なぜ子どもは風邪をひきやすいの?風邪をひく理由を親子で考え、健康習慣を身につけよう!
最終更新日:2021/04/01
どうして風邪をひいてしまうのか
お子さんに急に「どうして?」と聞かれて、答えに詰まったことのあるママやパパは多いのではないでしょうか。大人は見逃してしてしまうような小さなことでも、子どもの目には疑問にうつることも多いです。
今回は、風邪や病気の「なぜ?」「どうして?」について考えてみましょう。
たとえば、子どもに「どうして風邪をひいてしまうの?」と聞かれたとします。
答えは、ウイルスやバクテリアのせいです。普段から、空気の中にはウイルスやバクテリアといった病気のもとがたくさんただよっています。このウイルス、バクテリアは、息をしたり、物を食べたりすると、空気と一緒に体の中に簡単に入って来てしまいます。
ウイルス、バクテリアは、体の中に入るとすぐに仲間を増やそうとします。そして増えてしまうと、人間に体は風邪や病気になってしまうのです。
健康なときには、ウイルスやバクテリアをおさえることができますが、体が弱っていて免疫力がなくなっているときは、ウイルス、バクテリアをおさえることができず、体の中でどんどん増え続けます。
ウイルス、バクテリアが、もし鼻で増えれば「鼻炎」という病気になりますし、気管支ならば「気管支炎」、腸なら「腸炎」、胃なら「胃炎」になります。このような病気のまだ軽い症状のときを風邪と言います。
風邪や病気の「なぜ」「どうして」を考えよう!
お医者さんなど医療の仕事をしていないと、このような質問に答えるのは、なかなか難しいですよね。でも、子どもが「なぜ?」、「どうして?」と疑問に思ったことを「わからない」で済ませるのはもったいないです。子どもの「なぜ?」は、子どもの思考力、知的好奇心を伸ばすチャンスです。
わからないときには、親子で一緒に調べてみましょう。親子で答えを共有することで記憶にも残りやすいですし、「自分のために一緒に調べてくれた!」と子どもは思い、親への信頼にもつながるでしょう。
では、ここからは他の風邪や病気の「なぜ?」「どうして?」とその解説について、ご紹介していきましょう。
どうして病気になるの?
普通は病気のもとが体の外から入り込み、それに負けてしまって病気になります。
そもそも人体は、病気にならないようにできています。たとえば、怪我をして、病原菌が傷口から入ってしまうと、血液の中にある白血球というものが、この菌を食べてしまいます。
風邪になったときはどうでしょうか。風邪の病原菌は、前述したウイルスですが、ウイルスは空気中にいつもウヨウヨと漂っています。身体が元気なときは、ウイルスがウヨウヨしていても風邪はひきませんが、疲れが溜まっていたり、睡眠不足であったり、食事の栄養バランスが悪いときなどは、このウイルスに負けてしまって、風邪をひいてしまいます。
つまり、ばい菌と戦う力がなくなってきたときに病気になってしまうのです。
また、病気の原因は外からのばい菌だけではなく、体の中にある場合もあります。たとえばガンは体の中の細胞が突然ガン細胞を作りだしてしまうのです。ガンは、自分の身体が自分の身体を攻撃するわけですから、なかなか治しにくい病気です。
このように、人が病気になるのには、外から病気のもとが入ってくるときと、身体の中にもともと病気のもとがあるときとの2つの場合があります。
どうして熱が出るの?
どうして風邪をひいたとき熱が出るのでしょうか。
前に述べたとおり、風邪というのは、ウイルスやバクテリアが身体の中に入ってきて、仲間を増やし始めたときのことを言います。
ところで、ウイルスやバクテリアが増えていく場所は、のどや気管支と様々です。体がウイルスなどに負けて風邪になったとしても、身体はそれぞれの場所でウイルスと必死に戦っています。当然このとき、身体の温度が上がって、熱が出るというわけです。
また、のどでウイルスなどが増えてくると、のどの神経が刺激され、痛みが出たりします。気管支で増えれば、なんとかウイルスを外へ吐き出そうと、せきをするのです。
つまり、風邪のときに熱が出たり、のどが痛かったり、せきが出たりするのは、それぞれの場所で、身体がウイルスやバクテリアと戦っているからです。
どうしておなかが痛くなるの?
お腹が痛いときは、お腹のあたりがなんとなく痛いことが多いですよね。
お腹のあたりにある胃と腸のまわりには、痛みを伝える神経がまとわりつくようにはりめぐらされています。胃や腸が変な動きをすると、この神経が働いて痛みを伝えるのです。つまり、お腹に痛みを感じるときは、胃や腸が変な動き方をしているのです。
しかし、どんなときに変な動きをするのかは、はっきりとわかっていません。ある説では、おならのガスが、胃や腸を押し付けて、圧迫するために、変な動きをしてしまうという説があります。
そのほかに、胃や腸の壁に異常が起こった場合にも、痛みがあります。これは、胃や腸が病気のときに怒りますから、痛みがあって当然です。
ただ、ガスが原因のときも、病気のときも、お腹の神経の痛みはにぶい痛みのときが多く、どこが痛いのかははっきりしないのが特徴です。
どうしてせきやくしゃみが出るの?
せきは、風邪のとき以外だと、空気を吸い込んだときに入ってきたゴミを外に出そうとするためにでるものです。
みんなが普段吸い込んでいる空気は、気管や気管支を通って、身体の中に入ってきます。ここには「せん毛」という、とても細かい毛が生えています。この細かい毛は空気と一緒に入ってきたゴミをくっつけて、のどの上の方に送り返す役目をしています。
しかし、たまにゴミがくっついたままになっているときがあります。そうすると脳から命令が送られ、息を強く履いてゴミを吹き飛ばそうとします。これがせきです。
くしゃみも同じような役目をしています。鼻の穴から吸い込んだゴミが、鼻の粘膜の中の神経を刺激することがあります。刺激されると、粘膜についたゴミをふりはらおうとし、外に出そうとして、思い切り息を吐き出します。これがくしゃみです。
つまり、せきもくしゃみも、空気の中にあるゴミを身体の中にできるだけ入れないようにするための身体の大事な仕組みです。
風邪や病気について知った上で、子どもの健康習慣を考えよう!
ここまでで、どうして風邪や病気になるのかの仕組みをお伝えしてきました。それを知った上で、どうしたら風邪や病気にかからないか考えてみましょう。キーワードはこれまでに何度か出てきた「免疫力」という言葉です。
①早寝早起き
1つ目は「早寝早起き」です。
疲れがたまると、免疫力が下がります。十分な睡眠をとることが、免疫力の向上につながりますので、早寝を心がけましょう。寝る前にテレビやスマホの光を浴びると眠気がなくなってしまうので、なるべくひかえましょう。
そして、早起きをして朝日をいっぱい浴びることで、夜になったときに、眠気を誘う物質「メラトニン」が分泌され、早寝ができるようになります。早起きしたら、日光を浴びるために、散歩をすることもおすすめです。
②三食食べる
2つ目は「三食食べる」です。
毎日、三食しっかり食べて、栄養をきちんと摂ることが、体の免疫力を高める第一歩。規則正しい食事を心がけましょう。
食事では、喉や鼻の粘膜を作るタンパク質、ビタミンAを積極的に摂るようにしましょう。子どもには、海苔、ニンジン、たまごからが取りやすそうです。
また、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEには、免疫力をあげる効果があります。ビタミンCは果物や野菜、ビタミンEはナッツ類に豊富に含まれます。子どもが食べやすいように、好きなメニューに取り込めるといいですね。
③手洗いうがい
3つ目は「手洗いうがい」です。
手洗いは風邪や感染症予防の基本ですね。ウイルスやバクテリアは、手から目や鼻、口を通じて体内に侵入することが多いです。まずは、手をしっかり洗うことで予防ができます。外から帰ってきたときはもちろん食事の前、トイレの後など、こまめに洗う習慣をつけましょう。
また、手を洗うときは、洗い残しがちな、指の股、指先、手の甲、親指の下周辺、手首は意識しましょう。30秒くらいかけて洗うのが良いとされており、「もしもしカメよ」や「きらきら星」などを歌いながら洗うと、ちょうどそのくらいの長さになります。
うがいものどが水分で潤うため、風邪や感染症予防になります。手洗いとセットで習慣づけたいです。
④適度な運動
4つ目は「適度な運動」です。
免疫力を高めるのに、適度な運動をすることは非常に効果的です。身体中の筋肉を動かすことによって、体温が上がり、血行が良くなることで全身に酸素や栄養が行き渡るようになるからです。
小学生が毎日ランドセルを背負って学校へ通うのは、全身の筋肉を使っていて、実はとてもいい運動になっているのです。
だからといって、過度な運動は逆効果です。疲労が溜まりぎると免疫力を下げてしまうので、注意が必要です。
まとめ
いかがだったでしょうか。風邪や病気の「なぜ?」「どうして?」とその解説について、お伝えしてきました。
「大人ならなんでも知ってるはず」と思って子どもはなんでもママやパパに尋ねてきます。しかし、大人であっても知らないこともあります。
わからないことは「わからない」と素直に認める姿、そして、わからないことはそのままにせずちゃんと調べる姿を見せることは、子どもがどう育つかに影響するはずです。
また、今回の風邪や病気にかかる仕組みや、風邪や病気の予防法をご紹介しました。お子さんとご家族の健康を守るためにも、無理のない範囲で風邪や病気の予防法を日常生活に取り入れてみてください。