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「叱る」と「怒る」の違いを知ろう!子どもへ注意するときのポイント

公開日:2020/07/02
最終更新日:2020/06/29

「叱る」と「怒る」の違いって?

「叱る」と「怒る」の違いを皆さんはどれくらい知っているでしょうか。なんとなく違いがあると知っていても、その違いを明確に説明することができる人は少ないかと思います。「叱る」よりも「怒る」のほうがなんとなくネガティブなイメージがある、そんな意見の方もいるでしょう。

そもそも「叱る」や「怒る」が必要となる場面は、どんなときでしょう。子どもがやってはいけないことをやってしまったとき、失敗やトラブルを起こしてしまったとき、親子や友だちなどの誰かを傷つけてしまったり、約束を破ってしまったとき、などではないでしょうか。

子どもにとって、改善や反省が必要なタイミングは、成長するきっかけにもなるタイミングです。このときに「叱る」と「怒る」の違いを知らずに、子どもに対しての声かけや関わりを誤ってしまうと、せっかくの成長の機会を逃してしまいます。さらには逆効果になってしまうこともあるでしょう。

ここからは「叱る」と「怒る」の違いについて考えながら、子どもに注意するときに気をつけたいポイントをお伝えしていきたいと思います。

怒ると叱るの違いを明確にしていこう

「叱る」は論理的、「怒る」は情緒的

最初は「叱る」と「怒る」の根本的な違いからご説明します。

「叱る」は子どもに失敗やトラブルがあったときに、子どもの行動の何が悪かったのかを気づかせ、課題と改善点を考えさせるための声かけです。語気を強めはしますが、荒げるのではなく、また、真剣な表情で目と目を合わせるなどの仕草や振る舞いで子どもと向き合います。

子どもがしてしまった行為のどこが悪かったか問題点を挙げ、そして解決策や改善策を考えていく。「叱る」は、論理的なアプローチだということもできます。

一方で「怒る」は子どもしてしまった失敗やトラブルに対し、ママやパパが感情のままに子どもに言葉を投げることです。声を荒げ、強い口調になってしまったり、時には手を上げてしまったりするのは、感情そのものを子どもにぶつけているからです。

子どもの身に起こった事実に対し、言葉で伝えるよりも、表情や態度で「ダメだよ」「悪いことだよ」と伝えるため、説得力が増します。子どもの心にダイレクトに伝わってくる情緒的なアプローチだと言うこともできます。

「叱る」と「怒る」を比べたとき、「怒る」のほうがネガティブな印象があると思いますが、子どもが道路に飛び出したり、友だちに加害行為をしたりなど、とっさに注意し、「それは絶対にしてはいけない」と伝えるときには、「怒る」ほうが効果的です。

大切なのは、「叱る」と「怒る」の違いを知り、使い分けをすることです。

「叱る」はあなた目線、「怒る」はわたし目線

少し違った角度から「叱る」と「怒る」の違いを見てみると、「あなた目線」と「わたし目線」という違いがあることに気づきます。

まず「怒る」から考えてみると、怒りや苛立ちといった感情を子どもに投げつけるアプローチなので、自分のモヤモヤを晴らすための声かけだと言えます。また、感情は自然と湧き出るものと考えているかもしれませんが、実は「怒る」は自分で選んでしているもの。つまり、「怒り」はわたし目線(自分目線)の行動です。

そして、反対に「叱る」は自分の感情はいったん飲み込み、事実を整理し、子どもの成長を促すためのアプローチです。子どもにどのように伝えれば分かってくれるか、どうしたら気づいてくれるかを考えます。「叱る」は、あなた目線(子ども目線)のアプローチと言えるでしょう。

仕事に家事にと忙しくなってくると、心の余裕がなくなったり、子どもと向き合う時間が取れなくなったりしてきます。子どもの失敗やトラブルに対する関わり方が「叱る」よりも「怒る」寄りのアプローチになりやすくなってくるでしょう。

そんな時は「怒ってばかりでごめんね」という一言でもいいので、一緒にいられる時間に伝えてあげてください。お風呂や寝る前などひと時で構いません。その一言があるだけで、怒られてちょっとだけ拗ねている子どももホッとするでしょう。

子どもへ注意するときのNGなポイント4つ

「叱る」にしても「怒る」にしても、気をつけておきたいポイントがあります。子どもの行動の間違えなどを指摘したりすることもあるので、やり方によっては心の傷を残してしまいます。

ここからは子どもに注意するときのNGなポイントをお伝えしていきます。

①なぜ?なぜ?と責める

「叱る」や「怒る」は、子どもがした行為が間違っているからするものです。「なぜそんなことをしたのか?」という理由や背景は気になるところですよね。

もちろん、その理由が社会道徳に反していたりすれば、正しく教える必要があります。しかし、基本的には理由を聞いても、その理由を責めるのではなく、子どもがやってしまった行動や言動などに対して注意するようにしましょう。

叱られれば、子どもながらに、何か悪いことをしてしまったんだということには気づいています。「なぜやったのか?」、「なぜそんなことを考えたのか?」など、なぜ?なぜ?と問いかけていくのは、子どもを追い詰め、プレッシャーや罪悪感につながります。

また、理由を責めても、子どもには抽象的なことしか伝わらず、結局何をしたらいけないのかがわからないということにもなりかねません。

②目を合わせずに怒る

子どもが危ない行動をしたときに、なかなか手が離せないこともあるかもしれません。それでも、なるべく叱ったり、怒るときは、子どもの目をまっすぐ見ましょう。

目を合わせないで叱ったり、怒ったりするのは、子どもに冷たい印象を与えますし、叱る側の真剣さは伝わりにくいです。親の本気度も伝わらないので、子どもは同じ間違いを繰り返してしまうかもしれません。

目を合わせるだけでなく、身体を向け、伝える。伝え終わった後は、心のしこりが残らないように、フォローが必要です。身体と心で向き合って、「叱る」や「怒る」の後に、より親子の絆が深まるようなコミュニケーションにつなげてみてください。

③大勢の前で怒る

子どもは、道端や電車など人混みにいるからと言って、大人しくできないことも多いです。すぐに注意することが必要なこともありますが、なるべく大勢の前で怒ることは避けたいものです。

子どもも、見知らぬ人の前で叱られることを恥ずかしいと思う気持ちはあります。子どもの自尊心を傷つけることにもつながりかねません。なぜ怒られているのかも頭に入ってこないときもあるでしょう。

危険なことを子どもがした場合など、すぐに叱ったり、怒ったりする必要があるときもあります。そんなときでも、少し人目を避けて話に集中できるような環境をつくることをおすすめします。

④人格を否定をする

そして、子どもを注意するときに最も気をつけたいこと。それは人格を否定しないことです。

「そんなことする人、パパは恥ずかしいよ」、「お兄ちゃんが小さい頃はこんなことしなかった」などといった子どもの人格を否定する表現、誰かと比べるような表現をついつい使ってしまうときがあると思います。しかし、こういった言葉は、親が思っている以上に子どもの心を傷つけてしまいます。

嫌いという言葉、他者との比較は子どもの自己肯定感に悪影響を及ぼします。「叱られている僕はなんてダメなんだ」、「お兄ちゃんと比べると私なんてダメなんだ」といった気持ちが残ることで、子どもの自尊心が削がれてしまい、自分の行動や言動に自信が持てなくなってしまいます。

また、自尊心を低い子どもは問題行動が多いと言われております。怒り方、叱り方によっては逆効果になり、問題行動が増えてしまう可能性もあります。

叱るときは子どもの行動や言動などの事実の改善点をただ淡々と伝えるにとどめて、子どもの人格を否定しないように心がけてみてください。

子どもへ注意するときのポイント

さて、注意するときのNG行為がわかったところで、ここからは「注意するときはこうしたほうがいい」というポイントをご紹介していきたいと思います。

①事実を時系列に沿って整理する

まずは、事実を時系列に沿って整理するということです。

事実を整理し、何がダメだったか、なぜ叱られているのか、改善点を伝えることで、くどくどとしたお説教にならずに済みます。だらだらと話しても、相手が何を伝えたいのかわかりません。手短に、シンプルな方が、伝わりやすいのです。

子どもは大人よりも集中力がながくは続かないので、だらだらと叱っても、最後まで聞くことができません。大切なことは、事実を理解して次に生かすことです。「何がいけなかったのか」や「次にどうしたらいいのか」を理解する手助けをしてあげてください。

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②子どもの体と心で向き合う

次のポイントは、注意するときは体と心で向き合うことです。要は子どもの目を見ながら、注意することです。

子どもと向き合うことで、親の真剣さが伝わり、説得力が増します。家事をしながらやスマホをいじりながらでは親の伝えたいこと、叱られた原因や理由を理解させることは難しいでしょう。

いくら言葉で話をしても行動で示さなければ、子どもに伝わります。大切な話のときは、ママやパパも一度手を止めて、子どもと体と心で向き合って話をしてみてください。

③叱るときは、落ち着ける環境で

次のポイントは、落ち着ける環境で叱ることです。

危険なことをしたときなどは例外ですが、できるだけ子どもも親も落ち着いて、話の内容に集中できる環境を作りましょう。視界に余計なものが入らないところに行ったり、テレビなどの雑音を消すなど、落ち着ける環境を用意すると、子どもが話に集中しやすくなります。

また、子どものお友だちや兄弟の前では叱ることはないようにしましょう。みんなの前で叱ることは、子どもがお友だちの目線が気になります。親の話の内容が伝わらないだけでなく、子どもの自尊心を傷つける可能性があります。

④行動や意見を注意することはあっても、人格否定はしない

最後のポイントは、人格否定はしないで、子どもの行動や言葉を注意するということです。

人格を否定したり、誰かと比べたりすると、子どもは反省しているように見えるかもしれません。落ち込んでいる姿を見ると、注意の効果があったと感じやすいですが、それは反省ではなく傷ついているだけのこともあります。

たとえば、兄弟喧嘩で殴ってしまったときには「暴力は止めて」と行動について言及するということです。誰かが傷つくことを言ったときは「その言い方は止めて」と指摘するのです。あくまでも、注意する対象は行動や意見に留めておくことが大切です。

行動について注意するときも、「今度からは、嫌なとき言葉で言って」や「どうしても殴ってしまいそうになったら、ママ(パパ)に言ってね」などの改善案も伝えておくこと、ただ我慢をさせるだけにならずにすみます。

感情的に怒ってしまいそうなときは、一呼吸置いてから

親であっても人間ですので、どうしても感情が爆発してしまいそうなときはあります。しかし、親のフラストレーションを子どもにぶつけるのはなるべく避けたいところです。

感情的になってしまいそうなときは、一度その場を離れたり、深呼吸をしたりしてみてください。まずは、ママやパパが落ち着くことが話し合いをする上で重要です。心を落ち着かせて、頭を整理し、なんと言って注意すればいいかを考えてみてください。

怒ると叱るの違いについて明確にして子どもさんとコミュニケーションをとっていこう

まとめ

いかがだったでしょうか。「叱る」と「怒る」の違い、子どもに注意するときのポイントをお伝えしてきました。

子育てをする上では、子どもが何か危ないことをしたとき、誰かを不快にさせてしまったときなど「叱る」ことや「怒る」ことが必要な場面もあります。どちらも強い注意の仕方なので、やり方を間違えると子どもが必要以上にショックを受けることになりかねません。

大切なのは「何がいけなかったのか」を理解してすることと、「これから先、同じことをしないためにはどうしたらいいのか」という対策をとることです。対策をとるためには、感情よりも論理のアプローチが有効です。

「叱る」や「怒る」はママやパパのためでなく、子どものことを考えてするもの。将来的には社会で生きていく上で、衝突があってもお互いに考えていることを理解し合えるように、成長の機会につなげてみてはいかがでしょうか。