小学校受験を目指すなら、年長さんまでに身につけたい、自分の身のまわりのこと
最終更新日:2020/08/01
小学校受験には学習面だけでなく、生活面も大切
年中さんは、そろそろ小学校受験を意識しはじめる時期。すでに準備を始めていて、お子さんを幼児教室に通わせているご家庭もあるかと思います。
しかし、小学受験には学習面だけではなく、生活面も学ばせておく必要があります。生活面というと、あいさつができるか、身の回りのことが自分でできるかなどです。
小学校受験では、中学や高校、大学受験などとちがい、筆記試験の学力だけで合否が決まることはありません。学力で厳しく評価されない代わりに、お子さんの言葉づかいや行動が合格を左右します。
社会性は行動観察や面接でチェックの対象
受験を実施している小学校のほとんどが、行動観察と面接の試験を行っています。
特にこれらの科目で評価されるのは、子どもの社会性です。例えば、面接時にしっかりと目を見てあいさつや話をできることは良い評価につながるでしょう。
また、ある学校の行動観察では、他の受験生と一緒に何かをするというお題が課せられます。そのときに、主張ばかりしてはいけませんが、まったく主張せずに他の子に流されるのもよくありません。自分の気持ちを伝え、相手の話を聞き、そして折り合いをつけて行動できる協調性も社会性の一つです。
社会性の土台はママとパパの関わりの中で築かれますが、社会性自体はご家庭で伸ばすことは難しいと言われております。いろいろな人、特に同じ年齢の子どもたちと積極的に交流させ、社会性を育んでいく必要があるのです。
毎日の生活の中で習慣化する
受験のときだけ、丁寧なあいさつをさせようと思っても、それは難しいことです。緊張して言われたことを忘れてしまいます。一朝一夕の対策で通るほど、小学校受験は甘くありません。
そのため、習慣化することが必要になってきます。習慣になって身についていることは、たとえ緊張していても自然とできるものです。意識しなくてもできるぐらいになって、はじめて準備ができたと言っていいでしょう。
習慣化するためには、毎日の生活の中で言い聞かせていくことが必須です。ママ、パパが積極的にお手本になる言葉づかいをしたり、何か間違えた言動をしたらその場で教えたりしていくことで、子どもの言動は変わっていきます。
小学校受験するならば、最低でも1年前から準備をしなければいけないと言われていますが、それは学習面以上に生活面で教えていくことが多く、身に付けるまでに時間がかかるが故です。
小学校受験のために年長さんまでにしつけておきたい5つのこと
ここからは小学校受験のために、年長さんまでにしつけておきたいことをお伝えしていきます。今回紹介することは自分の身の回りのことばかりです。
年少さん、年中さんは、まず身の回りのことが自分でできるようになることを目指しましょう。小学校受験においては何気ない行為1つ1つが合格の鍵を握っています。
また、ペーパーテストでは身の回りものに関する知識を問うものが多いです。自分の身の回りのことができることによって、知識が蓄積されていきます。
①手を洗う
まずは、手を洗うことです。
「受験と手洗いって関係あるの?」と思う方もいるかもしれません。ある学校では蛇口をひねるというお題が出たということもありますので、関係がないとも言えません。蛇口をひねるって水を出して、手を洗って、また蛇口を反対に捻って水を止めるまでを1人でできるようにしておきたいですね。
そして、試験はなかなか長時間。途中でトイレに行って、手を洗う機会はあります。そのときにしっかり手は洗えているか、洗った手をブンブン振ったりせずに、ハンカチを使って手を拭いているか、チェックされる可能性はあります。
また、試験前や当日、また普段から体調を崩さないようにするためにも、うがい手洗いはしっかりしておきたい習慣はつけておきたいですね。
②着替え
2つ目は、着替えです。
運動テストの前に体操着にお着替えをしてそれをチェックするという小学校もあるようですが、それはごく少数のようです。しかし、これも手洗いと同様に、自分の身の回りのことができるために教えましょう。
お着替えがすることは、袖を通す、頭入れて、ボタンをつけるなどといった、子どもにとっては難しい動作がたくさんあります。そして、これらの動作を通じて、身体を思い通りに動かすことを学んでいきます。
最初は難しいかもしれませんが、上手く助けてあげて、少しずつ自分1人でできるようにしていきましょう。
③食事
3つ目は、食事です。
子どもにお弁当を食べさせて、その様子を観察するという試験がある学校もありますので、チェックをされやすいところでもあります。
お箸の正しい使い方、「いただきます」や「ごちそうさま」の言葉、身についているでしょうか。食事のマナーは小さい頃からの積み重ねが大きく、大きくなってからでは、なかなか改善しづらいものです。今の時期にしっかりとしつけておきたいです。受験に限らず、将来的に社会に出たとき、生きていく中で身につけておいたほうがいいでしょう。
④片付け
4つ目は、片付けです。
行動観察の中には、「自由遊び」というものがあります。そして、多くの子どもが、お片付けが抜けてしまうようです。それはもちろん試験官にチェックされています。
その原因になっているのは、「お片付けの習慣がないから」です。ついついお片付けは後回しにしてしまうクセってありますよね。日頃から「お片付けはすぐにやらないといけない」ということを言い聞かせましょう。
受験を実施している小学校は、自分のことは自分でできる子どもを望んでいます。お片付けも、言われたからやるのではなく、自分からやれるようにしたいものです。
⑤登園準備
5つ目は、登園準備です。
幼稚園、保育園の準備も同様、自分のことは自分でできるようにしたいことです。ママが「準備をしなさい」と言ってからするのではなく、できたら自分で時計を見て自分から準備するようになるのを目指しましょう。
「長い針が12になったら、準備しようね」と日常的に言って教えていきましょう。自分で考えながら行動することで、子どもの自主性が育ちます。また時計の読み方も覚えることにもつながります。
身の回りをできることは、自立への第一歩
小学校受験でその出題される身の回りのことというのは、上記で紹介してきたような「小学校に入っても、それができれば学校生活で苦労しない」ことです。受験に限らずに身の回りのことは、教えていきたいですね。まず、自分のことができることが自立への第一歩です。
しかし、身の回りのことで大事なのが、ママに言われてからするのではなく、自分で考えながら行動することです。ママが言ってから動くようでは、ママが行動の軸になってしまいます。そうではなく、例えば、上述したように時計を軸にして行動するように「〇時になったら〇〇しようね」というように促しましょう。
誰かの指示通りにするのではなく、自ら考え、主体性をもって行動することが、自立した姿です。
まとめ
いかがだったでしょうか。小学校受験のために身につけておきたいことをご紹介してきました。
これらのことは、子どもにとって難しいことではないと言っても、できるかどうかは子どものやる気、自立心次第です。どうすれば自立心は育てることができるのでしょう。
子どもの自立のためにママやパパが気を付けたいことは、先回りして世話を焼きすぎないことです。よく気がつくママは先回りして世話をしたり、「これしなさい」と指示をしてしまいます。ママに言われてから始めるようになったり、自分で考えながら行動しなくなったりしてしまいます。
また、子どもが自分で何かをできるようになったら褒めたり感謝を伝えたりしてあげてください。ママからしたら自分のことを自分でやってくれるというのは、とても助かりますよね。そのときは「ありがとう」、「助かったよ」と感謝の言葉を言ってあげましょう。自分の行動で誰かが助かるとわかることで、自信ややる気が湧きます。
まずは、お子さんのできそうなことから一つでも生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。