ある調査では、旅行経験が多い子は自己肯定感が高いという結果も出ているのだそう。楽しかった旅の思い出を共有できることに加えて、旅行先でのいろいろな体験を通じて、子ども自身もさまざまな出来事に自信を持って臨めるようになるのかもしれませんね。

◆初めての海外旅行。行先はどうやって選べばいいの?
さて、子どもと一緒に旅行に行くことを考えた時、まず迷ってしまうのが「行先選び」。特に海外となれば何かと心配ごとも多いですが、木舟さんいわく、「まずは親が行きたいところに行くのが良い」のだそう。ビーチ派なのかシティ派なのか、旅行に慣れているのか、英語は話せるかなど、それぞれの事情に合わせて選んでみましょう。

「例えばビーチ派であれば定番のハワイ・グアム・フィリピン・タイあたりでしょうか。シティ派で街歩きなどを楽しみたいなら台湾やシンガポール、もちろんヨーロッパなども良いと思います。あまり旅行慣れしていないようなら、移動距離が少なく治安的な不安も少なめなアジア地域がいいですね」

親が楽しんでいれば、おのずと子どもにも良い影響があるのだそう。だからこそ、「まずは親が楽しいと思える場所を探すのがおすすめです」と木舟さんは言います。

もしどうしても行き先に迷ってしまう場合は旅行会社に相談するのが一番!予算や目的、不安に思っていることなどを伝えれば、プロの目で的確なアドバイスをもらえるはずです。

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どこに行くのか、いつ行くのかが決まったら、次は「行った先でどうするのか」を考えていきます。ポイントは、親が行きたい場所をはじめに予定に入れておくことです。子どもを優先しすぎると、大人の楽しみがなくなってしまいますので気をつけましょう。

特に注意したいのは、「予定を詰め込みすぎない」ということ。行きたいところをすべて予定に入れたり、大人だけの旅行の時と同じ感覚で計画を立てたりすると、無理なスケジュールになってしまいます。子どもがいると行動範囲も時間も限られるということを頭に入れ、「腹6分目」くらいを目指してみるのがいいと木舟さんは言います。

◆海外旅行に行くなら、何歳からがおすすめ?
子どもと一緒に旅行に行きたいけれど、いつから連れていけるのかも気になるところ。木舟さんによれば、旅行に連れて行くことは0歳からでも可能なんだそうです。

「国際線の場合、2歳未満は幼児運賃(座席なしが条件)で大人の10%となるのが通例です。旅行代金的にも安くなりますから、この時期に子連れ旅行デビューをする人も、実は多いんですよ」

0歳から1歳までの子どもを連れての旅行は、親がリフレッシュできる場所で、のんびりしたスケジュールを組むのがおすすめです。子どもの記憶には残らないかもしれませんが、「幸せだった」という感覚は子どものどこかに残るはずなので、決して無駄にはならないと木舟さんは言います。

2歳を過ぎると活発におしゃべりをするようになり、いろいろなことに反応を示す面白さも加わって、子ども自身もだんだんと旅を楽しめるようになってきます。さらに小学生になれば参加できるアクティビティも増えるので、子どもの希望も取り入れてあげるといいですね。

大切なのは子どもの年齢に合わせて、無理なく楽しめるスケジュールを組むこと。また海外旅行に不慣れなら、ツアーを利用するという方法もありますので、それぞれの家族に合った方法を探してみるとよいでしょう。

◆持っていくと便利な旅行グッズはある?
ところで、子どもと一緒に海外旅行に行くにあたって、「持っていくと便利なもの」はあるのでしょうか。「これというものがあるわけではないので、日本で外出するときに持っていくものを参考に選ぶとよさそうです」と木舟さん。ちなみにベビーカーについては、軽くて折りたためるものを持っていくと大いに役立つのだそう。

「3歳から4歳くらいになるとベビーカーに乗ることも少なくなると思いますが、子どもは旅先で疲れて寝てしまうことがあります。特にきょうだいがいる場合は、上の子が寝てしまうと移動がより厳しくなりますから、寝てしまった子どもを乗せたり、荷物を載せたりと、ベビーカーがあると何かと重宝しますよ」

旅先によってはバリアフリーでない場所が多いところなどもありますが、ベビーカーはあると心強いでしょう。また、現地で紙おむつを調達しようとすると、値段が高かったり、買いに行くのが面倒だったりと、困ることもあるようです。帰るまでに使ってなくなるものなので、1パックを丸ごと持っていくのも一つの方法です。

また行き帰りの飛行機の中で子どもが退屈するのが心配な時は、絵本やぬり絵、音の出ないおもちゃなど、普段のお出かけで持っていくような、なるべく軽いものを用意しておきます。海外旅行だから特別なものを用意するというよりは、その場面に応じて役立ちそうなものを選ぶと良いそうです。

◆現地では小さい子ならではのエピソードも
大人だけでの旅行では、現地の人たちと積極的にコミュニケーションを取るのは難しい場合もありますが、子どもがいると思わぬ出会いも。たとえば3歳くらいの子どもだと、現地の人にその土地の言葉で話しかけられたとしても、何も考えずに日本語で答え、コミュニケーションに繋がることもあるのだとか。

「不思議なことに言葉は通じなくてもそのまま仲良くなって、子どもが日本語の歌を教えて一緒に歌うなど楽しく過ごしたり、同じ年頃の子ども同士で遊んだりすることもあるんですよ。小学生くらいになると、言葉の違いを意識してしまって話せなくなってしまうこともあるので、こうしたコミュニケーションをとれるのは小さい時期ならではと言えます」

たとえ子ども自身がはっきりと覚えていなくても、見知らぬ人と交流した経験は心の片隅に残るはず。そしてその記憶は、やがてコミュニケーション能力や異文化への理解力を培う下地になっていくでしょう。

「旅」が子どもを成長させる! 0歳からでもできる「旅育(たびいく)」のすすめ

子どもの成長を促すと言われる「旅育」。旅を通じて観たことや感じたことは心の奥深くに刻まれますので、その効果がいつ、どのように実を結ぶのかという「答え合わせ」は「もしかしたらずっと先になるかもしれません」と木舟さんは言います。大切なのは、家族が一緒に旅をし、一緒に困ったり思いっきり楽しんで絆を深めること。その中で子どもが感じ取ったものが、成長していくうえでかけがえのない財産になるはずです。

「子どもだから旅は難しいかも・・・」と考えて躊躇してしまう気持ちもわかりますが、旅先には「子ども時代だからこそ感じられること、できる経験」があるのもまた確か。
日常では感じられないワクワク・ドキドキと出会いに、親子で「旅」に出てみてはいかがでしょうか?


プロフィール:木舟 周作(きふね しゅうさく)さん
株式会社たびえもん代表取締役。総合旅行業務取扱管理者で旅育の専門家。20代の終わりに自転車での世界一周を達成し、日本に帰国した際、「日本の子どもがおとなしく感じた」と木舟さん。その後自身も親となり、「旅育」の大切さを実感したことから、「旅を通して子どもたち元気にしたい」という思いから事業を立ちあげ、現在に至る。旅行経験は、五大陸およそ75ヶ国。子連れ旅行の専門家でもあり、3児の父。子どもたちと訪れた国も15ヶ国を越える。旅行業のプロの知識を活かし、子連れ旅行&旅育を推進中。著書に『海外旅行で子供は育つ!!~子供の人生を豊かにする”旅育”のヒミツ』(イカロス出版)がある。