食育は知育。子どもの栄養バランスを考えて、丈夫なカラダと賢いアタマを育もう!
最終更新日:2020/09/11
食事習慣は子どもの発達に欠かせない
皆さんのご家庭の食事習慣はいかがでしょうか。三食しっかり摂っていますか?栄養のバランスを考えた食事になっていますか?子どもの好きなものばかり食べさせていませんか?
子どもの頃の食事習慣は大人になっても継続されると言われています。好きなもの・嫌いなものなど分け隔てることなく、バラエティに富んだメニューの食事を食べていれば、大人になってからも食事に対する興味が湧き、食事や栄養のバランスを考えやすくなります。
食事は子どもの身体を作るための重要な要素。子どもの口にするものに、今まで以上にママやパパは意識していきましょう。
質の高い学習環境も食生活がもたらす
集中力を高く持って学習する、記憶を定着させる、体調を整え日々の学習習慣を整える。こういった学習環境面を整える意味では、日々の食生活が鍵を握ります。栄養バランスが考えられた食事を摂ることで、質の高い学習環境がもたらされるのです。
そのためにも、子どもの成長のためにママやパパが食事についての知識を持っていることが大切なのです。
ママやパパが知っておきたい五大栄養素
そこで今回はママやパパが知っておきたい五大栄養素をご紹介します。
学校の家庭科の時間でも必ず習っている五大栄養素。皆さんはすべて言えますか?また、身体にとってなぜ必要なのか説明できるでしょうか。
①炭水化物
まずは炭水化物です。
炭水化物は、私たちのカラダを機械と例えたときに、燃料にあたるものです。燃料がなければ機械は動かないように、身体や頭を動かすために必要な栄養素です。
特に炭水化物は、脳にとってたったひとつの栄養素であり、炭水化物を摂らなければ、脳に栄養が行き渡らず、物事に集中できなくなってしまいます。また、1日に摂取しなければならない総エネルギーの半分以上は、炭水化物から補給する必要があります。
炭水化物は、特にご飯、麺類やパンなどの小麦製品、いも類などから多く摂ることができます。お子さんが頭をよく働かせ、勉強によく集中できるようにするためにも、炭水化物をしっかりと摂らせたいものです。
②たんぱく質
次にたんぱく質です。
たんぱく質は、筋肉や皮膚、内臓などを作るために必要不可欠な栄養素です。先程と同じように私たちのカラダを機械に例えると、たんぱく質は機械のボディやエンジンの材料になるものです。機械のボディやエンジンが丈夫であるから、機械はフル稼働で動いても壊れないのです。
たんぱく質は体の中で消化されると、アミノ酸という物質に変化をし、それが私たちの体を作る元となっています。そして、アミノ酸には大きく分けて2種類あります。体の中で合成できるアミノ酸と、合成できないアミノ酸です。その合成できない9種類のアミノ酸は、食べ物から摂取しなくてはならないのです。
たんぱく質は、特に肉や魚、豆腐や納豆などの大豆製品、たまご、チーズや牛乳などの乳製品から多く摂ることができ、子どもの身体と脳の成長のために、たんぱく質は欠かすことができません。また、免疫力が向上する作用もあるので、たんぱく質はしっかり摂っていきたいものです。
③脂質
次に脂質です。
脂質は、炭水化物と同様に、私たちのカラダを動かすエネルギーとなります。摂りすぎると肥満になりやすいので注意が必要ですが、少ない量の摂取で大量のエネルギーを作り出してくれるというとても効率の良い栄養素です。その他に、血管などの細胞膜を作ったり、体温を保ったり、ビタミンの吸収を助けてくれたりと重要な役割も持っています。
脂質には2種類あり、肉、魚、卵、牛乳、乳製品などに含まれる動物性の脂質と、サラダ油、ごま油、オリーブオイルなどの植物性の脂質があります。
ある子どもの食事に関する調査では、多くの子どもが脂質を1日の必要量の2倍も摂取していると言われています。そういった事実があるのを知ったうえで、子どもにバランスの良い食事をさせるよう心がけていきましょう。
④ミネラル
次にミネラルです。
人間のカラダに必要なミネラルは16種類と言われており、その中には、カルシウム、ナトリウム、鉄などがあり、それらを必須ミネラルと言います。ミネラルの主な役割は、骨、歯など体を構成するためや、体の調子を整えるために使われたりします。
ミネラルは、体の中で作り出すことができない物質であるため、食事から摂取するしかない栄養素です。
鉄分不足になると鉄欠乏性貧血になったり、カルシウムが不足すると骨粗しょう症になったりしてしまいます。かといって、鉄や亜鉛を過剰に摂取してしまうと中毒になってしまったり、ナトリウムを摂取しすぎると高血圧になってしまったりと、摂る量のバランスが重要です。
⑤ビタミン
最後はビタミンです。
ビタミンは、体の機能を正常に保つために必要な栄養素です。血液や粘膜、骨、皮膚などのカラダのあらゆるものの健康を維持し、新陳代謝を促す働きがあります。機械で例えると、ボディやエンジンのメンテナンスオイルにあたります。
ビタミンは、ミネラルと同様に、ほとんど体で作ることができない栄養素です。そして、不足してしまうと欠乏症になる可能性があります。ビタミンは、野菜や果物などの食品から多く摂ることができます。
13種類のビタミンがありますが、その中でもビタミンA、E、Cの3つは風邪の予防をしてくれます。インフルエンザが流行する季節や、受験シーズンには積極的に摂取していきたいものです。
食育は知育のひとつ。
私たちは知育を大切にしていますが、これは楽しみながら学び、知力を発達させていく取り組みです。楽しみながら学ぶことが大切です。
最近では「食育」という言葉を目にするようになりました。幼稚園や保育園の昼ごはんの時間は食育と考えられているところが増えましたし、小学校の給食の時間などでも食育を通して、食事に興味を持ってもらおうとしているところが増えてきています。
「食育」は、日々の生活が毎日食べているもののおかげであることと知り、「食」について興味を持ち、「食」に関する知識や情報を吸収することで、バランスの良い「食」を選択し、健全な食生活を送ることができる人間を育てるための取り組みです。
食育は知育のひとつです。食事の時間を楽しみながら、「食」について楽しく学んでいく時間です。先述の通り、子どものときの食事習慣はそのまま大人になって出てきます。良くない食事習慣であれば、生活習慣病などの早期罹患につながり、健康面だけでなく命をも脅かしてしまうかもしれません。
今回はどうして食育が必要なのか、食育によってどんなことがもたらされるのかも親子で話し合えるといいですね。
まとめ
ここまで、五大栄養素のこと、そして食育についてご紹介してきました。ただ、食事の時間は子どもの自己肯定感を高めたり、社会性を身につけたりといったことにも大きな価値があります。
子どもがいる家庭では、家族みんなで一緒に食卓を囲むことによって、食事の楽しさを実感することができます。そこで、今日あった話をしたり、ママやパパの話を聞いたり、コミュニケーションを取ることで、子どもの自己肯定感を育むために必要な心の安全基地が生まれます。これは会話だけでなく、笑顔やうなずきといった所作からも生まれます。
また、箸の正しい持ち方や食事のマナー、「いただきます」「ごちそうさま」といった食事のあいさつを身につけるいい機会にもなります。これは子どもの社会性を育むといっても差し支えないでしょう。
ぜひ、子どもの栄養バランスを考え、丈夫なカラダと賢いアタマを育みながら、ココロの部分にもアプローチできるといいですね!