芸術の秋到来! 落ち葉や木の実、小枝などを使った工作に挑戦しよう
最終更新日:2022/10/22
地面に落ちた葉や小枝、どんぐり……秋は自然をより一層身近に感じられる季節です。赤や黄色に染まった葉や、さまざまな大きさ・形をした木の実など、子どもたちが集めた自然物を使って、個性あふれる作品を作ってみてはいかがでしょう?
今回は、東京おもちゃ美術館サブチーフディレクターで、季節ごとにさまざまな工作の作り方を子どもたちに教えている貝原亜理沙さんに、秋ならではの工作のアイデアを伺いました。材料や作り方も掲載しますので、ぜひ親子で楽しみながら挑戦してみてくださいね。
◆探しに行くもよし、普段からため込むのもよし。この時期ならではの楽しみがいっぱい!
色とりどりの落ち葉やどんぐりを見かけるようになる秋。嬉しそうに拾い集める子どもの姿は微笑ましいものですよね。そしてこういった自然物は工作の材料にもぴったりなんです!
「外遊びの時に見つけて持ち帰ったり、工作を作るために集めたり、子どもたちにとっては宝探しのように楽しいのではないでしょうか。普段何気なく拾ってきたものをためておいてもいいですし、目的に合わせて探しにいくのもいいですね」
自然のものは一つ一つ色や大きさ、形が違うので、自分の好みのものを見つけるのも楽しそう。お気に入りの素材を使ってオリジナルの作品を作ってみてはいかがでしょうか。
<自然の素材はどうやって保存すればいい?>
ただ、集めてきた材料をそのまま放置していると、虫がわいたりボロボロになってしまうことも。そこでまずは素材ごとに適した保存方法からご紹介します。
・どんぐり
放置すると虫が出てきてしまうこともあるどんぐり。虫を退治するために「ゆでる」という方法が知られていますが、ゆでるのは手間もかかるし抵抗がある人もいるでしょう。そこでより簡単にできるのが「冷凍」。拾ってきたドングリを、密閉袋の中に入れて一晩冷凍するだけでOK!自然解凍すればすぐに使えるのでおすすめです。
・落ち葉
落ち葉は拾ってきてそのままにしておくと、水分が抜けて曲がってしまいます(写真の右側2枚)。きれいな形で保存したい場合は「押し葉」(写真の左側2枚)にするとよいでしょう。新聞紙に落ち葉を挟んで平らなところに置き、本などで重しをして3日ほどすれば出来上がり。少しだけ時間を要しますが、見た目もピンとしていてきれいです。
・保存は紙箱がおすすめ!
木の枝やどんぐりなど自然物の保存には、缶よりも紙箱のほうが通気性の面からも良いそうです。下処理をした後、いつでも工作に使えるように種類ごとに分けて保存しておくのもいいですね。なるべく風通しの良い場所を選んで保存しましょう。きれいに整理されたどんぐりや枝……なんだかとても大事な宝物のように見えてきませんか?
◆落ち葉に木の実、小枝など、秋の収穫物で工作に挑戦!
それでは、この季節ならではの材料を使った工作をいくつか紹介します。子どもたちが気に入って持ち帰ってきたものも、工夫次第で素敵なインテリアや遊び道具に変身。自由にアレンジして、世界に一つだけの秋の工作を作ってみてください。
【飾る】
~秋の壁掛け~
用意する材料:落ち葉・小枝・木の実など、吊り下げ用の紐(麻ひもや毛糸など)、段ボール
用意する道具:はさみ、ぬれ雑巾、木工用接着剤
<作り方>
1)ぬれ雑巾で段ボールの片面を覆い、10分くらい置く
2)雑巾を取り外すと覆った部分が湿っているので、そのまま段ボールの表面をはがす。すると凹凸の面が現れる
3)段ボールの凹凸の面に、落ち葉や木の枝、木の実などを木工用接着剤で貼りつける
4)裏面に吊り下げ用のひもをつけたらできあがり
~秋のリース~
用意する材料:紙皿、落ち葉・小枝・木の実など、毛糸や麻ひも
用意する道具:はさみ、セロハンテープ、両面テープまたは木工用接着剤
<作り方>
1)紙皿を2つに折り、真ん中を切り抜きドーナツ状にする
2)ドーナツ状にした紙皿に、毛糸や麻ひもを巻きつけていく。巻き始めは紙皿の裏側にセロハンテープで貼る
3)落ち葉や木の実などを両面テープまたは木工用接着剤で貼りつけていく
4)吊り下げひもをつける
※太い毛糸やひもを使うと、巻く回数も少なくて済むので簡単です。その際、ひもは60cm程度のものを用意しておくと、絡まりにくいので作業がしやすくおすすめ(写真の紙皿は直径13㎝)
【身につける】
~落ち葉のかんむり~
用意する材料:画用紙、落ち葉や木の実など、輪ゴム
用意する道具:はさみまたはカッター、両面テープ、セロハンテープ
<作り方>
1)画用紙を3cm程度の太さに切り、端の片方を折り返して輪ゴムを挟みセロハンテープで止める
2)かぶる人の頭周りに合わせて、もう片方の端に輪ゴムを挟みアタリをつける(まだ貼らない)
3)画用紙の表面に、両面テープを長く貼る
4)両面テープの上に、落ち葉や木の実など貼りつけていく
5)3)でアタリをつけた画用紙の端に輪ゴムを挟み、セロハンテープで貼ったらできあがり
【スキルトイ】
~どんぐりコマ~
用意する材料:どんぐり、つまようじ
用意する道具:はさみ、きり、洗濯ばさみ、水性顔料インクなど(写真はPOSCAを使用)模様や絵を描くペン
<作り方>
1)どんぐりは密閉袋などに入れて一晩冷凍して虫を退治する。翌日以降自然解凍で使用できる
2)どんぐりの帽子を取り除き、きりで穴をあける。きりを回転させながら少しずつ穴をあけるのがポイント(時間がかかっても良いので、ケガのないように丁寧に行うこと)
3)あけた穴につまようじのとがっているほうを刺す
4)どんぐりにペンで模様を描く。つまようじが長いほうが模様を描くとき持ちやすい
5)つまようじの持ち手を洗濯ばさみで挟んで机に置き、インクを乾かす
6)インクが乾いたら、つまようじを長さ1.5cm程度にはさみで切る
7)コマを回してみて、回りにくい場合はつまようじがまっすぐ刺さっていないため角度を調整する
☆小さい子でも簡単! 落ち葉でステンシル☆
小さなお子さんにオススメなのが、落ち葉と紙と色鉛筆さえあれば簡単にできるステンシル。
やり方は、落ち葉の上に紙を置き、上から色鉛筆でこするだけ!丁寧にこすれば、細かい葉脈もくっきり出てきて楽しいですよ。いろいろな種類の落ち葉でカラフルに彩り、オリジナルのカードや便箋にしても素敵ですね。こちらもぜひ挑戦してみてください。
秋に手に入る材料を使った工作を紹介しましたが、いかがでしたか。子どもが大切に持ち帰った宝物を使って、楽しいものづくりの時間を過ごすのもいいですよね。親子で一緒に作ったり、子どもの想像力を見守ったり。今年は「芸術の秋」を満喫してみてはいかがでしょうか。
東京おもちゃ美術館
「おもちゃは人間が初めて出会うアート」という理念のもと、1984年に東京・中野にある芸術教育研究所(現・NPO法人芸術と遊びの創造協会)の付属施設として開館。2008年、地域住民からの誘致により、旧新宿区立四谷第四小学校に移転。おもちゃを「創る」「学ぶ」「楽しむ」ことのできる、多世代交流の体験型ミュージアムとして地域に根差した活動を行う。