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プロに聞く! 「水嫌い」「水が怖い」を克服して、水と仲良くなる方法

公開日:2022/08/06
最終更新日:2022/08/06

プールや海水浴など、何かと水に触れる機会が多くなる夏。でも中には「水が嫌い」「水に入るのが怖い」と尻込みしてしまう子や、「泳ぎが苦手で楽しくない」とプールに入りたがらないお子さんも。子どもの水嫌いを何とか克服させたいと、頭を悩ませているパパ・ママも多いのでは?
そこで今回はスイミングインストラクターとして30年間の指導経験をもち、現在は東京工学院専門学校で水泳指導者を目指す学生への指導もしている、NPO法人SWIM SUPPORTの理事長・塚本雅哉さんにお話を伺いました。
子どもが水嫌いになる原因とは?水嫌いにさせないために心がけると良いこととは?家庭でできる練習方法は?経験豊富はプロならではのアドバイス、ぜひ参考にしてみてください。


◆子どもが「水嫌い」になってしまう原因とは?
そもそも、子どもが「水が嫌い」「水が怖い」と感じてしまうのはなぜなのでしょうか。

「子どもが水を怖がるのは3歳を過ぎるころからでしょうか。原因はそれぞれですが、『過去の経験』によるところが大きいと言っていいでしょう。生まれる前はみな羊水の中にいるので、泳げないということはないはずですから」

幼稚園の年長児くらいで水に恐怖心を抱いている場合、「何かしら水を怖いと感じる経験をしたことがあって、水嫌いになっているお子さんが多いですね」と塚本さんはいいます。
プロに聞く! 「水嫌い」「水が怖い」を克服して、水と仲良くなる方法

「たとえば、家庭用の小さなプールに入った時、親が何気なく子どもの顔に水をかけたとします。大人は軽い遊びのつもりでも、子どもにとってそれが初めて水に触れる経験だった場合、急に水をかけられたことで、『怖い』とか『不快』といった感情が生まれることもあります。そういったネガティブな感情からやがて、水は怖いものだと認識するようになってしまうこともあるんです」

お風呂やミニプールなど、家庭で水にふれた時の経験から「水嫌い」になる例のほかに、親の影響で「水嫌い」になる例も。自身も泳ぎが苦手な親が過度に水を怖がったり、あるいは水を「危険なもの」として扱いすぎると、それを見ている子どもが自然と「水は怖い」と感じるようになることもあるんだそう。

◆子どもを「水嫌い」にさせないためにはどうすればいい?
では、子どもが水を怖がらないようにするには、どんなことを心がけ、何に気をつけたらよいのでしょうか?

「大切なのは、『最初に水とどのように関わるか』だと思います。小さい子が初めて水に接するときには、余計な手を出さないのがいいでしょう。まずは子どもの好きなように遊ばせてあげるのが一番です。自分で触って確かめているときは、むやみに声をかけたりせずに見守ります。偶然顔に水がかかって驚いたときも、『大丈夫!?』『怖くない、怖くない』など大人が慌てて声をかけてしまうと、かえって水を『怖いもの』だと印象付けてしまうので、控えたほうがよいと思います」

水が顔にかかって泣いてしまった場合には、心配したり励ましたりするよりも「面白いもの」「楽しいもの」という方向にもっていくことが大事だと塚本さんは言います。何もわからない状態では、突然水がかかったり、水をかけられたりするだけでも恐怖を感じるもの。はじめの一歩は、とにかく自由に遊ばせてあげるようにしましょう。

◆水が怖い理由は?
小さな子どもへの水泳指導の経験も豊富な塚本さん。スイミングスクールに泳ぎを習いに来るお子さんでも、半数ぐらいの子どもは水を「怖い」と感じているところからスタートするそうです。

水への恐怖を克服するためにまず必要なのは、子どもが水の「何を」怖がっているのかを明らかにすること。水を怖がる理由はさまざまですが、中でも特に多いものとして、『顔がつけられない』『目が開けられない』『息ができない』『水に浮く感覚が分からない』の4つが挙げられるそう。

何を怖がっているかがわかったら、次はそれを少しずつ克服していきます。スイミングスクールなどで複数人同時に指導をする際は、「隣の子がやっているからやってみようよ」など、「みんなができているのだから、水は怖くない」と思える声がけをすることも。できないこと、苦手なことは子どもによって違うので、「それぞれに合わせて段階を踏んで指導していくことを大切にしています」と塚本さんは言います。

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「水に顔がつけられないなら、手のひらにためた水に顔をつけるところから始めます。息ができずに怖いのは、『ぶくぶくぱー』という基本の呼吸ができていないから。その場合、まずは水の中で口から息を吐く練習をします。浮くのが怖い、浮く感覚がわからないという場合は、何かをつかみながら浮く感覚を覚え、徐々に手を離せるようにしていきます」

それぞれ遊びの要素を入れながら何度も繰り返し練習することで、だんだんと慣れて自信がつき恐怖心がなくなります。子どもが何を怖がっているのか、何が苦手なのかを探りながら、順番に解決していくことが大事なんですね。

・「水嫌い」を克服するなら、子どものうちに!
ちなみに塚本さんによると、大人になればなるほど、水嫌いを克服するのは大変なんだそう。水に浮く感覚がなかなかつかめず、力が入りすぎて余計水に浮きづらくなり、さらにガチガチになってしまう……なんてことも。

一方子どもの場合、体は小さく軽く、力もそれほど強くありませんので、インストラクターがしっかり支えながら指導ができます。水嫌いを克服するなら、子どものうちに取り組むのがおすすめです。

◆小学校入学前におすすめ!家庭でのトレーニング方法
スイミングスクールに通っていない子どもの場合、小学校入学後のプールの授業に不安を覚えることもあるのではないでしょうか。プールの授業がスムーズに受けられるよう、入学前までに家庭でできる練習方法についても聞いてみました。

「家では、お風呂を利用するといいですね。もし頭から水をかぶるのを嫌がるようなら、シャワーを少しずつかけて慣れさせていきましょう。潜れないようなら、湯船で潜る練習をするのもいいと思います」

苦手意識が強くならないよう無理強いはせず、楽しみながら挑戦するのがおすすめです。ゲーム的な要素を盛り込むなど、工夫をしながら親子で取り組んでみてはいかがでしょうか。

~お風呂でできる息継ぎの練習~

「ぶくぶくぱー」を覚えるために、水の中で口から息を吐く練習です。使うのは水に浮くアヒルなどの小さなおもちゃ。鼻の下まで湯船につかったら、目の前におもちゃを浮かべて口から吐く息で前に進めていきます。繰り返し遊びながら、自然と水の中で息を吐く感覚がつかめます。この方法なら苦しさもありませんし、安心して練習ができますので、お風呂タイムに親子で楽しみながら試してみてください。

・大切なのは「楽しさ」を伝えること

親子で水に慣れるための練習はおすすめですが、「泳げないから」と親子でプールに出かけてまで泳ぎの練習をする必要はないと塚本さんは言います。

「泳ぎ方を教えるというのは実はとても難しいですし、泳げない親御さんならなおさらです。ですから、無理に泳ぎの練習をしなくても大丈夫。それよりも、せっかくプールに来たのですから、親も一緒に思いっきり遊ぶことで、水の楽しさを教えてあげてくださいね」

親が楽しそうにしていれば、おのずと子どもにもそれが伝わるもの。子どもの水嫌いを克服するなら、まずはプールや水の中が「楽しい場所」だと思わせてあげることが何より大切なんですね。
プロに聞く! 「水嫌い」「水が怖い」を克服して、水と仲良くなる方法

水が嫌いな子や水が怖い子、泳ぎが苦手で楽しめない子、それぞれに原因や理由があります。プロのアドバイスを参考に、子どもたちの不安な気持ちを取り除きながら、水嫌いやプール嫌いが克服できるといいですね。大切なのは、子どもに水は「楽しい」と思ってもらうこと。せっかくの夏休み、安全に気を配りながら、大人も子どもと一緒にプールや水遊びを楽しみましょう!


塚本雅哉さん プロフィール
NPO法人SWIM SUPPORT理事長。大学卒業後、スイミングスクールのインストラクターや支配人として水泳に携わる。現在は東京工学院専門学校スポーツビジネス科の講師として、水泳指導者を目指す学生への指導も行う。学生に伝えていることは、「安全管理」と「楽しく指導すること」。水泳の楽しさを子どもたちに伝えるべく、さまざまな方面で活動している。