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日本の民話から学ぶ、カッコいい大人になるための振る舞い方。子どもと一緒に読んで、親子で学ぼう。

公開日:2021/02/03
最終更新日:2021/02/01

むかし話はカッコいい大人になるためのコツを教えてくれる

ママやパパが子どものときに、家族や先生からいろいろなお話を聞いたことがあるのではないでしょうか。絵本の読み聞かせをはじめとして、昔から語り継がれる物語には、語り継がれるだけの理由があります。

むかし話の中でも、大人として生きていくための道徳的な教訓は「イソップ物語」から学べることは有名で、『アリとキリギリス』や『おおかみ少年』などはその教えとともに内容も覚えている方は多いのではないでしょうか。

しかし、日本で育ってきていると、その文化風習の違いなどから、いまいちピンとこない物語があることも事実でしょう。島国独自の文化性であったり、その国の歴史や伝統があるからこそ伝わってくる物語もあるのです。

むかし話はストーリーが大切なのではなく、そこにある学びや人としての振る舞いのヒントが大切です。性別などを通り越した、人として生きていく上でのカッコよさを、日本のむかし話(民話)から学んでみましょう。案外、知られていない「いい話」があるのです。

日本の民話から学ぼう

しょじょ寺のたぬきばやし

まずは『しょじょ寺のたぬきばやし』です。

しょじょ寺というお寺の周りには多くの山があり、そこに住むたぬきたちが、夜な夜な降りてきては暴れまわったり、騒ぐので、和尚さんがいませんでした。なので、寺は荒れ放題。

この寺の噂を耳にした和尚さんが寺にやって来るものの、妖怪に化けたたぬきたちに驚かされてすぐに追い出されてしまいました。次にやって来た和尚さんは、夜更けに腹太鼓で叩き起こされ、参ってしまい追い出されてしまいます。

ある日、ぼさぼさの格好の和尚さんがやって来て、たぬきたちがいくら驚かそうとしても、気にすることはありませんでした。夜更けにたぬきたちが腹太鼓をすると、和尚さんは一緒になってたぬきたちと腹太鼓をします。そして、たぬきたちと和尚さんは仲良くなるのでした。

最後にやってきた和尚さんがたぬきたちと仲良くなれたのは、たぬきたちの邪魔をせずに、一緒に楽しもうとしたからですね。相手の気持ちを理解しようとするのが、相手と仲良くなれるためのコツなのです。

わらしべ長者

次は『わらしべ長者』です。

真面目だが運がなく貧しい男がいました。「運が欲しい」と観音様に頼み込み、観音様から助言をもらい、その助言通り、わらしべを手に西へ旅立ちます。

さまざまな出会いから、わらしべがみかんになり、みかんが高級な反物へと変わっていきます。強引な男によって、弱った馬を高級な反物と交換させられますが、男は誠実に馬のお世話をし、すっかり元気になります。

ある長者が元気になった馬を見て、男を長者の家へ招きます。その誠実な性格が評価され、男は長者の娘婿として幸せに暮らすのでした。

たしかに、この男は運があったから長者になれたのかもしれません。しかし、男の誠実な性格がなければ、こんなにうまくはいかなかったでしょう。誠実に、真面目に生きていくと、あとから運がついてくるのです。

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龍の子太郎

次は『龍の子太郎(たつのこたろう)』です。

龍から生まれた子、太郎は村の子たちから、いじめられていました。ある日、あやという女の子に出会い、仲良くなりますが、あやが赤鬼にさらわれてしまいます。天狗にもらったお酒で力を得た太郎は赤鬼、黒鬼と戦い、あやを取り戻します。赤鬼はすっかり悪さに懲りて、黒鬼には1日に100里走る白い馬をもらいます。

太郎は龍になってしまったおっかさんに会いに北の湖に行こうとしますが、その途中で雪女たちに取り巻かれて、気を失ってしまいます。そこに白い馬に乗ったあやが現れ、救われます。

最後に太郎はおっかさんに会い、おっかさん、あや、赤鬼と力を合わせて、北の湖を切り開き、豊かな村を作ります。おっかさんも人の姿に戻ることができ、幸せに暮らしました。

これは子どもにとってはワクワクする冒険のお話です。最初はいじめられていて、すっかりふてくされていた太郎も、あやから人と仲良くする優しさを教えてもらいました。だからこそ、村のために頑張るという気持ちが湧いてきたのです。優しさを伝え合うことの大切さ、そしてその先の素敵な結果を伝えてくれます。

しっぽの釣り

次は『しっぽの釣り』です。

冬のある日、食べるものがなくお腹が空いたきつねが、深い雪の中、なんとか山から里へおりてきました。

きつねは魚とり名人のカワウソに出会い、魚を取る方法を教えてもらいます。「寒い日の夜に分厚い氷の張った湖に行き、穴の空いているところにしっぽを垂らして待てば、魚は釣れる」とカワウソは言います。

きつねは言われたように、冷たいのをこらえながら湖に尻尾を垂らしますが、カワウソが教えた方法はまったくのデタラメ。次第に湖の氷が張ってきて、きつねのしっぽは氷で挟まれてしまいます。

きつねはこれを大きな魚がかかったと勘違い。力任せで引っ張り続けます。朝が来て、ようやくカワウソに騙されたと気づきますが、しっぽが抜けないのでどうしようもありません。そして、引っ張り続けたしっぽは、とうとうちぎれてしまうのでした。

カワウソが悪く見えますが、カワウソは普段きつねに騙されていたというのがこの話のオチのひとつ。普段から意地悪な振る舞いをしていると、いざというときに仕返しされてしまうということですね。人の振り見て我が振り直せ、相手は自分の鏡であるなど、教訓が多いお話です。

むかし話を通じた心の教育

ここまで紹介したむかし話は、ストーリーを楽しむ以上に、その内容から得られる教訓について考えることが大切です。

『わらしべ長者』の話にあるような誠実で真面目な振る舞いの大切さや『しっぽの釣り』にあるような意地悪な振る舞いの愚かさなどは、普段からママやパパが一生懸命伝えていても、なかなか子どもに伝わらないことがあるのではないでしょうか。

しかし、一度物語を読んだ上で、これらの大切さを説くと、あれれ?と思うくらいにストンと腹落ちし、納得してくれます。これがむかし話を通じた心の教育の面白いところであり、効果的なところです。

また、国語の授業でも行われるように、文章を読んでそこから学べることは何か?と考える時間は、ご家庭で親子の対話から実施できるものです。親子のコミュニケーション機会を作る上でも大事にしていただきたいです。

日本の民話は約60000ある

実は、日本にはさまざまなむかし話が存在します。『桃太郎』や『浦島太郎』といった多くの人が知っているむかし話から、それぞれの地方や地域に伝わる民話まで、日本の民話が網羅されている『日本昔話通観』には約60000話掲載されているそうです。

日本の民話は、それぞれの土地に祀られている神様の伝承であったり、地域の言い伝えであったりと歴史や由来が語られるものが多く、ストーリーの内容だけでなく、地理や歴史の勉強につながるものが多いです。

今ではあらすじサイトなども充実していますが、ぜひ動画や本を検索して、たくさんのむかし話を楽しんでみてください。

親子で絵本を読もう

まとめ

ここまでカッコいい大人になるための振る舞い方を学ぶことができる日本の民話を4作品ご紹介しました。

現在では、絵本や児童書だけでなく、YouTubeなどを通じて、動画やアニメーションでむかし話に触れ合う機会が作れるようになりました。文字が読めない小さな子どもでも、楽しむことができるようになり、もしかするとママやパパが子どもの頃よりも、多くのむかし話の世界に接することができるようになったかもしれません。

スマホやタブレット、パソコンなどを効果的に使って、子どもの心や価値観を育むことは、現代の生活に合っています。道徳的な教訓が伝えられるむかし話の世界を楽しむ時間を作ることをおすすめします。

また、子どもに単独で読ませるのではなく、親子で読むことで、ともに学びや気づきを共有しながら、親子が互いに高め合えるような関係性をつくることも忘れないでいただきたいです。