子どもの水分補給はこまめに行おう!勉強中も要注意!体重20kgの子どもだと1日1.5リットルが目安。
最終更新日:2020/10/03
子どもに必要な水分補給量を知っておこう!
気候が涼しくなってくると、子どもが外で過ごす時間もだんだんと増えてきたのではないでしょうか。
しかし、暑さが和らいできたからといっても、熱中症や脱水症状にはまだまだ気をつけなくてはなりません。それこそ、おうちの中であっても脱水症状は起こります。運動ではなく、勉強していても脱水の危険性はあるのです。
今回は、子どもの水分補給についてご紹介いたします。
子どもは身体が小さいにもかかわらず、大人と同じだけの汗腺を持っています。そのため、汗の量も相対的に多くなります。子どもの体は水分が出ていきやすくなっているので、大人と同じようにたくさんの水分をとる必要があるのです。
まずは、子どもに必要な水分補給量を知っておきましょう。これは子どもの年齢によって違います。
1日の必要な水分量は、体重1kgあたりで、乳児は150ml、幼児は100ml、学童は80mlです。体重20kgの学童であれば、毎日1.5リットルの水分が必要です。この水分量は飲み物からだけでなく、食事からの水分量も含んだものとなります。
のどが渇いた!は脱水症状が始まっている
のどが渇いたと感じているときには、もう脱水症状は始まっていると言われています。そのときにはすでに体内の水分量が2%程度足りていないのです。のどが渇いてから水分を補給するのでは遅いということです。
子どもが部屋の中で勉強に集中していると、ついつい水分補給を忘れてしまいます。これは遊びの最中でも、読書に没頭していても、同じです。例えば、子どもが部屋に行く前にコップ1杯のお茶を持っていっているか確認したり、定期的に飲み物を持っていったりということが大切です。
脱水症状の例としては、おしっこの回数や量が少ない、おしっこの色が濃い、皮膚や唇が乾いている、目がくぼんでいる、機嫌が悪いなどが挙げられます。
幼い子どもは、のどが渇いていても、それに気づかなかったり、感じていてもそれをうまく伝えられなかったりします。周りの大人が注意して見てあげることが大切です。
どれくらいの頻度で飲めばいいの?
のどが渇いてからや汗をかいてからではなく、のどが渇く前、汗をかく前からこまめに水分を取ることが、脱水症状にならないためのポイントです。
水分を取るべきタイミングは、朝起きた時、運動する前とした後、食事やおやつの時、お風呂に入る前と入った後、そして夜寝る前です。日常生活の節目節目に水分補給をすることが大切です。
また、屋外で運動したほうが水分を取らないといけないイメージがあると思いますが、湿度が上がりやすい屋内での運動は体温が上昇しやすいという特徴があります。屋外だけでなく屋内であっても水分補給は大切です。
スポーツの世界で有名な「ウォーターローディング」がおすすめ
より効率的に水分を補給するために、水分の補給の方法もいろいろと研究されています。その中でも「ウォーターローディング」というものがおすすめです。
ウォーターローディングは、スポーツの世界では既に行われている方法です。
スポーツをしているとき、多くの汗を排出します。汗は体温を調節するためのものでもありますが、水分を失うことによって運動能力が低下してしまうのです。ウォーターローディングはそれを防ぎ、同時に脱水症状も防いでくれ、子どもの健康にも役立つでしょう。
ウォーターローディングは「のどが渇いてから水分をとる」のではなく「のどが渇いていないときでも、こまめに水分をとる」という水分の補給の仕方です。こまめに水分をとることによって、体の中を水分でしっかりと満たされた状態をキープすることができます。
「こまめに飲む」とは、1日に1〜1.5リットルほどを数回に分け、1度に飲む量を250ml程度に抑えておくことを指します。分ける回数が増えれば、1回に飲む量を減らせばいいのですが、6回から10回の間に抑えておくことが推奨されています。
水?お茶?ジュース?何を飲んでいいの?
では、実際に子どもが飲むものは何が適しているのでしょうか。
①水や白湯、お茶がおすすめ
子どもが毎日飲む飲み物としては、水や白湯、お茶などの無糖の飲み物がおすすめです。
水については、基本的に赤ちゃんの頃から1歳頃までの間は湯冷ましを与えるようにしましょう。胃腸が未発達の赤ちゃんには、水道水をそのまま与えるのはよくないと言われています。水道水を沸騰させ、35〜37℃の人肌程度まで冷ましてから与えてください。
お茶の中にもいろんなお茶がありますが、特におすすめなのは麦茶です。カフェインが含まれておらず、血液をサラサラにしてくれる、胃の粘液を守ってくれる、虫歯を予防してくれるなどの健康効果があります。また、麦茶は薄めれば、乳児の頃から飲める飲み物であるので、安心して子どもにも飲ませることができます。
②ジュースは1日1杯まで、など目安を決めよう
水分補給のための飲み物としては、ジュースが適しているとは言えません。必要以上にジュースを子どもに与えるのは注意が必要です。
市販のジュースには多くの糖分が含まれているというのは聞いたことがあるでしょう。糖分自体は体にとっては必要なものではありますが、必要以上にとってしまうのは良くありません。虫歯になるだけでなく、お腹が膨れて食事の量が減ってしまったり、カロリー過多になってしまったりすることもあります。
市販のジュースにはどれくらいの糖分が含まれているのでしょうか。
1本3gのスティックシュガーに換算すると、100%のリンゴジュースはコップ1杯でスティックシュガー9本分、乳酸菌飲料はコップ1杯でスティックシュガー9本分、コーラ350mlはスティックシュガー14本分です。
またスポーツ飲料にも500mlでスティックシュガー8〜11本分も入っています。運動中の水分補給にも気をつけましょう。
ジュースはあくまでも「おやつ」として考えましょう。飲む時間と量を守って、食事と混合しないようにすることを強くおすすめします。
③カフェインには要注意
大人が適度な量のカフェインを摂取した場合、頭が冴え、眠気が覚めたり、集中力が上がったりする効果があります。
しかし、多量に接収した場合、体へ有害な影響があります。一般的な症状は、めまい、不安、震え、心拍数の増加、不眠などです。また、消化管系への刺激によって吐き気や下痢といった症状が出ることもあります。
子どもは大人よりも身体が小さいため、これらの症状が少量のカフェインで出てしまう可能性があります。それに加えて、脳の発育にも影響があるとも言われています。
カフェインといえばコーヒーが最初に思い浮かびますが、ペットボトルのカフェオレやコーヒーショップで売られているたっぷりの砂糖が入ったフレーバーコーヒーなどは同じようにカフェインが入っているのに見落としがちです。
また、紅茶、ウーロン茶、ほうじ茶、コーラ、チョコレートなどにも含まれています。知らない間に子どもにカフェインをとっている可能性があるので、注意が必要です。
熱中症対策、風邪の予防にも大切
定期的な水分補給によって、熱中症を予防できます。熱中症とは熱によって起こるさまざまな不調のことですが、その始まりは脱水症状からです。
高温の環境の中で体温が上がり、その体温を下げるために、汗をかきますが、体の中の水分が失われ、脱水症になります。さらに体内の水分が失われると体内の熱によって臓器にダメージがおよび、めまいや頭痛、意識障害が生じます。よって、熱中症予防の基本は、十分な水分をこまめに補給し、脱水症状を防ぐことです。
これからの季節に流行る風邪やインフルエンザもこまめな水分補給が対策のひとつです。手洗い、うがいに加え、水分補給も大切なのです。
のどや鼻の粘膜にある「腺毛」には、ウィルスを体内から排出する働きがあります。体内の水分が不足し脱水症になると、この腺毛の運動が鈍くなってしまいます。
インフルエンザウィルスが、のどや鼻の粘膜に到着してから、細胞の中に侵入するまで、最速で20分と言われています。例えば、20分おきに水分を補給すれば、粘膜についているウィルスを洗い流すことができるとも言えるのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は水分補給についてお伝えしてきました。
子どもの健康のため、こまめな水分補給がいかに大切なのかをお伝えできたかと思います。習い事に通わせたり、学習機会を作ったり、家族での遠出やイベントなどで思い出をつくったりと、子どもに楽しんでもらいたいことはたくさんあるかと思いますが、その土台は子どもの健康な身体です。
これからの季節に流行する風邪やインフルエンザを予防する意味でも「のどが渇く前に水分補給」を親子共々、忘れないようにしていきましょう!