年中さん・年長さんこそ、積極的にお手伝いをお願いしていこう!
最終更新日:2020/10/08
お手伝いは親子が学び合える機会
子どもが年中さんや年長さんになると、自分でできることが少しずつ増えてきます。日常生活の中でも「どこまで、本人に任せた方がいいのか」と迷っているママやパパは多いのではないでしょうか。
中でもお手伝いはご家庭によって方針の違いが目立つところです。なるべく本人にやらせたいと思っていても、まだまだ危ないことは任せられません。
ただ、お手伝いにもたくさんの種類があります。あまり失敗のないところから取り組んでいけば、お子さんだけでなくママやパパにとっても学びになるような機会にしていくことができるのです。
子どもにとっての学び、気づき
子どもにとってお手伝いは発見の連続です。
「スポンジにつける洗剤の量はどのくらいがいいのか」
「すべってお皿を落とすと危ない」
などといった、新しい気づきを得られるのは楽しいことです。
また、最初はうまくできなかったことでも上達していくと達成感が得られます。自分で自分のことをできるのは、自信につながります。ママやパパから褒めてもらえることや、感謝の言葉をかけてもらえることもやる気につながるでしょう。
少しずつ取り組んでいき、「お手伝いは楽しい」や「うまくできると気持ちがいい」という経験を積めることを目指していきたいものです。
親にとっての学び、気づき
子どもにお手伝いを任せることは、親にとっても挑戦です。
今まで経験のないことをさせてみるのですから、失敗するかもしれません。ママやパパがやってしまった方が早いし、楽なことは多いでしょう。
それでも「まだできないだろう」とか「この作業は難しいかな」と思うことでも、チャレンジをさせてみると、意外とあっさりできたりすることもあります。
「こんなこともできるようになったのか」
「こういう作業が得意なのか」
など、お手伝いをさせてみることで、子どもの成長を感じたり、新しい一面を見れたりすることがあるかもしれません。
はじめてのことができたときには、子どもと一緒に喜んで、たくさん褒めてあげてください。また頑張ろうという気持ちになってくれるはずです。
親子の距離がグッと近づく
お手伝いの機会を通じて、親子間の距離がぐっと近づくこともあります。お手伝いは子どもの挑戦だけではなく、任せて見守る側の親との共同作業なのです。
たとえば、ママと一緒にホットケーキを作って自分でひっくり返すことができたら、そのホットケーキはいつもよりも美味しく感じるでしょうし、一緒に作った思い出にもなります。
協力して一つのことをすると連帯意識が生まれます。子どもへの信頼があってはじめて、お手伝いを安心して任せることができます。子どももその信頼を感じ取り、期待に応えようとします。こうやって、心理的な距離がまた縮まっていくのです。
子どもに任せたいおすすめのお手伝い
ここからは、年中さんや年長さんの子どもに任せたいおすすめのお手伝いを紹介していきます。今までお手伝いをしたことのないお子さんでも取り組めるような、安全で簡単なものばかりなので、気になったものを取り入れてみてください。
①ごはんをよそう
一つ目は、ごはんをよそうことです。
小学校に上がると、給食の時間に子ども同士で配膳をします。お家の中で普段からお茶碗にごはんをよそっていれば、給食の配膳の練習にもなります。
最初は、お茶碗を持ちながら片手でごはんをよそうのがむずかしいかもしれません。小さめのお茶碗だとやりやすくなります。少しずつ練習を重ねると、上達をしていきます。
自分で食べきれる量を把握することにもつながりますし、自分でよそったごはんは特においしく感じられるのではないでしょうか。
②食器を洗う
二つ目は、食器洗いです。
年中さんや年長さんであれば、食器洗いにもチャレンジできる年頃です。割れるお皿を遠ざけておく、洗うためのスペースを広めにとる、身長が足りないのであれば台を用意するなどの工夫をしておけば、自分の使ったお皿を洗うことはできるお子さんも多いはずです。
どうしても洗剤ですべってしまってむずかしいのであれば、洗剤で洗うところは代わってあげて、流水ですすぐところだけをお願いするなどの分担をするといいかもしれません。
洗ったお皿をふきんで拭いたり、食器棚に片付けたりということも徐々に練習していくことをおすすめします。
③お風呂を洗う
三つ目は、お風呂を洗うことです。
お風呂掃除はお手伝いの中でもハードルの低いものです。浴槽は洗いやすい形をしていますし、すべって転ばないようにだけ気を付けておけば危険も少ないです。慣れないうちは、近くで見守ってあげた方が安心できます。
年中さんや年長さんになったら、自分で全身を洗えることも多いはずです。まずは、ママやパパが洗っておいた浴槽をシャワーで流すところだけをお願いするなど部分的なところから始めてみてはいかがでしょうか。
④布団をたたむ
四つ目は、布団をたたむことです。
保育園や幼稚園では、お昼寝のお布団を自分でたたむことがありますので、お布団をたたむお手伝いは進んでやってくれるお子さんも多いと思います。
大きな布団をひとりでたたむのは難しい場合がありますので、ちょっとだけ力添えして端をもってあげるなど、一緒に行うと良いでしょう。ベッドを使っているお宅では、お布団を整えたりシーツを伸ばしたりといったベッドメイクでもいいかもしれません。
⑤自分で着替える
五つ目は、自分で着替えることです。
年中さんや年長さんになると、着替えを自分でできるようになります。もしかしたら、ボタンを通すのが苦手、いつもシャツを入れ忘れてしまうなど苦手なことがあるお子さんもいるかもしれません。毎日やっていくうちに、少しずつ上達していきます。
ひとりで着替えられるようになったら、自分で洋服を選ぶところから任せてみるのもいいでしょう。どこの場所に何をしまっているのかを把握したりすることにもなりますし、洋服選びも自分でできるようになってきます。お店でお買い物をするときに、自分の意思を伝えられるようになってきます。
頼む・頼まないのバランス
お手伝いは一度にたくさんのことを頼みすぎてしまうと、子どものストレスが溜まります。
頼みすぎるとお手伝いそのものが嫌いなってしまうケースもあります。一つのことができないうちに、別のこともやろうとすると、どれも上達しないままで自信がつかないこともあるでしょう。
頼むときには、バランスを考える必要があります。一度にいろいろなことをさせるよりも一つずつ習得させていったり、一つできたら次レベルアップするなど少しだけ背伸びするくらいがいいのです。
一生懸命手伝ってくれる子どもに感謝の気持ちを伝えることも大切です。
また、お子さんの様子を見ながら、疲れているときや他にも変化の激しい時期は多めに見て代わってあげたりすることを通じて、バランスを調整していってください。
子どもの変化に気を配ろう
ここまで、年中さんや年長さんのお手伝いについて説明してきました。
お手伝いは、少しだけ背伸びした課題を設定することが大切です。むずかしすぎるとやる気や自信を失ってしまいますし、簡単すぎるとすぐに飽きてしまいます。ちょうどいいラインを見極めるためには、普段から子どもの変化に気を配っておく必要があります。
お手伝いはどれも日常生活の中にあるものです。そのためには、ママやパパがご子どもを見守って、変化に気を配ることが大切なのです。
子どもの過去と今を比べるからこそ、できるようになったことがわかります。成長をとらえられるからこそ、次の課題を与えて取り組ませることができるのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。年中さんや年長さんの子どもにお願いしたいお手伝いについてご紹介してきました。
お手伝いの基本は自分のことを自分でやることです。小さいうちはママやパパが代わりにやってあげていた準備や片づけを、少しずつ本人に任せていくのがお手伝いです。
そのためには普段から子どもの様子を気にかけて、変化を見てとることが大切です。お手伝いをする、しないの中でも親子のコミュニケーションが生まれます。
まずは、ハードルの低いことからで大丈夫です。お子さんにお手伝いを提案してみてはいかがでしょうか。