ひな祭り、桃の節句ってなに?文化的な背景を親子で学んで、子どもと楽しく迎えよう!
最終更新日:2021/02/09
子どもにひな祭りがどんなイベントか説明できますか?
「あかりをつけましょ ぼんぼりに」の歌でおなじみのひな祭り。桃の節句とも呼ばれています。
女の子のいるおうちでは、ひな人形を飾ったり、ちらし寿司やはまぐりのお吸い物を食べたりします。幼稚園や保育園などでは、手作りのひな人形を作ったり、その日の給食にひなあられが出たりするのではないでしょうか。
では、皆さんは、ひな祭りがどんなイベントか説明することができますか。なぜ、ひな人形を飾るのでしょうか。ひな人形は何を表しているのでしょうか。子どもに聞かれたときに、スマホで調べて答えるよりも、前もって知っておいて、さらっと答えたらかっこいいですよね。
今回は、ひな祭りの由来やお祝いにどんなことをすればいいのかをご紹介いたします。
ひな祭りの文化的な背景
ひな祭りの由来は諸説ありますが、その中でも有力な説は、中国で行われていた「上巳の節句」が日本に伝わってきたというものです。
元々は自分の邪気や厄を人形にうつし、川に流して、邪気や厄を払うための行事であり、これを「流し雛」と呼んでいました。この「流し雛」は長いこと行われていましたが、はじめは紙や藁でできていた人形が時代とともに豪華になり、川に流すものではなく家に飾るものとなりました。
これが今のひな人形となり、貴族の中で流行していたおままごと遊び、「ひな遊び」と合わさって、ひな祭りとなったと言われています。
また、ひな祭りを3月3日と定め、女の子の健やかな成長と幸せを願う日としてなったのは江戸時代の頃からです。
ひな人形はいつから始まったの?
ひな人形の由来は、前述したように「流し雛」と「ひな遊び」であり、今のようにひな人形を飾るようになったのは、江戸時代頃からです。
もともと貴族の文化であったひな人形ですが、江戸時代には武家社会にも広がりました。公家の女性が、武家にお嫁に行くことがたびたびあり、そのときに嫁入り道具としてひな人形を持参したのです。
そして、徳川吉宗が将軍だった頃には、好景気だったこともあり、ひな人形はより一層豪華になったようです。
ひな人形はいつからいつまで飾るの?
では、ひな人形をいつから飾ればいいか知っていますか。
飾り始めは、立春である2月3日頃が目安です。ひな祭りまでちょうど1カ月前頃です。二十四節気の雨水という日である2月18日頃に飾れば、良縁に恵まれるのだそうです。
慌てて、前日の3月2日に飾るのは、「一夜飾り」と言われ縁起が良くありません。少なくとも1週間前には飾りましょう。
そして、いつまで飾れば良いのでしょうか。3月中旬の天気のいい湿気の少ない日がベスト。これは人形に湿気を残さないためです。
春の訪れを少しずつ感じられるようになる3月5日頃の啓蟄という日に片付けるのが良いとされています。
「ひな祭りが終わったらすぐに片付けないといけない」とよく言われますが、これはひな人形を傷めないためであり、「早くしまわないと婚期が遅れる」というのは迷信のようです。
ひな人形にはどんな種類があるの?
ひな人形には大きく分けて2種類があります。京都で作られる「京雛」と、関東で作られる「関東雛」です。
京雛は左側にお内裏様、右側にお雛様が座っており、顔は目が細めでおっとりしています。関東雛は、京雛と反対に、右側にお内裏さま、左側にお雛様が座っており、はっきりめの顔立ちになっています。
座る場所が反対なのは、かつての宮廷では左側に座るほうが位が高いとされていたためで、京雛はお内裏様が左、お雛様が右となっています。関東雛は現代の国際基準に合わせて、右側が上位となっているらしいです。
ひな祭りにはどんなお祝いをしたらいいの?
ひな祭りの一般的なお祝いの仕方は、ひな人形を飾る他に、ちらし寿司やはまぐりのお吸い物を食べたりすることです。
なぜこれらを食べるのでしょう。ちらし寿司はいろんな具材を混ぜ合わせることから、将来食べるものに困ることがありませんようにという願いが込められています。
はまぐりのお吸い物にも同様に願いが込められています。はまぐりの貝殻のようにぴったりと合うパートナーが見つかりますようにという願いです。
ひな祭りでは、これらの食べ物を作って、家族で楽しく、女の子の健やかな成長と幸せを願いましょう。
ひな祭りの背景を知った上で楽しめると、教養にもつながる
ここまで、ひな祭りの文化的な背景を紹介してきました。ひな祭りに限ったことではありませんが、行事は何もしなければ他の普通の日と変わりがない1日です。
ひな祭りがどんな経緯で今に至って、なぜ今の形になってきたのかを知ると、行事を単に楽しむだけでなく、学びのきっかけとなります。知育は楽しみながら学ぶこと。行事を通して、知育的な歴史の勉強となるといいですね。
行事は、楽しむだけでなく、その由来や文化を学ぶ機会となります。これをきっかけに、歴史について知ることが楽しくなるかもしれません。研究者の道を志す子も出てくるかもしれませんね。
おうちでひな祭りを楽しむ方法
ひな祭りは、家族でお祝いできる行事です。ここからはひな祭りの楽しみ方を紹介していきます。ぜひ一緒に楽しんで、お子さんの知見を開く機会にしてあげましょう。
①親子でひな人形を飾ろう
まずは、親子でひな人形を飾ることです。
ひな人形は高価で、繊細なもの。できたら子どもの手ではあまり触れてほしくないですよね。しかし、できる範囲で子どもにお手伝いをさせてあげてください。ママ、パパと一緒にひな人形を飾ったというだけで大きな行事となります。
でもやはり幼い子どもにひな人形を触れさせたくないという方もいますよね。また、ひな人形がないお家もあります。そんな場合は、ひな人形を手作りしてみてはいかがでしょう。
たとえば、折り紙で作ることができます。自分で作ったひな人形は、本物のひな人形よりも思い入れがあり、ひな祭りの思い出もより深く刻まれるのではないでしょうか。
②ひな祭りパーティーを開こう
次に、ひな祭りパーティーを開くことです。
ちらし寿司やはまぐりのお吸い物をはじめとする、ひな祭りにちなんだ料理を用意して、ひな祭りの歌を歌って、家族でお子さんの健やかな成長と幸せを願ってお祝いしましょう。
最近では、おしゃれなひな祭り料理のレシピがネットで検索すればたくさん出てきます。お子さんと一緒にひな祭り料理を作れば、思い出にもなりますね。
お友だちを呼んでのパーティーもしたいですが、今年は新型コロナウイルスのことも考えて、家族だけでしましょうね。
③ひな祭りにちなんだ絵本を読もう
そして、ひな祭りにちなんだ絵本を読むことです。
ひな祭りがテーマの絵本は多いです。しかし、単にひな祭りの絵本と言っても、さまざまな絵本があります。
『みんなでひなまつり』は小さなお子さんでも、ひな祭りの楽しさを教えてくれる絵本です。『ひなまつりルンルンおんなのこの日』では楽しい物語とは別にひな祭りの知識を教えてくれます。また、『わたしのおひなさま』や『ひなまつりにおひなさまをかざるわけ』ではひな祭りの由来を子どもにわかりやすく教えてくれる絵本です。
行事を楽しむだけでなく、その由来がわかる絵本を読み聞かせをすることで、単に楽しかったという思い出だけでなく、学びの機会にもなるかと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。ひな祭りの文化的な背景と、ひな祭りの楽しみ方についてお伝えしてきました。
今年のひな祭りはぜひパーティーをして、ひな祭りの思い出を作りませんか。その際にひな祭りの由来や知識を話すことで、楽しい記憶と一緒に知識も深く刻まれます。
また、家族でひな祭りの準備や片付けをすることで、家族の絆も深まるでしょう。