小学校入学の準備は大丈夫?子どもに身に付けさせたい日常習慣。
最終更新日:2020/03/29
小学校入学前によくあるママやパパの悩み
小学校入学直前、子どもたちは新生活へ向けての期待に胸が膨らみますが、反対に多くのママやパパは我が子に不安を抱えています。「ちゃんと学校に通えるのか」「友だちとの人間関係は…」と悩み、「ずっと幼稚園や保育園に通うままだったらいいのに…」なんて思うことも。
小学生のお子さんを持つ先輩ママに、入学の頃の振り返ってもらうアンケートを取ったところ「小学校入学のころ子どものことが不安だった」と約88%のママが答えたそうです。子どもの心配をせず、安心して我が子を小学校に送り出せるのはごく少数です。
かといって、ママやパパがあまりに不安にしていると、その不安がお子さんにも伝染してしまい、小学校入学への期待が心配へと変わってしまいます。入学前に対策をすることで、不安を自信を変えましょう。
今回は小学校入学前に子どもに身につけさせたい日常習慣をお伝えしていきたいと思います。
まずは、ママやパパはどんなことを不安に思うのか、特に多くのママ、パパが抱える不安には大きく2つあります。勉強についていけるかどうかも気になるところですが、生活習慣に対する不安が強いのではないでしょうか。
規則正しく、学校生活を送れるのか
まずは「規則正しく、学校生活を送れるのか」です。
早寝早起きをして、朝ごはんをしっかり食べ、身支度をして、学校へ通う。小学校に入学したら、毎日やることですが、これが当たり前にできるようになるのか、心配になってしまいます。
また、朝の習慣だけではなく、帰ってきたらランドセルから教科書やノートを出して宿題をやる、次の日の準備をする、学校でもらったプリント、連絡帳を親に見せるなども身につけてほしい習慣です。
休み時間などの決められた時間で、トイレに行けるかどうかも気になるところです。
同級生と仲良くできるのか
もうひとつは「同級生と仲良くできるのか」です。
友だち同士の人間関係の良し悪しで、学校生活を楽しく送れるのか大きく左右されます。学校の楽しさが何倍にもなるかもしれませんし、反対に辛さが増幅するかもしれません。単純に環境になかなか馴染めないだけならいいのですが、いじめにあって「学校に行きたくない」なんて言われたらどうしようと心配してしまいますよね。
いい人間関係を築くための練習や対策ができないだけに、特に不安に思ってしまうようですが、人間関係は親がコントロールできるものではないですし、大人だっていい人間関係を築くのは難しいもの。子どもを信じることから始めてみましょう。
子どもに身につけさせたい日常習慣
さて、ここからは小学生になる前にお子さんに身につけさせたい日常習慣を伝えていきたいと思います。これらの習慣をお子さんに身につけさせることで、少しでも親子で自信を持ち、不安が解消できたら幸いです。
日常習慣①早寝早起き
夜更かしし、朝、ギリギリまで寝ていると、授業中ボーッとしてしまいます。脳は起床後2時間しないと活動しないと言われています。授業開始の時間から逆算すると、7時には起きていないといけません。
保育園に通っていて、お昼寝の時間をたっぷりとっていたりすると、夜、なかなか寝てくれず就寝時刻が23時、24時にずれ込んでしまっていることがあります。これは少しずつ軌道修正していく必要があります。年長児にはお昼寝なしにしている園も多いですが、そうではない場合、お昼寝の時間を30分以内など短くしてもらえるように相談してみましょう。
また、子どもに親が「今何時?」と声をかけ、時間を意識させるようにしましょう。目覚まし時計を朝起きる時だけでなく、夜寝る時間にもかけるようにし、子ども自身の力で行動できるようにします。「そろそろ寝る時間だから寝る準備をしよう」という気持ちになり、新しい生活リズムもうまくつかめるようになるでしょう。
日常習慣②整理整頓
身の周りの整理整頓ができるように促しましょう。整理整頓ができないと、「私の上履きがない!」など、学校で思わぬトラブルの原因にもなりかねません。自分の持ち物と同級生の持ち物を区別ができるようしておきたいものです。普段からご家庭で身の周りのもの、特に机の上と中、ランドセルの中身などは、子ども自身に片付けるように促し、声かけしましょう。
また、整理整頓の習慣をつけるために、子ども部屋は子ども自身に掃除をさせましょう。部屋にあるものが多いと、子どものやる気がなくなってしまいます。整理整頓をしやすいようにし、なるべくシンプルに、余分なものをなくしていくようにしていきましょう。
日常習慣③ありがとうとごめんなさい
前述したように、いい人間関係を築くための練習はなかなかありませんが、「ありがとう」や「ごめんなさい」といった、感謝と謝罪を素直にできるようにすることは数少ない対策のひとつと言っていいでしょう。
ただ、無理に言わせようとすると、意固地になって余計に言えなくなってしまうことがあります。
子どもが「ありがとう」と「ごめんなさい」が言えない理由は「恥ずかしさ」があります。なぜ、これらの言葉をいうことを恥ずかしいと感じてしまうのか。それはママやパパ自身が「ありがとう」「ごめんなさい」を素直に言えていないからです。
日常的にパートナーや子どもへ「ありがとう」や「ごめんなさい」が言えていれば、子どもも「これが普通なんだ」「恥ずかしくないんだ」とわかってきます。特にこの年齢の子どもは親のマネをよくしたがるので、効果も大きいのです。
子どもに見られていることも理解した上で、「ありがとう」「ごめんなさい」を素直に言うことを心がけ、「ありがとう」「ごめんなさい」を言えないことが恥ずかしいんだと伝えていきましょう。
日常習慣④助けを求める・借りる
「何でも自分の力でやり遂げないとダメ」「人に迷惑をかけてはならない」というように「もう、小学生になったんだから、自分一人の力でやらないとダメだよ」と突き放してしまうと、子どもはそのまま受け止めて、誰にも相談できなくなってしまいます。
学校でいじめられても「先生、○○君が僕に嫌なことをするので助けてください」といった相談ができずに、いじめがエスカレートしてしまったり、体調が悪くなっても先生に「具合が悪いです」となかなか言い出せず体調が悪化してしまったり、わからないことがあっても「他の子はわかっているから恥ずかしい」と質問できなかったりと、いいことはありません。
また、他者に頼れなくなることで、人間関係にブレーキをかけてしまうことにもつながります。他者に頼れなくなってしまうのは、家庭でも親が気を回し、子どもが何も言っていないうちから「トイレ行きたいんじゃないの、行って来たら」と先回りするようなことが一因でもあります。
小学校に入学することは大きな環境変化です。困ったときはむしろ「先生、できないから助けてください」とSOSを出せるように育てましょう。多少誰かに迷惑をかけても「自分ができないことはできる人に頼む」姿勢を身に付けることは、この先、社会へ出ても、とても大事です。なんでも自分一人の力でやり遂げることが自立ではありません。
まとめ
いかがだったでしょうか。入学前に身につけさせたい習慣を紹介してきました。
小学校入学の準備として大切な4つをお伝えしてきましたが、その他にも、歯磨き、洗顔、うがい、手洗い、入浴時に自分の頭や体を洗うなど基本的な生活習慣はひとりでできるよう身につけておきましょう。
親御さんが抱えてしまう不安には、子どもが学校に遅刻したり、学校で孤立したりしたらどうしようというより、それによって「育て方が悪い」「しつけがなってない」と思われたらどうしようという、親としての評価が気になる方もいるかと思います。そういった考え方は「もしできなかったときのお子さん」を否定してしまうことになります。
「ありのままのお子さん」を受け入れることが非常に重要です。「まだ入学したばかりだからしょうがない」「今はお寝坊さんだけど、そのうち早起きに慣れる」と思うことで、親御さんの不安が解消されるだけでなく、お子さんも親御さんに認めてもらえ、自信を持ち、失敗や逆境に強い子に育っていくでしょう。