子どもと一緒に読みたい春の絵本5選。
最終更新日:2020/03/28
絵本の読み聞かせは、子どもとの思い出になる
皆さんのご家庭では、絵本の読み聞かせをしているでしょうか。絵本の読み聞かせは、親子水入らずで過ごせる特別な時間であり、家族にとっていい思い出を作ることができるでしょう。
子どもが大きくなり、ふと本屋さんに立ち寄ったり、押入れの整理をしたりして、懐かしい絵本に再会したとき「この本、小さい頃、ママがよく読み聞かせてくれたな。」「この本、あの子よく読んでってせがんできたな。」と親子揃って温かい気持ちになります。
絵本にまつわる思い出は、ふと記憶がよみがえってきた時に、親子の絆を呼び起こすきっかけとなるでしょう。
絵本が育む想像力
絵本の読み聞かせは、子どもの脳の発達にとても良いと言われています。語彙が増えたり、集中力が鍛えられたりと、絵本の読み聞かせの効果はたくさんありますが、特筆すべきものは、想像力でしょう。
一言で想像力といっても、絵本の読み聞かせで鍛えられるものには、いくつかの種類があります。
まずは、お話の続きや「もしも」を空想する力です。絵本を読み聞かせした後、子どもたちは「あのお話の続きはどうなるんだろう。」「もしも〇〇がいたら…」と考えます。この空想する機会を通じて、子どもの発想力や創造力が鍛えられるでしょう。
次に挙げられるのは、絵本の中の文章の描写を頭の中でイメージに変換する力です。読解力ともいいます。例えば「森の中には小さな家がありました。」という文章を聞いて、頭の中で周りを木で囲まれた小さな家を想像できる力のことです。これはたくさんの絵本を読むことで培われていきます。
最後は、登場人物の感情を読む力です。感情の描写があったとき、「この感情はどんな感情なのかな。」と子どもながらに考えます。また、登場人物が喜んだり、泣いたりするときにも「どんな気持ちになったんだろう。」「悲しかった?嬉しかった?」と考え、感情を察する体験を積み重ねることで、共感力や相手目線で考える力が養われるでしょう。
春におすすめの絵本
春になると暖かくなり、気持ちも弾みます。それこそ、春に関する本を読むと、その季節の色とりどりを存分に楽しむことができます。
特に春の絵本には、つくしやたんぽぽ、蝶々など身の回りの自然と照らし合わせることができ、子どもの好奇心を刺激するでしょう。
では、ここからは春に読み聞かせしてあげたい、おすすめの絵本をいくつか紹介していきます。
①はらっぱ ららら
まずは「はらっぱ ららら」です。
パステルカラーの優しい色づかいで描かれた自然の中を、黄色いワンピースを着た女の子がクマのぬいぐるみを持ってお散歩します。歌のように語られるストーリーは、読んだ後に子どもが口ずさみたくなるでしょう。作者が子どもの頃に自然の中で体験したことを思い出しながら作られた作品です。
②ふうと はなと たんぽぽ
次に紹介するのは「ふうと はなと たんぽぽ」です。
野原に生きる2匹の子ウサギが春風に誘われた先に出会うのは、春にだけ咲くたんぽぽ。たんぽぽの周りにはてんとう虫やシジミチョウ、ミツバチなどが集まり、その虫たちとお話をします。お話をしているうちに、2匹は自分たちの名前の由来を知ることになります。
この絵本を読んだ後、子供をはらっぱに連れていき、たんぽぽやてんとう虫の視点になって、お話ししてみたくなる一冊です。
③ぽとんぽとんは なんのおと
次は「ぽとんぽとんは なんのおと」です。
この作品は、冬から春への移り変わりを、音によって感じる絵本です。冬ごもりの中、お母さんグマは2匹の坊やを産みます。やがて成長した2匹は、聞こえてくる音について、お母さんに尋ねます。子グマの成長とともに音も変化していき、子グマの質問へのお母さんの答えがとても優しく、印象的な一冊です。
冬の間、あまり外遊びができず、暖かくなる春を待つ子どもに自然の変化を伝えられる、ぴったりの絵本です。
④春(新版・ふれあいしぜん図鑑)
次は「春(新版・ふれあいしぜん図鑑)」です。
これは絵本ではなく、春の虫や草花、行事などが詳しく紹介されている図鑑です。この本を読んだ後にお散歩をすれば、「あっ!あの本で見たやつだ」と子どもの知的好奇心が刺激できるでしょう。
反対に知らないものを見たときに、この本で調べることもでき、わからないことがあったら自分で調べるという習慣を身につけることもできます。
「ふれあいしぜん図鑑」は春だけでなく各季節ごとにシリーズ化されています。お子さんが春を気に入ったなら、他の季節を集めるのもいいかもしれませんね。
⑤ランドセルがやってきた
最後に紹介するのは「ランドセルがやってきた」です。
春のポカポカ陽気に誘われて、草木が冬から目覚める季節でありますが、同時に人生の節目、入学の時期でもあります。この絵本はもうすぐ小学校に入学する子どものワクワクやドキドキを描いた作品です。
ランドセルを背負って興奮する主人公のうみひこくんに、絵本を読み聞かせしてもらっている子どもは共感し、ママやパパは子どものこれからに想いを馳せるのではないでしょうか。
絵本の読み聞かせのコツ①
親ならば子どもの教育にいいと謳われている本を選びたいところですが、まずは、子どもが興味を示した本を買って、読み聞かせしてあげましょう。ネットで買うのもいいですが、本屋さんで子どもと一緒に選ぶほうが効果的です。
子どもは長い時間、一つの物事へ注目を向けることができません。いくら教育にいいからと言っても、読み聞かせの時間に集中できなければ、意味がありません。
無理に読み聞かせするのは言語道断で、本を嫌いになってしまう原因になりかねません。最初は絵本は楽しいものという認識と、何かに注目し続ける注意力を養いましょう。
また、幼稚園児向けの簡単な絵本であっても、読み聞かせで触れる語彙の数は、日常会話やテレビで触れるそれよりも多いと言われています。子どもが興味を持った本であれば何でも良いというくらいの意識で、絵本の読み聞かせを進めていきましょう。
絵本の読み聞かせのコツ②
読み聞かせの時間をより効果的なものにするためには、淡々と読むのではなく、「このときクマさんはどんな気持ちかな。」と聞いてみたり、「次はどうなるかな。」と予想させてみたりと、対話形式がおすすめです。質問することで、子どもが途中で飽きるのを防ぐだけではなく、表現する力や考える力、言葉を交わす力を養うことができます。
質問のコツは、答えが「イエス」「ノー」にはならないオープンクエッションにすることです。より深く考え、より多く表現することにつながります。
まとめ
いかがだったでしょうか。絵本の読み聞かせで得られる効果と、春に子どもに読んであげたいおすすめの絵本を紹介しました。
絵本の読み聞かせには良い効果がたくさんあります。しかし、それは、お子さんが能動的に聞くからこそ効果が発揮するのであり、強制してしまうと、その効果は少なくなってしまうでしょう。
読み聞かせ方、絵本の選び方を考えてあげることで、「絵本の読み聞かせ」の次のステップである「自分で読む」ということができるようになります。本に親しんだ経験が長いほど、自分一人で読む状態へと移行しやすいとも言われています。
春が来ると人は気分が明るくなります。そんな気持ちの高まりを絵本を通して、お子さんと一緒に感じてみませんか。また、春を描いた本は自然を描写したものが多いため、お子さんの自然に対する好奇心を刺激してくれるでしょう。
春の絵本を通して、お子さんの世界を広げてみませんか。