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とっても大切な「歯」。毎日のケアや虫歯予防、ケアグッズ選びなどキホンを学ぼう!

公開日:2022/11/04
最終更新日:2022/11/03

乳児・子ども時代から大事にしたい「歯」。ずっと健康な歯でいるためには、ケアが欠かせません。でも毎日のこととなると、ケアもついおざなりになりがちです。今回は無理せず楽しくできるケアやケアグッズの選び方、歯の基礎知識などについて、「歯」のプロである歯科衛生士の近松史子先生にアドバイスをいただきました。


◆そもそも「歯」はどうして大切なの?

歯の役割というと、「食べものを噛む」ことが、まず頭に浮かびますよね。小さいころから「よく噛んで食べましょう」と言われるように、消化を助けるためにも「噛むこと」はとても大切。ですが、よく噛むことには、他にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

「噛むこと(咀嚼)は、食べ物を細かくする役割はもちろん、あごの成長にとっても欠かせません。また『噛む』という動作は脳の中枢神経とも関連があり、よく噛むことは精神の安定にもつながります。またよく噛むと満腹中枢が刺激され、満腹感を得やすくなるので、肥満防止にもなります」

一方で歯は、外見や発語にも欠かせないもの。たとえば歯を一本でも失ってしまうと、顔の印象も大きく違ってしまうこともありますし、言葉を話すときに違和感を感じる場合も。もちろん、「物を噛む」という機能が大きく低下してしまいますし、左右のバランスが崩れ、やがてかみ合わせも悪くなっていってしまいます。

物を噛むというだけでなく、健康面や外見、精神面に至るまで、想像以上にたくさんの役割がある「歯」。となるとなおさら、大切な歯をどうやって守るかは、大きな課題となってきます。

 

とっても大切な「歯」。毎日のケアや虫歯予防、ケアグッズ選びなどキホンを学ぼう!

◆歯のケアはいつから始める?
乳歯は生後6カ月ごろから生え始め、2歳半から3歳くらいまでに20本が生え揃います。そして5歳を過ぎると少しずつ乳歯が抜け、小学校高学年までには永久歯に生え変わります。では、歯のケアはいつから始めたらよいのでしょう。近松先生によると、「乳歯が1本でも生えてきた時期がケアのはじめ時」なんだそう。

「乳歯の下には永久歯がすでにスタンバイしています。『乳歯が虫歯になっても、そのうちきれいな永久歯に生え変わるから大丈夫』と思われる方もいらっしゃると思いますが、乳歯が虫歯になると、あとで生えてくる永久歯も虫歯になりやすくなるんです。何より虫歯があると、お口の中は虫歯菌がいっぱいの状態になってしまいます。お口の健康を守るためにも、早いうちからケアをして、虫歯にさせないことが大切なんです」。

でも、そんなに早いうちからケアを始めないといけないなんて、忙しい子育ての毎日にはちょっとプレッシャーも……。

「いえいえ、そんなに堅苦しく考える必要はありません。人間の身体ってうまくできていて、たとえば乳歯が生え始める時期はよだれ(唾液)もよく出ますよね。実はよだれには自浄作用があって、赤ちゃんのお口のなかをきれいに保つ役目を担っています。よだれが多いとスタイをしょっちゅう変えてあげないと、と面倒に思いがちですが、『よだれが多いこと』が、実はお口の健康につながっていることがわかれば、スタイをまめに変えることもお洗濯も、ちょっと楽しくなりませんか?こうしてプラスに考えながら、同時に歯のケアも少しずつすすめていこう、という意識を持つことが大事だと思います」

◆お口のなかをキレイに保つことがいちばんの虫歯予防に
よだれは自然な自浄作用につながりますが、それにプラスして、ごはんのあとに白湯を飲ませてあげるだけでも、お口の中をきれいに保つ効果があるんだそう。

「離乳食もそうですが、果汁を飲んだあとのお口のなかは酸性が強くなります。酸は虫歯菌を増やす要因。ですから、歯のケアにあたっては『お口の中が酸性になっている時間をいかに減らすか』ということが大切なんです」

大人も食事や味の濃い飲み物を飲んだあとにお水を飲んだりうがいをするとお口のなかがさっぱりしますよね。それは赤ちゃんや乳児も同じこと。うがいができないかわりに白湯を飲ませて、お口のなかをさっぱりさせてあげるだけでも、歯をケアする上では大きな効果が期待できます。

◆小児歯科での定期健診も習慣づけて
歯医者さんといえば、「虫歯になったら行くところ」というイメージを持つ方も多いと思いますが、近年では「治療」と同時に「予防」を大切にしている歯医者さんが増えてきているそうです。

「とくに子どもの場合、虫歯になる前に定期的に歯医者さんに通って、お口全体の健康チェックを受けながら、虫歯を予防するフッ素を塗ってもらうことをおすすめします。こうして虫歯を防げば、痛い治療を受ける必要もなくなります。歯医者さんがマイナスイメージを持たれがちなのは、治療時の痛みや音などで恐怖心を持ってしまうから。お口のチェックと予防だけなら痛くはありませんし、お口のなかがキレイなら先生にほめてもらえます。小さい頃から定期的に歯医者さんに通うことは、メリットがたくさんあるんですよ」

近松先生によると、通い始めの目安は1歳前。最近は小児歯科も増えているので、ママ友などの口コミなども活用して、早めにかかりつけの歯医者さんを見つけておくとよいですね。

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◆歯ブラシはいつから使う?
最初の乳歯(下の歯)が生え始める時期は、食事のあとで白湯を飲ませたり、ガーゼで歯の汚れをぬぐってあげるだけで大丈夫ですが、上の歯が生え始めたら、歯ブラシを使ったケアを始めるとよいそうです。

「最初は磨くというよりも、歯ブラシを持たせて口に入れることに抵抗感をなくすことが、歯ブラシケアのポイントです。『食事の後は歯ブラシを持つ』ということを習慣化することで、歯磨きすることが当たり前という感覚を養ってあげましょう」

幼児用の歯ブラシはハンドルが丸かったり、口の奥に入らないようにストッパーがついているなど、安全性を考慮した製品を選ぶようにしましょう。磨き方にはポイントはあるのでしょうか?

「歯に90度の角度で歯ブラシを当てて磨くことが大切なのは大人も子どもも変わりませんが、小さなお子さんはあまり上手にはできないでしょう。あくまでも最初は、歯ブラシを口に入れる習慣をつけることが重要なので、遊び感覚で歯ブラシを持たせてあげて、最後にお母さん、お父さんが、ささっと仕上げ磨きをしてあげましょう」。

双子のお子さんを持つ近松先生。お子さんが小さい頃は、幼児用歯ブラシをたくさん用意して、おもちゃを選ぶように歯ブラシを選ばせて、歯ブラシを口に入れる習慣を養っていったそうです。

◆うがいができるようになったら歯磨き粉も使いましょう
歯磨き粉は、歯の汚れを効果的に落とす役割や、虫歯菌から歯を守る役目を担っています。うがいができるようになったら、歯磨き粉を使って歯を磨くようにしましょう。歯磨き粉を使うときのポイントを近松先生に教えていただきました。

「大切なのは適量を守ること。歯磨き粉にはフッ素が配合されていますが、年齢によってフッ素の上限が決められています。子ども用の歯磨き粉は、必要以上のフッ素が口に入らないように配分が計算されていますので、子ども時代は年齢に応じた子ども用の歯磨き粉を使ったほうがよいでしょう」

なるほど。子ども用の歯磨き粉は味だけではなく、成分も子どもに合わせて配合されているのですね!

◆電動歯ブラシやフロスは使ってもいいの?
電動歯ブラシを使い始めるともう手放せない!という方も多いのですが、子どもも使ってもよいのでしょうか?

「子ども用の電動歯ブラシもあるので、もちろん使ってもOKですが、手で磨くのも電動も、歯に90度の角度でブラシを当てて正しく磨くことが基本です。電動だから自動的にキレイになるというわけではありません」。

歯ブラシの種類に関わらず、まずは「正しい歯磨きのしかた」を身につけることが大切なんですね。一方で、歯間のケアは「大人になってから」というよりむしろ子どものころから行った方が良いんだそう。

実は、乳臼歯は永久歯よりも丈が短く、形が違うので、隣の歯と接する面が大きいのだそう。そのため、歯と歯の隙間から虫歯になりやすく、しかも表側から見えない内部で虫歯が進行してしまうこともあるんだそう。

「だからこそ、歯の間のケアはしっかり行ってほしいですね。歯間ブラシは子どもの歯の間には入りにくいので、使うのであればフロスがおすすめです」

誰にとっても「歯」は一生モノ。大人になってから歯の健康に悩まされないためには、子どものころからしっかりと歯の大切さを意識して、歯のケアを習慣にしていくことが大切です。
最後にもう一度、子どもの歯のケアについてのポイントを振り返りましょう!

とっても大切な「歯」。毎日のケアや虫歯予防、ケアグッズ選びなどキホンを学ぼう!

●ケアは早めに。遊び感覚で
遊び感覚で歯のケアを習慣づけることが大切。磨かせなきゃ!早くケアしないと大変!などと神経質に考えず、親子で楽しく歯磨き習慣を身につけていきましょう。

●小児歯科は治療ではなく予防
小児歯科は、虫歯ができてから行くのではなく、予防のために通う場所、という感覚で。

●グッズ選びも楽しもう!
おもちゃを選ぶように、歯ブラシも楽しく選びましょう。今は機能的で安全な幼児用歯ブラシがたくさんあります。また、歯磨き後やおやすみ前に食べることで虫歯を予防する、キシリトールやフッ素配合の子ども用タブレットも市販されています。歯磨き以外にも虫歯を予防するグッズを活用するのもおすすめです。

●お口のなかがキレイだと気持いい
歯磨きが習慣づくと、お口のなかがキレイだと気持がいいという感覚が芽生えます。これは逆に言えば、「歯磨きをしないと何となく気持ちが悪い」という感覚。子どもの頃からこうした感覚を養っておけば、その後も歯磨き習慣が当たり前になり、おのずと虫歯のない健康なお口を保つことができるのです。


プロフィール
近松史子先生
専門学校卒業後、歯科衛生士として18年間、街の歯科クリニックに勤務。6年前より新東京歯科衛生士学校の教員となり、歯科衛生学部で将来の歯科衛生士たちを育成している。指導する際のモットーは、歯科衛生士の仕事のやりがいや楽しさを伝えること。3人のお子さんの子育てをしながら18年間歯科衛生士を続けてきた自身の体験談を交えつつ、歯科衛生士の仕事の魅力や長く続けるコツを伝授している。

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