子どもの自己有用感を高めよう!誰かの役に立ちたいという気持ちが子どもの成長を飛躍させる。
最終更新日:2020/12/29
自己有用感とはなにか
新年あけましておめでとうございます。2021年もアデックをよろしくお願いいたします。
「自己有用感」という言葉、子育てをしている上で聞いたことがあるかと思います。しかし、その意味をしっかりと理解している人は少ないのではないでしょうか。
自己有用感とは、集団の中で自分が必要とされている、役に立っているという感覚のことです。「喜んでもらえた」、「ありがとうと言ってもらえた」というような他人からの評価によって感じることができる感情であり、また他人との関わりなしでは感じることはできない感情でもあります。
では、どのようにすれば自己有用感は高まるのでしょうか。それは、集団の中で役割を与えることです。例えば、家のお手伝いをさせたり、学校や幼稚園で年下の子どものお世話をさせたりすることで高めることができます。
誰かの役に立っているという気持ちが成長につながる
自己有用感、誰かの役に立っているという感覚が高まることによって、どんな嬉しいことがあるでしょうか。
まずは、子どもの自信につながります。役割を果たすことで「自分はできる」という気持ちが高まります。この気持ちによって、より難しいことにも臆せずにチャレンジすることができるようになります。自発的、能動的に動く子どもに成長するためには欠かせない感情です。
そして、子どもの社会性を高めます。「誰かの役に立てた」、「自分には役割がある」という感覚が、子どもが集団の中の一員としてどのように振る舞えばいいのか教えてくれます。誰かの役に立ちたいという気持ちを持っているので、思いやりのある人間になりやすいでしょう。
また、感謝されやすく、人間関係が良好であるため、他人と関わることが好きにもなりやすいです。
家族の役に立つという経験=お手伝い
ママ、パパの役に立てるお手伝いは、自己有用感を高めてくれる方法の1つです。
しかし、お手伝いの内容が難しすぎては、子どもの心が折れてしまう危険性もあります。ママ、パパの負担になっては、子どもに「家族の役に立てた」という気持ちなってもらえません。だからといって、簡単すぎるお手伝いは達成感を感じづらく、子どもも飽きてしまうので加減が難しいところです。
ここからは、子どもにどのようなお手伝いを任せればいいのか、おすすめのお手伝いをご紹介していきます。
①お風呂掃除
まずおすすめしたいお手伝いは、「お風呂掃除」です。
毎日の浴槽の掃除をお子さんに任せてみてはいかがでしょうか。浴槽の形は単純な形状で、洗うのにそこまで難しくありません。ただし、滑って転ばないよう、パパ、ママは注意して見てあげてください。
年長さんくらいになれば、自分の頭や体も洗えて、シャワーを使いこなせるものです。洗い残しが気になる場合、パパ、ママが洗って、子どもにシャワーで泡を洗い流すのを任せることからはじめることもおすすめです。
お風呂掃除は失敗することが少ない割に、達成感が味わいやすいお手伝いです。自分で洗って入れたお風呂に浸かるのは、きっと気持ちよく感じるのではないでしょうか。
②ゴミ出し
次におすすめするお手伝いは、「ゴミ出し」です。
ゴミ出しも子どもにちょうどいい難易度のお手伝いです。初めからよく使われる45ℓのゴミ袋を子ども1人の力で引きずらないようび運ぶのは難しいです。なので、ママ、パパと一緒に持つか、45ℓより小さいゴミ袋を持たせるかして、ゴミ出しをすることがおすすめです。比較的軽い、空きカンやペットボトルのゴミ袋なら持てるかもしれません。
筋力を必要とするお手伝いを任せると、親も子ども自身も子どもの成長を実感できます。今までよりも大きいものを持てたり、引きずらずに運べたときに、「重いのも持てたね」、「上手に運べたね」と声かけをしてあげることで、より実感することができ、自信が湧くでしょう。
③食器の片付け
次のおすすめのお手伝いは、「食器の片付け」です。
食べ終わった後に、自分で使った使ったお皿やお茶碗、コップなどをキッチンの流しまで運ばせてみましょう。食事を盛ったお皿などよりは、食べ終わった後のほうが、軽いですし、こぼしてしまう心配も少ないです。割れやすいお皿やグラスなどを運ばせる際には、注意して見てあげてください。
子どもの成長してきたら、食器を洗う、洗った後の食器を拭く、食器を棚に片付けるというところまでお願いしてみてもいいかもしれません。「今日も美味しかったね」とコミュニケーションを取りながらすることで、キッチンに並ぶことが親子の楽しい時間となり、お手伝いの意欲が高まります。
④洗濯物をたたむ
次におすすめのお手伝いは、「洗濯物をたたむ」です。
洗濯物は何をたたむのかによって、難易度が変わってきます。難易度の高いTシャツから始めるとうまくできなくて、諦めてしまうかもしれません。まずはタオルやハンカチなど形のシンプルなものがおすすめです。また、靴下のペアを組ませるお手伝いは、ゲームのような感覚でできて楽しみながらできるかと思います。
子どもがたたんだ洗濯物は、ママ、パパがたたむよりもキレイとは言えないかもしれません。初めは誰でもうまくはできないものです。黙ってやり直したくなったり、任せたくなくなったりするかもしれませんが、上達を目指すのであればうまくたためる方法を教えてあげたり、見守ってあげることも大切です。
⑤ママやパパの肩たたき
そして最後におすすめするのは「ママやパパの肩たたき」です。
お手伝いは、ママやパパの負担を減らすためのもの。肩たたきは直接的に負担を減らすわけではありませんが、ママとパパの体の負担を減らすという意味では、お手伝いに入るのかもしれません。
子どもの肩をたたく力は幼いときは弱く、子どもが大きくなるにつれてどんどん強くなっていきます。親が子どもの成長を実感することができる、スキンシップの一環となります。
また子どもに叩いてもらっていると、「気持ちいい」、「ちょっと痛いかな」、「もっと強くしてほしい」というようなときがありますよね。ママとパパでもちょうど良い力加減も変わり、その発見は「ある人によって心地よくても、ある人によっては痛みに感じる」ということを知ることになるでしょう。それは人間関係でも役立つかもしれませんね。
ありがとう・助かったよの言葉が自己有用感につながる
何かお手伝いをしてくれたら、「ありがとう」とお礼をぜひ言ってあげてください。自己有用感は、「誰かの役に立っている」、「誰かに必要とされている」という感覚。お礼の言葉なしでは、自己有用感は育まれないのです。
また、「ありがとう」の後に「〇〇くんがいてよかった」、「〇〇ちゃんがいて助かったよ」などと付け加えてあげると、より実感をしやすくなります。少し大げさかもしれませんが、親に自分の存在を肯定してもらえて、嬉しくない子どもはいません。より自己有用感が高まるでしょう。
自己肯定感との違い
前述したように自己有用感は「自分の存在が誰かの役に立てている」、「周りに貢献できている」という感覚です。自己肯定感とは似ているように聞こえるかもしれませんが、意味はちがいます。
自己肯定感は、その名の通り、自分を肯定する気持ちです。さらに言うと、「自分には長所もあれば、短所もあり、それらすべてを含んで、自分がかけがいのない存在だ」と肯定する気持ちのことです。
自己有用感は「誰かの役に立っている」という他人からの評価で高まるもので、他人の存在が前提です。自己肯定感は、自分が自分をどう受け止めているのかです。
しかし、自己有用感が高まっていくにつれ、「自分には価値がある人間だ」という自分で自分を肯定する感覚が身についてきます。つまり自己有用感を上げることは、自己肯定感にもつながってくるのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。子どもの成長に欠かせない自己有用感についてお伝えしてきました。
自己有用感は、「誰かの役に立てている」という感覚であり、子どもの自信や、他人への接し方に影響を与えます。
子どもの自己有用感を育てたいならば、家のお手伝いを任せることがおすすめです。お手伝いをしてくれたら、いっぱいお礼を言ってあげましょう。自己有用感が高まるにつれて、ありのままの自分を自分で受け入れる自己肯定感も育まれます。