受験勉強でたまる子どものストレスをどう解消するか。子どもの心をほぐす4つのポイント。
最終更新日:2020/07/21
受験勉強の敵は子どものストレス
小学校受験はとても厳しいものです。受験をする学校によりますが、試験には読み書きや計算をするペーパーテストだけでなく、運動テストや絵画テストもあり、また面接では適切に受け答えができるのかもチェックされます。
これらのことは試験の手前になってすぐにできるものではなく、毎日の努力が必要であり、受験のために塾や体操教室、絵画教室に通わせるご家庭もあるくらいです。そうなると溜まってくるのがそう、ストレスです。
ストレスはなにも大人だけのものではなく、子どもだって感じるものです。日々の勉強と習い事の忙しさだけでなく、勉強や習い事がうまくいかないこと、塾や習い事でお友だちと喧嘩してしまったこと、親からのプレッシャーなどストレスの原因はいろいろと考えられます。
ストレスが溜まりすぎると、身体的にも精神的にも害があります。試験ではお子さんの行動を試験官がチェックするという学校も多く、そのときにストレス過多で情緒不安定な様子であると、それまでのお子さんの頑張りも水の泡となりかねません。また、ストレス過多は勉強の効率まで下げてしまいます。
子どものストレスとうまく付き合う方法を考えることは、小学校受験では必須と言えるでしょう。
ストレスは適度にあることが大切
ストレスは悪いものというわけではありません。ストレスにはいい効果もあります。
皆さんはストレスと生産性の関係を知っているでしょうか。ストレスが溜まるにつれ、仕事の生産性は上昇します。しかし、ストレスがある一定のレベルまで達すると、生産性はガクンと落ちてしまいます。
これは子どもの勉強の効率にも言えます。ストレスを適度なレベルまでに保つことができれば、勉強の効率も上がることでしょう。
ストレスを和らげる方法を知り、ストレスとうまく付き合うことができれば、社会でもうまく生き抜くためのヒントを得られるかもしれません。
子どものストレスをほぐす方法
もし、お子さんが勉強の時間を終えてもうまく休めずにイライラしたり、食欲がなくなっているなどの体調的な変化があったりしたら、ストレスがたまっている証拠かもしれません。受験のような長期的な取り組みの場合は、休むことも重要です。
ここからは、実際にお子さんの受験勉強で抱えるストレスを少しでも和らげる方法をいくつか紹介していきます。どんな方法が合うかはお子さんによってちがうので、参考にしながらご家庭で取り入れてみてください。
①子どもの話を聞く時間を設ける
まずは、子どもの話を聞く時間を設けるということです。
食事中など親子で話す機会があると、「自分の話を聞いてくれる」と感じ、その時間が子どもにとって安心できるものとなります。安心することで、子どもは自分にとって嫌だったことを隠さずに話してくれるようになるでしょう。
嫌なこと、ストレスに感じたことの話をするだけで、頭の中が整理され、ストレスが緩和されるという効果があります。
なにが原因で嫌な気分になったのか、そのときに湧いたのは怒りの感情なのか、悲しみの感情なのか、不安の感情なのか。それらを言葉にすることで、子どもでも自分の中にあるストレスがどういうものなのかを特定することができ、頭の中がスッキリします。
しかし、無理に聞き出そうとすることは逆効果です。強制的に聞き出そうとすると、恐怖心を感じてしまい、むしろそれがストレスになりかねません。
②スキンシップを増やす
次は、親子のスキンシップの時間を増やすことです。
「オキシトシン」というものを知っているでしょうか。「オキシトシン」は愛情ホルモンと呼ばれるもので、スキンシップを行うと放出され、子どもの親への愛情が増え、心を安定させます。
仕事などでなかなか子どもとのスキンシップが足りていないとお悩みのパパやママは、ぜひお子さんと一緒にお風呂に入ることをおすすめします。お風呂では直接肌と肌が触れ合うので、オキシトシンがたくさん放出する最高のスキンシップの場なのです。
また、お風呂はちょっとした秘密を打ち明けるのに適した空間です。胸の内に隠したモヤモヤをこっそりと話してくれるかもしれません。
③好きなことをさせてあげる
次は、好きなことをする時間を取ることです。
大人でもそうですが、子どもにとっても1番ストレス解消になるのは、好きなことをさせてあげることです。
受験勉強や習い事の間にでも、関心があるものや仲の良い友だちとの遊びなど、子どもがが楽しいと感じるものをさせてあげることで、ネガティブな感情や精神的な疲れを和らげてくれるでしょう。
ゲームや遊びは大人にとったら、将来役に立たないもの、無駄なものと捉えられがちです。しかし、友だちとのいいコミュニケーションツールになったり、それが得意になることで自信が湧き、ストレスからの抵抗力を得ることにつながったりします。
④体を動かす
最後は、体を動かすことです。運動もストレス緩和に役に立ちます。
運動している間は、脳が運動に集中するため、頭の中のイライラやモヤモヤを考えている暇がなくなります。自然の中で行う運動は、よりストレスが軽減されるでしょう。
「毎日散歩する」というような義務的に行う運動よりも、親子のスキンシップの延長として夢中で体を動かす遊びのほうが、運動が嫌いな子や苦手な子にとっても、ストレス軽減として、より有効でしょう。
子どものモチベーションをうまく導こう
子どものモチベーションを維持したり、引き上げたりすることは難しいですよね。大人でも自分自身のモチベーションを高めるのには苦労するものです。
手っ取り早くモチベーションを上げるためには、ご褒美という手がありますが、本来の目的よりも、ご褒美が目的となってしまう可能性もあります。できたら、ご褒美などの外発的な要因よりも、自分からやろうという内発的な要因でモチベーションが上がってくれたほうが、小学校受験をより自分の成長へつなげられます。
では、どうしたら内発的にモチベーションを上げられるでしょうか。
モチベーションを高めるのに必要なのは自己肯定感を上げることです。自己肯定感とは、自分には価値があり、良いところがあるという気持ちのことです。自己肯定感が高ければ、人生でのさまざまなことへ積極的に取り組むことができ、さらに幸福度も上がると言われています。
子どもの自己肯定感を上げるには、ママやパパが子どものことを認めてあげ、褒めることです。誰かとの比較はけっしてせずに、お子さんが少しでもできるようになったこと、頑張っていることに目を向け、「できるようになったんだね。」「がんばったね。」と声をかけてあげましょう。
自分の成長を子ども自身でも認識することができ、「自分は成長しているんだ!」と自分の価値を自分で見出すことができます。
また、身近な存在であるママやパパに褒められるだけで、嬉しいはずです。モチベーションが上がるだけでなく、ストレスを緩和することにもつながります。
まとめ
いかがだったでしょうか。受験勉強を妨げる子どものストレスをほぐしてあげる方法をいくつか紹介してきました。
ストレスとは、適度であれば勉強などがはかどるいい効果もありますが、行きすぎるとパフォーマンスが下がる原因にもなりますし、体調を崩したりすることにもつながりかねません。
子どもは大人と違い、自分で休憩をとったり、息抜きしたりなど、ストレスを発散する方法を知りません。子どもがストレスをためすぎないためには、親御さんが上手に調整をしてあげることが大切です。
また、間違ったストレス発散方法を教えてはいけません。その時の気分によって子どもに対してキツく当たるなどはNG行為です。
子どもは周囲の大人の行動をよく見ていて、良いことでも悪いことでもすぐマネをしてしまいます。自分より弱いもの、年下の子や弟、妹に対して同じようにイライラをぶつけてしまうことにつながってしまうかもしれません。
ストレスとうまく付き合う方法を見つけ出すことができれば、合否にかかわらず、小学校受験を自分の成長に結びつけられるのではないでしょうか。