子どもは小学校受験させるべき?新年度に家族で考えておきたいテーマ。
最終更新日:2021/05/22
子どもは小学校受験させるべき?
子どもに小学校受験をさせるべきか。これは悩ましい問題です。
「負担になったとしても、子どもの将来のためになるならさせたい」というご家庭もあれば、「幼い頃から子どもの負担になるようなことはさせたくない」と考えて受験を諦めるご家庭もあるでしょう。親の考え方1つで変わってきます。
今回は「もし、子どもに受験をさせたら、子どもにどんな良い影響があるのか」について考えていきたいと思います。
実際に受験しなくても、受験対策で養えるものは多い
「小学校受験の道を選ぶ」と決めきれなくても、とりあえず受験対策を始めてみるご家庭もあるのではないでしょうか。それでも、子どもにとって十分にためになるはずです。なぜなら、受験対策で養えるものはとても多いからです。
ここからは、子どもが受験対策で養えることの例をいくつかご紹介しましょう。それだけでも、「とりあえず、受験対策だけでもさせてみよう」という気になるかもしれません。
①礼儀・マナー
まずは、礼儀・マナーです。
ほとんどの小学校受験で取り入れられている面接。面接では、回答の内容だけでなく挨拶や立ち振る舞いも評価されます。元気に挨拶をする、人の目を話す、背筋をピンと張る。これらは面接だけでなく、人に好印象を持たれるために大切なことですね。
小学校受験では、他にも礼儀・マナーが評価される場面があります。例えば、トイレに行った後に、手を洗っているかどうか、そしてその後に、きちんとハンカチを使って手を吹いているかどうか。試験官はそれをしっかりチェックしています。
また、「行動観察」も多くの小学校で行われます。内容は、自由に子どもたちに遊ばせて、そのときの様子をチェックするというものが多いです。遊んだ後に、使ったものをもとの場所に戻しているかどうかも、マナーのひとつですね。
他にも、受験対策で身につく礼儀・マナーはたくさんあります。これらの礼儀・マナーは、一朝一夕で身につくものではありません。それでも、礼儀やマナーを身につけられれば、受験の合否だけでなく、子ども自身のためとなるでしょう。
②コミュニケーション
次に、コミュニケーションです。
コミュニケーションがうまくできるかどうかは、面接のときに必要なことですね。ハキハキと元気よく話すことも相手に良い印象を与えることもできます。
その他にもコミュニケーションで必要なことがあります。それは「聞く力」です。人の話を聞くことはコミュニケーションの基本。面接でも面接官の質問を理解し、うまく回答ができるようにもなりますし、小学校入学後も、先生の話に耳を傾けられることができます。ご家庭では子どもの「聞く力」を伸ばすよう気をつけてみてください。
また、「行動観察」では、学校やその年によって内容が変わりますが、他の子とコミュニケーションを取らせて、その様子を評価するということが多いです。特にチェックされるのが「社会性」です。自分の意見を主張しながら、相手の子の意見も受け入れつつ、すり合わせていけるような子は評価が高いでしょう。たくさん他の子と遊ばせることも重要です。
③学習習慣
次に、学習習慣です。
小学校受験で面接の他にも避けることができないのが、ペーパーテスト。問題の難易度や種類に慣れたり、一定の早さで回答していくためにも幼児教室での勉強だけでなく、自宅での学習も必要になってきます。
幼児期から自宅で学習する習慣が身につくことはとても良いことです。学校や塾などのどこか「やらされている」感がある受け身の勉強と違い、自宅学習は能動的で学習した内容を吸収する力がぐっと高まります。
自宅学習しようとしても、幼児ですから、なかなか習慣が身につかないもの。そんな子にはルーティーン化がおすすめです。「どんなタイミングで」、「どこで」をはっきりさせておくことです。例えば、「幼稚園から帰ってきたら、リビングで勉強する」などです。
④成功体験と失敗体験
そして、成功体験と失敗体験をすることができることです。
学校によって差はあるものの、小学校受験には様々な試験科目があります。ペーパーテスト、面接、行動観察、運動テスト、絵画テストなどです。幅広いからこそ、得意なものもあれば、苦手なものもあり、成功体験、失敗体験がしやすいのではないでしょうか。
成功体験によって子どもは自信を持ちます。また、失敗体験をしても、それを乗り越えさせてあげることで、より自信を持ち、自己肯定感が高まるでしょう。
また、勉強が苦手で投げ出したい子がぐっと我慢をして取り組んだり、運動が苦手でどうしてもマット運動の前転ができなかい子がねばり強く練習をしてできるようになったりすることで、「我慢する力」、「最後まで諦めない力」などが身につくはずです。これらは非認知能力といって将来にわたって役に立つ力です。
小学校受験=私立小学校のメリット
小学校受験をするとなれば、目指すは私立の小学校に入学することです。では、ここで「なぜ私立小学校に入学するのか」、「私立小学校に入ってどんないいことがあるのか」のメリットを整理してみましょう。
受験するのは、子どもですが、親の頑張りがカギになります。「子どもの将来のためになりそう」と、受験する理由をぼんやりとさせたままよりも、メリットを具体的にはっきりとさせることによって、モチベーションをあげることができます。
また、面接で、受験する理由を具体的にはっきりと答えられたほうが、面接官も「よく子どものことを考えている」という印象を受けるでしょう。そして、受験する学校選びにも役立つはずです。
①質の高い教育
まずは、質の高い教育を受けられることです。
私立小学校にはそれぞれ学校で独自の教育方針やカリキュラムが用意されています。一般的な算数、国語などの文科省の学習指導要項に加え、情操教育、宗教教育、最新のICTツールを使った授業など、個性的な教育がそろっています。また、中学受験に力を入れている学校もあり、より高みを目指すこともできます。
平等な機会を提供する公立の小学校と違い、私立の小学校であればご家庭の教育方針に合った学校選びができるのです。子どもの個性や特徴、興味関心に合っている学校に出願することもできます。
②内部進学の可能性
次に、内部進学の可能性があることです。
中学受験は12歳前後のタイミングで訪れ、高校受験は15歳前後のタイミングで訪れます。どちらも思春期という、子どもが多感な時期と重なります。この時期は精神的に不安定になりやすくなるため、親子間のコミュニケーションがうまくいかなかったり、勉強に集中できなかったりします。
私立小学校では、内部進学の道が用意されていることが多いです。小学校1年生の頃から高校3年まで一緒に学んできた人間関係というのは、卒業してからもなかなか切れない縁となっているでしょう。
中学から女子校になる学校があったり、全員中学受験をすることを求められる学校があったりと、私立でも状況は様々です。ただ、内部進学と外部進学の2つの選択肢があることは、より質の高い教育を受けるために有利になるはずです。
③教育熱心なご家庭で育った同級生
そして、教育熱心なご家庭で育った同級生と友だちになれることです。
中学校受験や高校受験では、子どもの学力の評価に重きを置かれます。ただ、小学校受験では面接があるなど、家族一丸となって受験に臨まなけばなりません。そんな小学校受験をパスして同級生となった子どもたちのママやパパは、きっと子どもへの教育に対して熱い思いを持っているはずです。
保護者会などのママ、パパのコミュニティでは、子どもにとって有益な情報が多く集まるでしょうし、互いに気心が知れるが故に、子育ての不安や悩みのことに関しても一言で通じる仲になりやすいでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。子どもに小学校受験対策をさせることのメリットと、私立小学校に入ることのメリットをご紹介しました。
私立小学校の受験は、対策をする過程で子どもの礼儀やマナーが身に着いたり、成功体験とともに失敗体験を積ませることができたりします。これは、合否に関わらずに得られるものです。
また、晴れて合格を勝ち取ったときに初めて得られるものもあります。私立小学校に入るとどんないいことがあるのか、何故小学校受験をするのかのメリットを自覚しておくと、受験もただやみくもに頑張るだけではなく目標に向かってする努力になります。
たくさんある中のメリットで、どれがご自身のご家庭内で大きな存在か。あらためて考えてみると、受験に向かう気持ちが固まるのではないでしょうか。