縄跳びは全身運動になる!小学生がつまずきがちな3つのポイント。
最終更新日:2020/03/29
縄跳びを教えることは、意外とむずかしい
小学校の体育の授業でよく取り入れられている縄跳び。全身の筋肉を鍛えることや、バランス感覚を養うことができると言われています。縄跳びは、さまざまなスポーツの基礎となる動きを学べる運動でもあるのです。
そんな縄跳びですが、実は自然に反した運動であることを知っていましたか?たとえば、垂直跳びなどでは、腕を上げるのとジャンプをするタイミングが同じ。本来であれば、ジャンプをすると同時に腕を振り上げて勢いをつける方が自然なのです。
縄跳びはジャンプをするときに腕を下す運動です。子どもは無意識のうちに、自然な動きをしようとするのですが、縄跳びは運動そのものが不自然な動き。頭と体が混乱しやすいのです。
だからこそ、縄跳びを教えるのはむずかしくなりがちなのです。
子どもに縄跳びを教える前に知っておきたいこと
縄跳びを教えるのはむずかしい理由は、他にもあります。一般的に、縄跳びを始めるのは小学校1年生くらいのお子さんが多いです。しゃべることはできても、言葉だけで説明されて「どうやったら、できるようになるのか」のイメージをする力はまだ弱い年齢です。
また、小学校低学年だと集中力も長くは続きません。できないことを続けるには忍耐力が必要ですが、15分くらいで我慢の限界が来るお子さんもいるはず。
お子さんが縄跳びに挑戦するときは、なるべく褒めてあげることが大切です。「できないことをやってみる」のは大変なことなので、周囲の大人の励ましがあって初めて頑張れるようになります。
「どうしてできないの?」などと言うと、一気にやる気を失ってしまうお子さんもいるので、ママやパパも時間や心のゆとりを持っておくことが大切です。
縄跳びの選び方
初めて縄跳びをするお子さんにおすすめなのは、数珠つなぎでビーズが通してあるビーズロープタイプやひもなど、ある程度重さのあるもの。
「子どもは力がないから軽い方がよさそう」と思うかもしれませんが、ビニール製などの軽い縄跳びだと回している感覚や、いつ地面についたかがわかりづらいので、あまりおすすめできません。
長さも子どもに合わせて調節をしてあげてください。まず、縄跳びを持って姿勢をよくして立ちます。縄跳びを踏んだときに、ひじが90度になるのがちょうどいい長さだと言われています。
縄跳びを購入したら、まず長さをお子さんに合わせて調節をしてあげるところから始めましょう。
小学生がつまずきがちな3つのポイント
今回は「縄跳びが苦手」なお子さんに向けてのアドバイスを3つご紹介します。ここで言う苦手とは「二重跳びができない」ではなく「前回しができない」お子さんを想定しています。
縄跳びが苦手なのにも、いくつか段階があります。いきなりむずかしいことをしようとしても、挫折してしまいます。一つずつクリアしていけば、前回しはできるようになるはず。焦らず、ゆっくりとやっていきましょう。
①両足でジャンプをする
まずは、お子さんに「両足でジャンプしてみて」と声かけをしてみてください。縄跳びが苦手なお子さんの中には、両足でジャンプをしているつもりでも、片足ずつジャンプしていたり、着地のタイミングが両足でそろっていなかったりするお子さんがいます。
また、ジャンプをしていると前に進んでいってしまうなど、どんどん移動してしまうお子さんは真上にジャンプしてその場で着地する練習をしてみてください。
両足でちゃんと着地できるようになれば、縄跳びを使ったときにも成功しやすくなります。
②縄跳びを回す練習
次に、縄跳びを回す練習だけをしてみましょう。本来であれば、腕を上に振り上げる動きをすると同時に、ジャンプをしたくなります。その動きを我慢できるようにします。
まずは、グリップの正しい握り方を身に付けましょう。グリップは、グーで握ると回しづらくなってしまいます。親指だけはグリップに沿わせて、後の四本で握るようにしましょう。握り方がちがうと、今後もやりづらくなってしまいます。
次に、縄跳びを回すときの姿勢です。脇をしめて、腕や手首はあまり大きく動かさずに回しましょう。最初は、ママやパパが見本を見せてあげたり、うしろから持ち方を教えてあげたりすると、お子さんもイメージがしやすくなります。
余計なところに力が入っていたり、まちがった持ち方をしていたりすると、疲れやすくなったり、うまく飛べない原因にもなります。
③タイミングを合わせて縄を飛び越える
最後に、タイミングを合わせて飛ぶ練習です。今回は「縄跳びを回す」ことと「ジャンプをする」ことの複数の動きを同時にする必要があります。
両足ジャンプと、縄跳びを回す段階で変なクセがついていなければ、やりやすくなっているはずです。あとは、何度かやってみて、経験で覚えていく必要があります。
縄がどのあたりに来たらジャンプをすればいいのかをなかなかつかめないお子さんには、声かけで教えてあげたり、二人とびをしてみたりすることもおすすめです。
応用編:交差とびや二重跳び
前回しができるようになったら、よりむずかしい技にもチャレンジしていくことができます。実は、交差跳びや二重跳びも、上記の三つのコツを押さえているとできるようになりやすいのです。
たとえば、交差とびは腕を交差させて飛びます。このときに、大切になってくるのは回し方。脇をしめて、腕を大きく動かさずに回す必要があります。
二重跳びに関しても、両足ジャンプをより高くできるようになっていることと、回し方が安定してスピードを速くできることが重要。少しずつポイントやできるようになるコツはちがっても、基礎がしっかりできていると応用にもつなげやすいのです。
全身を使って、バランスのよい成長を目指そう
子どものうちは、特に基礎部分をしっかりとさせることが大切です。たとえば、縄跳びも「別に縄跳びができなくても困らない」と思うかもしれませんが、他にも応用可能な力を育てているのです。縄跳びをする上で必要となってくる全身の筋肉を使うこと、ジャンプ力、バランス感覚などは、他の運動をする上でも活かせるものです。
「一つのことが、他にも応用可能」なのは、何も縄跳びに限った話ではありません。たとえば、運動は知能にもよい影響を与えることができます。「生きる力」を育むには、一つのことだけに特化するだけでは足りません。さまざまなことを、バランスよく育てていくことが必要なのです。
まとめ
今回は、小学生がつまずきがちな縄跳びのポイントについてお伝えしました。縄跳びそのものが自然な動きに反していることもあり、最初にできるようになるまでには時間がかかります。
縄跳びが苦手なお子さんに対しては、一つずつクリアできるようにスモールステップに分けることをおすすめします。両足でジャンプする、縄跳びを回す、そこから実際に縄跳びを回しながら跳んでみる。分けることで、土台をしっかりとさせることができます。
基礎の力は、よりむずかしい技にチャレンジするときにも活かせます。何かできないことがあったら、まずは基本に立ち返り一つずつ確認していくこと。分解して、どこができて、どこが苦手なのかをハッキリさせること。問題解決のプロセスを踏んでいけた子どもたちは、大人になって困難なことがあったとしても落ち着いて対処する力がつくのではないでしょうか。
アデックは、お子さまひとりひとりの問題解決に向き合うことが、社会で活躍する人を育てると信じています。