保護者が選ぶ通わせたい学童No.1に選ばれました!
お問い合わせ:045-543-3331
受付時間:10時〜19時

アデック(Adecc)のコラム一覧

故事成語はことわざや慣用句とちがう?教育や子育てにまつわる6つの故事成語を子どもと一緒に学ぼう。

公開日:2021/05/20
最終更新日:2021/05/19

故事成語とはなにか?

「五十歩百歩」や「四面楚歌」など、私たちは日常会話の中でふつうに故事成語を使っています。ただ、慣用句やことわざとの見分けがつきにくいものです。

では、故事成語とはなにでしょうか。

「故事成語」とは、故事をもとにしてできた言葉です。故事とは、昔にあったできごとという意味で、特に古代中国のできごとを指します。成語とは、ひとまとまりで慣用句に使われる言葉を表しています。

教育や子育てにまつわる6つの故事成語を子どもと一緒に学ぼう。

ことわざや慣用句とのちがい

ことわざと慣用句にははっきりとした境界線はありませんが、ある程度の区分はあります。

ことわざとは、昔から言い伝えられてきた教訓や風刺を含んだ簡潔な言葉のことです。たとえば、犬も歩けば棒に当たるや、可愛い子には旅をさせよなどがあります。

慣用句は、複数の単語を組み合わせて、一個の定型的な表現として使われる言い回しのことです。組み合わせることによって、別の意味を持つという特徴があります。たとえば、骨を折るや、胸が躍るなどがあります。

慣用句は特に教訓や風刺などを含むわけではありません。また、故事成語との差は、故事成語が古代中国のできごとを指すのに対して、ことわざや慣用句は出典が明らかではないところが挙げられます。

では、ここからは実際に教育に生かせる故事成語を6つご紹介します。

学問に近道なし

1つ目は、「学問に近道なし」です。

「学問に近道なし」とは、学問を修めるためには、1つ1つの基礎の積み重ねを学ぶことが必要であり、裏技はないということです。

「学問に近道なし」の由来は数多くあります。最も有力な説は2つあり、1つは古代ギリシャの数学および天文学者のユーグリッドが言った説と、もう1つはこちらも古代ギリシャの数学者のメナイクが言った説です。

どちらの説も、王さまに幾何学を教えていたときに「幾何学をもっと簡単に学べる方法はないのか」と尋ねられ、その問いに対し、「幾何学に王道なし」と言ったことが由来とされています。

お子さんも学校の勉強で近道をしようとしていませんか。点数ばかりに気を取られていると、テスト前に一夜漬けをしたり、直前にやまをはったりすることになるかもしれません。

ただ、付け焼刃の知識はすぐに忘れてしまうものです。長い目で見ると、基礎を続けてきた子の方が身になっているはずです。

雨だれ石を穿つ(うがつ)

2つ目は、「雨だれ石を穿つ」です。

「雨だれ石を穿つ」とは、どんな小さなことでもコツコツと頑張り続けることで、いつか身を結ぶということです。

この言葉の由来は、中国の書物である「漢書」の中のある一文から来ています。その一文を現代語訳すると「奏山に降る雨の雫は石を穿つ」であり、「奏山」とは中国にある名山のこと。その山から染み出た雨の雫が長い時間をかけて、したたる雫で石を砕いたという意味です。

継続の大切さを教えてくれることわざです。勉強、習い事にしても、何か新しいことを習得するにはコツコツと努力する必要があります。子どものうちに「すぐには結果が出なくても、続けているといつか大きな変化が訪れる」という経験を持たせてあげたいものですね。

1歳から12歳まで学童型知育教室アデック

切磋琢磨

3つ目は「切磋琢磨」です。

「切磋琢磨」とは、学問・道徳をよりいっそう磨きあげることです。また、仲間同士が互いに励まし合い、競争し合って、ともに向上することです。

この言葉は、中国最古の詩集として知られる「詩経」の中の「細工師が骨や象牙を加工することで、輝きを放つ宝石になるように、人も天性の素質を磨くことで、立派な人になる」という意味の一節が「切磋琢磨」の語源です。

子どもには、共に切磋琢磨できる友だちができたら、それはとてもラッキーなことです。大人も、子どもも一人で何かを続けるのはむずかしいことです。継続できるかは環境によるところも大きいです。お友達と競い合って勝ったり負けたりしながら、努力できる環境を整えてあげたいですね。

温故知新

4つ目は、「温故知新」です。

「温故知新」とは、昔の事柄や前に学んだことを、もう一度考えたり、調べたりして、そうして得られた知見から、新たな道理や知識を得ることです。

「孔子」という人が弟子たちに話した言葉からこの古事成語ができました。「温故知新」の「温」は、たずね求めるという意味です。また、冷たいものを温め直すという意味でもあるとも。

子どもにこの言葉を教えると、「なんで昔のことを学ぶの?」という疑問が出そうですね。「歴史は繰り返す」とも言われていますが、昔のできごとと似たようなことは今も起きています。そのときにどう対処していたのか、知恵の部分は今に生かすことができます。

歴史を学ぶときは、自分の身に置き換えて考えてみるくせをつけると、新しく得られるものが増えるのではないでしょうか。

コロンブスの卵

5つ目は、「コロンブスの卵」です。

「コロンブスの卵」とは、一見すると誰にでもできそうなことでも、初めて行うのは難しいということです。どんなに素晴らしいアイデアや発見も、一度多くの人の目に触れると非常に簡単で単純に見えることも指します。

アメリカ大陸の発見は誰にでもできると人々に批判されたコロンブスが、人々に卵を立てることを試みさせます。しかし、誰にもできません。それを見て、コロンブスは卵の尻をつぶして立てて見せたという逸話が由来です。

子ども自身が発見したことは、「よくそんなこと思いついたね」と褒めてあげましょう。たとえそれが大人ならみんな知っている常識であっても、子ども自身で考え、見つけ出したのなら大発見です。子どもも考えることが楽しくなるでしょう。

井の中の蛙、大海を知らず

6つ目は、「井の中の蛙、大海を知らず」です。

「井の中の蛙、大海を知らず」とは、自分の耳で聞いたり、目で見たりして得た知識が少なく、見識が狭いことです。特に、狭いにもかかわらず、自分のその乏しい見聞にこだわってしまう人のことを指します。また、見識が狭いのに、自分はなんでも知っていると勘違いしたり、得意になっている人のことも指すこともあります。

この言葉の由来は、中国の思想家である荘子の書いた「秋水」の中から来ています。井戸の中にいるカエルは、井戸の中という狭い世界にとらわれており、大きな海の話をしても通じない、という内容です。

子どもには井戸の中のカエルにはなってほしくないですよね。いろんな体験をさせてあげて、子どもの見聞を広めましょう。

賢者は歴史に学ぶもの

6つの故事成語をご紹介しました。聞いたことはあっても、由来までは知らなかったものが多いのではないでしょうか。

故事成語は昔の中国の書物から、その一部が故事成語として使われているものが多いです。今回、特に有名な故事成語を集めたのもありますが、時代や国がちがっても今でも使えるものばかりです。

歴史は過去のできごとですが、そこから学べることは多くあります。ママやパパも「雨だれ石を穿つ」のように継続する大切さを実感したり、「切磋琢磨」のように力が拮抗している仲間がいると頑張れたりした経験があるのではないでしょうか。

新しい情報を追い求めていると、古い言葉にはあまり価値が感じられないかもしれません。実際、古くなってしまうと利用価値が下がるような情報もあります。それでも、「温故知新
」のように、古いものから新しく学びとれる人は、どこへ行って何をしていても成長をし続けられるのではないでしょうか。

故事成語はことわざや慣用句とちがう

まとめ

いかがだったでしょうか。教育にまつわる故事成語を6つご紹介しました。

故事成語とは、古代中国にあったできごとをもとにしてできた言葉です。慣用句やことわざも古くからの言い伝えではありますが、これらは人々が生活していく中で生まれたものなのでほとんどはいつ、誰が使い始めたかわかりません。
「学問に近道なし」や「温故知新」、「井の中の蛙、大海を知らず」など有名なものもご紹介しました。由来も含めて知ると、より深みが増したのではないでしょうか。

ぜひ、お子さんと一緒に故事成語について調べてみてはいかがでしょうか。歴史から学べるようになると、さまざまな存在を教材として知識を得られるようになります。

1歳から12歳まで学童型知育教室アデック