人生の成功は「誠実性」で決まる!?「誠実性」を知って、高めよう!
最終更新日:2021/08/12
人生の幸福度は「誠実性」で決まる?
自分の子どもには、生涯にわたって成功してほしいものです。ポール・タフさんの「成功する子 失敗する子ーー何が『その後の人生を』決めるのか」という本では、何が人生の成功を決めるのかが説明されています。
人生の成功と言っても、何をもって「成功」と言うのか、人によって変わってくるものですが、本書では、子どもの性格にある要素があるかどうかで、人生の幸福度が決まってくると言います。その要素とは、ずばり「誠実性」です。
現在のところ、心理学の中でもっとも正しいとされている性格テストの「ビッグファイブテスト」というものがあります。この性格テストは人間の性格を5つの要素にわけたものであり、「誠実性」は5つの要素の1つです。
他の4つの要素には、「開放性=知的好奇心や探究心、想像力や芸術的感受性の強さ」、「外向性=周囲の人たちとの関わりや活動性、積極性」、「協調性=人との関係で、他人に優しくできるかどうか」、「神経症傾向=不安や緊張の感じやすさ」があります。
今回は、「人生の成功」に大きく関わる「誠実性」について、お伝えしていきたいと思います。
「誠実性」とは、どういうもの?
では、「誠実性」とは、どういうものでしょう。「まじめさ」というとあまりにも簡単すぎる表現です。ビッグファイブテストにおける「誠実性」には、「向上心があり、努力家」、「中途半端を嫌い、徹底的にする」、「意志力や自己コントロール能力が高い」といったような要素が含まれています。
「誠実性」が高い子どもは、一点集中型であり、目の前にある問題の解決や目標達成に向けて、ていねいに取り組め、長期的な計画を立てられるのが1つの特徴です。夏休みの宿題も、コツコツとやるタイプと言えるでしょうね。
また、自制心が働きやすいため、ストレス体制が強く、衝動的な行動をすることは少なく、理性的な行動をとることができます。苦手なことや失敗に直面したとしても投げ出しないことも特徴です。
ときとして、柔軟性に欠け、臨機応変な行動を求められることが苦手であったりします。しかし、苦手なことも持ち前の努力でカバーできます。
「誠実性」が高いと、どんな「成功」があるの?
また、本書では、「誠実性」が高いと、どんな「成功」があると述べているのでしょうか。
「誠実性」が高いと、収入や仕事への満足度が高い、テストの成績がよく学歴も高い、面接試験の受けもよく転職しやすい、犯罪に手を染める可能性が低くなる、結婚の満足度が高い、離婚率が低い、肥満になる率が低い、長生きする可能性が高いなどです。
もちろん他の4つの要素重要なのですが、「誠実性」は、ほぼ人生におけるほぼすべての「成功」をカバーしていると言っても過言ではないのではないでしょうか。
「誠実性」を高めよう!
では、この「誠実性」を高めることはできるのでしょうか。もちろんできます。人の性格は、30%が親からの遺伝、50%が住んでいる場所、付き合っている人からの影響、残り20%は後天的に変えられると言われています。ここからは、子どもの「誠実性」を高める方法を紹介していきます。
「誠実性」の高い人が多いコミュニティに入ること
子どもの「誠実性」を高めるため1番効果的な方法は、実は「『誠実性』の高い人が多いコミュニティに入り、一緒に行動すること」です。先ほど述べたとおり、環境の影響が50%と大きいからです。
例えば、習い事に入るにしても、無理に親にやらされて、惰性で活動子どもたちが多いところよりも、子どもたち自らが目標をもって活動しているところのほうが良いということです。
周りの子どもたちから影響を受け、自分の目標に向かってコツコツと取り組めるというわけですね。そんな環境の見極めは少し難しいかもしれませんが、習い事や学校選びの参考にしてください。
子どもに自信をつけさせる
また、子どもの「誠実性」を高めるには、「自分には誠実性があって、コツコツとできるんだ!」と子どもに自信をつけさせることも効果的です。
子どもがなにかコツコツとやって目標を達成したら、いっぱい褒めましょう。
そのためには、まず目標は達成可能なものに設定するようにしましょう。難しい目標を設定すると、失敗する可能性が高くなります。失敗をすれば、それだけ自信を失ってしまいます。
また、子どもが完璧主義にならないように注意しましょう。目標達成できなかったときに「自分はできないんだ」と自己否定をしてしまうからです。「今回は目標が高すぎたかな。次はもう少し小さな目標にしよう」、「やり方が悪かったかな。次はこうしよう」と達成できなかった自分を許し、建設的に考えられる能力も、誠実性を高めるのに必要かもしれません。
「誠実性」の高い人の真似をする
そして、「『誠実性』の高い人の真似をする」ということも、実は「誠実性」を高めるために有効な方法です。
ある研究で、「誠実性」の高い人の真似をすると、どうなるかという16週間にわたる実験が行われました。いかにも「誠実性」が高い人がしそうな行動を1つ真似をするのです。すると、被験者の「誠実性」は、20%向上し、6ヶ月持続したのです。
「宿題をきっちりやる」、「机の上をきれいにしておく」、「毎日同じ時間」に寝るなど、なにか1つでいいので、「誠実性」が高い行動をさせてみてください。ほかの行動にも、「誠実性」が見られるようになるかもしれません。
短所は長所にもなる!自分の性格の見方を教えよう!
ここまで、「誠実性」の高い子どもの良い面ばかりを紹介してきました。しかし、「誠実性」のない子どもは、ダメな子なのでしょうか。いいえ。そんなことはありません。
たしかに、「誠実性」のない子どもは、飽きっぽく、ものごとを途中でやめたり、衝動的に行動してしまうことが多いです。しかし、いろいろなことに興味を持ち、ママ、パパが驚かせるような大胆な行動をするという良い面もあります。
短所は見方を変えれば、長所にも変わります。性格はまるで刃物のようなもので、使い方を知っていれば、とても便利なものとなりますが、使い方を知らなければ、自分や他人を傷つけてしまうことになります。
その使い方を教えるのは、ママ、パパの役目です。「君は飽きっぽいけど、たくさんのことに興味を持っているということなんだよ」、「ときには衝動的な行動をしてしまうけど、思い切った行動ができるってことなんだよ」と教えてあげましょう。
「誠実性」のない子どもには、ママ、パパは「なんでできないの?」、「本当にダメだな!」とネガティヴなことを言いがちです。「誠実性」を身につけさせるには、「自分はできるんだ!」という自信をつけさせることが重要と先程述べました。これでは、ますます「誠実性」は失われていくだけでなく、自己肯定感も自尊心も低くなってしまうことでしょう。
「さあ、もう少し頑張ろうね」、「ここが目標だよ。もうちょっとだよ」というような前向きな言葉をかけてあげましょうね。
親子でビッグファイブテストをやってみよう!
「誠実性」だけでなく、他の「開放性=知的好奇心や探究心、想像力や芸術的感受性の強さ」、「外向性=周囲の人たちとの関わりや活動性、積極性」、「協調性=人との関係で、他人に優しくできるかどうか」、「神経症傾向=不安や緊張の感じやすさ」の子どもの4つの性格についても把握しておきましょう。
ビッグファイブテストを行うことで、子どもの性格を知り、子供とどう接すればいいかが見えてくるかもしれません。
ビッグファイブテストは簡単な質問に、「あてはまる」、「あてはまらない」、「どちらともいえない」と答えるシンプルなテストです。ママ、パパから見たお子さんのイメージと、お子さんが持っている自己イメージとは異なるかもしれません。それでも、子育てのヒントには大きく役立つはずです。
また、ママ、パパもビッグファイブテストをやってみることもオススメします。自分自身の取り扱い方が見えてくるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は「人生の成功」の鍵となる「誠実性」についてお伝えしてきました。
「誠実性」は学校の成績、将来の仕事、私生活にとても良い影響があります。子どもの「誠実性を高めるには、「誠実性」の高い人たちが集まる環境に子どもを置くこと、自信をつけさせること、「誠実性」の高い人の真似をすることです。
ビッグファイブテストは、科学的に信頼されている心理テストなので、ぜひ親子でやってみてください。