ペットを飼うことは子どもの教育にどう活きるの?メリットとデメリットを整理。
最終更新日:2021/06/11
ペットを飼いたい!と話す子どもはいる
街を歩けば、散歩中の犬に出会います。ペットショップになんとなく足を運んでみれば、たくさんの子犬や子猫に癒されます。テレビをつければ、かわいい動物たちが映し出されます。
子どもが「ペットを飼いたい!」と言い出すのは、ごく自然なことなのかもしれません。
ペットを飼うことは、子どもの情操教育に良いと言われています。しかし、子どもの情操教育において具体的にどのようにメリットがあるのかは説明が難しいところです。
また、ペットを飼うことにはデメリットも伴います。デメリットを理解せずに飼ってしまい、後になって、「飼わなければよかった…」なんて思うことは、非常に無責任なことです。
今回は、ペットを飼うことでどのようなメリットがあるのか、そしてどのようなデメリットがあるのか紹介していきます。2つを見比べて、参考にしてみてください。
ペットを飼うことのメリット
まずは、ペットを飼うことのメリットをご紹介していきたいと思います。子どもの情操教育にどのような良い影響があるのでしょうか。
①コミュニケーションが学べる
最初に紹介するメリットは、「コミュニケーションが学べる」ということです。
もちろんのことですが、ペットが話すというわけではありません。しかし、話さないからこそ、ペットの仕草や表情、声色といった非言語コミュニケーションからペットが何を欲しているのか、何を感じているのかを読み取らなければなりません。
相手の気持ちを感じ取る想像力、相手を思いやる感性といったコミュニケーション能力が身についていくのです。
ときには、子どもがペットを乱暴に扱ったり、叩いてしまったりして、ペットを怒らせたりしてしまうこともあるでしょう。そのとき、子どもは「こうしてしまうと怒らせてしまうんだな」と、相手との適した距離感を注意深く観察するようになります。
コミュニケーション能力は社会に出た際、より良い対人関係を築くのに必要不可欠な能力です。それはママ、パパだけのとの会話だけでは、なかなか育ちません。
ペットを飼えば、家庭の中でもコミュニケーション能力が育まれるのは大きなメリットと言えるでしょう。
②責任感を身につけられる
次のメリットは、「責任感を身につけられる」ということです。
ペットの飼育には、さまざまなお世話をしなければなりません。犬を例にあげると、餌やり、トイレ掃除、散歩、ブラッシングなどです。
子どもが小さいときは、これらの世話をするのは、ママ、パパの手助けが必要ですが、ある程度の年齢になれば、お世話をすることによって、「決められたことをしっかりまっとうする」という責任感を育むことができます。
ペットを飼うことが決まったときには、ぜひ子どもにペットの世話を任せてみてください。
かわいいペットが健康でいられるように世話をしっかりさせて、責任感が強く育ってくれます。また、ペットは世話をしてくれる人になつきやすく、やりがいも感じるでしょう。
③命の大切さを知ることができる
そして、最後のメリットは、「命の大切さを知ることができる」ということです。
ほとんどのペットの寿命は人間よりも短く、代表的なペットの犬や猫の命の長さも10年前後くらいです。ペットを飼えば、残念ながらペットの死を経験することになるでしょう。
世話をし、愛情を注いできたペットの死は、非常にショックであり、悲しい出来事となるでしょう。しかし、子どもはペットの死を通して、命はいつか終わりが来ることを学び、その大切さを知るでしょう。
子どもがその後、ペットを飼いたいと思うのか、飼いたくないと思うのかは別として、「命は限りあるものだから、1日1日を大切に過ごそう」という人生において重要な教訓を得ることができるでしょう。
ペットを飼うことのデメリット
次に、ペットを飼うことのデメリットをご紹介していきたいと思います。ペットを飼うことは必ずしも良いことばかりではありません。今から紹介することをしっかり理解してから飼うことを決めましょう。
①お金がかかる
まず最初に紹介するデメリットは、「お金がかかる」ということです。
ペットを飼うにあたってさまざまな費用がかかります。毎日の餌代はもちろんのこと、ケージ代、リード代、ペットによってはトリミングが必要ですし、ペットをおいて旅行に行くときは、ペットホテルを利用しなければなりません。いざというときのためにペット保険も必須でしょう。
ペットを飼って、情操教育をしようと思うのであれば、子どもがある程度小さい頃が有効なのですが、そのような時期は仕事と育児の両立の狭間で、世帯収入が減ってしまうことが多いです。
ペットを飼うことがいくら情操教育に良いからといって、安易に飼うことを決めずに、まずは飼育するのにどれくらいの費用がかかるかの計算をすることをオススメします。
②ケガやアレルギーの不安がつきまとう
次にのデメリットは、「ケガやアレルギーの不安がつきまとう」ということです。
特に大きなペットを飼う場合には注意をしましょう。ペットがじゃれているつもりでも、噛まれたり、ひっかかれたりして、子どもが怪我をする場合もあります。
実際に、ペットの大型犬に10ヶ月の赤ちゃんが噛まれて死亡してしまったケースもあります。このような事態は、ペットをしつけることで大半は避けることはできますが、ペットはあくまでも動物であり、完全に予防できるという保証はありません、
子どもとペットが触れ合うときは、ママ、パパが目を離さずにいなければなりません。
また、犬のフケなどに接触することでアレルギーの抑制につながるというメリットがありますが、生まれ持った体質から子どもがアレルギーを発症してしまう可能性もあります。
そのような場合には、ペットと子どもが接触しないように対策しなければなりません。接触を防ぐだけでなく、アレルギーはペットのフケだけでなく、尿や毛に多いことがあるため、トイレ掃除やシャンプーをこまめにしたりすることが必要になってきます。
③子どもの生活リズムが乱れる
最後に紹介するデメリットは、「子どもの生活リズムが乱れる」ということです。
子どもが小さい頃、3〜4歳ぐらいまでは寝かしつけに手を焼くママ、パパは多いでしょう。子どもを寝かしつけて、家事などに手が回る、なんてこともあります。
しかし、ペットがそのような人間の都合を理解して行動をしてはくれません。子どもがやっと寝てくれたのに、ペットの鳴き声などによって起きてしまうということはよくあることです。
それにより、子どもが寝てから片付けようと思ってたやるべきこともできないし、子どもの睡眠のリズムも乱れてしまいます。
ペットが子どもを寝かしつけてくれるという心温まる話を聞いたり、動画を見たりしますが、それはほんの稀な話です。寝かしつけるときには、ペットをケージに入れておくなどの対策が必要です。
一度飼い始めたらずっと面倒をみなくてはいけない
一度ペットを飼い始めたら、ペットの最期のときを迎えるまでは、面倒を見続けけなければなりません。それが飼い主としての義務です。ごく稀なケースを除いて、途中でペットを手放すことはあってはならないということを胸に刻みましょう。
ペットを途中で手放さないようにするために、飼う前にチェックしなくてはならないことがあります。例えば、まず前述したように家族がアレルギーを持っていないかや、これから先、パパ、ママの転勤などで引越しの可能性がないかどうかです。経済的な余裕も考えなくてはなりません。
ここまで紹介してきたペットを飼うことのメリットとデメリットを比較し、将来ペットを飼えない状況にならないかに注意して、ペットを飼うかどうか判断してください。
まとめ
いかがだったでしょうか。ペットは飼うメリットとデメリットをご紹介してきました。
子どもが「飼いたい!」と言ってきても、簡単に飼ってはいけません。ペットを飼うことは1つの命を家族として迎え受けることです。
ペットを飼うことで、子どもに良い影響は少なからずあります。しかし、衛生面、コスト面が気にかかりますし、ケガやアレルギーも心配なところです。子どもがペットの世話をしなくなって、ママ、パパの負担が増えることもあるでしょう。
一度迎え受け入れば、原則として、もう手放せないということを考えて、慎重に検討しましょう。それがペットを飼うということです。