子どもの集中力が続かないのはなぜか?集中力をうまく保ち、短い時間で結果を出せる子どもへ導こう!
最終更新日:2021/01/04
子どもの集中力が続かない理由とは?
子どもの集中力が続かないと悩むママやパパは少なくありません。もう少し、勉強や習い事に集中できないかな、学校での授業態度や園での日常などに悪影響が出ないかなと具体的な悩みを抱えることもあるでしょう。
実際のところ、大人でも一心不乱に集中できる連続時間は15分と言われており、子どもであればその時間より短くなっても仕方のないことです。
また、継続的な集中時間も最大で90分というデータもあり、それは1日に1回できるかできないかという心身のコンディションに左右されるものなので、子どもの集中力が続かないのは至極当たり前の話ではあります。
皆さんの子ども自身の性格や気質ではなく、人間本来のものだと割り切ったほうが賢明かもしれません。しかし、どのタイミングで集中力を高めるか、集中力が高まったときにどれだけ途切れないようにできるかといったことは、テクニック次第でもあります。
2種類の集中力
子どもの集中力をうまく保とうと考える際に、まず知っておきたいのが集中力には2つの種類があるということです。
ひとつは、勉強や仕事など「しなくてはいけないもの」に使われ、自分をコントロールしながら続ける集中力です。
これは大人のほうが持ち合わせている能力です。大人でいえば、勤務時間内に仕事を終わらせるために、時間管理をしたり、自身の生産性をコントロールしたりといったことに使われる集中力だと言ったほうがわかりやすいかもしれません。
子どもでいえば、試験時間内の集中力と似ています。子どもに身につけてもらいたいのは、こちらの集中力ではないでしょうか。
もうひとつは、好きなものやことに没頭するときに使う集中力です。
これは大人よりも子どものほうが使いこなせています。好きなことで遊んでいたら、何時間も経っていたというような経験はありませんか。子どものときに誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。自分で意図して使う集中力ではなく、無意識的にスイッチが入る集中力です。
今回は、前者である自分でコントロールするほうの集中力について考えていきます。
集中力を維持するには環境整備が一番
自分でコントロールする集中力を作り出し、そして維持するには、集中力を途切らせる障壁を取り除き、環境整備することが大切です。
集中力が続かない具体例を示しながら、環境整備のコツをお伝えしていきます。
集中力が続かない具体例①誘惑が多い
集中力が続かない具体例の1つ目は「誘惑が多い」ことです。
子どもにとっての誘惑は、マンガ、テレビ、スマホ、おもちゃといったものです。ふと目にすると、ついついそれらに手が伸びて…という経験は、ほとんどのママやパパも経験したことがあるのではないでしょうか。
これは先ほど挙げた2種類の集中力の中で、好きなものやことに没頭するときに使う集中力のほうが脳内で優先されるからです。
部屋の片付けなどが環境整備の一例ですが、勉強に取り組むときには目に入る範囲にマンガなどを置かない、1時間後にスマホで遊んでいいからそれまでは勉強するといった約束をするなど、集中力を保つために誘惑を断つことが必要です。ママやパパは、このお手伝いをすることで、子どもの集中力の維持に役立つことができるのです。
集中力が続かない具体例②事前準備ができていない
集中力が続かない具体例の2つ目は「事前準備ができていない」ことです。
集中力が必要になる場合は「やらなくてはならないことに臨むとき」がほとんどです。しかし、その物事に気が乗らず、なかなか集中力が生まれないこともあります。その場合、得てして事前準備ができていません。
勉強であれば、必要な文房具やノートが揃っているかも大事ですし、取り組む課題に必要な知識などを使いこなせているかも大事です。また、心身の調子が整っているかも忘れてはいけません。
自分でコントロールする集中力を使いこなすには、事前準備が必須なのです。ママやパパは事前準備ができているかどうか、特に心と身体の調子を見ることを忘れてはいけません。
集中力が続かない具体例③限界を知らない
集中力が続かない具体例の3つ目は「限界を知らない」ことです。
先ほども人間には集中力の限界があることを伝えましたが、それを分からずに集中力を整えたとしても、すぐに限界がやってきます。いったん集中モードに入ったとしても、必ず一定の時間でそれは途切れます。この限界を伸ばすことは難しいと言われています。
それこそ、一見、集中力がずっと続いているように見える人の場合は、うまく休憩を挟み、短時間の集中状態を繰り返していると言われています。
子どもだから無限の可能性があると思いがちですが、リミッターが外れてしまうと心身の疲労は大きなものになってしまいます。子どもに対して、適宜、時間を区切る声かけを行っていくことが大切です。
集中力を継続させるのは簡単ではないが…
ここまで集中力が続かない背景を紹介しながら、子どもの集中力を継続させるポイントを伝えてきましたが、正直な話、子どもがひとつひとつを理解し、実践できるようになるのは難しいでしょう。
超一流のアスリートがこの境地にたどり着くまでにさまざまな苦労や努力を重ねているのにも関わらず、子どもが一足とびに簡単に身につけられるものではありません。ただ、子どものまわりの環境を少し整えることで、集中力をコントロールする入り口までは導くことができます。
例えば、ブロック遊びであれば、「何を作っているの?」と声をかけたり、一緒に取り組んだりと子どもの一挙手一投足に興味を向けることで、お子さんの集中力は4倍に高まるといわれています。声かけ、共同作業という環境整備だけで集中力は変わるのです。
また、子どもが楽しく集中しているときには、その瞬間は声をかけるのをやめ、集中力が切れたタイミングや作業が一区切りしたときに「すごく集中していたね!」「集中力があるね!」など、ポジティブな言葉を選んでフィードバックしましょう。子どもは自分自身の集中力やその状態を自覚し、強みに変えられます。
反対に、子どもの注意が散漫になっているときには、叱るのではなく「集中できていないね」とただその事実だけを伝えるようにしましょう。子どもはまだ自分が集中できているのか、いないのかの自覚がわからないので、叱られてしまうとせっかくの集中へのアプローチが無駄になってしまいます。
集中力の高い子どものママやパパは、子どもに対して意識を集中している傾向があります。自分のことを集中して見てくれているという実感が、子どもの集中力を育んでいるのかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか。子どもの集中力が続かない理由と集中力を伸ばすための環境整備のヒントをお伝えしてきました。
ママやパパに考えていただきたいのは、子どもに集中しなさい!と言いながら、ご自身は子どもに対して集中して、真摯に向き合っているかということです。子どもは大人の姿をよく観ています。自分の一番身近な大人ができていないことは、子どももなかなかできないものなのです。
また、子どもの集中力は、外的環境、性格、体調、年齢、精神状態、個性などによりさまざまなので、その瞬間の集中力の状態は日々変わるものです。普段は脇目も振らずに集中している子どもが、今日はあまり調子が良くないなというときには、何らかの理由があるはずです。
ママやパパが「どれだけ子どもに注目しているか」が重要です。親子で一緒に集中力を伸ばすトレーニングをすると、お子さんの集中力はもっと鍛えられるかもしれません。案外、ママやパパの集中できない理由が、子どもにとっても同じように集中できない理由につながっていることもあるかもしれません。