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いつもの公園や散歩道が「自然体験」の場に!親子で楽しめる「ネイチャーゲーム」

公開日:2022/09/24
最終更新日:2022/09/30

暑さがやわらぐ秋は、外遊びには最適な季節。

でも、「子どもと一緒に外遊び」というと、公園の遊具や砂遊びなど、パターン化してしまうことも多いのでは?そんなときにおすすめなのが、身近な自然を発見したり、自然の中で思い切り楽しめる「ネイチャーゲーム」。少し視点を変えるだけで、自然がより身近になり、外遊びの幅もグンと広がるんです!
今回は、公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会の藤田航平さんに、ネイチャーゲームの魅力や楽しみ方、秋におすすめのネイチャーゲームについて教えていただきました。


◆ネイチャーゲームってなに?
ネイチャーゲームとは、「自然体験を通して自分を自然の一部ととらえ、自然から得た感動を共有することによって心豊かな生活を送る」という「シェアリングネイチャー」の考えに基づいた自然体験活動のことで、現在179種類ものアクティビティがあるんだそう。

「自然体験」「ネイチャー」「179種類」といったキーワードが続くと、「敷居が高そう……」と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。実際、ネイチャーゲームとはどのようなもので、どのように楽しめばよいのでしょうか。藤田さんに伺いました。

「ネイチャーゲームは、五感を使って自然と仲良くなるアクティビティ。花や木々などの知識がなくても、特別な道具を使わなくても、親子で楽しめる自然体験活動なんです。『自然活動』というと、山や森など大自然のなかに入るもの、というイメージを持たれる方が多いかもしれません。でも、自然って、身の回りにたくさんあるんですよ。たとえばいつも子どもと遊びにいく公園やお買い物への道すがら。幼稚園や保育園へ通う道にある草花や街路樹だって自然です。いつでもどこでも、身近な自然を楽しむことができるのがネイチャーゲームなんです」

いつもの公園や、自宅周辺の道でも気軽に楽しめるなら、ぜひ体験してみたいですよね!そこでまずは、この記事が公開される秋におすすめのネイチャーゲームを、藤田さんに教えていただきました。

◆秋におすすめのネイチャーゲーム

・同じものを見つけよう

公園にある自然のものをひとつ子どもに見せ、「同じものを見つけてみよう!」と促します。

「秋の公園は自然の恵みの宝庫です。たとえば子どもが公園の遊具で遊んでいる間に、どんぐりをひとつ拾って『こんなの見つけたよ。同じものを探してみようよ』とゲームに誘ってみましょう。拾ったものがまったく同じものでなくてもOK!大きさが違っていたり、帽子をかぶったりいなかったりと、いろいろな特徴のあるものが見つかりますので、その違いを楽しむのもよいと思います」。

<遊び方>

いつもの公園や散歩道が「自然体験」の場に!親子で楽しめる「ネイチャーゲーム」

https://www.naturegame.or.jp/know/activity/2/000138.html

森の色あわせ

公園に行ったら、特定の色を決めて子どもと一緒に探してみましょう。ひと口に「赤」や「黄色」といっても、比べてみるといろいろな「赤」「黄色」があることに気づくはず!

「紅葉によって木々が色づく秋は、公園やいつもの道にも色が溢れています。カエデの赤、イチョウの黄色、常緑樹の緑など、色探しを楽しんでみましょう。秋だけでなく、たとえば春なら桜のピンクなど、季節ごとに色あわせをすれば、季節の変化と色のつながりもよくわかりますよ!」。

<遊び方>
いつもの公園や散歩道が「自然体験」の場に!親子で楽しめる「ネイチャーゲーム」

https://www.naturegame.or.jp/know/activity/2/000170.html

ジャンケン落ち葉集め

ジャンケンをして勝った人が一枚落ち葉を拾います。次にジャンケンに勝ったときは同じものではなく、別の形・種類の落ち葉を拾います。

「ただ落ち葉を拾うのではなく、ジャンケンをすることで、ゲーム感覚で落ち葉拾いをします。勝つたびに違う落ち葉を拾うというルールがあるので、いろいろな形や種類の落ち葉があることがわかります。大人数でやるととても盛り上がりますよ!」。

<遊び方>
いつもの公園や散歩道が「自然体験」の場に!親子で楽しめる「ネイチャーゲーム」

https://www.naturegame.or.jp/know/activity/1/000167.html

森の美術館

公園にある花や木々、葉っぱ、風景などに、一枚の額縁を合わせてみると、驚きのアート作品に!自然のなかの美しいものを探して鑑賞したり、タイトルをつけて遊んでみましょう。

「額縁は段ボールをくりぬいたもので構いませんし、100円ショップに売っている額縁でもいいですね。それをひとつ持って公園に行くだけで、いつもの何気ない風景からアート作品が生まれます。すてきな自然の美術館をつくって、みんなで鑑賞してみましょう」。

<遊び方>
いつもの公園や散歩道が「自然体験」の場に!親子で楽しめる「ネイチャーゲーム」

https://www.naturegame.or.jp/know/activity/2/000171.html

フィールドビンゴ

自作のビンゴカードのお題にあるものを、自然のなかから探してビンゴゲームをします。ビンゴカードのお題は、その時期の公園などで感覚を使って見つけられるものにします。秋なら、黄色い葉、赤い葉、どんぐり、虫の声、いいにおいなど季節の変化を感じられるものがおすすめです。

「小さな子と楽しむときはビンゴにせず、探すものをひとつに絞って遊んでもOKです。たとえば私は、子どもを保育園に送っていくとき、『今日はギザギザの葉っぱを見つけてみようよ』『今日は鳥の鳴き声を聞く日』『今日はいい匂いを嗅いでみて』などと、ひとつお題を出しながら登園への道を楽しんでいます。徒歩数分の道のりに何倍も時間がかかりますが(笑)、子どもとわかちあう時間から、わが子の意外な感性を発見できることもあるんですよ」。

<参考>
いつもの公園や散歩道が「自然体験」の場に!親子で楽しめる「ネイチャーゲーム」

https://www.naturegame.or.jp/know/activity/2/000168.html

この他にも、例えば木の形を全身や指を使って真似てみる、木にキャッチフレーズをつけてみる、おしゃべりしていそうな木にセリフをつけてみる、なんて楽しみ方もあるんだそう。「ゲームだから」といって、ルールや遊びかたなど難しく考えなくてもいいのですね。

「ご紹介したネイチャーゲームには、それぞれやり方がありますが、その通りにやる必要はありません。一部だけを取り入れて遊んだり、『うちはこうしよう、今日はこんなことをやってみよう』と遊び方を工夫してみるのも楽しいですよ」。

子どもも大人も無理せず自然体で楽しめるネイチャーゲーム。子どもと一緒に楽しむときには、どのようなことに気をつけたらよいのでしょう?

◆大切なのは子どもの好奇心を肯定し、寄り添うこと
子どもは「これはなあに?」とよく質問しますよね。ひとつの疑問に答えてあげるのも大切なことですが、あえて答えない、ということもしてみてほしいと藤田さんは言います。

「たとえば花の名前を聞かれたとき、すぐに答えを言うと、そこで子どもの花に対する好奇心が完結してしまうこともあるんです。ですから、『タンポポだよ』などとすぐに答えを教えるのではなく、『何だろうね?』などと、まずは疑問を抱いたその気持ちに寄り添ってあげるとよいと思います。すると、『この、ふわふわしているのは何だろう』とか『どうしてここだけいっぱいあるんだろう』とか、疑問や不思議に思ったことを教えてくれたりします。そんなふうにしてタンポポをよく観察していると、さらに新しい発見がありどんどん興味がわいてくる……そして主体的に自然と関わるきっかけになる、なんてこともあるんです」

草花の名前などの知識は、学ぶことでいずれ身につけていくことができます。「知らない」からこそできる様々な発見をしたり、疑問を抱いたり、眺めたり触ったり匂いを嗅いで「感性」を磨けるのは、小さな子ども時代ならでは。ネイチャーゲームをする上では、こうした子どもの好奇心を肯定し、寄り添うことを大切にしてほしいと藤田さんは言います。

「自分が思ったこと、感じたことを身近にいる親が認めてくれると、子どもはとても安心します。ネイチャーゲームのベースとなる『シェアリングネイチャー』という考え方では、感性や感動をシェア=共有することを大切にしているんです」。

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◆自然や環境への理解も深まる
五感を使って自然と触れ合うことで、子どもも大人も「自然っていいな」「楽しいな」「気持ちがいいな」という感情が芽生えます。近年「SDGs」が注目されていますが、特別な行動を起こさなくても、ネイチャーゲームを通して生まれる「自然を大切にしよう」という素直な気持ちが、自然を守ることにつながるのでは、と藤田さんは語ります。

「もともと私は環境問題に興味があり、大学や大学院でも環境を専門に学んでいました。しかし環境を学問として難しく考えていると、何か環境のために大きなことをしなければ、という使命感に捉われてしまうことも。ですが、ネイチャーゲームによって自然のおもしろさを体感してからは、自分がいかに自然が好きなのかがよくわかりました。そうすると、好きなもの、つまり自分が大切に思っている自然を守りたいという気持ちがナチュラルにわきあがってきたんです」。

好きなものは壊したくない。だからゴミのポイ捨てや、水を汚すなんて嫌。こんな風に自然と「身のまわりの自然から大切にしよう」と思える心を育めるのも、ネイチャーゲームがもたらす教育効果のひとつです。

(まとめ)
私たちに自然を感じる遊びの楽しさだけでなく、自然の美しさや尊さ、大切さをも教えてくれるネイチャーゲーム。特別な場所に出向かなくても楽しめますが、指導員のもとでネイチャーゲームを体感してみると、さらなる楽しさや発見があるかもしれません。
ネイチャーゲームを楽しめる機会は、実は身近にたくさんあるんだそう。興味がある方は、下記URLから検索して、親子で参加してみるのもおすすめです!

あなたの街のシェアリングネイチャー組織
https://www.naturegame.or.jp/about_us/group/

ネイチャーゲームのグッズ購入はこちらから
(ネイチャーゲームWebShop)
https://www.naturegame.or.jp/shop/

この秋は素直な気持ちで身近な自然を感じ、子どもと一緒に楽しんでみませんか?


藤田航平さん プロフィール

東京農工大学在学中、環境教育学の先生からの誘いがきっかけで、ネイチャーゲーム活動に参加。ネイチャーゲームの楽しさに魅せられ、大学院時代は「日本ネイチャーゲーム協会」(現:公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会)でアルバイトをし、卒業後は正職員として協会に就職する。
現在は同協会の事務局次長として、広報やマーケティング業務に従事しながらネイチャーゲームの魅力を発信している。MFA(メディックファーストエイド/救急法)チャイルドケアプラス インストラクター。東京農工大学非常勤講師(自然体験活動実習)。こうとうネイチャーゲームの会所属。プライベートでは、保育園児と小学生の2児のパパとして、子育てと自然を楽しんでいる。