言葉の発達。小学校入学前の6歳児へ必要な知育的アプローチ。
最終更新日:2020/03/29
6歳児の気質とは?
6歳になると、生活する上での基本的なことができるようになります。決まった時間に寝て、決まった時間に起きるという規則正しい生活リズムを身につけ、ひとりでトイレに行き排便をする、席を立たずに食事をするなどが一例です。
社会性については、友だちに興味を持ち、仲良しの友だちを自分から作り、楽しく遊ぶことができるようになるのもこの頃。公共の場でのルールを意識する時期でもあります。
手の器用さが増すのも特徴的で、ハサミはもちろん、お箸を使いこなして食事ができます。お絵かきでは、丸や三角、四角だけでなく、星型など複雑な形を描くことができます。
正確に数を数えられるだけでなく、数字の理解が深まることで、カレンダーや時計の時間が理解できるようになり、これが先述の規則正しい生活リズムにもつながっていきます。
6歳児の平均的な言葉の習得レベル
では、6歳児になると、言葉はどのくらい発達するのでしょうか。
まず、名前や年齢、誕生日や住所などの簡単な質問を聞かれたら「〜です。」「〜ます。」などを使って答えることができるようになり、また、自分が考えていることや意思を文章にして話すことができるようになるなど、言葉の表現力が高まってきます。
ひらがなを覚えることにも興味が出てくるようになり、ゆっくりであれば読むことができるようになり、簡単な絵本なら一人で読んでしまいます。書くほうに関しては、すべてを正しくは書けないものの、自分の名前など親しみのあるものは正しく書くことができます。
ただし、これらはあくまでも1つの目安です。できなければいけないとは考えずに、興味や刺激を与えるための手がかりにしましょう。
小学校に行く前だからこそ気になってしまうこと
お子さんが小学校に入学することは本来喜ぶべきなのに、お子さんへの不安がどうしても勝ってしまい、「ずっと幼稚園のままだったらいいのに」と思ってしまうママやパパはいるのではないでしょうか。
その心配のなかに、言葉の不安があります。「トイレに行きたい!」「やめて!」など、自分が思ってること、してほしいこと、してほしくないことを言葉にして、先生や友だちに伝えられるのかなという心配が大きいのではないでしょうか。思いを表現できる、できないは、人間関係に大きく影響します。
家庭内でできる言葉の発達を促す方法
では、ここからは家庭でできる言葉の発達を促すヒントを紹介していきます。
方法①しりとりなどのことば遊び
しりとりは言葉の発達にとてもいいことば遊びです。
しりとりができるようになるためには、単語を構成している音を分解して認識したり、単語を構成している音の数や音がどの位置にあるのかを認識したりする力が必要です。
例えば、「さかな」という単語であれば、この単語は「さ」と「か」と「な」という音でできている。そして、最初の音は「さ」で最後の音は「な」であると認識する力が、しりとりによって育まれます。
このような力は、ひらがなの覚えるための基礎になり、言葉の発達がゆっくりなお子さんにはぜひちょっとした隙間の時間でもいいので取り入れるといいのではないでしょうか。
また、しりとりだけじゃなく、カルタやひらがなブロックなどで遊ぶのも、ひらがなの読み書きのベースとなるでしょう。
方法②ひらがなの読み書きの練習をする
しりとりなどで遊ぶことで、ひらがなを覚えるためのベースを作ってあげた後には、ひらがなの読み書きの練習をはじめましょう。
しかし、急に書くことからはじめると、ひらがなを文字ではなく、絵として認識してしまいます。「この『あ』という音はこう書くんだ」というところから、ひらがなに興味が出てきます。
ひらがなに興味が出てきたら、五十音表を部屋やお風呂に張って親子で一緒に声に出して読んでみましょう。ママやパパが字を指しながら「あ・い・う・え・お」と言っていくと、子どももマネをして徐々に覚えていきます。
また、自分の名前であれば、ママやパパが知らないうちに読めるようになります。これは、保育園や幼稚園などで自分の名前の入ったシールを何度も見るからです。これを参考にして、家にある物の名前をシールや紙に書いて、貼り付けてみましょう。
「どあ」「てーぶる」「たんす」など、実際にある物に貼り付け、一緒に声に出して読んでみましょう。そして、ときどき「なんて読むの?」と質問してあげて、徐々にひらがなの読み方を覚えていくように促すことが大切です。
ひらがなが読めるようになったら、ひらがなを覚えるためのドリルを購入し「なぞり書き」から練習を始めましょう。薄く書かれた文字の上をペンでなぞり、何度も何度も書くことで、だんだん見本通りにかけるようになってきます。
なかなか上手になぞり書きができない場合には、いきなり「あ」から始めるのではなく、「く」「し」「つ」などの一筆で描ける簡単な文字から始めるようにし、成功体験を積んでいき、難しい文字に挑戦させるのがコツです。
方法③今日あったことを話す・聞く
毎日、親子で話す時間を作ってみましょう。これだけでも言語能力は飛躍的に伸びます。
「今日は何をして遊んだの?」などと聞いてあげると、この時期の子どもは「あのね…」と話しはじめます。親は「いつ?」「誰と?」など、ときどき話の内容をふくらませるような質問をしながら聞いてあげましょう。
また、お子さんが「楽しかった!」と言ったら「楽しかったんだね」と子どもの発した言葉を繰り返すことも、子どもが進んで話してくれるコツです。簡単なことのようですが、お子さんは「話を理解してくれた!」と感じ、言葉を発するのが楽しいと思えてくるでしょう。
また、同時に「ママはこんなことがあったんだよ」と親の話を伝える時間も設けましょう。会話は自分一人でするものではなく、交代でするものだという基本を学び、「相手の話を聞く」という力を養うことができます。聞く能力が高ければ、それだけ言葉を吸収することができ、言語能力も高くなるでしょう。
方法④子どもの集団で遊ぶ
親子で遊ぶよりも、子ども同士のほうが言葉が発達しやすいと言われています。この時期の子どもが他の子どもや親以外の大人のマネをしたがることが理由で、マネをし続けた先に言葉を覚えていくのです。必ずしもいい言葉とも限らず、悪い言葉を覚えることもありますが、それも成長した証と考えましょう。
また、親子で共にいる時間では「こうしてほしい」という子どもの要望や意思を親がなんとなく察してしまいます。しかし、子ども同士では自分の考えていることを言葉で言わないかぎり、誰も察してはくれません。こういった環境によって、自分のしてほしいこと、してほしくないことをしっかりと文章や言葉にして、相手に伝えることができるようになります。
まとめ
いかがだったでしょうか。おうちでできる子どもの言葉を発達させる方法を紹介してきました。
小学校入学を目前にすると、子どもがうまくやっていけるか、勉強についていけるかとついつい不安になってしまいます。しかし、そんな不安がお子さんに伝わってしまうと、お子さんにネガティブな影響を与えてしまいます。上記の方法を試して、成功体験を積んでいくことで、親子一緒に不安を自信に変えていくのもいいかもしれません。
「そのままのお子さん」を認めてあげることも重要です。お子さんが勉強についていけなくても、親御さんが「そんなときもあるよね」「つまずいたとしても大丈夫」と認めてくれることで、お子さんの失敗や逆境から立ち上がる力が育まれ、親子の関係も良好になっていくのです。