子どもも花粉症になるの?つらい症状のせいで子どもの学習意欲が損なわれるのはもったいない!
最終更新日:2021/02/19
子どもも花粉症になるの?
大人だって辛い花粉症。子どもも花粉症になるのでしょうか。今回は子どもの花粉症についてお伝えしていきたいと思います。
結論から言いますと、子どもも花粉症になります。しかも、子どものスギ花粉症は増えています。その発症率は、5〜9歳で30.1%、10〜19歳で49.5%と、大人とそう変わりません。
子どもの花粉症で注意が必要なのは、スギ花粉が飛散する時期、1月〜4月と風邪やインフルエンザが流行る時期が重なるため、判断が難しいことです。特に幼い子は症状をうまく伝えられません。
スギ花粉が飛散する時期に、特に熱もないのにもかかわらず、くしゃみや鼻水が止まらないときは「スギ花粉症」を疑ってもいいかもしれません。また目のかゆみも、花粉症かどうかの判別する指標です。
ただし、鼻づまりに関しては、花粉症の症状の1つでもありますが、子どもの場合、中耳炎、咽頭扁桃肥大や慢性副鼻腔炎の症状でもあることが多いので、子どもに異変を感じたら、医療機関にかかることが必要です。
子どもだって花粉症はつらい!
子どもだって、花粉症は辛いものです。鼻や目などに症状がでれば、勉強や運動などの活動を低下させ、日常生活に支障を与えるでしょう。学校や幼稚園で、花粉症のせいで活発に動けないことは悲しいことです。精神的にも子どもながらに参ってしまいます。
花粉症の症状のために夜によく眠れないと、それが原因で次の日の活動に影響してしまうことがあります。睡眠不足に加えて、昼間の花粉症の症状も加わりますから、活動性や集中力はより落ちてしまいます。お子さんの夜の症状にも気を使ってあげてください。
そんな花粉症で苦しむお子さんに、正しい治療をして症状を抑えれば、いつもと同じように日常生活を送れるということを教えてあげましょう。「花粉症の時期でも、みんなと元気に遊べる!」という気持ちが、花粉症の治療を前向きにさせてくれます。
子どもの花粉症の特徴
子どもの花粉症も大人の花粉症と同じように、鼻水、鼻のかゆみ、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみといった辛い症状に苦しまされます。幼い子どもは、これらの症状を言葉にすることは難しいため、ママ、パパが子どもの行動の変化に気づいてあげてください。
次が子どもの花粉症を疑うべき行動、様子の変化です。「しょっちゅう鼻をすする」、「よく鼻をふく」、「しょっちゅう鼻をこする」、「口呼吸をするようになる」、「いびきをかく」、「目をかく」、「目の周りに黒いくまがある」などです。
また、前述したように、鼻や目のかゆみ、鼻づまりの症状から睡眠不足になることから、昼間、ぼーっとしている、元気がないといった様子も見られるようにもなります。
子どもの花粉症の対策とは?
では、ここからは子どもが花粉症になってしまった場合、どのようなことをすればいいのかお伝えしていきます。
①花粉をできるだけ浴びない
まずは、花粉をできるだけ浴びないことです。
大人の花粉症も子どもの花粉症も、基本は同じ対策です。花粉を体内に入れないことです。外ではマスクやメガネをつけるようにすると鼻や目に侵入してくる花粉の量を減らすことができ、症状の悪化を防止することにつながります。
家に帰ってきたら、玄関前で花粉を払い落としてから室内に入りましょう。また、手洗い、うがい、洗顔をするようにしましょう。花粉症だけでなく、ほかの感染症予防にもなります。
②部屋の掃除・空気清浄
次に、部屋の掃除・空気清浄です。
スギ花粉が飛散する季節は、家の中をこまめに掃除しましょう。家に入ってきた花粉を取り除きます。
また、家の中に花粉を侵入させないことも重要です。スギ花粉の飛散する時期は洗濯物や布団を屋外に干さない、窓をなるべく開けないようにしましょう。
そして、子どもの部屋に高性能HEPAフィルター付き空気清浄機を設置しましょう。空気清浄機を枕元に置き、24時間作動させると効果的です。加湿器にもメリットがあり、花粉が舞い上がるのを防いだり、粘膜を保護してくれます。
③医療機関の受診とお薬をもらう
そして、医療機関の受診とお薬をもらうことです。
上記のことを行なっても、辛い症状が改善しないときは、医療機関にかかり、お薬をもらうことがいいでしょう。
ドラッグストアで販売している花粉症の薬は、子どもにも安全に使える薬はあります。年齢ごとに設定されている用法、用量さえ守れば、基本的に安全ではあります。しかし、どんな薬にも副作用が生じる可能性はあるので、自己判断で使うのではなく、医者や薬剤師の説明をよく聞いて使うのがいいでしょう。
症状の重い場合は、ステロイド薬の鼻スプレーを処方してもらう必要もあります。子どもにはステロイド薬は慎重に使わなければなりませんが、症状が重く生活するのに支障があるときは、医者と相談して行うという選択肢もあります。
また、花粉の飛散期をできるだけ楽にしてあげるためには、花粉が飛ぶ少し前、症状がひどくなる少し前に治療を始めることも重要です。これを「初期治療」と言い、スギ花粉の場合は飛散しはじめと同時、少しでも症状が出たときが初期治療を始める最良のタイミングです。
花粉症だけじゃない、アレルギーは怖い
花粉症は花粉によって起きるアレルギー症状の一種ですが、他のアレルギーにも気をつけなければなりませんね。食べ物がアレルギー症状の原因となる食物アレルギーや、ハウスダストなどのアレルギーを持つ方もいます。
食物アレルギーの症状は様々で、子どもの頃によく見られますが、成長とともに改善していくことが多いです。症状には「くしゃみ、鼻水」「呼吸困難」、「口の腫れ、かゆみ」、「皮膚の湿疹、かゆみ、蕁麻疹」、「腹痛、下痢、嘔吐」、「ショック症状」などがあります。
特に怖いのは、「アナフィラキシーショック」と呼ばれるショック症状で、起こったら迅速に適切な処置をしなければ生命に危険が生じます。
子どもの体調を整えることが学習意欲につながる
述べたように、花粉症によって日中の活発性や集中力が低下することが起きます。これでは学習意欲はもちろん何をするのにも意欲は下がってしまうでしょう。
たとえ、花粉症の症状があったとしても、特別に重症でない限り、学校の授業ではその子に合わせてはくれません。ましてやアレルギーの子だけテスト加点されるなんてことはないでしょう。
働いている大人が体調を整えることも仕事のうちに入るように、子どもの学習でも同じことが言えます。体調を整えて、学習意欲を保てるようにしていくことが大切です。
体調管理は親子でやるもの
子どもの体調管理には、親の手助けが必要です。医者に連れて行くのも、体調を整える食事を作るのも、花粉を吸い取る空気清浄機を購入するのも子どもだけではできません。親のサポートがあってこそ、子ども体調管理が可能になります。
しかし、子どもの体調管理のすべてが親の責任ではありません。子どもも自分でできることは自分でやる必要があるのです。家に帰ってきたら、手洗い、洗顔をすること。花粉の侵入を防ぐために正しくマスクをつけることなどは、本人のやるべきことです。
子どもが自分が苦しい思いをしないために、快適に過ごすためには、親に頼るだけでなく、自分で努力をしないといけないことを学ばせましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は子どもの花粉症についてお伝えしてきました。
鼻が詰まって、頭がぼーっとする。目や鼻がかゆい。何をするのにも意欲を奪ってしまう花粉症の症状は、花粉症ではない人が想像している以上に辛いものです。
スギ花粉の飛散期をなるべく楽に過ごすためにできることは、花粉をなるべく浴びないこと、医者にかかることです。特に医者にかかるのであれば、花粉飛んで症状が出てくる前の初期医療がいいでしょう。
また、スギ花粉のエキスを投与して少しずつ投与して慣れさせ、アレルギーを起こらないようにする舌下免疫療法という治療法があります。5歳からできるもので、スギ花粉症を根本的に治す唯一の方法と言われています。治療には数年かかりますが、選択肢の1つとして考えてみるのもいいでしょう。