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子ども同士のおもちゃの取り合いは社会性を育てるチャンス!年齢別の介入方法をご紹介!

公開日:2020/07/24
最終更新日:2020/07/17

子どもがおもちゃの取り合いから喧嘩になってしまう

保育園や幼稚園、公園、児童館など子どもがたくさん集まる場所で、子ども同士で遊んでいると、おもちゃの取り合いになることはよくあります。

「他の子のおもちゃを取ってはダメだよ」などと伝えただけでは、なかなか守るのはむずかしいもの。おもちゃの取り合いを避けられるに越したことはないのですが、子どもはおもちゃの取り合いやケンカなど、他の子との間のイザコザから多くを学びます。

親が仲裁することは否定しませんが、そういった経験は必ずしも子どもにとって悪いというわけではありません。では、そういうとき、親はどんな風にサポートしてあげればいいのでしょうか。

子ども同士のおもちゃの取り合いは社会性を育てるチャンス

おもちゃの取り合いは成長の証

おもちゃを取り合うのは一見悪いことに見えますが、子どもが成長している証でもあります。例えば、物を取り合うことは、その物を「これは自分の物だ」と認識、主張できるようになった現れです。また、子どもの心に執着心が生まれたという証でもあり、健全に成長しているということを示しています。

生後6ヶ月までの赤ちゃんは、持っていたおもちゃが取られたとしても、「なくなった」という感覚しか持たないのに対し、生後8ヶ月〜10ヶ月の赤ちゃんになると「自分の物」という認識が生まれてきます。同時に執着心も持ち始めるので、自分の物を取られまいと取り合いになってしまうのです。

そして、2歳〜3歳くらいまでは、まだ自分の物と他人の物の区別をつけることができません。目について気になったものは、全部自分の物と思ってしまうのです。

だから、子ども同士でおもちゃの取り合いが起きるのは、とても自然なこと。しかし、力まかせで取り合いになればケガにつながることも。親がうまく介入する必要があるでしょう。

ここからは、子ども同士のおもちゃの取り合いに親はどう振る舞うといいのか、年齢別の対象法をご紹介していきます。

①0歳~1歳半は、叱らずに別のおもちゃの提案を

0歳〜1歳半の時期に気をつけたいのはケガです。取り合いになった相手次第では力の差が大きく、押されたりすれば後ろに倒れてしまうことも。取り合いになりそうであれば、ママやパパが近くにいてあげてください。

この歳同士の取り合いであれば、お互いに力は大きくはないので、大きなケガにつながる可能性は低いです。なので、取り合いになっても、近くでなるべく見守ってほしいところです。

ここでのポイントは、押した子を叱らないであげることです。押した子がまだ2歳〜3歳であれば、まだ自分のしたことで相手がどうなってしまうのか理解できる年齢ではありません。相手も「自分の物」を守ろうとしているだけで、相手に攻撃をしたいわけではないのです。

また、おもちゃを取られてしまい、泣いてしまったとき、「このおもちゃはどう?」などと、別のおもちゃで遊ぶことを提案してあげればいいでしょう。1歳半までは執着心がそこまで強いわけではありません。この方法でも意識が他に逸れやすいです。

②1歳半~3歳は、言葉にして伝える練習を

1歳半〜3歳になると徐々に「自分の物」と「相手の物」の区別がついてきます。それと同時に、「取られたおもちゃは相手の物になる」という意識が生まれてきます。また、「貸して」という言葉も理解し始めます。子どもには気持ちは、態度や行為で表すのではなく、「『貸して』って言うんだよ」と言葉にして伝えることを教えましょう。

しかし、言葉はわかったとしても「相手の物になってしまうのはイヤ!」という時期でもあります。「貸して」と伝えても、相手が貸してくれないことは大いにあるでしょう。こうなると、他のおもちゃで気を逸らすという方法は効かなくなってきます。

取り合うということ自体は子どもにとって良い体験なので無理に止めなくても大丈夫です。しかし、自分や相手の子に怪我をさせないように「物で叩いちゃダメ」など、危険な行為はしないように教えていく必要があります。

また、おもちゃを相手から取ってしまった場合は、叱らずに、「これが欲しかったんだね」と一旦子どもの気持ちを受け止めてあげることもポイントです。

そして、「『貸して』って言えたね」、「叩かなかったね」とできたことを褒めてあげ、相手の親御さんに同意を得てから「少し遊んだら返そうね」、「貸してもらったから『ありがとう』っていおうね」と次はどうすればいいか伝えます。

気持ちを受け止めてあげたり、できたことを褒めてあげたりすることで、次の行動の提案も素直に受け入れやすくなります。

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③3歳~4歳は、問題について考えさせてみて

3歳〜4歳は、自分のやっていることがどういったことか少しずつ理解してきます。この時期のの子どもには、問題について考えさせることが大切です。

自分がおもちゃを取ってしまい、相手の子が泣いていたら、「泣いちゃったよ。」と今起きている事実のみを伝えます。泣いた原因を理解している年齢です。「おもちゃを取られたらどう思う?」と考えるきっかけを与えるのもおすすめです。
自分が誰かにおもちゃを取られて泣いた経験を思い出して、どんな気持ちだったか自分で考えてもらうのです。「返してほしかった」、「悲しかった」と答えが出てきたら、「今相手はどんな気持ちだと思う?」とさらに問います。おもちゃの取り合いから、相手の気持ちを想像する力をつけていくのです。

もし、おもちゃを取られる側だったときはどうすればいいでしょう。まずは「今どんな気持ち?」と聞いて、気持ちを受け止めてあげてください。そして、「どうすればいいと思う?」とさらに問い、ここでも自分で考えさせます。

しかし、まだまだ3、4歳。なかなか答えはでないことが多いかもしれません。「わからない」と答えたり、黙っていたりしたら、「『次は僕に貸して』って言ってみたら?」と提案してみるのもおすすめです。

ただし、相手の「これで遊びたい!」という気持ちもあります。「貸して」と言ってみたところで、貸してもらえないこともあります。あくまでゴールは「貸して」と言うところまで。そこから先は相手の気持ちも大切にしてください。

おもちゃの取り合いから、社会性を学ぼう

社会性とは、他者とうまく付き合っていくための力です。社会性を家庭内で伸ばしていくことは難しいと言われています。では、どこで学ぶ力かというと、ご家庭の外、特に同年代の子どもの集団の中で最も社会性は伸びるのです。

ママやパパはどうしても子どもを優先してしまうもの。しかし、子どもの集団の中では、自分の思い通りにならないこともたくさんあります。その中で、他の子とうまく付き合っていく必要があるのです。子ども同士のおもちゃの取り合いは、社会性を伸ばす機会にもできるのです。

おもちゃを取られたり、叩かれたりすることで、痛みを感じ、嫌な思いをすることになります。これをお互いに繰り返すことで、相手もおもちゃを取られたら嫌な思いをするし、叩かれたら痛いということをだんだん理解してきます。

そして、お互いに嫌な思い、痛い思いをしないように、問題を解決する能力も伸びます。例えば、「貸して」と自分の気持ちを態度や行為で表すのでなく、言葉にして伝えるようになります。また、「〇〇くんが遊んだら、次は僕の番ね」と相手と折り合いをつけれるようになります。

また、同年代の子ども同士で遊ぶことで、何かに意欲的に取り組む姿勢であったり、根気強くやり抜く力だったり、ほかにもたくさんの能力が身につくと言います。大きなケガに注意して、たくさん子ども同士で遊ばせたいですね。

「毎回、他の子に譲るのがいい子」なわけではない

子どもがおもちゃで遊んでいる最中に、お友達に「貸して」と言われたら、貸してあげるのが優しい子というイメージがあり、ついつい子どもに「貸してあげなさい」と言ってしまうことは多いかもしれません。しかし、何も「貸して」と言われたからといって、必ずしも相手の言う通りにふるまわなければいけないわけではないのです。

まず、大事にしてほしいのは、子どもの気持ちです。子どもが「貸して」と言われたら、「どうする?」と聞いてみましょう。「まだ遊びたい」と言うときには「あとでね」と自分の口から言えることも成長です。

また、子どもにとって非常に大事なもので絶対に貸したくないものもあります。その際は「ごめんね」と言って断りましょう。断ることも大事な力です。

大切なことは、どの選択肢をとるかではありません。トラブルを避けるために貸す、順番に使う、どうしても渡したくないから断る、どの決断をするとしても、自分の頭で考えて意見を言えるようになることが必要なのではないでしょうか。

子どものおもちゃの取り合いに大人はうまくかかわっていきましょう

まとめ

いかがだったでしょうか。子ども同士でおもちゃの取り合いになったときに、周りの大人が介入する方法を年齢別にご紹介してきました。

子ども同士のトラブルは成長する大きなきっかけです。ママやパパがすぐに介入するのではなく、なるべく見守ってあげてください。この先に生きていくために必要な力をつけるチャンスかもしれません。