保護者が選ぶ通わせたい学童No.1に選ばれました!
お問い合わせ:045-543-3331
受付時間:10時〜19時

アデック(Adecc)のコラム一覧

マズローの欲求5段階説を知っていますか?心理学の理論を知り、マズローの名言を知り、子育てに生かしてみよう。

公開日:2021/05/18
最終更新日:2021/05/17

名言は、偉人の知見が詰まっている

歴史上の有名人や、偉人が残して広まった名言。

エジソンの「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ。」などを知っている方も多いのではないでしょうか。

名言を残した有名人、偉人の生涯を調べてみると、天才と呼ばれている人たちでも紆余曲折があったことがわかります。

幼少期に理解してもらえなかったり、何度も失敗をしていたり、世論の反対に合っていたり。ふつうの人なら諦めてしまうような場面でも、やり通して成果を残した人の言葉は読む人に気づきや勇気を与えてくれます。

名言はその内容だけでなく、誰が言ったのかが重要なのです。経験に裏打ちされた言葉だからこそ、人々の心に残ります。名言を残した人の成果や、成功に至るまでの物語が説得力につながります。

今回は「マズローの欲求5段階説」で有名な心理学者のアブラハム・マズローの名言と背景をご紹介します。

マズローの欲求5段階説を知っていますか

アブラハム・マズローってどんな人?

まず、アブラハム・マズローという名前を聞いたことがありますか。

アブラハム・ハロルド・マズロー(Abraham Harold Maslow, 1908年4月1日 – 1970年6月8日)は人間欲求のピラミッドを主張したことでよく知られているアメリカの心理学者です。

マズローは20世紀の始めにアメリカに移住したユダヤ系ロシア人移民の長男としてニューヨークで生まれました。高校卒業後、ニューヨーク市立大学シティカレッジに入学し、法律学を学んだのちに、ウィスコンシン大学に転向し心理学を学び、同大学で心理学の修士号、博士号を取得します。

心理学の大学教授であり、ヒューマニスティック心理学会の設立者でもあります。マズローの人格理論は「自己実現理論(欲求段階説)」と呼ばれています。心理学のみならず、幅広い分野でも言及されています。

1歳から12歳まで学童型知育教室アデック

教育にも応用されているマズローの欲求5段階説とは?

では、マズローの欲求5段階説とはどのようなものでしょうか。

欲求5段階説とは、「人間は自己実現に向かって、絶えず成長する生き物である」として、人間の欲求を5段階に理論化したものです。下にある低次の欲求が満たされると、一つ上の欲求をもちます。ここから5つの欲求を順にご紹介します。

一つ目は「生理的欲求」です。いわゆる人の3大欲求である食欲、睡眠欲、性欲の他に、呼吸や排泄などの欲求も指します。お腹がすいてたり、眠かったりと、生理的欲求が満たされていない状態だと、他のことは考えられなくなります。すべての土台になるのが、この生理的欲求です。

二つ目は「安全の欲求」です。身の安全だけでなく、経済的安定、健康状態の維持などへの欲求です。たとえば、紛争地帯にいていつ殺されてもおかしくない状況では、そのことで頭がいっぱいになってしまいます。安全の欲求は生理的欲求に近いくらい強い欲求です。

三つ目は「所属と愛の欲求」です。生理的欲求と安全の欲求が満たされると、所属と愛の欲求が表れます。自分が社会に必要とされている、役割や居場所がある、他者に受け入れられているという所属している感覚です。孤立の逆とも言えます。

四つ目は「承認の欲求」です。自分が集団から価値のある存在と認められたいという欲求です。他者からの尊敬、地位を求めること、名声、注目を得ることなどによって満たすことができます。マズローはここに留まり続けることは危険だとしています。

五つ目は「自己実現の欲求」です。承認の欲求までの四つを満たされたとしても、人は自分に適していることをしていないと、新しい不満が表れて落ち着かなくなってきます。自分の持つ能力や可能性を最大限に発揮したいという欲求です。

マズローは、人は「自己実現の欲求」に向かって成長していくものだとしています。

マズローの名言と子育てへの応用

では、ここからはマズローの名言と子育てにどのように応用できるかについてです。

あなたの唯一のライバルは自身の可能性である。あなたの唯一の失敗は自身の可能性に生きないことである。(アブラハム・マズロー)

One’s only rival is one’s own potentialities. One’s only failure is failing to live up to one’s own possibilities.

あなたの唯一のライバルは自身の可能性である。あなたの唯一の失敗は自身の可能性に生きないことである。

「ライバル」と聞くと、ついつい他者との比較をして一喜一憂してしまいがちです。他者と比べて自分がどのくらい優れているのかや劣っているのかはどうしても気になってしまうものです。相対評価ということもできます。

それでも、アメリカの心理学者であるマズローは、自分の可能性を生きることが大切だと教えてくれます。比較をするのであれば過去の自分と比較し、今の自分が一歩でも前進していればいいのです。それは簡単なようでいて難しいことです。ライバルが過去の自分だと、慢心すると追いつくこともできなくなってしまいます。

他者との比較に苦しむ人には、手を差し伸べている言葉にも聞こえますが、常に自分と向き合い切磋琢磨をするという意味では、厳しい言葉ということもできます。自己実現を重視した心理学者のマズローらしい名言です。

この名言をどのように生かすか

では、この名言を子育てにどのように生かせばいいのでしょう。

子どもは小さいうちから、周囲と比較することで自分のことを知っていきます。家族の中であれば、兄弟や姉妹と比べられて勉強やスポーツ、何かができるようになったタイミングなどのちがいを指摘されます。テストの点数は、クラスの中で何番目くらいなのか、平均点は越えているのかなどで自信をつけたり失ったりします。

ただ、いつも周囲と比べてばかりだと自分の軸が無くなってしまいます。周囲がいなければ、自分がどんな人なのかわからなくなるのです。

前述のマズローの5大欲求で言えば、他者との比較で得られるのは四つ目の「承認の欲求」です。ただ、これだけで満足していては、五つ目の「自己実現」の欲求は満たされません。

大切なことは周囲との比較ではなく、自分の力を発揮できているのかです。自分の可能性を追及して、生きていけばいいのです。ときどき、お子さんに「あなたはどうしたいの?」と問いかけてみると、立ち止まって考えることができるかもしれません。

名言は、悩みを打開するヒントになる

ママやパパは子育てをしていて壁に当たったときはどうしていますか。ママ友や保育園、幼稚園の先生に相談するという人も多いのではないでしょうか。経験のある人の言葉は、信用できますよね。

ただ、身近な人に相談して解決できるものばかりでもありません。そんなときには、名言を調べてみてはいかがでしょう。名言を残している人の多くは、何かの専門家。経験で言えば、大先輩です。一つのことを極めて、成果を残した人の言葉は、周りの人とは一味違うはずです。

たとえば、マズローの名言は、一生をかけて人の成長について考えたからこそ出てきた言葉とも言うことができます。

「あなたの唯一のライバルは自身の可能性である。あなたの唯一の失敗は自身の可能性に生きないことである。」

マズローは理論の中で、他者から認められることはあくまでも四つ目の欲求であり、最終的には人が五つ目の自己実現に向かって成長していくとしています。つまり、マズローにとって「自分の可能性を生きる」ことは一番重視していたことなのです。

子どもにとって自分の可能性を生きるのはどういうことか。ママやパパも「自分がライバル」ととらえたら、何が見えてくるのか。

何かうまくいかないとき、他の人の意見を聞いてみると見え方が変わることもあります。名言は、目の前のことに生かせるヒントがあるかもしれません。

マズローの欲求5段階説を知っていますか

まとめ

いかがだったでしょうか。アメリカの心理学者アブラハム・マズローの5大欲求理論と名言についてご紹介しました。

名言はその内容だけでなく、誰が言ったのかも重要です。今回は、自己実現を重視して、人の成長について研究していたマズローについてでした。発言した人の生涯を調べると、その言葉の背景を少しだけ想像することができます。より理解を深めることができます。

子どもを育てていく上で困ったことが起きたら、自分の中で悩むだけでなく名言を探してみると打開するヒントがあるかもしれません。

1歳から12歳まで学童型知育教室アデック